広告 共有持分

共有持分の贈与契約書【ひな形付き】書き方・登記申請・贈与税の計算・売却との比較を徹底解説

目次

共有持分の贈与には、(1)贈与契約書の作成、(2)登記申請書の作成・提出の2つの手続きが必要です。契約書は当事者間で「あげる・もらう」の合意を残す書面、登記申請書は法務局に提出して名義を変える公的な書類です。

この記事では、初めての人でも自分で進められるよう、契約書のひな形・登記申請書の記載例・税金の計算・よくあるミスまでをステップごとに解説します。「身内だから口約束で大丈夫」と考えて後悔しないために、必要な知識をすべて押さえてください。

この記事で分かること

  • 共有持分の贈与契約書に必須の5つの記載項目
  • 実際に使える契約書のひな形(土地・建物・持分割合の記載例)
  • 登記申請書の正しい書き方(持分全部・一部の書き分け)
  • 贈与税の具体的な計算方法と節税のポイント
  • 売却・放棄との比較と、あなたに合った選択肢の見極め方

この記事を書いた人

訳あり不動産 買取相談センター 編集部
共有持分・再建築不可・空き家・相続不動産など、売却時に判断が難しい不動産情報を調査・整理する編集チームです。公式情報や公開データをもとに、相談先選びで迷いやすいポイントを中立的にまとめています。

PR|本コンテンツには広告リンクを含みます。掲載内容は各社の公式サイト等で確認できる情報をもとに整理しています。

共有持分の売却で迷ったら

共有持分の売却は「専門業者の無料査定」から

共有持分は権利関係や共有者との調整が問題になりやすく、対応できる業者が限られます。まずは共有持分の買取実績がある専門業者に無料査定を出し、価格と対応を比べるのが近道です。

編集部イチ押し

共有持分の売却に、まずこの1社

ラクウル全国対応

株式会社ネクサスプロパティマネジメント

共有持分・再建築不可・事故物件など幅広い訳あり不動産に対応。AI査定で価格の目安がすぐわかり、スピード重視で整理したい人に向いています。

  • 共有持分をはじめ幅広い訳あり不動産に対応
  • 自社直接買取+AI査定で価格の目安がすぐわかる
  • 弁護士・司法書士と連携し権利関係も相談可
全国対応最短即日査定査定・現地調査無料
無料で査定額を見る 無料・1分で入力完了/しつこい営業なし

あわせて査定を比べたい専門業者

ワケガイ全国対応

株式会社ネクスウィル

共有持分の買取実績を金額付きで公開。士業連携で権利関係の整理も一任できる。

全国対応最短3日で現金化士業連携
無料査定を申し込む
ブリリアント1都3県

株式会社ブリリアント

首都圏の共有持分を、残置物や老朽化ごと現況のまま。最短7日で現金化。

首都圏(1都3県)最短7日残置物そのままOK
無料査定を申し込む

※ 買取価格や対応可否は、物件の所在地・状態・権利関係・登記状況・残置物の有無などで変わります。1社だけで決めず、複数社の査定条件を比較することをおすすめします。

掲載順・掲載内容は当サイト編集部の評価基準(対応範囲・公開情報の充実度・スピード等)によるものです。各社の対応領域は時期により変わる場合があります。

共有持分の贈与とは?まず押さえておきたい全体像

共有持分の贈与とは、共有不動産(複数人で所有している土地や建物)について、自分の持分だけを無償で家族や親族に譲ることをいいます。売買と異なりお金のやり取りがなく、親から子への生前贈与、夫婦間での名義整理、相続対策として行われるケースが大半です。

民法第549条では、贈与は口約束でも成立するとされています。しかし民法第550条で「書面によらない贈与は、各当事者がいつでも解除できる」と定められており、口約束だけでは不安定です。さらに不動産の登記申請には契約書が必須になるため、書面を作成しないと手続きが進みません。

「そもそも共有持分って何?」という方は、以下の記事で基礎を確認しておくと、以後の説明がスムーズに理解できます。

共有持分の贈与が必要になる主な3つのケース

ケース 具体例 狙い
①相続税対策 親が所有する実家の持分を子に贈与し、毎年110万円の基礎控除を活用する 相続財産を減らし、将来の相続税負担を軽減する
②共有名義の整理 兄弟で共有している実家の持分を、将来そこに住む予定の長男に集中させる 共有者を減らし、将来の売却や建て替えをスムーズにする
③生前整理・財産移転 夫婦共有名義の自宅の持分を、配偶者に一本化する 名義を単純化し、将来の手続きを容易にする

贈与・売却・放棄の違い【選択肢比較】

共有持分を手放す方法は、贈与だけではありません。売却と放棄も選択肢に入ります。それぞれの特徴を押さえたうえで、自分に合った方法を選びましょう。

比較項目 贈与 売却(買取) 放棄
現金化 できない(無償) できる(買取価格) できない(無償)
手続きの難易度 中程度(自分で可能な範囲) 易しい(業者が主導) やや複雑(登記が必要)
税金 贈与税(課税される場合あり) 譲渡所得税(利益に対して) みなし贈与税のリスク
他の共有者への影響 不要な限り同意不要 持分のみなら同意不要 持分は他の共有者に帰属
向いている人 親族に財産を残したい人 現金が必要な人・手間をかけたくない人 資産価値が負の財産に近い場合

ポイント

あなたのケースはどれ?

