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「再建築不可物件」——この言葉を初めて目にしたとき、多くの人が「もう建て替えできないなら価値がない」「住めない不動産だ」「売れないのでは」と感じます。
実際には、再建築不可物件は「建て替えができない土地」という意味であり、「住めない」「リフォームもできない」「無価値」とは限りません。道路の種類や接道の条件、建物の状態によって、できること・できないことは大きく変わります。
この記事では、再建築不可物件の定義と原因(建築基準法の接道義務)から、道路の種類によるケース分岐、リフォームや売却の可否、相続した場合の選択肢まで、あなたの立場に合わせて判断できる情報を整理しました。
まずはあなたの状況を選んでください。該当する立場に応じて、特に読むべきセクションが変わります。
- 購入を検討している方→ 「購入のメリット・デメリット」「価格の決まり方」を中心に
- 相続した方→ 「相続した場合の選択肢」「固定資産税の注意点」を優先して
- 所有している物件を売りたい方→ 「売却できるのか」「確認方法」から読むと効率的です
この記事を書いた人
訳あり不動産 買取相談センター 編集部
共有持分・再建築不可・空き家・相続不動産など、売却時に判断が難しい不動産情報を調査・整理する編集チームです。公式情報や公開データをもとに、相談先選びで迷いやすいポイントを中立的にまとめています。
再建築不可の売却で迷ったら
再建築不可は住宅ローンが付きにくく一般の買い手が限られますが、現況買取や隣地活用で売れるケースは多くあります。再建築不可の扱いに慣れた業者に査定を出すのが第一歩です。
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掲載順・掲載内容は当サイト編集部の評価基準(対応範囲・公開情報の充実度・スピード等)によるものです。各社の対応領域は時期により変わる場合があります。
再建築不可物件とは「建て替えできない土地」のこと
再建築不可物件とは、建築基準法の定める接道義務を満たしていないため、現存する建物を解体した後に、原則として新しい建物を建て替えられない土地を指します。
ここで特に重要なのは、次の3つを取り違えないことです。
誤解してはいけない3つのポイント
- 再建築不可 ≠ 今すぐ住めない:現在の建物に住み続けることはできます。建て替えの可否と居住の可否は別問題です。
- 再建築不可 ≠ リフォーム完全不可:小規模な修繕は可能な場合が多いです。ただし大規模リフォームには建築確認が必要になるケースがあります。
- 再建築不可 ≠ 無価値・売却不可:買い手は限られますが、隣地所有者や専門の買取業者への売却は可能です。
つまり、「再建築不可」という言葉だけで「何もできない不動産」と決めつけるのは早計です。道路の種類、接道の条件、建物の現状によって、取れる選択肢は変わります。
なぜ建て替えできないのか——建築基準法の接道義務
再建築不可の根本的な原因は、建築基準法第43条第1項に定められた「接道義務」にあります。
建築基準法第43条1項では、「建築物の敷地は、道路に2メートル以上接しなければならない」と定められています(e-Gov法令検索)。この義務を満たしていない敷地では、原則として建築確認が下りず、新築・建て替えができません。
そして「道路」とは、建築基準法第42条で定義されています。単に「道のように見える」だけでは足りず、建築基準法上の道路として認められるには、原則として幅員4メートル以上であることなど、所定の要件を満たす必要があります。
つまり、再建築不可になる理由は1つにまとめると次のようになります。
「敷地が建築基準法上の道路に、必要な形で接していないから」
この「必要な形」には、次の2つの条件が含まれます。
- 幅員条件:前面道路の幅が原則4メートル以上あること(6メートル指定区域では6メートル以上)
- 接道長さ条件:敷地が道路に2メートル以上接していること
この両方を満たさない土地が、「再建築不可」と判断される可能性が高い敷地です。
再建築不可になる主なケース——道路の種類で変わる
一口に「再建築不可」といっても、道路の種類や接道の状態によって、建築可能になる余地や価値が大きく変わります。主に次の5つのケースに分けられます。
| ケース | 道路の状態 | 建築の可否・可能性 |
|---|---|---|
