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再建築不可物件で住宅ローンは組める?審査が難しい理由と購入者・売主の現実的な選択肢

目次

「再建築不可物件を見つけたけど、住宅ローンは組めるの?」「買いたい気持ちはあるけれど、銀行で断られたらどうしよう…」——不動産購入の現場で、この相談はとても多いです。

結論から言えば、再建築不可物件で一般的な銀行の住宅ローンを組むのは難しいケースがほとんどです。ただし「すべての借入が不可能」というわけではありません。フラット35の例外、ノンバンク系の不動産担保ローン、共同担保の活用など、条件次第で検討できる選択肢があります。

一方で、再建築不可物件を売りたい売主にとっては、買主が住宅ローンを使えないために一般売却が進みにくいという課題があります。この記事では、購入者と売主、それぞれの立場から「住宅ローンと再建築不可物件」の現実を整理し、次に取るべき行動を判断できるように解説します。

この記事を書いた人

訳あり不動産 買取相談センター 編集部
共有持分・再建築不可・空き家・相続不動産など、売却時に判断が難しい不動産情報を調査・整理する編集チームです。公式情報や公開データをもとに、相談先選びで迷いやすいポイントを中立的にまとめています。

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まず確認:あなたは「購入者」?「売主」?どちらの立場ですか?

この記事は購入者と売主の両方に向けた内容ですが、読むべき箇所が異なります。以下の診断で、あなたの立場を確認してください。

□ 購入者(物件を買いたい人)
→ 「なぜ難しいのか」「使える借入の選択肢」「リフォームと建築確認の注意点」「住宅ローン控除」を重点的に読んでください。

□ 売主(持っている物件を売りたい人)
→ 「買主がローンを使えないとどうなるか」「一般売却を続けるべきか、買取に出すべきか」のセクションを中心に読んでください。

□ 両方に関わる(相続した物件をどうするか検討中など)
→ 最初から最後まで読めば、購入・売却の両面から判断材料を得られます。

ポイント

購入者も売主も、最初に確認すべきは「その物件の前面道路が建築基準法上の道路か」「接道幅は2m以上あるか」という点です。これが分からないと、どの選択肢が現実的かも判断できません。

なぜ再建築不可物件は住宅ローンが難しいのか【金融機関はここを見ている】

「なぜ住宅ローンが通らないのか」を理解しないまま「再建築不可だからダメ」で終わらせると、他の選択肢を見落とします。金融機関の視点で言えば、再建築不可物件への融資を慎重にする理由は、以下の3つに集約できます。

理由① 担保評価が低い——金融機関が回収できないリスク

住宅ローンは、物件を担保にお金を貸す仕組みです。万が一、借入者が返済できなくなった場合、金融機関は担保の物件を売却して回収します。

ところが再建築不可物件は、建物が火災などで滅失した場合、土地だけでは「建築できない土地」として評価が大きく下がります。再建築可能な土地と比べて買い手が限られるため、金融機関にとっては「担保として売却しても貸した金額を回収できないリスクが高い」と見られ、融資を敬遠する理由になります。

理由② 出口(転売)の流動性が低い

金融機関は、担保物件を売却する際に「いつでも買い手がつくか」も重視します。再建築不可物件の場合、買主が住宅ローンを使いにくいため、現金購入者や投資家など限られた層しか買い手になれません。一般の購入希望者が住宅ローンを利用できないため、マーケットでの流通性が低く、金融機関としては「いざという時にすぐ売却できないリスク」を警戒します。

理由③ 建築確認・大規模改修に制約がある

住宅ローンは「長期的に人が住み続けられる状態」を前提に貸し出されます。再建築不可物件は、建て替えができないだけでなく、大規模なリフォーム(増改築や構造に関わる改修)にも建築確認が必要になるケースが2025年4月以降増えています。建築確認が通らない物件では、大規模な修繕が必要になったときに住み続けられなくなるリスクがあり、金融機関はその点も懸念します。

補足

ここで挙げた3つの理由は、再建築不可物件であっても「接道改善の見込みがある」「出口(転売)の需要があるエリア」「自己資金が多い」といった条件で変わる可能性があります。あくまで「なぜ一般的に難しいと言われるか」の背景として理解しておいてください。

フラット35は再建築不可物件に使える?