「すでに贈与の話は通っていて、契約書の書き方だけ知りたい」
→ 次の「必須5項目」と「ひな形」のセクションへ進んでください。

「贈与するか売却するか迷っている」
→ 後半の「贈与と売却の徹底比較」セクションをご覧ください。

「税金がいくらになるか知りたい」
→ 「贈与にかかる税金の計算と節税のポイント」セクションへ。

共有持分の贈与契約書に必要な必須5項目

贈与契約書には決まった様式や書式はありません。Wordで作成しても、手書きでも有効です。ただし、以下の5項目は必ず含める必要があります。一つでも欠けると、登記申請のときに法務局から追加を求められたり、税務調査で契約の有効性を疑われたりする原因になります。

No. 記載項目 記載のポイント
1 当事者の住所・氏名 住民票どおり正確に。実印での押印を推奨
2 契約日 贈与の合意が成立した日。作成日と異なる場合は個別に記載
3 贈与の目的物 登記簿どおりの所在・地番・家屋番号・地目・地積・床面積
4 持分割合 分数表記が基本。「甲持分2分の1のうち、持分2分の1を乙に贈与」など
5 贈与の条件・方法・実行日 引渡し時期、登記費用の負担者、固定資産税の按分など

①当事者(贈与者・受贈者)の住所・氏名

贈与者(甲)と受贈者(乙)の住所・氏名は、住民票や印鑑証明書の表記と一字一句違わないよう正確に記載します。「高橋」を「髙橋」と書く、「1丁目」を「一丁目」と書くなどの表記ゆれは、後日のトラブルや登記の却下につながります。

署名は本人による自署が推奨されます。押印は実印を用い、印鑑証明書を添付することで、民事訴訟法第228条第4項により「本人が作成した文書」と推定される効力が生じます。

受贈者が未成年の場合は、親権者などの法定代理人の住所・氏名も併記する必要があります。

②契約日

契約日は、贈与者と受贈者の間で贈与の意思表示が合致し、契約が成立した日を記載します。「贈与を実行した日」ではありません。

契約の締結日と契約書の作成日が異なる場合は、それぞれ個別に記載しておくと、後日税務署から日付の整合性を問われたときに説明しやすくなります。

③贈与の目的物(不動産の詳細情報)

贈与する不動産を第三者が見ても特定できるよう、登記簿(全部事項証明書)の記載どおり正確に転記します。

区分 記載項目
土地 所在・地番・地目・地積
建物(家屋) 所在・家屋番号・種類・構造・床面積(各階ごと)

ここで特に注意したいのは、住所(住居表示)と地番は異なるという点です。「東京都○○区△△1-2-3」というのは住居表示であり、登記上の地番は「△△字123番1」のように異なる表記になることがあります。登記簿を確認せずに住所を書いてしまうと、法務局で却下される原因になります。

④持分割合の書き方

共有持分の贈与で最も重要なのが、この持分割合の記載です。以下のように、贈与する持分の範囲を明確にします。

パターンA:自分が持つ持分の「全部」を贈与する場合
「甲は、甲が持分を有する下記不動産の持分全てを乙に贈与する」

パターンB:自分が持つ持分の「一部」だけを贈与する場合
「甲は、甲が所有する下記不動産の共有持分4分の3のうち、持分4分の1を乙に贈与する」

持分割合の表記は分数で統一するのが一般的です。登記簿上の表記と齟齬がないように注意しましょう。小数(0.5)やパーセント(50%)は避けてください。

持分割合の決まり方について詳しくは以下の記事をご参照ください。

⑤贈与の条件・方法・実行日

贈与に条件がある場合(負担付贈与といいます)は、必ず明文化します。代表的なものは以下のとおりです。

  • 住宅ローンの負担:「贈与を受ける代わりに、当該不動産に残る住宅ローン残債のうち○○円を受贈者が負担する」
  • 引渡しの時期:「令和○年○月○日までに現状有姿で引き渡す」
  • 登記費用の負担:「所有権移転登記に必要な一切の費用(登録免許税、司法書士報酬等)は受贈者の負担とする」
  • 固定資産税の按分:「公租公課の負担は、持分移転登記完了の日を基準とする。前日までは贈与者が、完了以降は受贈者が負担する」

負担付贈与と通常贈与の違い

比較項目 通常贈与 負担付贈与
受贈者の義務 なし(純粋な贈与) あり(債務引継ぎ・金銭支払い等)
贈与税の計算 財産評価額から110万円控除 財産評価額から負担分を差し引いた額が課税対象
必要な手続き 贈与契約書+登記 負担条件の明確化+金融機関の承諾(ローンがある場合)
トラブルリスク 比較的低い 負担の履行をめぐるトラブルが発生しやすい
専門家の必要性 自分で対応可能な範囲 税理士・司法書士への相談を強く推奨