| ① 2項道路(みなし道路) | 幅1.8m以上4m未満。建築基準法施行時(1950年)以前から建物が立ち並んでいた道路 | セットバック(中心線から両側2m後退)で4m確保すれば建て替え可能 |
| ② 非道路(通路・私道・農道) | 建築基準法上の道路として認められていない道 | 原則建て替え不可。43条2項認定・許可の可能性はあるが自治体判断 |
| ③ 接道2m未満 | 道路には接しているが、接している長さが2m未満(旗竿地など) | 原則建て替え不可。隣地からの買い増しで2m以上確保できれば可能性あり |
| ④ 袋地・無接道 | 道路に一切接していない(周囲を他の土地に囲まれている) | 原則建て替え不可。前面隣地から通路部分を買い取る・私道設定の可能性はあるがハードル高い |
| ⑤ 私道の権利問題 | 前面が私道だが、持分がない・通行掘削承諾がない | 権利関係が整えば建築可能になるケースも。私道所有者との協議が鍵 |
この中で最も多いのが①の2項道路です。古い住宅街では、道路幅が4メートルに満たないケースが少なくありません。しかし、2項道路に該当する場合、セットバック(敷地の一部を道路部分として後退させること)によって幅員4メートルを確保すれば、建て替えが可能になります。
一方、②の非道路や④の袋地・無接道は、建築基準法上の道路自体がない状態のため、根本的に建築のハードルが高いと言えます。ただし、後述する43条2項の認定・許可や、隣地からの通路買取によって解決できる可能性が残されているケースもあります。
④の袋地・無接道の場合は、まず前面の隣地所有者と協議し、通路部分の土地を買い取るか、通行地役権を設定する方法を検討します。この方法で道路まで接続できれば、再建築可能になるケースがあります。ただし、隣地所有者の協力が得られるかどうかが最大のポイントで、交渉がまとまらない場合は事実上打開策が限られます。
現場の経験から
実際の現場で多いのが、「幅が狭いから再建築不可だ」と思い込んでいたら、役所で調べると2項道路でセットバックすれば建て替え可能だったケースです。逆に、「道路に見えるから大丈夫」と思って購入したら、建築基準法上の道路ではなかったケースもあります。道路の種類は、見た目では判断できません。必ず役所で確認することが最初の一歩です。
また、袋地や接道2m未満の物件では、隣地所有者との「数センチの買い増し交渉」で接道条件がクリアになることもあります。隣地所有者にとっては売却益が得られるため、条件次第では協力が得られる可能性があります。
自分の物件が再建築不可かどうか確認する方法
ここまでの説明で、「自分の物件はどれに当たるのか」を確認したくなった方も多いでしょう。再建築不可かどうかを正確に判断するには、役所の建築指導課(または道路担当部署)で道路種別を確認するのが確実です。
確認の手順
- 所有する土地の所在地を管轄する市町村役場を特定する
- 建築指導課または建築確認担当窓口に問い合わせる
- 以下の情報を伝えて、前面道路の種別を確認する
- 所在地(地番)
- 「建築基準法上の道路に該当するか」「42条の何項にあたるか」
- 「接道長さは何メートルあるか」
- 「2項道路であればセットバックのラインはどこか」
- 可能なら公図や地積測量図も持参する(法務局で取得可能)
自宅や不動産会社でも確認できる資料
- 公図(地図に準ずる図面):法務局で取得。道路と敷地の位置関係が分かる
- 地積測量図:法務局で取得。正確な敷地形状・接道長さが分かる
- 建築計画概要書:建築時に作成された書類。過去の建築確認状況が分かる
- 固定資産税評価証明書:自治体で取得。土地の評価額が分かる
注意
インターネット上の地図や航空写真だけで道路の種類を判断するのは危険です。「見た目が道でも建築基準法上の道路ではない」ケースは珍しくありません。また、道路の種別判断は自治体ごとに運用が異なる場合もあるため、電話だけでなく可能なら窓口で直接確認することをおすすめします。
もし自分で役所に行くのが難しい場合は、不動産会社や建築士に依頼して確認してもらうこともできます。売却を検討している場合は、買取業者に調査を依頼する段階で道路種別も確認してもらいましょう。
再建築不可でも住めるのか・リフォームできるのか
「再建築不可物件に住み続けられるのか」「リフォームはできるのか」——この2つは、再建築不可物件を所有する方・購入を検討する方の最大の関心事です。
