訳あり不動産解説

共有持分とは?意味・共有名義との違いをわかりやすく解説


「共有持分」と聞いても、最初はピンとこない人がほとんどです。「共有名義」と何が違うのか、自分の不動産が当てはまるのか、何ができて何ができないのか——。この記事を読めば、共有持分の基本から、発生するケース、権利の範囲、知っておくべきリスクまで、全体像がつかめます。

結論を先に言うと、共有持分とは「1つの不動産を複数人で所有しているときの、あなたの権利の割合」です。単独で自由に決められないことが多く、放置すると時間とともに問題が大きくなりやすい性質があります。

この記事を書いた人

訳あり不動産 買取相談センター 編集部
共有持分・再建築不可・空き家・相続不動産など、売却時に判断が難しい不動産情報を調査・整理する編集チームです。公式情報や公開データをもとに、相談先選びで迷いやすいポイントを中立的にまとめています。

共有持分は、持分割合・他の共有者との関係・物件の状態によって取れる選択肢が変わります。基礎を押さえたあとで、複数の専門業者の対応を比較しておくと、自分のケースに合った進め方を選びやすくなります。

目次

共有持分とは?基本の定義をわかりやすく

共有持分(きょうゆうもちぶん)とは、1つの不動産(土地や建物)を複数人で共同所有する場合に、各所有者が持つ権利の割合です。

たとえば、1つの土地をAさんとBさんの2人で所有している場合、Aさんは「2分の1」、Bさんは「2分の1」という形で権利の割合を持ちます。この「2分の1」が共有持分です。3人なら「3分の1」ずつ、4人なら「4分の1」ずつ——というように、人数と取り決めによって割合は変わります。

共有持分のルールは、民法第249条から第264条に定められています。各共有者は共有物の全部について持分に応じた使用ができる一方(249条1項)、不動産全体を売却したり大きく変更したりするには、原則として共有者全員の同意が必要です。

「共有名義」と「共有持分」は何が違う?

日常会話では「共有名義」と「共有持分」が同じ意味で使われることがありますが、厳密には違います。まずはこの違いを押さえておきましょう。

用語 意味 イメージ
共有名義 登記簿上、不動産の所有者が複数人である状態 「だれが所有者か」という名義人の状態
共有持分 各共有者が持つ権利の割合 「どれだけの権利を持っているか」という割合

「共有名義」は「複数人で所有している状態」そのものを指し、「共有持分」は「各人の権利の割合」を指します。たとえば「夫婦で共有名義の家」と言えば夫と妻が共同で所有している状態を表し、「持分は夫3分の2・妻3分の1」とすれば具体的な権利の割合を示します。

登記簿謄本(全部事項証明書)を見ると、「所有者」の欄に複数の名前とともに「持分 2分の1」のように割合が記載されています。この割合が共有持分です。

共有持分は登記簿で確認できる

自分が共有持分を持っているかどうかは、登記簿謄本(全部事項証明書)を取得すればわかります。法務局で取得でき、オンラインでも請求可能です(1通600円程度)。

登記簿の「所有権」の欄に自分の名前があり、同じ不動産に他の名前も記載されている場合、その不動産は共有状態にあります。各名義の横に「持分 2分の1」などと書かれた割合が、あなたの共有持分です。

 

あなたのケースはどれ?共有持分が発生する3つのパターン

共有持分を持っているといっても、その発生理由は人によって異なります。まずは自分がどのケースに当てはまるかを確認しましょう。

自分はどのケース?診断チェック

  • 親や親族が亡くなり、不動産を相続したケース1:相続
  • 夫婦や親子で住宅を購入し、共有名義にしたケース2:共同購入
  • 事業用の不動産を複数人で投資目的で購入したケース3:共同出資

【ケース1】相続(最も多いケース)

親が亡くなり、残した不動産を兄弟姉妹で相続する——これが共有持分が発生する最も一般的なパターンです。

遺産分割協議で「不動産は全員の共有にする」と決めた場合や、話し合いがまとまらず法定相続分のまま共有状態になる場合に発生します。たとえば、兄・弟・妹の3人が相続人で、遺産分割が整わなければ各3分の1の共有持分を持つことになります。

