目次
- 1 私道に面しているだけで「再建築不可」と決まるわけではない
- 2 あなたの私道はどれ?まず「道路種別」を確認する3ステップ
- 3 私道でも再建築できるケース、できないケース
- 4 建築基準法上の道路判定とは別に、私道の「権利関係」も売却のカギを握る
- 5 【チェックリスト】私道物件、売却前に確認すべき6つのステップ
- 6 再建築不可でも出口はある — 建替え・売却・買取の選択肢を比較
- 7 よくある質問(FAQ)
- 7.1 私道に面していると必ず再建築不可ですか?
- 7.2 位置指定道路と2項道路の違いは何ですか?
- 7.3 セットバックすれば必ず建て替えられますか?
- 7.4 2項道路に指定された私道は通行を禁止できますか?
- 7.5 私道の持分がなくても売却できますか?
- 7.6 通行承諾書と掘削承諾書は何が違いますか?
- 7.7 民法改正で承諾なしで掘削できるようになったと聞きましたが本当ですか?
- 7.8 私道の所有者が誰か分かりません。どう調べればいいですか?
- 7.9 私道所有者が死亡していて相続登記もされていません。どうすれば?
- 7.10 再建築不可の私道物件、いくらくらいで売れますか?
- 7.11 売るなら仲介と買取、どちらがおすすめですか?
- 8 まとめ — あなたのケースでは次に何をすべきか

「前面道路が私道で、建て替えできるか不安」「私道だから売れないのでは」——
結論から言うと、私道に面していることだけで再建築不可と決まるわけではありません。建て替えられるかどうかは、その私道が建築基準法上の「道路」に該当するかどうか、そして敷地が2メートル以上接道しているかどうかで判断されます。
ただし、私道の場合は建築基準法上の道路判定と、私道の「権利関係」(持分の有無・通行承諾・掘削承諾)の2つを分けて考える必要があります。この2つのうちどちらかに問題があると、再建築や売却の現実性が大きく変わります。
この記事では、以下の流れで解説します。
- 私道の道路種別の見分け方と、再建築できる条件
- 私道の権利関係(持分・承諾書)が売却に与える影響
- 売却前に確認すべき手順と、建替え・売却・買取の選択肢
私道に面した物件を相続した方、所有している方、購入を検討している方の判断材料としてお読みください。
この記事を書いた人
訳あり不動産 買取相談センター 編集部
共有持分・再建築不可・空き家・相続不動産など、売却時に判断が難しい不動産情報を調査・整理する編集チームです。公式情報や公開データをもとに、相談先選びで迷いやすいポイントを中立的にまとめています。
再建築不可の売却で迷ったら
再建築不可は住宅ローンが付きにくく一般の買い手が限られますが、現況買取や隣地活用で売れるケースは多くあります。再建築不可の扱いに慣れた業者に査定を出すのが第一歩です。
再建築不可の売却に、まずこの1社
株式会社ネクスウィル
再建築不可・接道不良・借地など難しい物件の買取に特化。士業連携で権利や接道の論点もまとめて相談でき、最短3日で現金化。
- 再建築不可・接道不良の買取実績が豊富
- 士業連携で権利・接道の論点も相談可
- 現況のまま買取、最短3日で現金化
あわせて査定を比べたい専門業者
※ 買取価格や対応可否は、物件の所在地・状態・権利関係・登記状況・残置物の有無などで変わります。1社だけで決めず、複数社の査定条件を比較することをおすすめします。
掲載順・掲載内容は当サイト編集部の評価基準(対応範囲・公開情報の充実度・スピード等)によるものです。各社の対応領域は時期により変わる場合があります。
私道に面しているだけで「再建築不可」と決まるわけではない
ここで押さえておきたいのは、次の3つのポイントです。
① 私道でも建築基準法上の「道路」なら再建築できる可能性がある
建築基準法第43条では、建築物の敷地は「建築基準法上の道路」に2メートル以上接する必要があります(接道義務)。ここで重要なのは、公道か私道かは問われないという点です。建築基準法42条で定義される道路に該当するかどうかが判断基準であり、私道であっても条件を満たせば再建築可能です。
② 再建築できるかは「道路種別」と「接道長さ」でまず判断する