注意

負担付贈与の扱いは贈与税の計算に影響するため、税理士や司法書士に事前確認することを推奨します。住宅ローンが残っている不動産の持分を贈与する場合、金融機関の承諾(抵当権の目的となっているため)が必要になるケースもあります。承諾なしで登記を進めようとすると、登記ができない可能性があるため注意してください。

共有持分の贈与契約書のひな形【土地・建物・持分割合の記載例】

ここでは、共有持分の贈与に使える契約書のひな形を掲載します。実際の登記簿(全部事項証明書)を確認しながら、該当部分を書き換えて使用してください。

不動産持分贈与契約書

贈与者〇〇〇〇(以下「甲」という。)と受贈者〇〇〇〇(以下「乙」という。)とは、以下のとおり不動産の共有持分について贈与契約を締結する。

第1条(贈与の合意)
甲は、甲が持分を有する下記不動産(以下「本件不動産」という。)の持分のうち、下記のとおり乙に贈与することを約し、乙はこれを受諾した。

<土地>
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
地番 〇〇番
地目 宅地
地積 〇〇.〇〇㎡
(甲持分 2分の1のうち、乙に贈与する持分 2分の1)

<家屋>
所在 〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇合
家屋番号 〇番〇合
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建て
床面積 1階 〇〇.〇〇㎡ 2階 〇〇.〇〇㎡
(甲持分 2分の1のうち、乙に贈与する持分 2分の1)

第2条(負担)
乙は、本件不動産の贈与を受けた負担として、〇〇〇を支払わなければならない。(※負担付贈与の場合のみ記載)

第3条(引渡しと所有権移転登記)
1. 甲は乙に対し、令和〇年〇月〇日までに本件不動産を現状有姿で引き渡す。
2. 甲は乙に対し、前項の引渡しと同時に所有権移転登記手続きを行うものとする。
3. 当該登記に必要な一切の費用は、乙の負担とする。

第4条(公租公課の負担)
本件不動産に課税される公租公課の負担については、所有権移転登記完了の日を基準とする。すなわち、移転登記手続きの前日までは甲が負担し、手続き完了以降は乙が負担する。

第5条(瑕疵担保責任)
本件贈与は無償であり、甲は乙に対し、本件不動産の物理的・法律的瑕疵について一切の責任を負わないものとする。

以上、本契約の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ、各自1通を保有する。

令和〇年〇月〇日

贈与者(甲)
住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
氏名 〇〇 〇〇 印

受贈者(乙)
住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
氏名 〇〇 〇〇 印

ひな形の使い方のポイント

持分割合の記載について

上記のひな形では「甲持分2分の1のうち、乙に贈与する持分2分の1」としています。これは「甲が持つ持分2分の1の全部を乙に贈与する」という意味です。贈与後は、乙が新たな共有者として持分2分の1を取得することになります。

もし甲が4分の3の持分を持っていて、そのうち4分の1だけを乙に贈与する場合は、「甲持分4分の3のうち、乙に贈与する持分4分の1」と記載します。この場合、贈与後は甲が持分2分の1(4分の2)、乙が持分4分の1となり、もう一人の共有者(丙)が持分4分の1を保有している、といった状態になります。

【現場でよくあるミス】持分割合の数字が合わない

実際の相談でよくあるのが、「甲持分2分の1」と登記簿に記載されているのに、ひな形をそのままコピーして「甲持分2分の1のうち、乙に贈与する持分2分の1」と書くべきところを、誤って「甲持分2分の1のうち、乙に贈与する持分4分の1」と書いてしまうケースです。2分の1のうち4分の1を贈与すると、残りが4分の1になり、計算上は成立しますが、贈与後の持分構成が複雑になります。

契約書の数字は、登記簿と照らし合わせながら、贈与後に誰がどの持分になるかを紙に書いて確認してから清書するのが確実です。

マンション(区分所有建物)の場合の注意点

マンションの一室(区分所有建物)の持分を贈与する場合は、上記の土地・建物の記載に加えて、敷地権の表示が必要になります。登記簿の「敷地権の表示」欄に記載されている以下の情報を転記します。

  • 所在・地番・地目・地積
  • 敷地権の種類(所有権・地上権など)
  • 割合(例:1000分の15)

マンションの登記簿は「一棟の建物の表示」「専有部分の建物の表示」「敷地権の表示」の3つで構成されており、記載すべき情報量が一戸建てより多くなります。登記簿を必ず確認し、一字一句正確に転記してください。

収入印紙と確定日付の取得

収入印紙:不動産の贈与契約書は課税文書(印紙税法第1号の1文書)に該当します。贈与契約書には、原則として一律200円の収入印紙を貼り付け、当事者のどちらかが割印(消印)をします。

確定日付:契約書に公証役場で「確定日付」を取得してもらうと、「その日、その文書が確かに存在した」ことを公的に証明できます。相続税対策として暦年贈与を行う場合、贈与が相続開始前何年に行われたかを証明する有力な証拠になります。費用は1通あたり700円です。

共有持分の贈与にかかる税金の計算と節税のポイント

贈与には税金がつきものです。贈与税の計算方法を理解していないと、「贈与した後に思っていたより税金が高かった」という事態になりかねません。ここでは、共有持分の贈与に特化して、評価額の求め方から節税のポイントまでを解説します。