「フラット35なら固定金利で安心」というイメージがありますが、再建築不可物件への適用については、原則として厳しいと考えるべきです。

フラット35の中古住宅技術基準では、住宅の敷地は「原則として一般の交通の用に供する道に2m以上接すること」と定められています。これは建築基準法の接道義務(43条)と同様の要件であり、接道を満たさない再建築不可物件は、この時点で基準を満たさない可能性が高くなります。

「43条2項1号(認定)」と「43条2項2号(許可)」の違い

ここで注意したいのが、建築基準法第43条第2項には「1号(認定)」と「2号(許可)」の2種類の例外があることです。

43条2項1号(認定) 43条2項2号(許可)
対象 周囲に広い空地があるなど、技術的基準を満たす敷地 交通・安全・防火・衛生上支障がないと特定行政庁が認める敷地
建築審査会の同意 不要 必要(基準に該当すれば不要の場合もある)
ハードル 比較的低め(ただし該当する敷地は限られる) 個別審査があり、認められるとは限らない

フラット35の公式FAQ(No.3339)で「ご融資の対象になる可能性がある」とされているのは、このうち「43条2項2号(許可)」に該当する建築物の敷地です。つまり、特定行政庁が許可したケースなど、例外的な接道の緩和が認められた物件が該当します。

ただし、この許可は「敷地の状況」「周辺の土地利用」「交通の安全・防火・衛生」などを総合的に判断して下りるもので、申請すれば必ず認められるものではありません。また、43条2項1号(認定)の対象となる敷地はさらに限られます。

注意

フラット35の利用可否は、物件ごとに取扱金融機関の判断が異なります。「43条2項2号の許可が下りれば必ずフラット35が使える」というわけではありません。インターネット上の断定的な情報だけで判断せず、実際に物件の資料を持って金融機関に確認することが確実です。「フラット35なら絶対に通る/通らない」と決めつけないようにしましょう。

【比較表】住宅ローン以外の資金調達選択肢とリスク

銀行の住宅ローンが難しい場合でも、以下のような資金調達の選択肢があります。ただし、それぞれ金利・借入額・リスクが異なるため、単純な比較で選ばず、自分に合うかどうかを慎重に判断する必要があります。

選択肢 金利水準 借入可能額 担保リスク 審査の通りやすさ 向く人
銀行の住宅ローン 低い(変動0.3〜0.5%程度) 高い(数千万円) 物件のみ 困難(再建築不可はほぼ対象外) 通常の再建築可能物件を買う人
フラット35 低め(固定金利) 高い(数千万円) 物件のみ 原則困難(43条2項2号許可など例外あり) 特定行政庁の許可が下りた物件を買う人
ノンバンク系
不動産担保ローン
中〜高(実質年3〜18%程度) 中〜高(数百万〜数千万円) 物件のみ 比較的柔軟(再建築不可対応の会社あり) 物件の担保価値が一定程度あり、高金利を許容できる人
銀行系
不動産担保ローン
中程度 中〜高 物件のみ やや厳しい(担保評価次第) 担保評価が高い物件の人
フリーローン
(無担保)
高い(年5〜15%程度) 低い(数十万〜数百万円) なし 個人の信用力次第 小額の補填が必要な人
共同担保 低〜中 比較的高い 別の不動産もリスクに 可能性あり(担保評価次第) 他に担保になる不動産を持つ人
現金一括購入 金利負担なし 自己資金次第 なし 審査不要 資金に余裕のある購入者

ノンバンク系不動産担保ローン

銀行以外の金融機関(ノンバンク)が提供する不動産担保ローンは、銀行よりも審査の柔軟性が高く、再建築不可物件に対応しているケースがあります。銀行の住宅ローンが通らなかった場合の現実的な選択肢のひとつです。

ただし、金利が銀行の住宅ローンより高い点は大きな違いです。銀行の住宅ローンが年0.3〜1%程度なのに対し、ノンバンク系では年3〜18%程度と幅があります。また、借入額も担保評価に依存するため、購入希望額の全額を借りられるとは限りません。

さらに、ノンバンク系のローンで物件を購入した場合、将来的に売却する際にも同じ制約がついて回ります。あなたが高い金利を払って購入した物件を、次の買主も同じようにローン制約に直面することになるため、出口戦略まで見据えた判断が必要です。

共同担保(別の不動産を担保に入れる)

購入する再建築不可物件に加えて、すでに所有している別の不動産を追加の担保として差し出す方法です。金融機関によっては、2つの物件を担保にすることで融資の可能性が高まることがあります。

ただし注意点として、返済が滞った場合、担保に入れた2つの物件の両方を失うリスクがあります。購入した物件だけでなく、手元に残しておきたい不動産までリスクにさらすことになるため、契約前に金融機関としっかり条件を確認することが不可欠です。