結論から言えば、現在の建物に住み続けることは可能です。再建築不可は「建て替えの可否」の問題であり、そこに住むこと自体を禁止しているわけではありません。また、内容によってはリフォームも可能です。
現在の建物に住み続けることは可能
建築基準法が規制しているのは建築行為(新築・増築・改築)であり、居住そのものを制限するものではありません。老朽化が進んでいなければ、そのまま住み続けることは何ら問題ありません。賃貸に出すことも可能です。
ただし、建物が著しく老朽化した場合、建て替えができないという制約が将来的なリスクになります。「いつかは建て替えが必要になる」ことを前提に、長期的な計画を考えておく必要があります。
小規模修繕(外壁塗装・屋根葺き替えなど)は可能
外壁の塗り替え、屋根の葺き替え、内装の張り替え、設備の交換など、主要構造部(柱・梁・壁・床など)に影響を与えない小規模な修繕・維持工事は、建築確認を必要としません。この範囲であれば、再建築不可物件でも自由に行えます。
大規模リフォームは2025年4月以降、建築確認が必要に
注意が必要なのは、大規模な修繕・模様替えです。
2025年4月以降、木造2階建て以下の戸建住宅における大規模リフォーム(大規模修繕・大規模模様替え)でも、建築確認手続きが必要になるケースが拡大されました(国土交通省「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続」参照)。
大規模リフォームとは具体的に、以下のような工事を指します。
- 大規模修繕:主要構造部の過半を修繕する工事
- 大規模模様替え:主要構造部の過半を模様替えする工事(間取りの大幅変更など)
これらの工事には建築確認が必要であり、建築確認を取得するには敷地が接道義務を満たしていることが前提となります。つまり、再建築不可物件では大規模リフォームも事実上できない可能性が高いということです。
ポイント
リフォーム可否のざっくりした目安
- ✅ 外壁塗装、屋根葺き替え、内装クロス張替、設備交換 → 可能
- ⚠️ 間取りの大幅変更、構造部の大規模修繕 → 建築確認が必要。再建築不可だと困難なケースが多い
- ❌ 増築、改築(床面積の増加を伴うもの) → 原則不可
増築・改築は原則不可
床面積を増やす増築や、建物の一部を大幅に変更する改築は、建築確認が必要な建築行為に該当します。再建築不可物件では、これらの工事は原則としてできません。
解体する前に必ず確認すべき3つのこと
古家を解体して更地にしようと考えている方は、解体前に必ず以下の3つを確認してください。解体後に「思っていたのと違った」と後悔するケースが少なくありません。
注意
「解体してから気づく」が最も危険
「古いから解体しよう」と先に更地にしてしまうと、その後で「再建築不可だから新築できない」「更地なのに売れない」「固定資産税が急に上がった」という事態に陥る可能性があります。解体は売却方針が決まってから行うのが基本です。
① 解体後の再建築可否を事前に確認する
役所の建築指導課で、敷地の前面道路の種別と接道状況を確認しましょう。セットバックで建築可能になる可能性があるなら、建物を残したまま売却する方が価値が高くなることがあります。
② 固定資産税が最大6倍になるリスクを理解する
解体して更地にすると、住宅用地の特例(小規模住宅用地:課税標準が6分の1)が解除されます。固定資産税が最大で約6倍に跳ね上がる可能性があります。
具体的な金額で見てみましょう。例えば、土地の固定資産税評価額が1,000万円の場合——
- 建物あり(住宅用地特例適用):課税標準額 約167万円(1,000万円×1/6)×税率1.4% ≒ 年額約2.3万円
- 更地後(特例解除):課税標準額 1,000万円 ×税率1.4% ≒ 年額約14万円
年間で約12万円の差が生まれます。評価額が高い土地ほど差額は大きくなり、都心部では数十万円単位の負担増になることも珍しくありません。このリスクを理解せずに解体すると、思わぬ税負担に苦しむことになります。
③ 売却方針を決めてから解体するかどうかを判断する
解体には数百万円の費用がかかります。売却を検討している場合、「建物付きで売る」「更地にして売る」「買取業者に現況のまま売る」の3つの選択肢があります。どの方法が最も有利かは、物件の状態や立地、税金の影響を総合的に判断する必要があります。まずは買取業者や不動産会社に査定を依頼し、解体あり・なしの両方のケースで見積もりを取ることをおすすめします。