贈与税の課税方式は2種類

贈与税には暦年課税相続時精算課税の2つの方式があります。原則として暦年課税が基本ですが、贈与の目的や金額によっては相続時精算課税を選択したほうが有利なケースもあります。

比較項目 暦年課税 相続時精算課税
基礎控除 年間110万円 2024年1月以降:年間110万円(2023年まではなし)
税率 10%〜55%(累進課税) 一律20%(特別控除後)
対象者 誰でも 直系尊属(親・祖父母)から20歳以上の子・孫
累計管理 なし(毎年リセット) 選択後の贈与額を累計管理(2,500万円の特別控除)
相続時 通常の相続税(3年以内の贈与は加算) 贈与時の評価額を相続財産に加算

共有持分の評価額の計算方法

共有持分を贈与する場合の課税価額(贈与税の計算のベースとなる金額)は、固定資産税評価額×持分割合が基本です。

ただし、共有持分は単独所有の不動産に比べて流通性が低いため、評価額よりも実際には低い価格でしか売れないことが一般的です。税務上の評価額はあくまで固定資産税評価額ベースであり、実際の取引価格とは異なる点に注意が必要です。

【計算例】評価額2,000万円の実家の持分2分の1を贈与する場合

固定資産税評価額:2,000万円
持分割合:2分の1
課税価額:2,000万円 × 1/2 = 1,000万円

この1,000万円が課税価額のスタート地点です。ここから基礎控除や各種控除を差し引いて、実際の課税対象額を計算します。

【税率表つき】贈与税の具体的な計算例

共有持分の評価額が判明したら、実際の税額を計算します。贈与税の税率は、贈与する人と受ける人の関係によって異なります。

一般贈与と特例贈与の違い

種類 対象 税率
特例贈与 直系尊属(父母・祖父母など)から20歳以上の子・孫への贈与 低い(優遇税率)
一般贈与 上記以外(夫婦間、兄弟間、叔父・叔母から甥・姪など) 高い(特例税率より不利)

特例贈与の税率表(令和5年以降)

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% 0円
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

一般贈与の税率表

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% 0円
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

具体的な計算例

ケース1:親から子へ(特例贈与)評価額1,000万円の持分を贈与

課税価額:1,000万円
基礎控除:▲110万円
課税対象額:890万円

税額:890万円 × 40% − 190万円 = 166万円

ケース2:夫から妻へ(一般贈与)評価額500万円の持分を贈与

課税価額:500万円
基礎控除:▲110万円
課税対象額:390万円

税額:390万円 × 20% − 25万円 = 53万円

注意

贈与税の申告と納付は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに行う必要があります。期限内に申告・納付しないと、無申告加算税や延滞税が課されます。

また、暦年課税で贈与した場合、贈与者が亡くなった時からさかのぼって3年以内の贈与は相続財産に加算されます(生前贈与加算)。相続開始前3年以内の贈与は、贈与税を支払っていても相続税の計算にも影響するため、相続対策の場合は長期的な視点が必要です。

配偶者控除(おしどり贈与)が持分贈与でも使える条件

婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用不動産(またはその取得資金)を贈与する場合、2,000万円までの配偶者控除(おしどり贈与)が適用できます。この制度は「居住用不動産」が対象であり、共有持分であっても適用対象となります。

たとえば、夫婦共有名義の自宅の持分(評価額1,200万円)を夫から妻へ贈与する場合、妻の婚姻期間が20年以上であれば、課税価額1,200万円から配偶者控除2,000万円を差し引けるため、贈与税は0円になります(基礎控除110万円と併用可能)。

適用条件の概要は以下のとおりです。

  • 婚姻期間が20年以上であること(贈与を受けた時点で)
  • 贈与を受けた配偶者が実際にその家に住んでいること
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与税の申告書に「配偶者控除の適用を受ける」旨を記載して申告すること
  • 同じ配偶者からこの特例の適用を受けるのは一生に一度だけ

相続時精算課税制度(2024年改正対応)

相続時精算課税制度を選択した場合、2024年1月以降は基礎控除110万円が新設されました。それ以前は基礎控除がなく、累計2,500万円の特別控除のみでしたが、改正により暦年課税と同じ110万円の基礎控除が上乗せされました。

たとえば、評価額1,000万円の持分を相続時精算課税で贈与した場合、基礎控除110万円と特別控除2,500万円の合計で2,610万円までは贈与税がかかりません(ただし将来的に相続税に加算されるため、単純な税金の先送りになります)。

登録免許税と不動産取得税

贈与にかかる税金は贈与税だけではありません。登記にかかる税金も別途必要です。

税金の種類 税率 計算の対象 納付時期
登録免許税 課税価格の2% 固定資産税評価額×持分割合 登記申請時に収入印紙で納付
不動産取得税 固定資産税評価額の3%(標準) 同上 登記後、各都道府県から送付される納付書で納付

登録免許税の計算例:評価額1,000万円の持分を贈与する場合
1,000万円 × 2% = 20万円(登記申請時に現金または収入印紙で納付)

