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再建築不可物件は売却できる?相場・売却方法・解体前に確認すべきポイントを解説

目次

PR|本コンテンツには広告リンクを含みます。掲載内容は各社の公式サイト等で確認できる情報をもとに整理しています。

再建築不可の売却で迷ったら

再建築不可でも「売れる」。まずは専門業者の無料査定から

再建築不可は住宅ローンが付きにくく一般の買い手が限られますが、現況買取や隣地活用で売れるケースは多くあります。再建築不可の扱いに慣れた業者に査定を出すのが第一歩です。

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※ 買取価格や対応可否は、物件の所在地・状態・権利関係・登記状況・残置物の有無などで変わります。1社だけで決めず、複数社の査定条件を比較することをおすすめします。

掲載順・掲載内容は当サイト編集部の評価基準(対応範囲・公開情報の充実度・スピード等)によるものです。各社の対応領域は時期により変わる場合があります。

再建築不可物件でも売却は可能です【結論】

結論から言えば、再建築不可物件でも売却は可能です。「再建築不可=売れない・無価値」と決めつける必要はありません。

ただし、通常の物件と比べると買主の選択肢は限られ、結果として価格は下がりやすいのが実態です。建て替えができないため住宅ローンが付きにくく、一般の買い替え需要に乗りにくいからです。

ただ、売却方法は「仲介」「専門買取」「隣地所有者への売却」の3つがあり、物件の状態や優先順位によって最適なルートは変わります。また、売却前に接道の状況や43条2項認定・許可の可能性を確認することで、買主層や査定額が変わるケースも少なくありません。

この記事では、再建築不可物件の売却について、以下のポイントを順に解説します。

  • あなたの物件がどのタイプか(診断フロー)
  • 売却前に確認すべきこととその順番
  • 仲介・買取・隣地売却の比較と選び方
  • 解体の判断(壊すべきか、壊さず売るべきか)
  • 2025年法改正の影響と売却相場

この記事を書いた人

訳あり不動産 買取相談センター 編集部
共有持分・再建築不可・空き家・相続不動産など、売却時に判断が難しい不動産情報を調査・整理する編集チームです。公式情報や公開データをもとに、相談先選びで迷いやすいポイントを中立的にまとめています。

まずは「診断」してください|あなたの物件はどのタイプ?

再建築不可物件といっても、立地・建物状態・接道の状況・権利関係は物件ごとに大きく異なります。売却方法の前に、まずは自分の物件がどのパターンに当てはまるかを確認してください。

以下の6つのパターンから、もっとも近いものを選んでみてください。

No. こんな状態 向く売却方法 最初にやること
駅近や商業施設が近いなど立地が良く、建物が使える状態。リフォームや賃貸活用の余地がある 仲介(一般市場) 再建築不可の仲介実績がある会社を探して複数査定
固定資産税や管理費の負担を早く止めたい。早期現金化が最優先 専門買取 訳あり物件の買取実績がある業者を3社ピックアップ
隣地所有者が敷地を拡大したい可能性があり、隣地との関係が悪くない 隣地売却 隣地に打診する前に、買取業者の査定で価格感を把握する
前面道路が建築基準法上の道路かどうか不明。43条2項許可で建て替えられる可能性がある 仲介 or 再建築可能化 役所の建築課で道路種別・許可可能性を確認する
空き家・老朽化・相続未了・共有・私道問題が複合している 専門買取 訳あり全体をワンストップで扱える業者を探す
建物が傾いている・雨漏り・倒壊リスクがあり、行政指導が来ている 専門買取(解体前提) 解体費用見積もりと買取査定を並行して取る

どのパターンに該当するか、あるいは複数に当てはまるかを意識しながら、以降のセクションを読んでみてください。記事の最後に、パターン別の「次の一手」をまとめています。

なぜ再建築不可物件は売れにくいのか【3つの理由】

「売れる」とは言っても、なぜ通常物件より売れにくいのかを理解しておくことは、売却戦略を立てるうえで欠かせません。主な理由は3つあります。

理由① 建て替えできないので買主の活用方法が限られる

住宅を購入する人の多くは「将来いつか建て替えたい」という可能性を考慮します。再建築不可物件ではその選択肢が最初から閉じられているため、一般の居住需要から外れやすいのが実情です。