前面の私道が建築基準法上の道路かどうか、そして敷地がその道路に2メートル以上接しているか。これが最初の確認ポイントです。道路でなければ43条2項の認定・許可を得られる可能性を探ることになります。
③ 建築基準法上の道路判定と、私道の権利関係(持分・承諾)は別の話
道路種別の条件を満たしていても、私道持分がなかったり、通行承諾・掘削承諾の書類がなかったりすると、売却価格や買主の住宅ローンに影響します。この「二段構え」で考えるのが、私道物件の正しい理解です。
ポイント
まずは次の2つを分けて考える
・建築基準法上の道路か(再建築の可否に関わる)
・私道の権利関係は整理されているか(売却や融資に関わる)
ここから、あなたの私道がどのケースに当てはまるのかを確認していきましょう。
あなたの私道はどれ?まず「道路種別」を確認する3ステップ
前面道路が私道の場合、最初にやるべきことは「その私道が建築基準法上の道路なのか」を確認することです。見た目や通行実態で判断せず、以下のステップで調べてください。
Step1:自治体の窓口またはHPで「指定道路図」を確認する
各市町村(または都道府県)の建築指導課や都市計画課では、建築基準法上の道路を一覧できる「指定道路図」または「道路台帳」を備えています。自治体のホームページで公開しているケースも多いため、まずはそちらを確認しましょう。
役所で聞くときは「私道か公道か」ではなく、「この道路は建築基準法42条の何項何号道路に該当しますか」と聞くと、再建築可否の判断に直結する回答が得られます。現場の経験上、この聞き方を知っているかどうかで確認時間が大きく変わります。
参考URL:
Step2:現地で道路幅員と接道長さを測る
指定道路図で確認したら、実際に現地で道路幅と、自分の敷地が道路に接している長さ(接道距離)を確認します。建築基準法上の道路であれば、幅員4メートル以上であること(2項道路の場合は例外)、接道長さが2メートル以上あることが最低条件です。
Step3:道路種別を特定する
指定道路図と現地確認をもとに、以下の4つのいずれかに分類できます。
| 道路種別 | 根拠条文 | 幅員目安 | 再建築の可否 | 建築審査会 | 手続き期間の目安 | 確認先 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 位置指定道路 | 42条1項5号 | 原則4m以上 | ○ 可能性が高い | 不要 | — | 自治体指定道路図 |
| 2項道路(みなし道路) | 42条2項 | 1.8m〜4m未満 | △ セットバック次第 | 不要 | — | 自治体指定道路図 |
| 43条2項1号(認定) | 43条2項1号 | 4m以上の道 | △ 自治体認定次第 | 不要 | 比較的短期(数週〜2か月程度) | 建築指導課 |
| 43条2項2号(許可) | 43条2項2号 | 幅員不問 | △ 審査次第 | 必要(一括同意基準該当の場合は省略可) | 比較的長期(2〜6か月程度) | 建築指導課 |
| 法外道路(非該当) | 該当なし | 不問 | × 原則不可 | — | — | 該当なし |
この表のどこに当てはまるかで、再建築の可能性が大きく変わります。次のセクションで詳しく見ていきましょう。
私道でも再建築できるケース、できないケース
道路種別ごとに、再建築の現実性を見ていきます。
再建築できる可能性が高い道路種別
位置指定道路(42条1項5号)
位置指定道路は、特定行政庁から位置の指定を受けた私道です。幅員は原則4メートル以上で、建築基準法上の道路として認められています。この道路に2メートル以上接していれば、一般的に再建築は可能です。私道であっても、建築基準法上の道路として扱われる代表的なケースです。
2項道路(42条2項・みなし道路)
建築基準法成立前(昭和25年以前)から存在する幅員1.8メートル以上4メートル未満の道路で、特定行政庁が指定したものです。この場合は、セットバック(道路の中心線から両側に2メートルずつ後退)が必要になります。
ここで特に注意したいのが、2項道路の指定は私道所有者の承諾なしに行われることがあるという点です。特定行政庁が規則や告示で行う「包括的指定」の場合、土地を個別に特定せず、一定の条件を満たす道を一括で指定するため、所有者が知らない間に自分の私道が2項道路に指定されているケースが実際にあります。