不動産取得税については、夫婦間・親子間の贈与であっても原則課税されます(配偶者控除の特例が適用されても不動産取得税は免除されない場合があります)。ただし、自治体によって軽減措置があるため、管轄の都道府県税事務所に確認しましょう。

贈与と売却、どちらを選ぶべき?【徹底比較】

共有持分を手放す方法として「贈与」を検討している人の中には、「売却したほうが得なのでは?」と迷う方も少なくありません。ここでは、贈与と売却のメリット・デメリットを整理し、あなたにとって最適な選択肢を判断する材料を提供します。

贈与が向いているケース3つ

1. 親族に財産を残したい
親から子、祖父母から孫へ、生活の基盤となる不動産を残したい場合は贈与が適しています。売却して現金化すると、譲渡所得税がかかるうえに、現金を贈与するより不動産のまま贈与したほうが、受贈者が住む場所として活用できます。

2. 相続税対策として長期計画を立てている
毎年110万円以内の贈与を繰り返すことで、相続財産を計画的に減らせます。不動産の持分は評価額が高くなりがちですが、持分割合を細分化することで基礎控除の範囲内に収めることも可能です。

3. 売っても大した金額にならない
共有持分の買取価格は、持分割合で単純按分した金額より大幅に低くなることが一般的です。固定資産税評価額の2〜3割程度になるケースもあり、「売っても数十万円にしかならない」のであれば、親族に贈与するほうが意味があると判断する人もいます。

売却(買取)が向いているケース3つ

1. 現金が必要
最もシンプルな判断基準です。住宅ローンの返済、事業資金、介護費用など、当面の現金が必要であれば売却が優先されます。贈与では現金化できません。

2. 相続人間の公平を保ちたい
兄弟姉妹で共有している実家の持分を一人だけに贈与すると、不公平感が残ります。売却して現金化し、分配するほうが公平で、後々の揉めごとを防げます。

3. 管理の手間をかけられない
贈与しても、受贈者が遠方に住んでいる・管理能力に不安がある場合は、結局あなたに管理負担が残ります。売却してしまえば、管理の手間から完全に解放されます。

贈与と売却の比較表(5軸)

比較項目 贈与 売却(買取)
現金化 不可(無償) 可(買取価格分の現金を受け取れる)
贈与者/売主の税負担 贈与税は受贈者が負担(贈与者には原則課税なし) 譲渡所得税(所有期間5年超なら約20%、5年以内なら約39%)
受贈者/買主の負担 贈与税の申告・納付が必要(基礎控除以下なら申告不要) 購入代金の支払い(買取業者の場合は不要)
手続きの手間 契約書作成+登記申請
自分で可能だが書類が多い
業者が主導
査定・契約・決済まで業者が窓口になる
登記費用 登録免許税2%(固定資産税評価額ベース) 登録免許税2%(土地は1.5%・建物は2%)※売主側では不要
他の共有者への影響 持分なら単独で可能(同意不要) 持分なら単独で可能(同意不要)
向く人の特徴 親族に財産を残したい/相続税対策 現金が必要/管理を手放したい

判断のフローチャート

以下の質問に答えて、自分がどちらの選択肢に進むべきかを確認してみてください。

  • Q1:当面、現金が必要ですか? → はい → 売却 / いいえ → Q2へ
  • Q2:その不動産を特定の親族に残したいですか? → はい → 贈与 / いいえ → Q3へ
  • Q3:管理負担から完全に解放されたいですか? → はい → 売却 / いいえ → Q4へ
  • Q4:贈与税を払ってもメリットがありますか? → はい → 贈与 / いいえ → 売却も検討

売却を検討する場合、共有持分の買取に対応している業者に査定を依頼するのが第一歩です。共有持分は一般の不動産会社では扱えないケースが多く、専門の買取業者を選ぶ必要があります。また、業者によって査定額や対応スピード、契約条件が大きく異なるため、1社だけで決めず複数社を比較することが大切です。

なお、共有持分の売却は、贈与と同じく他の共有者の同意がなくても単独で可能です。ただし、共有者が住んでいる・連絡が取れないなどの事情があると買取後のトラブルリスクが高まるため、業者選びの前に売却の基本的なルールを押さえておくと安心です。

登記申請書の書き方【共有持分贈与の記載例】

贈与契約書を作成したら、次は登記申請書を作成します。贈与による所有権移転登記は、法務局に登記申請書を提出することで完了します。ここでは、共有持分の贈与に特化した登記申請書の書き方を解説します。

「登記の目的」欄は3パターンを使い分ける

共有持分の贈与登記では、「登記の目的」欄の書き方が3パターンに分かれます。贈与する持分の範囲によって適切な書き方を選んでください。

パターン 内容 「登記の目的」の書き方
①全部贈与 自分の持っている持分すべてを贈与する 「共有持分全部移転」
②一部贈与 自分の持っている持分のうち一部だけ贈与する 「共有持分一部移転」
③共有者全員の持分を一人に集中 複数の共有者がそれぞれの持分を一人に贈与する 「共有持分全部移転」を各人ごとに申請