買主の候補は主に以下のような層に限られます。

  • 現状の建物をリフォームして住む・貸すことを目的とする投資家
  • 隣地所有者(敷地を拡大したい)
  • 倉庫・駐車場・資材置き場として使いたい近隣住民
  • 再建築不可物件を買い取って転売・再生する専門業者

一般の住宅ローンを使う買い替え層はほぼ対象外になるため、買い手の絶対数が少なくなるのは避けられません。

理由② 住宅ローンの審査が通らないケースが多い

金融機関の住宅ローンは、物件を担保に融資を実行します。再建築不可物件は将来的な担保価値が不透明なため、多くの金融機関が融資対象外としています。購入希望者は現金一括か、金利の高いノンバンク系ローンに限られるため、買主層がさらに絞られます。

理由③ 2025年4月以降、大規模リフォームのハードルが上がった

これまで再建築不可物件を購入する投資家の間では、「建て替えはできなくても、大規模リフォームで賃貸活用すれば回収できる」という戦略がありました。

しかし、2025年4月の建築基準法改正(4号特例の縮小)により、木造2階建て住宅の大規模修繕・大規模模様替えには建築確認申請が必要になりました。構造耐力や省エネ性能に関する図書の提出が求められるため、現行法規に適合していない再建築不可物件では、大規模なリフォーム計画を立てることが難しくなっています。

壁紙の張り替えや水回り設備の交換などの小規模リフォームは従来通り確認不要ですが、買主の活用方法がさらに限られたという点は、売却時の価格や売りやすさに影響します。

売却前に確認すべき7つのこと【行動順】

再建築不可物件の売却で最も重要なのは、「売りに出してから考える」のではなく、売却前に確認すべきことを先に整理しておくことです。確認結果によって、売却方法の選択肢や査定額が変わります。

編集部でも、まずは以下の順番で確認を進めることをおすすめします。役所での確認→専門家相談→業者への査定依頼、という流れが最も無駄がありません。

ポイント

役所確認の前に準備しておくもの
固定資産税の課税明細書、公図(法務局で取得可)、登記簿謄本(所有者・地目の確認用)。これらがあれば、役所の建築課での確認がスムーズに進みます。

① 前面道路の種別・幅員を役所の建築課で確認する

まず、前面道路が建築基準法上の道路かどうかを市区町村の建築課または都市計画課で確認します。建築基準法上の道路(42条1項道路・2項道路など)であれば、43条2項の認定・許可の可能性やセットバックによる対応が検討できます。逆に、建築基準法上の道路でない場合、再建築不可の状態が固定的になりやすいため、売却戦略も変わります。

確認方法:固定資産税の課税明細書と公図を持参して窓口で照会する。電話でも対応可能な自治体があるが、正確を期すなら直接窓口へ。

② 有効に2m以上接道しているか測量図で確認する

建築基準法43条では、敷地が道路に2m以上接していることが必要です。接している長さが2m未満の場合、再建築不可の状態になります。測量図がない場合は法務局で公図を取得し、概算でも把握しておきましょう。登記簿の地積と実際の面積に乖離があるケースもあるため、売却時には測量が必要になる可能性があります。

③ 2項道路・セットバックの有無を確認する

幅員4m未満でも特定行政庁が指定した道路は「2項道路」(建築基準法42条2項)として扱われます。この場合、建て替え時に道路中心線から2m(片側)後退するセットバックが必要です。自分の敷地がセットバック対象になっているかどうかを確認してください。

セットバックが必要な場合、敷地面積が減ることを前提とした売却価格になる点に注意が必要です。逆に、セットバックを実施すれば接道義務をクリアできる可能性があるため、買主層が広がるメリットもあります。

④ 43条2項認定・許可の可能性を確認する

建築基準法第43条第2項には、一定の条件を満たせば接道義務を例外扱いできる認定制度(第1号)と許可制度(第2号)があります。

  • 認定制度(第1号):幅員4m以上の道に2m以上接し、利用者が少数の建築物などが対象。建築審査会の同意は不要。
  • 許可制度(第2号):敷地周囲に広い空地がある、または十分な幅員の通路で道路につながっているなどが対象。建築審査会の同意が必要。