43条2項認定・許可で建て替えできる可能性はあるのか
接道義務を満たさない敷地でも、建築基準法第43条第2項の規定に基づく認定(1号)または許可(2号)を受けることで、建築が認められる可能性があります。旧称「43条但し書き許可」と呼ばれていた制度です。
1号認定と2号許可の違い
| 項目 | 1号認定 | 2号許可 |
|---|---|---|
| 根拠 | 43条2項1号 | 43条2項2号 |
| 建築審査会の同意 | 不要 | 必要 |
| 適用目安 | 幅員4m以上の道に2m以上接している/利用者が少数の用途・規模 | 敷地周囲に広い空地がある/一定の基準を満たす |
| 手続き期間の目安 | 2〜3ヶ月程度 | 3〜6ヶ月程度(審査会開催スケジュールに依存) |
1号認定は2018年の法改正で新設された制度で、建築審査会の同意が不要な分、手続きが比較的スムーズです。ただし、適用できる敷地の条件が限られています。
2号許可は従来からの制度で、より広い裁量で適用できる反面、建築審査会の同意を得る必要があり、審査に時間と費用がかかります。
申請にかかる費用の目安
申請にかかる費用は、大きく分けて「行政への手数料」と「建築士への報酬」の2つです。
- 行政手数料:自治体により異なりますが、認定申請で約27,000円、許可申請で約33,000〜46,000円程度
- 建築士への報酬:現地調査、図面作成、事前協議、申請書類作成、申請代行を含めて数十万円〜100万円程度
認定・許可が下りれば建築可能になるとはいえ、総額で50万円を超えることも少なくありません。また、許可が下りる確証がないまま費用がかかり始めるため、まずは建築士に「可能性の事前確認」を依頼するところから始めるのが現実的です。
注意:自治体ごとに運用が異なる
43条2項の認定・許可は、特定行政庁(自治体の建築主幹部局)の判断によるところが大きく、自治体によって運用基準や審査の厳しさが異なります。また、認定・許可が下りたとしても、建築できる建物の用途や規模に制限がかかることが一般的です。
「43条2項があるから大丈夫」と楽観的に考えるのは危険です。まずは建築士に現地調査を依頼し、自治体の建築指導課と事前協議を行うのが現実的なステップです。申請の流れはおおむね以下の通りです。
- 建築士による現地調査・事前検討(数週間)
- 自治体の建築指導課との事前協議(1〜2ヶ月)
- 申請書類の作成(数週間〜1ヶ月)
- 認定・許可申請 → 審査(1〜3ヶ月)
- 認定・許可取得 → 建築確認申請へ
個人で直接手続きするのは実務上困難なため、建築士や行政書士など専門家のサポートが不可欠です。
再建築不可物件を購入するメリット・デメリット
再建築不可物件は価格が安いため、購入を検討する方もいます。ただし、一般の住宅ローンが使えないなど特有のリスクがあるため、メリット・デメリットを正確に理解した上で判断する必要があります。
メリット
- 購入価格が安い:通常の物件より価格が抑えられるため、手持ち資金での購入が可能な場合がある
- 立地が良い場合がある:郊外より市中心部に近いエリアで、接道条件だけがネックで値下がりしている物件もある
- 隣地買い増しに使える:隣地所有者にとっては敷地を拡張できるため、相場より高く買い取ってもらえる可能性がある
- 現況のまま住み続けられる:建物の状態が良ければ、そのまま居住用として使える
デメリット
- 住宅ローンが使えない:金融機関は再建築不可物件への融資を原則として認めていない。現金購入が前提になる
- 建て替えができない:将来的に建物が老朽化した時の出口戦略が必要
- 売却時に買い手が限られる:将来の転売を考えると、売りにくい物件になる可能性が高い
- 固定資産税が更地時に跳ね上がるリスク:将来的に解体した場合の税負担を考慮する必要がある
購入前に確認すべきチェックリスト
- ✅ 前面道路の種別(2項道路か非道路か)
- ✅ 接道長さ(2m以上あるか)
- ✅ セットバックの要否と後退後の接道長さ
- ✅ 43条2項認定・許可の可能性
- ✅ 建物の現在の状態と今後必要な修繕の見込み
- ✅ 将来の売却・処分の出口戦略
- ✅ 現金購入が可能か
再建築不可物件を相続した場合の選択肢
相続によって再建築不可物件を引き継いだ場合、主な選択肢は以下の3つです。
① 現状維持(住み続ける・賃貸に出す)