登記申請書の各欄の書き方

登記申請書の書式は法務省令で定められています。各欄の記載方法は以下のとおりです。

記載内容 具体例
登記の目的 上記3パターンのいずれか 「共有持分全部移転」
原因 「令和○年○月○日贈与」と記載 「令和6年11月1日贈与」
権利者(受贈者) 受贈者の住所・氏名 「東京都○○区○○町1-2-3 ○○ ○○」
義務者(贈与者) 贈与者の住所・氏名 「埼玉県○○市○○町4-5-6 ○○ ○○」
添付情報 登記原因証明情報・印鑑証明書・委任状など 「登記原因証明情報、印鑑証明書、委任状」
課税価格 固定資産税評価額×持分割合 「金10,000,000円」
登録免許税 課税価格×2% 「金200,000円」

登記申請書のひな形(記載例:共有持分全部贈与)

実際の登記申請書のイメージです。以下の記載例を参考に、実際の物件情報に置き換えて作成してください。

登記申請書

登記の目的 共有持分全部移転
原  因  令和6年11月1日贈与
権 利 者  【受贈者の住所・氏名】
義 務 者  【贈与者の住所・氏名】

添付情報  登記原因証明情報
印鑑証明書(義務者)
委任状(代理人が申請する場合)

課税価格  金10,000,000円
登録免許税 金200,000円

不動産の表示
【土地】
所在 東京都○○区○○町1丁目
地番 123番
地目 宅地
地積 150.00㎡

【建物】
所在 東京都○○区○○町1丁目123番地
家屋番号 123番45
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建て
床面積 1階 80.00㎡ 2階 70.00㎡

令和6年11月○日
上記申請人
住所 【贈与者の住所】
氏名 【贈与者氏名】  印

【受贈者の住所】
氏名 【受贈者氏名】  印

管轄 東京法務局○○支局 御中

オンライン登記申請の手順

2026年現在、登記申請は書面申請(窓口提出)オンライン申請の2つの方法があります。オンライン申請は、法務局の「登記・供託オンライン申請システム」を利用して行います。

オンライン申請の主な流れは以下のとおりです。

  1. 利用者登録:法務局のオンライン申請システムに利用者登録をする(事前に申請書類の提出が必要)
  2. 申請データの作成:専用ソフトまたはWebブラウザで申請データを作成する
  3. 申請データの送信:作成したデータをシステム経由で送信する
  4. 登録免許税の納付:現金の代わりに、電子納付(ペイジー等)で登録免許税を納付する
  5. 審査・完了:法務局の審査を経て、登記が完了する(完了したらメール通知)

オンライン申請のメリットは、窓口に行く手間が省けることと、審査が比較的スムーズに進むことです。ただし、初めての場合は操作に戸惑うことも多いため、書面申請で慣れてからオンライン申請に切り替えるのが無難です。

登記原因証明情報の書き方【2パターン】

登記原因証明情報とは、「なぜこの登記をするのか」を証明する書類です。贈与登記の場合、登記原因は「贈与」であり、その事実を証明する書類が必要です。実務上は2パターンの書き方があります。

パターン①:贈与契約書で兼用する(実務で最も多い)

最も一般的な方法は、先ほど作成した贈与契約書を「登記原因証明情報」として兼用する方法です。贈与契約書の冒頭または末尾に、「この書面は登記原因証明情報とする」と記載すれば、別途書類を作成する必要はありません。

契約書に以下の一文を追加してください。

「上記の贈与契約書は、不動産登記法第61条に基づく登記原因証明情報として提出する。」

パターン②:別途「報告形式」で作成する(契約書がない場合)

口約束で贈与が成立している場合や、契約書を作っていない場合は、登記原因証明情報を別途作成する必要があります。この場合は、以下のような「報告形式」の書面を作成します。

登記原因証明情報

令和6年11月1日、私(贈与者)は、下記不動産の共有持分について、受贈者に対し、無償で贈与する旨の意思表示を行い、受贈者はこれを受諾した。よって、上記の贈与契約は成立した。

以上証明する。

令和6年11月○日

上記贈与者
住所 【贈与者の住所】
氏名 【贈与者氏名】 印

上記受贈者
住所 【受贈者の住所】
氏名 【受贈者氏名】 印

ポイント

登記原因証明情報のポイント

登記原因証明情報は、法務局の審査において登記の適法性を判断するための重要な書類です。以下の点に注意してください。

日付は契約書と一致させる:契約書の日付と登記原因証明情報の日付が異なると、審査で問い合わせがあります。
署名または記名押印:必ず当事者の署名または記名押印をします。
代理人が申請する場合:司法書士に依頼する場合は、司法書士が登記原因証明情報を作成することもあります。

共有持分贈与登記に必要な書類一覧

登記申請に必要な書類は以下のとおりです。事前に揃えておくことで、申請がスムーズに進みます。

No. 必要書類 取得先 備考
1 登記申請書 自分で作成 法務局の窓口で用紙をもらうか、オンラインで作成
2 登記原因証明情報 自分で作成 贈与契約書で兼用可
3 贈与者の印鑑証明書 市区町村役場 発行後3か月以内のもの(実印が必要)
4 贈与者の登記済証(権利証)または登記識別情報 前回登記時に交付済み 紛失した場合は別途手続きが必要
5 固定資産評価証明書 市区町村役場 登記の対象となる年度のもの(登録免許税の計算に使用)
6 委任状 自分で作成 代理人(司法書士など)が申請する場合に必要
7 登録免許税 収入印紙または現金 申請書に収入印紙を貼って提出(オンライン申請の場合は電子納付)