相続による共有持分で多い悩みは以下のようなものです。

  • 兄弟のうち1人だけが実家に住み続け、家賃や固定資産税の負担が不公平
  • 連絡が取れない相続人がいる
  • 遠方に住んでいて管理に関われない
  • 相続登記をしていないまま時間が経過している

【ケース2】共同購入(マイホーム・投資物件)

夫婦や親子で住宅を購入するとき、ローンを組む都合や資金の負担割合に応じて共有名義にするケースです。

この場合、出資割合に応じて共有持分が決まるのが一般的です。たとえば、頭金を夫が多く出した場合は「夫3分の2・妻3分の1」といった持分割合になります。

共同購入の場合は、購入時に持分割合を決めているため、「もともと共有で買ったものだから問題ない」と思われがちです。しかし、離婚や一方の死亡、ローンの返済トラブルなどで、想定外の共有状態の解消が必要になることがあります。

【ケース3】共同出資(事業用不動産)

事業用の土地やビルを複数の個人・法人で共同購入するケースです。投資目的で複数人が資金を出し合い、物件を共有名義にします。

このケースでは、最初から「出口戦略(いつ・どうやって手放すか)」を決めておかないと、後々トラブルになりやすいです。1人が「売りたい」と言い出しても、全員の同意がなければ売却できません。

 

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共有持分は、一般的な不動産よりも権利関係や共有者との調整が問題になりやすい分野です。 高く・早く・安全に売却を進めるには、共有持分や訳あり不動産の買取に慣れた専門業者を複数比較することが大切です。

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※ 買取価格や対応可否は、物件の所在地、持分割合、共有者との関係、登記状況、残置物の有無などで変わります。 共有持分の売却では、1社だけで決めず、複数社の査定条件を比較することをおすすめします。

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共有持分を持つと何ができる?民法上の権利を整理

共有持分を持っていると、その不動産に対して「これができる」「これには同意が必要」という線引きがあります。行為の種類によって必要な同意の条件が変わる点がポイントです。

行為の種類 内容 必要な同意 具体例
保存行為 現状を維持する行為 単独で可能 雨漏りの修理、草刈り、鍵の交換
管理行為 利用・運用に関する行為 持分の過半数の同意 賃貸契約(3年以内)、軽微なリフォーム
変更行為(軽微) 形状や効用を大きく変えない変更 持分の過半数の同意(2023年改正) 内装の張り替え、設備の同等品交換
変更行為(重要) 形状や用途を大きく変える変更 全員の同意 増改築、建て替え、土地の造成
処分行為 権利を移転・消滅させる行為 全員の同意 不動産全体の売却、抵当権設定、贈与

保存行為(単独でできる)

共有物の現状を維持するための行為は、1人で行えます。具体的には、雨漏りの修理、鍵の交換、草刈り、不法占拠者への明渡し請求などが該当します。費用は持分割合に応じて負担します。

管理行為(過半数の同意が必要)

共有物の利用方法を決める行為には、持分割合の過半数の同意が必要です。たとえば、空き家を賃貸に出したい場合、持分の合計が過半数を超える共有者の賛成があれば決められます。

また、2023年の民法改正により、共有物管理者(民法252条の2)をあらかじめ決めておく制度も新設されました。管理者を決めておけば、管理行為のたびに共有者の過半数を集める手間が省けます。

変更・処分行為(全員の同意が必要)

共有物の価値や形を大きく変える行為、または権利を他者に移す行為には、共有者全員の同意が必要です。

具体的には以下が該当します。

  • 土地の造成や盛り土
  • 建物の増築・建て替え
  • 不動産全体の売却
  • 不動産全体への抵当権の設定
  • 用途の大幅な変更(住宅を店舗に変えるなど)

この「全員同意が必要」というルールが、共有状態の最大のネックです。1人でも反対すれば、売却も改築もできない——という状況が生まれます。

共有持分と「単独所有」「区分所有」との違い

不動産の所有形態には、共有持分以外にも「単独所有」と「区分所有」があります。これらを混同していると、正しい判断ができなくなるため、あらかじめ整理しておきましょう。