ただし、これらの認定・許可は自治体や敷地状況、建築計画ごとの個別判断です。「可能性がある」の段階なら査定にプラス材料になりますが、「必ず許可される」と断定はできません。役所の建築課で事前相談をし、「可能性あり」「現状では難しい」の判断を聞いておくと、その後の売却戦略が立てやすくなります。

⑤ 隣地買い増し・隣地売却・通行承諾の余地を探る

接道不足の原因が「隣地を通らないと道路に出られない」形状の場合、隣地の一部を買い増しするか、隣地所有者に敷地ごと売却する方法があります。

隣地所有者にとって「敷地が拡大する」「接道条件が改善する」などのメリットがある場合、通常の買取よりも高い価格が期待できることがあります。ただし、交渉前に自分の物件のおおよその価格感を把握しておかないと、足元を見られる可能性がある点は注意が必要です。

まずは買取業者の査定を取ってから隣地に打診するのが、交渉力を保つ現実的な順番です。

⑥ 建物の状態と危険度を確認する

建物の老朽化が進んでいる場合、特定空家や管理不全空家に指定されるリスクがあります。2023年の空家対策特別措置法の改正で「管理不全空家」の区分が新設され、住宅用地特例が解除されると固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。

雨漏り・シロアリ被害・傾き・外壁のひび割れなどがないか、第三者による簡易調査(インスペクション)を依頼するのも選択肢です。建物の状態は、後述する「解体判断」の重要な材料になります。

⑦ 権利関係(相続登記・共有・抵当権・私道)を整理する

相続登記が未了のまま放置されている、兄弟で共有名義になっている、私道の所有権や通行権が不明確などの権利関係の問題があると、売却手続きが止まります。2024年4月から相続登記が義務化されているため、登記未了の場合は早めに対応しましょう。

再建築不可の問題に加えて権利関係の整理が必要なケースでは、買取業者であっても対応できるか事前に確認する必要があります。

再建築不可物件の3つの売却方法【比較表】

再建築不可物件の主な売却方法は、「仲介」「専門買取」「隣地所有者への売却」の3つです。それぞれにメリット・デメリットがあり、物件の状態や優先順位によって最適な選択肢が変わります。

比較項目 仲介 専門買取 隣地売却
売却価格 通常物件の50〜70%程度が目安 通常物件の30〜50%程度が目安 通常物件の60〜80%程度が目安
スピード 買主が見つかるまで数ヶ月〜1年超 契約後1〜2ヶ月で現金化できる 交渉成立まで早いが不確実
手間 内覧対応・契約手続き・買主対応が必要 現状のまま引き渡し可能 隣地との交渉が中心
住宅ローンの可否 買主が現金購入か投資用ローンに限られる 買取のためローン不要 隣地所有者による(ローン不要の場合が多い)
契約不適合責任 売主が原則負う。免責特約は難しい 免責特約が付けられるケースが多い 隣地との協議次第
向くケース 立地が良い・建物が使える・時間に余裕がある 早期現金化優先・複合的な訳あり・一般業者に断られた 隣地にメリットがある・関係が悪くない
向かないケース 空き家・老朽化・権利関係が複雑 高額売却にこだわる 隣地とトラブルがある・売却意欲が不明

※価格の目安はあくまで実務上の参考値です。立地・接道状況・建物状態・権利関係によって、この範囲を上回ることも下回ることもあります。

① 仲介での売却|高額期待だが買主探しに時間がかかる

一般の不動産会社に仲介を依頼し、買主を探す方法です。再建築不可物件でも、以下の条件に当てはまる場合は仲介が有力な選択肢になります。

仲介が向くケース

  • 駅から近い、周辺に商業施設があるなど立地が良い
  • 建物が比較的新しく、リフォームすれば居住や賃貸に使える状態
  • 隣地所有者以外にも買主候補が想定できる(投資家・法人など)
  • 売却期間に半年〜1年の余裕がある

ただし、再建築不可物件を一般の不動産会社に相談すると、「売れない」と断られるケースも少なくありません。再建築不可物件の仲介実績がある会社を選ぶことが重要です。仲介を選ぶ場合は、最初の売出価格の設定が成否を分けます。高く出しすぎると問い合わせすら来ないため、複数社の査定を比較して現実的な価格帯を見極めてください。