現金一括購入——最もシンプルな選択肢

資金に余裕がある場合、現金一括購入が最も確実な方法です。住宅ローンの審査を受ける必要がなく、金利負担もありません。再建築不可物件の購入者には現金購入者が多く、売主側でも現金買主は歓迎される傾向があります。

ただし、現金一括で買えるからといって、将来のリスクが消えるわけではありません。将来売却する際に買い手が限られる点、建て替えができない点、大規模修繕の制約がある点は変わりません。

購入者が見落としがちな落とし穴:リフォームと建築確認の話

「建て替えはできなくても、リフォームすれば住めるから大丈夫」——そう考えて再建築不可物件を購入する人は少なくありません。実際、軽微なリフォームであれば住み続けること自体は可能です。ただし、「リフォームできる」と「何でも自由に改修できる」は別の話です。

軽微なリフォームなら建築確認は不要

壁紙の張り替え、床の張り替え、水回り(キッチン・浴室・トイレ)の交換程度の工事であれば、建築確認申請は不要です。これらの工事は建物の構造に関わらないため、再建築不可物件でも問題なく行えます。購入後に内装を整えて住むという計画であれば、この範囲で対応できるかをまず確認しましょう。

大規模修繕・模様替えは2025年4月から建築確認が必要に

注意が必要なのは、壁や柱を取り払うような大規模なリフォームや増改築です。2025年4月1日以降、木造2階建て住宅などの大規模修繕・模様替えには建築確認手続きが必要になりました(いわゆる「4号特例」の縮小)。

この改正により、これまで建築確認が不要だった小規模木造住宅でも、構造耐力上主要な部分(柱・壁・梁など)の改修を伴う工事や、増築・用途変更を伴う工事は建築確認の対象となりました。

注意

再建築不可物件では、そもそも建築確認が通りにくいため、大規模リフォームが必要になった場合に「確認申請が下りず、工事が進められない」という事態が起こり得ます。計画段階で「このリフォームに建築確認は必要か」を工事業者に確認しておきましょう。

出典:国土交通省「建築基準法の改正について」

住宅ローン控除は受けられる?

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用して住宅を購入した場合に受けられる税制上の優遇措置です。結論から言えば、住宅ローン控除の可否は「再建築不可かどうか」で判断されるわけではありません

国税庁のタックスアンサーによれば、中古住宅で住宅ローン控除を受けるための主な要件は以下の通りです。

  • 床面積が50㎡以上(2024年以降は40㎡以上で一定の所得要件あり)
  • 取得後6ヶ月以内に入居し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続き居住していること
  • 中古住宅の場合、一定の耐震基準に適合するものであること(または認定長期優良住宅であること)
  • 借入金の返済期間が10年以上であること

このうち「耐震基準」の要件が、築古の再建築不可物件ではハードルになりやすいポイントです。ただし、住宅ローン控除の有無はローン審査の可否とは直接関係しません。まずは住宅ローンが通るかどうかが先決であり、控除はその次の話だと理解しておきましょう。

接道を改善すれば住宅ローンが通りやすくなる?

「再建築不可の原因が接道不足なら、道路に接する状態を改善すれば住宅ローンが使えるようになるのでは?」——理屈としては正しいです。ただし、その道のりは簡単ではありません。

2項道路・セットバック

前面道路が幅員4m未満の「2項道路(みなし道路)」の場合、道路中心線から2m後退(セットバック)することで建築基準法上の接道条件を満たせる可能性があります。この場合、セットバック後の敷地が有効な建築面積を確保できれば、再建築可能になるケースがあります。

ただし、セットバックした部分は敷地として使えなくなるため、有効敷地面積が著しく減少する問題が発生することがあります。自治体の建築指導課で、実際にセットバック後の敷地で建築可能かどうかを確認する必要があります。

43条2項2号(許可)の申請

接道幅が2m未満でも、特定行政庁(自治体の建築担当部署)が許可すれば建築可能になる制度です。先述の通り、この許可が下りれば再建築不可の状態が解消される可能性があり、住宅ローンの審査にもプラスに働くことがあります。

ただし、この許可は「敷地の状況」「周辺の土地利用」「交通の安全・防火・衛生」など総合的に判断されるため、申請すれば必ず認められるわけではありません。また、許可までに時間がかかることもあります。

隣地買い増し

隣接する土地を買い足して、接道幅を広げる方法です。最も確実な方法ではありますが、隣地の所有者が売却に応じるかどうか、価格交渉が成立するかどうかという不確実性があります。また、購入費用が追加で発生します。

ポイント

接道改善の「可能性がある」ことと「現実的にできる」ことは別です。購入前にまず、物件の前面道路が「建築基準法上の道路か」「2項道路か」「私道か」「幅員はいくつか」を、自治体の建築窓口や法務局の公図で確認することから始めましょう。そして、接道改善の見込みがある場合でも、「確実にできる」と断定せず、行政の確認を取ることが大切です。

【売主向け】買主がローンを使えないなら一般売却と買取、どちらを選ぶ?