登記識別情報(権利証)を紛失した場合の対処法

「登記識別情報」または「登記済証(権利証)」を紛失している場合、そのままでは登記申請ができません。以下の手続きが必要になります。

  1. 事前通知制度の利用:法務局から贈与者(義務者)宛てに登記申請の事前通知が送付される制度。贈与者がその通知に回答することで、権利証の代わりとする方法。費用はかからず、手続きも比較的簡単
  2. 司法書士による本人確認:司法書士が贈与者の本人確認と登記申請の意思確認を行い、その結果を証明する書面を提出する方法。司法書士に依頼するため報酬が発生するが、確実に手続きを進めたい場合におすすめ
  3. 公告手続き:権利証を紛失したことを官報で公告する方法。費用と時間がかかるため、事前通知制度や司法書士の本人確認が使えない場合の最終手段。

【現場でよくあるケース】権利証が見つからず、相続人が困惑した実例

父が所有する実家の持分を長男に贈与する話がまとまり、いざ登記をしようとしたところ、父の書類整理をしていた長男が「権利証(登記識別情報)が見つからない」と相談に来たケースがありました。

父は20年前に登記手続きをして以来、権利証の存在を忘れてしまっており、書類の山の中を探しても見つからない。このままでは登記ができないのではと長男は焦っていました。

結論としては、法務局の「事前通知制度」を利用することで、権利証がなくても登記ができました。手続きの流れは、法務局から父宛てに「登記申請の事前通知」が郵送され、父がその通知に署名・押印して返送するだけ。費用は0円で、書類もシンプルでした。

もし父が認知症などで本人確認が難しい状態だった場合は、事前通知制度が使えず、司法書士による本人確認(報酬別途)か公告手続き(時間と費用がかかる)に頼らざるを得ませんでした。本人の意思能力が明確なうちに、権利証の保管場所も含めて整理しておくことの重要性がわかるケースです。

権利証が見つからない場合は、まず事前通知制度を利用するのが最も現実的な方法です。法務局の窓口で「登記識別情報を提供できない理由」を申告し、所定の手続きを行ってください。

【ここが肝心】素人が間違いやすい5つのポイント

贈与契約書や登記申請書の作成で、素人が陥りやすいミスを5つにまとめました。小さなミスでも登記が却下されたり、後日トラブルの原因になったりします。

間違い①:「登記の目的」欄を「所有権移転」と書いてしまう

最も多いミスです。「所有権移転」と書いてしまうと、不動産全体の所有権移転(単独所有の不動産を丸ごと売買した場合など)を意味してしまいます。共有持分の贈与では、「共有持分全部移転」または「共有持分一部移転」と正確に書き分けましょう。

逆に、「共有持分全部移転」は「持分の全部を移す」という意味であって「不動産全体を移す」意味ではないため、誤解しないように注意が必要です。

間違い②:地番と住居表示を混同する

「東京都○○区△△1-2-3」というのは住居表示であり、登記上の地番は「△△字123番1」のように異なる表記になるのが一般的です。契約書や登記申請書は登記簿上の地番・家屋番号で書く必要があります。

地番を確認するには、法務局で取得する全部事項証明書(登記簿謄本)を確認するのが確実です。固定資産税の課税明細書にも地番が記載されています。

間違い③:持分割合の記載が登記簿とズレている

登記簿に「持分2分の1」とあるのに、契約書に「持分50%」と書いたり、「持分0.5」と小数で書いたりするケースがあります。法務局の登記は分数で管理されているため、契約書や登記申請書も分数で統一してください。

また、同一物件に複数の共有者がいる場合(A:2分の1、B:4分の1、C:4分の1など)、贈与する持分が誰のどの範囲かを特定できるように書く必要があります。

間違い④:贈与者の住所が登記簿と異なる

登記簿に記載されている住所と、現在の住所が異なる場合があります。引っ越しや町名変更などで住所が変わっていると、住所変更登記(登記名義人住所変更登記)を先に行わなければ、贈与登記が受理されません。

登記簿上の住所と現在の住所が異なる場合は、贈与登記の前に住所変更登記を申請する必要があります。この手続きには登記簿上の住所と現在の住所を結びつける書類(戸籍の附票など)が必要です。

間違い⑤:修正液・修正テープの使用

登記申請書に修正液や修正テープを使うと、法務局で受理されません。文字を間違えた場合は、訂正印(二重線を引き、その上に訂正印を押す)で対応します。誤字が多くて訂正が目立つ場合は、最初から書き直すことをおすすめします。

同様に、契約書でも修正液や修正テープは避け、訂正印で対応するのが安心です。

共有持分の贈与に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 共有持分の贈与に他の共有者の同意は必要ですか?

必要ありません。自分の持分だけを贈与する場合、他の共有者の同意は不要です。これは民法第249条で「各共有者は共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる」とされ、持分の処分(売却・贈与・放棄など)は各共有者が単独でできるとされているからです。

Q2. 贈与契約書がない場合、登記はできないのですか?