建物の状態が良ければ、そのまま住み続けたり、賃貸に出したりすることは可能です。ただし、建物の老朽化が進んだ場合に建て替えができないという制約があるため、長期的には売却や処分を視野に入れる必要があります。
② 売却する
再建築不可物件でも、買取業者や隣地所有者などに売却することは可能です。ただし、一般の買い手が見つかりにくいため、通常の仲介より買取専門業者への依頼が現実的な選択肢になることが多いです。売却の詳細は次のセクションで解説します。
③ 更地にして売る(ただしリスクあり)
解体費用(数百万円)をかけて更地にした上で売却する方法もあります。ただし、更地にすると再建築不可の土地が露呈し、かえって売りにくくなるリスクがあります。また、前述の固定資産税の急増リスクも考慮しなければなりません。相続した物件は、まずは建物付きのまま売却を検討し、どうしても売れない場合に更地化を検討するという順序が現実的です。
相続した方へのアドバイス
相続した再建築不可物件で最初にすべきことは、前面道路の種別と接道状況を役所で確認することです。「2項道路でセットバックすれば建築可能」と分かれば、売却価格も変わってきます。また、相続登記が未了の場合は、2024年4月から義務化された相続登記(相続を知ってから3年以内)も併せて対応する必要があります。
再建築不可物件は売れるのか——価格の決まり方
「再建築不可物件は売れない」と思っている方は少なくありませんが、実際には売り方と買い手によっては十分に売却可能です。重要なのは「誰にとって価値があるか」で考えることです。
考えられる買い手の種類
| 買い手 | 特徴 | 価格の目安 |
|---|---|---|
| 隣地所有者 | 隣接する土地の所有者。敷地を拡大できるため、相場より高く買う可能性がある | 最も高い可能性がある |
| 投資家 | 低額物件を現金購入し、賃貸運用や転売を目的とする | 通常の5〜7割程度 |
| 専門買取業者 | 訳あり物件の買取に特化した業者。現況のまま買い取る | 通常の4〜6割程度が目安 |
| 現況購入希望者 | 住み替え・セカンドハウスなどで現状のまま購入する個人 | 一般市場と同程度の場合もあるが稀 |
このうち、隣地所有者への打診は最も有力な選択肢です。隣地所有者にとっては、隣の土地を買い増しすることで自らの敷地を拡大でき、場合によっては接道条件を改善できるメリットがあります。打診の方法としては、まず近隣に誰が住んでいるかを確認し、顔見知りであれば直接、そうでなければ不動産会社を介して意向を聞いてみるのが現実的です。
ただし、隣地所有者との直接交渉はトラブルに発展するリスクもあるため、不動産会社や買取業者を間に入れることをおすすめします。特に価格交渉や契約条件の取り決めは、第三者が入ることで冷静に進められます。
価格を左右する要因
再建築不可物件の価格は、単純に「通常の何割」と決まるものではありません。以下の要因が複合的に影響します。
- 道路種別:2項道路(セットバックで建築可能)か、非道路(建築不可)か
- 接道長さ:2m以上あるか、それ未満か
- セットバックの要否:セットバック後に接道2m以上確保できるか
- 43条2項認定・許可の可能性:建築可能化の余地があるか
- 私道持分・通行掘削承諾の有無:権利関係がクリアか
- 建物の状態:現在住める状態か、老朽化が進んでいるか
- 立地:都心部か郊外か、周辺の賃貸需要はあるか
- 隣地所有者の関心:隣地所有者が買い増しを希望しているか
単純な相場表現は避けなければなりませんが、一つの目安として、一般の買取業者に現況買取を依頼した場合の査定額は、更地価格の4〜6割程度と言われています。ただし、これはあくまで目安であり、上記の要因によって大きく変動します。道路種別が2項道路でセットバックにより建築可能な場合は高めに、非道路や無接道の場合は低めになる傾向があります。
ポイント
売却時に知っておきたいこと
再建築不可物件でも、隣地所有者にとっては「貴重な拡張用地」として価値が高まることがあります。まずは隣地所有者への打診を検討するのも一つの方法です。また、複数の買取業者に査定を依頼することで、提示額に差が出ることもあります。査定は無料で受けられることが多いため、数社比較してみることをおすすめします。
再建築不可物件に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 再建築不可物件に住宅ローンは使える?