単独所有と共有持分の違い

単独所有は、1つの不動産を1人で所有している状態です。売却・賃貸・改装・担保設定のすべてを、自分の判断だけで自由に決められます。

一方、共有持分では、自分がいくら大きな割合を持っていても、他の共有者がいる限り単独では決められないことが多いのが実態です。持分が10分の9であっても、残り10分の1の共有者が反対すれば、売却も増改築もできません。

項目 単独所有 共有持分(共有名義)
所有権者 1人 複数人
売却の可否 自由に売却できる 全員の同意が必要(全体売却の場合)
自分の持分だけの売却 持分のみなら単独で売却可能
賃貸の可否 自由に決められる 過半数の同意が必要
増改築 自由に決められる 全員の同意が必要
住宅ローン 本人単独で契約可能 持分のみでは原則不可能
固定資産税 全額を所有者が負担 持分割合に応じて各共有者が負担

区分所有(マンション)と共有持分の違い

ここが特に誤解されやすいポイントです。マンションの一室を購入した場合、「マンションの共有持分を持っている」と表現されることがありますが、これは民法上の共有持分とは異なります。

マンションの一室を所有している状態は、法律上は「区分所有権」と呼ばれ、建物区分所有法という別の法律でルールが定められています。

項目 区分所有(マンション) 共有持分(民法上の共有)
根拠法 建物区分所有法 民法(249条〜264条)
専有部分 自分の部屋は単独所有 「単独で使える部屋」という概念がない
共用部分 廊下・階段などは全員で共有 土地も建物もすべて全員で共有
自分の部屋の売却 自由に売却できる 「自分の部屋」という区分がないため不可
管理運営 管理組合で決議 共有者間の話し合い

つまり、「マンションを買った=区分所有権を持っている」であり、民法上の「共有持分」ではありません。ただし、マンションの敷地権(土地の権利)については共有持分の形をとることが多いため、厳密には両方が混在しています。

この記事で扱う「共有持分」は、特に断りがない限り、民法上の共有(1つの土地や建物を複数人で所有する状態)を指します。

共有持分に潜むリスクとトラブル事例

共有持分の状態を放置すると、時間とともにさまざまなトラブルが顕在化します。よくあるトラブルのパターンを押さえておきましょう。

自由に売却・活用できない

先ほど説明したとおり、不動産全体を売却するには共有者全員の同意が必要です。1人でも「売りたくない」「まだ売るな」と言えば、売却は進みません。

また、活用の面でも制限があります。空き家になっていても「誰も住まないなら解体したい」と思っても、全員の同意がなければ解体できません。賃貸に出したい場合も、過半数の同意が必要で、反対する共有者がいるなら進められません。

共有者同士の意見対立

「売りたい人」と「売りたくない人」「住み続けたい人」と「現金化したい人」——。共有者が多ければ多いほど、意見の対立は起こりやすくなります。

特に揉めやすいのが以下のケースです。

  • 1人の共有者が物件に住み続け、家賃を払わずにいる
  • 固定資産税の負担割合で不公平感がある(住んでいる人が光熱費だけ負担、固定資産税は持分按分のままなど)
  • 修繕費用の負担について「自分は使わないから払いたくない」と合意が取れない
  • 遠方に住む共有者が管理に関心を示さず、連絡も返ってこない

放置すると時限爆弾のように悪化する

共有状態を放置したままだと、時間の経過とともに問題が悪化します。典型例がこちらです。

時期 状態 具体例
初期(1〜5年) 話し合いが可能な段階 兄弟間で「そのうち考えよう」と先送り。固定資産税は誰かが払い続けている
中期(5〜15年) 1人が死亡し、相続が発生 共有者の1人が亡くなり、その配偶者と子に持分が分割される。共有者が3人→5人に増加
末期(15年〜) 連絡不能・権利関係の複雑化 相続を繰り返し、共有者が10人以上に。遠方の親族とは連絡が取れず、話し合いが事実上不可能に

このように、時間が経てば経つほど解決のハードルは上がります。「今は問題ないから」と放置せず、早い段階で対策を検討することをおすすめします。

持分放棄にまつわる落とし穴

「面倒だから自分の持分は放棄しよう」と思う人もいます。民法第255条では、共有持分の放棄は可能です。放棄した持分は他の共有者に自動的に帰属します。

しかし、ここには落とし穴があります。

注意

持分の放棄は、税法上は贈与(みなし贈与)と扱われます。放棄した側ではなく、持分を取得した他の共有者に贈与税が課される可能性があります。また、放棄した持分の登記には他の共有者の協力が必要で、共有者同士の関係が悪いと手続きが進まないこともあります。