② 専門買取での売却|早く確実だが価格は下がる

訳あり不動産の買取に特化した業者に直接売却する方法です。現状のまま買い取ってもらえるため、リフォーム・解体・隣地交渉などの手間をかけずに現金化できます。

専門買取が向くケース

  • 固定資産税や管理費の負担を早く止めたい
  • 空き家・老朽化・残置物・相続未了などが複合している
  • 一般の不動産会社にすでに断られた
  • 遠方に住んでおり、現地対応が難しい
  • 解体や近隣交渉を自分で進めたくない

価格は仲介より低くなる傾向がありますが、「売れ残るリスク」「維持コスト」「時間的負担」を総合的に考えると、実質的な手取り額で見れば買取が有利なケースもあります。また、契約不適合責任の免責特約が付けられることが多いため、老朽化した建物でも安心して売却できる点は大きなメリットです。

買取業者に確認すべき5つの質問

買取業者を選ぶ際は、以下の5点を必ず確認してください。

  1. 再建築不可物件の買取実績はどの程度あるか — 実績が少ない業者は査定額が不透明だったり、後日「やっぱり無理です」となるリスクがある
  2. 契約不適合責任の免責範囲はどこまでか — 買取の場合、免責特約が付けられることが多いが、範囲や条件を契約前に書面で確認する。完全免責か、一部免責かで売主のリスクが変わる
  3. 残置物・解体費用はどちらが負担するか — 建物内の荷物や不要物の撤去費用、場合によっては解体費用が査定額から差し引かれるケースがある。見積もり段階で確認する
  4. 私道・43条許可・相続未了まで対応できるか — 再建築不可に加えて別の訳あり要素が重なると、対応できない業者もある
  5. 査定の根拠を説明してもらえるか — 「なぜその価格になるのか」を納得できるまで説明してくれる業者が信頼できる。査定額の内訳(土地評価・建物評価・控除項目)を開示してくれるかも確認する

③ 隣地所有者への売却|価格が上がりやすいが交渉力に注意

隣地の所有者が敷地の拡大や接道の改善を目的として購入するケースです。隣地にとってメリットがある場合、専門買取よりも高い価格が期待できることがあります。

隣地売却が向くケース

  • 隣地が整形になっていない、または接道が不十分で、買い増しにメリットがある
  • 隣地所有者との関係が悪くない
  • 通路・接道・越境など、隣地との関係が価格に直結している

注意

隣地交渉の落とし穴
隣地所有者に声をかける前に、まずは第三者による査定でおおよその価格感を把握しておくことをおすすめします。隣地しか買い手が見つからない状況で先に価格交渉に入ると、買いたたかれるリスクがあるためです。複数の買取業者の査定を取ったうえで、隣地への打診をするのが安全な順番です。

(参考)再建築可能化|時間と費用がかかる選択肢

43条2項の認定・許可申請、隣地の一部買い増し、セットバックによる接道確保など、再建築不可の状態を解消する方法もあります。ただし、これらの対応には以下のデメリットがあることを理解しておく必要があります。

  • 役所との事前協議・許可申請に数ヶ月〜1年以上かかる
  • 隣地買い増しには交渉とまとまった資金が必要
  • 許可が下りる保証はない
  • 費用対効果を計算すると、売却益を上回る可能性もある

再建築可能化は、売却より先に検討するというよりは、「売却が難しい場合の最終手段」「立地が極めて良く、許可が下りれば大きな価値向上が見込める場合」に限った選択肢と考えるのが現実的です。

解体してから売るべき?壊さず売るべき?

再建築不可物件の売却でよくあるのが、「壊してから売ったほうがいいのか、古家付きのまま売るべきか」という判断です。一般的な物件であれば「古家付きより更地のほうが売れやすい」と言えますが、再建築不可物件では話が逆になる場合があります

以下の2つのケースを、建物の状態と照らし合わせて判断してください。

判断軸 壊さず売るべきケース 解体してから売るべきケース
理由 建物が残っていることで、買主が「リフォームして住む」「賃貸に出す」「倉庫として使う」などの活用方法を検討できる 建物が危険で倒壊リスクがある、または特定空家・管理不全空家に指定されるリスクが高い
固定資産税 住宅用地特例の軽減(最大1/6)を受けられる。買主の税負担も軽くなる 解体後は更地になり、住宅用地特例が解除されて税額が上がる
買主候補 投資家・リフォーム事業者・隣地所有者 解体前提で買い取る専門業者・駐車場用地を探す事業者
デメリット 建物の放置による劣化・行政指導リスク。管理不全空家に指定されるリスク 解体費(数十万〜数百万円)がかかる+買主の活用可能性が狭まり売却価格が下がる