登記は可能ですが、別途登記原因証明情報が必要です。贈与契約書がない場合でも、口約束で贈与が成立していれば、登記原因証明情報として「報告形式」の書面を作成することで登記申請が可能です。ただし、後日のトラブル防止のため、契約書は作成しておくことを推奨します。

Q3. 共有持分の贈与登記にかかる費用はいくらですか?

主な費用は以下の3つです。①登録免許税:固定資産税評価額×持分割合×2%、②収入印紙:契約書に200円、③固定資産評価証明書の取得費用:200〜400円程度(市区町村による)。自分で手続きする場合の合計は、評価額1,000万円の持分で約20万200円〜20万400円が目安です。

Q4. 夫婦間で居住用不動産の持分を贈与する場合、税金はかからないと聞きましたが本当ですか?

条件を満たせば、贈与税はかかりません。婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産(持分を含む)を贈与する場合、配偶者控除(おしどり贈与)の適用で2,000万円まで非課税になります。ただし、贈与税の申告は必要です。また、不動産取得税や登録免許税は別途かかります。

Q5. 贈与契約は口約束でも有効ですか?

民法上は口約束でも贈与契約は成立します。ただし、民法第550条により、書面によらない贈与は各当事者がいつでも解除できるため、非常に不安定です。登記申請には登記原因証明情報が必要になるため、実務上は書面(契約書)を作成するのが確実です。

Q6. 贈与するよりも売却したほうが得なケースはありますか?

あります。主に以下の3つのケースです。①当面の現金が必要な場合、②相続人間の公平を保ちたい場合、③管理の手間をかけられない場合。贈与税が高額になるケース(評価額が大きい持分を一般贈与する場合など)も、売却して譲渡所得税を払ったほうが手元に残る金額が多くなることがあります。詳しくは本記事の「贈与と売却の徹底比較」セクションをご覧ください。

Q7. 共有持分の評価額はどのように計算しますか?

贈与税の計算に使う評価額は、固定資産税評価額×持分割合が基本です。固定資産税評価額は、毎年市区町村から送付される固定資産税の課税明細書で確認できます。ただし、共有持分の場合は市場価値が持分按分よりも低くなることが一般的ですが、税務上の評価額は固定資産税評価額ベースで計算します。

Q8. 司法書士に頼んだほうがいいですか?自分でできますか?

自分でも可能ですが、以下の場合は司法書士に依頼することを推奨します。①権利証(登記識別情報)を紛失している場合、②登記簿上の住所と現在の住所が異なる場合、③共有者が複数いて持分割合が複雑な場合、④数次相続が絡んでいる場合、⑤抵当権などの担保権が設定されている場合。自分でやる場合の司法書士報酬が不要な一方、書類不備で何度も法務局に足を運ぶリスクがあります。

Q9. 贈与したあとに後悔した場合、取り消せますか?

原則として、登記が完了した後の取り消しは難しいです。贈与契約は当事者の合意で成立するため、登記前に双方の合意があれば取り消せます。しかし、登記が完了してしまうと、受贈者の同意なしに一方的に取り消すことはできません。民法上、書面による贈与は原則として撤回できないとされています。

Q10. 贈与税の申告はいつまでにすればいいですか?

贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、お住まいの地域を管轄する税務署に申告書を提出し、納付する必要があります。基礎控除110万円以下の贈与であれば申告不要ですが、配偶者控除など他の特例の適用を受ける場合は申告が必要です。

まとめ|契約書作成後は速やかに登記を

共有持分の贈与は、契約書を作成して終わりではありません。登記申請まで完了して、はじめて権利移転が法的に確定します。「契約書は作ったけど登記はまだ」という状態を放置すると、贈与者が亡くなったあとに相続人が「あの贈与は無効だ」と主張するリスクがあります。

あなたの状況別・次の一手

1. この記事を読んで自分で手続きを進める人
→ ひな形を参考に贈与契約書を作成し、登記申請書を用意して、管轄の法務局に提出しましょう。地番や持分割合の確認は、登記簿(全部事項証明書)を取得してから行うと間違いがありません。

2. 司法書士に任せたい人
→ 費用はかかりますが、書類作成から申請までをすべて任せられるため、確実かつ早く手続きを進められます。複雑なケース(権利証紛失・住所変更が必要など)では、最初から司法書士に依頼するのが現実的です。

3. 贈与ではなく売却を検討したい人
→ 共有持分の買取に特化した業者に査定を依頼し、いくらで売れるかを確認するところから始めましょう。共有持分は一般の不動産会社では扱えないケースが多く、専門業者の選定が重要です。

PR|本コンテンツには広告リンクを含みます。

共有持分の売却で迷ったら

ラクウル全国対応

株式会社ネクサスプロパティマネジメント

共有持分・再建築不可・事故物件など幅広い訳あり不動産に対応。AI査定で価格の目安がすぐわかり、スピード重視で整理したい人に向いています。

全国対応最短即日査定査定・現地調査無料
無料で査定額を見る 無料・1分で入力完了/しつこい営業なし

-共有持分
-, , , , , , ,