放棄だけでなく、売却や共有物分割請求など他の選択肢も含めて検討しましょう。

また、放棄と混同されやすい「相続放棄」は全く別の制度です。相続放棄は被相続人が亡くなってから3か月以内に家庭裁判所で手続きをするもので、共有持分が発生するの段階の話です。すでに共有持分を持っている状態からの「放棄」とは意味が異なります。

2024年4月からは相続登記が義務化

注意

2024年4月から相続登記の義務化がスタートしています。相続で取得した不動産の所有権移転登記は、相続の発生を知ってから3年以内に行わなければなりません。放置すると過料(最大10万円)の対象になります。共有持分であっても、この登記義務の対象です。

 

共有持分でよくある誤解・間違えやすいポイント

 

誤解1:「持分が小さければ発言権も小さい」

共有持分が10分の1でも10分の9でも、各共有者の権利は対等です。持分割合に応じて使用収益の範囲は変わりますが、売却や増改築などの重要事項については、持分が10分の1の共有者でも1票の拒否権を持っています。

「持分が小さいから仕方なく従う」と考えるのではなく、権利として意見を主張できることを知っておきましょう。

誤解2:「共有名義なら名義人全員で決めればいい」

確かに重要な決めごとは全員で話し合いますが、全員一致が取れなければ何も進まないというのが現実です。多数決で決められるわけではないため、1人でも反対者がいると膠着状態に陥ります。

誤解3:「自分の持分だけなら自由に売れる」

法律的には、自分の持分だけを売却することは可能です(民法上、持分の譲渡は自由)。しかし、実際には持分だけを買いたいという買い手は限られます。なぜなら、持分だけ買っても他の共有者の同意なしにその不動産全体を使うことはできないからです。

持分のみの売却は、主に共有持分買取専門の業者が買い手になります。一般の不動産仲介では持分だけの売却は扱わないことが多いため、売却を考えるなら専門の業者を探す必要があります。

誤解4:「放棄すれば終わり」

上でも触れたように、放棄には贈与税のリスクがあり、しかも課税されるのは放棄した側ではなく残された共有者です。加えて、所有権移転登記には他の共有者の協力が必要なため、人間関係が悪いと登記ができないまま宙に浮くケースもあります。

放棄以外の選択肢としては、持分の売却(買取)、共有物分割請求(裁判所を通した解決)、話し合いによる解決があります。まずは自分にとってどの方法が現実的かを検討しましょう。

誤解5:「連絡が取れない共有者がいる=どうにもならない」

2023年の民法改正により、連絡が取れない共有者がいる場合の対応制度が新設されました(民法262条の2・262条の3)。具体的には以下のような方法があります。

  • 所在不明共有者の持分取得(262条の2):他の共有者が家庭裁判所に請求し、所在不明の共有者の持分を取得できる
  • 所在不明共有者の持分の譲渡(262条の3):裁判所の決定を得て、所在不明共有者の持分を含めて不動産を売却できる

ただし、これらの制度を利用するには家庭裁判所の手続きが必要で、弁護士などの専門家に依頼することが一般的です。「連絡が取れないからもうダメだ」と諦める前に、専門家に相談してみる価値はあります。

 

共有持分を持っている人がまず確認すべき3つのこと

ここまでの内容を踏まえて、共有持分を持っている、または持つことになった人が、最初に確認すべきことを整理します。

  1. 登記簿で自分の持分割合と共有者を確認する
    法務局で登記簿謄本(全部事項証明書)を取得し、誰がどの割合で持っているかを確認します。共有者が何人いて、連絡先がわかるかどうかも把握しましょう。
  2. 共有者全員の連絡先を整理する
    共有者全員の住所・電話番号・メールアドレスを把握しておきます。連絡が取れない共有者がいる場合、後々の手続きが格段に難しくなります。連絡先がわからない場合は、戸籍の附票や住民票の除票などで調べる方法もあります。
  3. 今の状態を放置していいか、判断する
    現時点で特段の問題がなくても、将来的にトラブルになりそうな要素がないかをチェックします。他の共有者が高齢で相続が起きそう、遠方に住んでいて管理が行き届かない、固定資産税の負担が不公平——といった要素があるなら、早めに動いたほうがよいです。

共有持分は状態を放置すればするほど、共有者が増え、話し合いが難しくなり、解決のハードルが上がります。問題の兆候があるなら、早い段階で行動に移すのが賢明です。

 

共有持分に関するよくある質問(FAQ)

共有持分と共有名義は同じ意味ですか?