編集部としての判断:再建築不可物件では、よほどの理由がない限り、最初から解体せずに古家付きのまま査定に出すことをおすすめします。

理由は3つあります。1つ目は、建物が残っていることで買主の活用の選択肢が広がり、売却価格が上がる可能性があるため。2つ目は、住宅用地特例による固定資産税の軽減が受けられるため。3つ目は、解体費用(数十万〜数百万円)を売主が負担しても、更地にしたことで売却価格が上がるとは限らないためです。

壊すのは売却先が決まってから、買主と解体負担の条件を決めてからでも遅くありません。どうしても解体が必要な場合は、複数の買取業者に見積もりを取ったうえで、解体費用を査定額に反映してもらえるかどうかを確認してください。

2025年からの法改正で何が変わった?【売却への影響】

再建築不可物件の売却を検討するうえで、2025年前後の法改正を押さえておくことは重要です。特に以下の2つの改正が、売却の選択肢や価格に影響します。

4号特例縮小|大規模リフォームが建築確認対象に

2025年4月から、これまで建築確認申請が不要だった木造2階建て以下の住宅でも、大規模修繕・大規模模様替えを行う場合は建築確認申請が必要になりました。

この改正により、再建築不可物件を購入して大規模リフォームを行い賃貸運用するという従来の投資モデルが難しくなっています。結果として、大規模リフォームを前提とした買主層が減るため、売却価格にも影響が出る可能性があります。

一方で、壁紙の張り替えや水回り設備の交換程度の小規模リフォームは従来通り確認不要です。買主の活用計画が小規模なものに限られるという点を踏まえて、売却戦略を考える必要があります。

空家対策特別措置法改正|管理不全空家で固定資産税が増額

2023年の法改正で「管理不全空家」という区分が新設されました。放置された空き家がこの区分に認定されると、住宅用地特例(固定資産税が最大1/6に軽減される措置)が解除され、固定資産税が最大6倍になるリスクがあります。

再建築不可物件は建て替えできないため、空き家のまま放置されやすい物件です。売却を検討しているなら、管理不全空家に指定される前に動くことをおすすめします。

再建築不可物件の売却相場|いくらになる?

「再建築不可物件の価格は通常物件の何割か」という質問をよく受けますが、これを単純な数字で区切るのは危険です。実際の価格は以下の要素で大きく変わります。

価格を左右する5つの要素

  1. 立地 — 駅からの距離、周辺の商業施設、人口動向が最も大きく価格に影響する
  2. 接道不足の程度 — 2m未満か、まったく道路に面していないか、2項道路でセットバックが必要かで査定が変わる
  3. 43条2項認定・許可の可能性 — 「許可の見込みあり」と「現状では不可」では買主層の厚みが違う
  4. 建物の状態 — 居住可能か、リフォーム前提か、解体前提かで価格帯が変わる
  5. 権利関係の整理状態 — 相続登記完了・単独所有か、共有・抵当権ありかで手続きのしやすさが変わる

参考までに、売却方法別の価格目安を整理します。あくまで実務上の参考値であり、確定額ではありません。

売却方法 通常物件と比べた価格目安 価格が上下する主な条件
隣地所有者への売却 60〜80%程度 隣地の接道改善・敷地拡大のメリットの大きさ
仲介(一般市場) 50〜70%程度 立地の良さ・建物の活用可能性・投資家需要
専門買取(訳あり業者) 30〜50%程度 複合的な訳ありの有無・解体費用・再販の出口

また、相続税評価の考え方として、国税庁は接道義務を満たさない宅地を「無道路地」とし、路線価から最大40%の範囲内で評価減できるとしています。ただし、これはあくまで相続税評価の話であり、実勢売却価格とは別物です。

価格の妥当性を判断するには、複数の買取業者から査定を取って比較することが最も確実です。1社だけの査定で判断せず、最低でも3社程度に査定を依頼してください。

再建築不可物件の売却でよくある質問【FAQ】

Q1. 再建築不可物件は本当に売れるのか?