ここからは、相続した再建築不可物件や、以前から所有している物件を売りたい売主向けの内容です。

再建築不可物件を一般売却に出した場合、買主候補は大きく限られます。なぜなら、購入希望者の大半は住宅ローンを利用しようとするため、再建築不可でローンが通らない物件はそもそも検討対象外になるからです。一般市場に出すと買い手がつきにくく、売却までに時間がかかるか、査定額が通常より低くなりやすい傾向があります。

実際の現場でも、買付が入っても買主のローン特約で白紙になるケースは少なくありません。売主にとっては、価格交渉以上に「この買主が本当にローンを組めるのか」が成約率を左右するため、一般売却の進め方には注意が必要です。

一般売却を続けるべきケース

以下の条件に当てはまるなら、一般売却を続ける選択肢も現実的です。

  • 接道改善の見込みがある(セットバックや43条2項2号許可の可能性があり、売却前に改善できる)
  • 立地が良く、現金購入者の需要が見込める(駅近・商業地・需要の高いエリアなど)
  • 売却に時間的な余裕がある(半年〜1年程度待てる。ただし買い手が現れる保証はない)
  • 物件の価格を最大化したい(買取より高く売れる可能性に賭けたい)

専門買取に切り替えるべきケース

一方、以下のような状況では、専門の買取業者に買い取ってもらう方が現実的です。

  • 一般売却に出しても買い手がつかない(問い合わせすら少ない状態が続く)
  • 早く現金化したい(相続税の納付、ローンの返済、施設入居など理由がある)
  • 物件の管理コストがかかり続けている(固定資産税、維持管理費、空き家のリスク)
  • 物件の状態が悪い(老朽化が激しい、残置物がある、ゴミ屋敷状態など)

補足

再建築不可物件の買取価格は、再建築可能な物件と比べて低くなりやすい傾向があります。一般的な目安として「周辺相場の3〜5割程度」と言われることもありますが、立地や接道改善の余地、建物の状態、現金買主の需要によって大きく変動するため、固定の割合で決めつけることはできません。査定額だけを見るのではなく、「売却までの期間」「手間」「確実性」も含めて比較検討しましょう。

買取業者を選ぶ際の確認ポイント

再建築不可物件の買取に対応している業者を選ぶ際は、以下の点を確認しておくと安心です。

  • 再建築不可物件の買取実績があるか(対応可能と謳っていても、実績が少ない業者もある)
  • 契約不適合責任の免責範囲(現況買取の場合、契約不適合責任が免責になるケースがある。免責の範囲を確認する)
  • 解体費用や残置物撤去費用の負担(買取価格に含まれるか、別途負担か)
  • 査定額の根拠(なぜその価格になるのか、説明が納得できるか)
  • 複数社で相見積もりを取る(1社だけで判断せず、複数の買取業者で査定を比較するのが基本)

よくある質問(FAQ)

Q1. 再建築不可物件でも絶対に住宅ローンは通らない?

絶対に通らないわけではありませんが、一般的な銀行の住宅ローンはほぼ難しいと考えてください。ノンバンク系の不動産担保ローンや共同担保など、代替手段の検討が必要です。金融機関ごとに審査基準は異なるため、複数の金融機関に相談してみることをおすすめします。

Q2. フラット35は再建築不可物件に使える?

原則として難しいと考えてください。フラット35の技術基準では、敷地が「一般の交通の用に供する道に2m以上接すること」が条件です。ただし、建築基準法43条2項2号(特定行政庁の許可)に該当する例外ケースでは融資対象になる可能性があるため、取扱金融機関に直接確認する必要があります。

Q3. 頭金を多く入れれば銀行住宅ローンは通る?

頭金の多寡だけで住宅ローンの可否が決まるわけではありません。金融機関は物件の担保評価も重視します。頭金を多く入れれば融資額が減るためリスクは下がりますが、物件自体の評価が低ければ、それでも審査を通らないケースがあります。

Q4. ノンバンクの不動産担保ローンは安全?リスクは?