厳密には異なります。「共有名義」は登記上の所有者が複数人いる状態を指し、「共有持分」は各所有者の権利の割合を指します。日常会話では同じ意味で使われることも多いですが、登記や法律の話をするときは区別して理解しておくと混乱しません。

共有持分の読み方を教えてください

「きょうゆうもちぶん」と読みます。「共有」に「持分」です。不動産登記の分野では「持分(もちぶん)」という言葉が使われます。「わけまえ」や「ぶんかつけん」と読むのは誤りです。

共有持分があれば、その不動産に自由に住めますか?

民法上、各共有者は共有物の全部について持分に応じた使用ができます。ただし、他の共有者がすでに住んでいる場合や、使用の範囲でもめる場合は、話し合いや調停で決める必要があります。実際には「自由に住める」とは言い切れず、共有者間の合意が必要なケースが多いです。

共有持分を勝手に売ることはできますか?

自分の持分だけを売却することは法律上可能です(持分譲渡の自由)。ただし、買い手は限られ、一般の不動産仲介では扱わないことがほとんどです。一方、不動産全体を売却するには共有者全員の同意が必要なため、勝手に「家全体」を売ることはできません。

共有持分を放置するとどうなりますか?

放置すると、以下のように問題が大きくなる傾向があります。(1) 相続が発生するたびに共有者が増えて話し合いが難しくなる、(2) 空き家のまま放置すると管理状態が悪化する、(3) 固定資産税の負担で不公平感が生じる、(4) 時が経つほど共有者の連絡先がわからなくなる。問題が小さいうちに対処するのが得策です。

共有持分は放棄できますか?

民法上、共有持分の放棄は可能です(民法255条)。放棄した持分は他の共有者に自動的に帰属します。ただし、放棄によって持分を取得した他の共有者に贈与税が課される可能性があるため、事前に共有者とよく話し合い、税理士にも確認してから判断することをおすすめします。また、放棄以外の選択肢として売却や共有物分割請求も検討しましょう。

共有者と連絡が取れない場合、どうすればいいですか?

まずは戸籍の附票や住民票の除票を取得して、最新の住所を調べる方法があります。それでも連絡が取れない場合は、2023年の民法改正で新設された所在不明共有者の持分取得制度(民法262条の2・262条の3)を利用できます。家庭裁判所の手続きを経て、所在不明の共有者の持分を取得する方法や、裁判所の許可を得て売却する方法があります。具体的な対応は弁護士に相談するのが確実です。

共有持分でも住宅ローンは組めますか?

一般的な住宅ローンでは、共有持分のみを担保に融資を受けることは困難です。金融機関は不動産全体を担保として評価するため、持分だけの評価額では融資の対象になりにくいのが実情です。どうしても資金が必要な場合は、持分の買取や共有解消を検討することになります。

まとめ:共有持分の正しい理解がトラブル回避の第一歩


共有持分とは、1つの不動産を複数人で所有するときの、あなたの権利の割合です。共有名義とは「状態」と「割合」の違いがありますが、基本的には同じものと考えて差し支えありません。

共有持分で最も重要なのは、「単独では自由に決められないことが多い」という点を理解することです。売却・賃貸・増改築の多くには、他の共有者の同意が必要です。

共有状態を放置すると、相続のたびに共有者が増え、話し合いが難しくなります。逆に言えば、問題が小さいうちに対処すれば、比較的スムーズに解決できるのも事実です。

まずは登記簿を確認し、誰が共有者で、現在どのような状態にあるのかを把握することから始めましょう。そのうえで、売却・買取・共有解消など、自分に合った方法を検討していくのがよいでしょう。

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