原則として使えません。金融機関は担保となる不動産に再建築可能性を求めます。建て替えができない物件は担保価値が低いと判断されるため、住宅ローンやリフォームローンの審査は通りにくいです。現金購入が基本となります。
Q2. 固定資産税は安くなる?更地にするとどうなる?
建物が建っている状態では、小規模住宅用地(200㎡以下)の特例が適用され、課税標準が6分の1に軽減されます。しかし、解体して更地にするとこの特例が解除され、固定資産税が最大で約6倍に跳ね上がる可能性があります。例えば評価額1,000万円の土地なら年額約2.3万円から約14万円に増加します。解体前に必ず試算しておきましょう。
Q3. セットバックした部分の土地の所有権はどうなる?
セットバック(後退)した部分の土地の所有権は、従前の所有者に残ります。ただし、その部分には建築物を建てることができず、事実上道路として使用されることになります。セットバックによって自分の敷地が狭くなることに加え、後退部分の固定資産税は引き続き所有者が負担することになります。
Q4. 建物を取り壊したらどうなる?更地にしたら売れる?
建物を取り壊して更地にすると、再建築不可であることが明確になるため、一般の買い手が見つかりにくくなる傾向があります。また、更地にしたことで固定資産税が上がるリスクも伴います。売却を検討する場合は、建物が建っている状態で売る方が有利なケースが多いです。
Q5. 再建築不可物件でも賃貸に出せる?
賃貸に出すことは可能です。再建築不可は建築行為の制限であり、賃貸経営そのものを禁じているわけではありません。ただし、建物の老朽化が進んだ場合に建て替えができないため、長期的な賃貸経営には向かない可能性があります。また、借主への告知義務の有無については、個別に不動産会社に確認することをおすすめします。
Q6. 隣の土地と合体すれば建て替えできる?
隣地と合体することで接道長さが増える場合、条件によっては建築可能になることがあります。例えば、Aさん所有の土地(接道1.5m)とBさん所有の土地(接道1.5m)を合体させれば、合計3mの接道が確保でき、建築可能になるケースです。隣地所有者との協議が成立すれば、解決の可能性があります。
Q7. 43条2項認定・許可は誰が申請する?費用は?
認定・許可の申請は、建築士(一級建築士または二級建築士)が行うのが一般的です。個人で手続きするのは実務上困難です。行政手数料は認定申請で約27,000円、許可申請で約33,000〜46,000円程度ですが、別途建築士への報酬(現地調査・図面作成・申請代行で数十万円〜100万円程度)が必要です。申請にかかる期間は早くて2〜3ヶ月、通常は3〜6ヶ月程度を見込みます。
まとめ——自分のケースで最初にやるべきこと
再建築不可物件は「無価値な不動産」ではなく、「判断材料を正しく整理すれば、取れる選択肢がある不動産」です。最後に、あなたの立場別に最初に取るべき行動を整理します。
| 立場 | 最初にやるべきこと |
|---|---|
| 購入を検討している方 | 役所で前面道路の種別と接道状況を確認。建築士に現地調査を依頼し、セットバックや43条2項の可能性を確認する |
| 相続した方 | 相続登記の有無を確認(2024年4月以降義務化)。役所で道路種別を確認し、建物付きのまま売却するか現状維持するかを決める |
| 所有物件を売りたい方 | 複数の買取業者に査定を依頼する(建物付きの状態で)。隣地所有者への打診も検討する |
最初の一歩は、役所(建築指導課)での道路種別の確認です。見た目だけでは判断できない道路の状態を正確に把握することで、その後の選択肢が大きく変わります。
もし「まずは売却から検討したい」「どの業者に相談すればいいか分からない」という場合は、訳あり不動産の買取に実績のある業者に無料査定を依頼してみるのも早い方法です。複数社の査定を比較することで、自分の物件の市場価値と、取るべき戦略が見えてきます。
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