A. 売れます。ただし買主層が限られるため、時間がかかったり価格が下がったりすることがあります。再建築不可物件の買取実績がある専門業者に相談すれば、スムーズに売却できるケースがほとんどです。

Q2. 再建築不可物件の価格は通常物件の何割くらい?

A. 「何割」と一律に言えません。立地・接道の状況・建物状態・許可の見込みで大きく変わります。隣地売却なら60〜80%、仲介なら50〜70%、買取なら30〜50%がひとつの目安ですが、あくまで参考値です。複数の業者で査定を取り、相対的に判断することをおすすめします。

Q3. 解体してから売るのと古家付きで売るのはどちらが得?

A. 再建築不可物件では、多くのケースで古家付きのまま売るほうが有利です。壊してしまうと買主の活用方法が狭まり、売却価格が下がる可能性があります。建物が危険な状態でない限り、まずは古家付きで査定に出しましょう。

Q4. 43条2項の認定・許可をもらえれば再建築できるのか?

A. 可能性はありますが、自治体・敷地状況・建築計画ごとに個別判断されるため「必ず許可される」とは言えません。役所の建築課で事前相談をすることをおすすめします。

Q5. 再建築不可物件でも住宅ローンは使えるのか?

A. 一般の住宅ローンは利用できません。現金購入か、投資用ローンの対象になる場合がありますが、金融機関によって審査基準は異なります。

Q6. 隣地に売ると高く売れるのか?

A. 条件次第です。隣地にとって敷地拡大や接道改善のメリットがある場合は、専門買取より高い価格が期待できます。ただし、交渉前に自分の物件の相場を把握しておかないと、足元を見られるリスクがあります。

Q7. 相続した再建築不可物件は相続放棄すれば済むのか?

A. 相続放棄は不動産だけでなく、被相続人のすべての財産(預金や借金を含む)が対象です。不動産だけを手放す目的では使えません。相続放棄をするかどうかは、全体の財産状況を踏まえて判断する必要があります。

Q8. 2025年の法改正でリフォームできなくなったのか?

A. すべてのリフォームができなくなったわけではありません。壁紙の張り替えや水回り交換などの小規模リフォームは従来通り可能です。大規模な修繕・模様替えを行う場合は建築確認申請が必要になったという点に注意が必要です。

Q9. 買取業者に売る場合、契約不適合責任はどうなる?

A. 買取業者に売る場合、「現状有姿」「契約不適合責任免責」の特約が付けられることが一般的です。ただし、免責の範囲は業者によって異なります。契約前に必ず書面で確認しましょう。

Q10. 再建築不可物件を放置するとどうなる?

A. 固定資産税は毎年かかり続けます。また、空き家の状態が続くと「管理不全空家」に指定され、住宅用地特例が解除されて固定資産税が大幅に上がるリスクがあります。倒壊の危険がある場合は、特定空家に指定され、行政による勧告・命令・代執行の対象になることもあります。

まとめ|あなたの次の一手を整理する

再建築不可物件の売却で最も重要なのは、「まず役所で道路の種別を確認する」「複数の査定を取る」「解体は売却先が決まってから考える」の3つです。

冒頭の診断パターン別に、あなたの次の一手をまとめます。

診断パターン 次にやるべきこと 最終的に向く売却方法
① 立地が良い・建物が使える 再建築不可の仲介実績がある会社を探し、複数社で査定比較 仲介(一般市場)
② 早期現金化が最優先 訳あり物件の買取業者3社に査定を依頼して比較 専門買取
③ 隣地にメリットがありそう まず買取業者の査定で価格感を把握してから隣地に打診 隣地売却 or 専門買取
④ 43条許可の可能性がありそう 役所の建築課で事前相談。許可の見込みを確認してから査定へ 仲介 or 再建築可能化
⑤ 空き家・老朽化・権利関係が複合 訳あり全体をワンストップで扱える買取業者を探して一括査定 専門買取
⑥ 建物が危険・行政指導あり 解体費用見積もりと買取査定を並行して取り、複数比較 専門買取(解体前提)

再建築不可物件は「売れない」のではなく、「売り方と相談先で結果が変わる」不動産です。まずは自分の物件の状態を正確に把握し、複数の選択肢を比較するところから始めてみてください。

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