銀行の住宅ローンより金利が高い点が最大のリスクです。年3〜18%程度と幅が大きく、返済計画を誤ると月々の負担が重くなります。また、借入額が担保評価に依存するため、希望額の全額を借りられるとは限りません。さらに、将来的に物件を売却する際も同じローン制約が次の買主にのしかかるため、出口戦略まで考えた判断が必要です。契約前に金利・手数料・返済期間をしっかり確認しましょう。

Q5. リフォームローンで購入資金をまかなえる?

リフォームローンはあくまで「リフォーム工事費用」を対象としたローンであり、物件の購入資金そのものには使えません。購入後にリフォームが必要な場合、購入資金とは別にリフォームローンを組むことは可能ですが、住宅ローンより金利が高めで借入額も限られます。

Q6. 共同担保を入れるリスクは?

購入する物件に加えて、あなたが所有する別の不動産も担保に入れるため、返済が滞った場合に両方の物件を失うリスクがあります。手元に残しておきたい大切な不動産をリスクにさらすことになるため、契約前に金融機関と条件をしっかり確認し、返済計画に無理がないか慎重に検討しましょう。

Q7. 接道を改善すれば住宅ローンは通りやすくなる?

接道が改善されて再建築可能になれば、住宅ローンの審査対象になる可能性は高まります。ただし、セットバックや43条2項2号許可、隣地買い増しなど、改善方法によって難易度・費用・期間が大きく異なります。また、改善が確実にできるかは行政や隣地所有者との交渉次第です。

Q8. 売主は一般売却と買取、どちらを選ぶべき?

時間的な余裕があり、価格を最大化したいなら一般売却を続ける選択肢もあります。ただし、買主が住宅ローンを使えないため、現金購入者を待つことになり、売却までに時間がかかりやすい点は理解しておきましょう。早く現金化したい場合や、一般市場で買い手がつかない場合は、再建築不可物件を扱う専門の買取業者に相談するのが現実的です。複数社で査定を比較することをおすすめします。

まとめ:あなたの状況に合わせたアクションプラン

最後に、購入者と売主それぞれが「今、何から始めるべきか」を優先順位順に整理します。

購入者のアクションプラン

Step1:物件の接道状況を確認する
まず前面道路が「建築基準法上の道路か」「2項道路か」「私道か」「幅員はいくつか」を調べます。法務局の公図や自治体の建築窓口で確認できるほか、不動産会社に聞けば教えてもらえます。ここが分からないと、どの選択肢が現実的か判断できません。

Step2:金融機関に相談する(物件情報を持参)
「再建築不可物件だが住宅ローンは可能か」を複数の金融機関に聞いてみます。ネットの情報だけで判断せず、実際の物件資料を持ち込むことで、より正確な回答が得られます。この時点で「難しい」と言われたら、次のStepに進みます。

Step3:代替の資金調達手段を検討し、リスクを比較する
ノンバンク系不動産担保ローン、共同担保、現金一括購入——比較表を参考に、自分に合う選択肢を絞り込みます。このとき「金利がいくらか」「返済が長期間続くか」「もしもの時にどうなるか」まで考えて判断しましょう。

Step4:リフォーム計画があるなら建築確認の要否を確認
購入後に大規模なリフォームを予定しているなら、工事業者に「この工事に建築確認は必要か」を事前に確認してください。2025年4月以降は、壁や柱をいじる工事は建築確認が必要になるケースが増えています。

売主のアクションプラン

Step1:物件の接道状況と再建築可能化の余地を確認
購入者と同じく、まず接道状況の確認がスタートです。セットバックや43条2項2号許可の可能性があれば、売却前に改善することで一般売却の成約率が上がる可能性があります。

Step2:一般売却の可能性と期間を判断する
立地や価格帯から「現金購入者が見つかりそうか」を検討します。もし見込みが薄いなら、早い段階で買取も視野に入れた方が、時間と手間のロスを減らせます。

Step3:買取を検討するなら複数社で査定を比較
専門買取に出す場合も、1社だけで決めずに複数の買取業者に査定を依頼しましょう。買取実績、契約不適合責任の免責範囲、解体費用の負担などを確認した上で、最も条件の良い業者を選びます。


再建築不可物件は「住宅ローンが難しい」という事実を正しく理解した上で、「それでも買う価値があるか」「どうやって手放すか」を冷静に判断することが大切です。物件ごとに条件が異なるため、この記事を判断の出発点として、実際の物件の状況を専門家(不動産会社・建築士・金融機関)に確認しながら進めてください。

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