2項道路に指定されると、私道所有者であっても勝手に通行を禁止できなくなります。また、将来的に建て替えの際にはセットバックが必要になるため、売却時にはこの点を買主に説明する義務が生じます。
43条2項1号認定ルート
建築基準法上の道路ではないが、幅員4メートル以上の道(農道や通路など)に2メートル以上接している場合、特定行政庁の認定(43条2項1号)を得られれば再建築できる可能性があります。建築審査会の同意は不要で、手続き期間も比較的短期(数週間〜2か月程度)です。ただし、利用者が少数の建築物に限られるなど用途・規模の制限があります。
再建築が難しい道路種別
法外道路(建築基準法非該当の道路)
建築基準法上の道路に該当しない単なる通路や私道です。この場合は43条2項2号の許可(建築審査会の同意が必要)を取得できるかが焦点になります。許可を得るには、敷地の周囲に広い空地があるなど一定の基準を満たす必要があり、手続き期間も2〜6か月程度と長期になる傾向があります。
単なる通路・私道(位置指定も2項指定もない)
建築基準法上の道路としての指定がなく、43条2項ルートも使えない場合は、原則として新築・建て替えはできません。この場合の出口としては、現況のまま売却する、隣地所有者に売る、買取業者に売却するなどの選択肢を検討することになります。
セットバックすれば必ず再建築できるわけではない
2項道路に面している場合、「セットバックすれば再建築できる」と思われがちですが、以下の条件を満たす必要があります。
- 道路が正しく2項道路に指定されていること
- セットバック後の接道長さが2メートル以上あること
- セットバックする土地が自分の敷地内にあること
- セットバック部分の権利処理(舗装・管理・場合によっては自治体への移管)が可能であること
特に、セットバック部分が私道の場合、自治体が移管を受け付けないケースがあります。その場合は自己負担で舗装・維持管理を続けることになるため、注意が必要です。
注意
セットバックの条件や43条2項認定・許可の可否は自治体(特定行政庁)の判断によります。この記事では一般論を説明していますが、必ずお住まいの自治体の建築指導課で事前相談を行ってください。
建築基準法上の道路判定とは別に、私道の「権利関係」も売却のカギを握る
前面道路が建築基準法上の道路と判定され、再建築が可能でも、それだけでスムーズに売却できるとは限りません。私道には「権利関係」という別のハードルがあり、これが売却価格や買主の住宅ローンの通りやすさに大きく影響します。
ここでは、私道の権利関係で押さえるべき3つの論点を整理します。
私道持分の有無で売れやすさが変わる
自分の敷地から前面道路までの間の私道に、あなたが持分を持っているかどうかがまず重要です。
私道持分あり(共有私道の共有者の一人)
私道の共有持分を持っている場合、私道の管理・修繕に関する権利と義務があります。この場合は一般的に売却時の買主への説明がしやすく、価格への影響も比較的少なくて済みます。ただし、共有者が複数いる場合は、私道の将来的な管理方法について買主が不安を感じるケースもあるため、事前に共有者とルールを確認しておくと安心です。
私道持分なし(通行地役権などで通行しているだけ)
自分の敷地から道路に出るまでの私道に持分がない場合、売却のハードルが一段上がります。この場合、通行や掘削(上下水道・ガス管の工事)について私道所有者の承諾書が必要になるケースがほとんどです。承諾書がない状態では、買主が住宅ローンを組めなかったり、将来的な建て替えが不安視されたりして、買い手が大きく限られます。
価格面では、持分なしの物件は同じエリアの再建築可能物件と比較して、「持分を保有する場合のさらに一段階」評価が下がる傾向があります。一般仲介で売れる可能性は低くなり、買取業者の査定額も持分ありのケースより低くなるのが実態です。
通行承諾と掘削承諾は別物 — 法律上の権利と実務上の要求のギャップ
私道に関わる承諾には「通行承諾」と「掘削承諾」の2種類があることを理解しておきましょう。
| 通行承諾 | 掘削承諾 | |
|---|---|---|
| 内容 | 私道を人が通ったり車で通行したりすることの承諾 | 上下水道・ガス管等の工事で私道を掘削することの承諾 |
| 法的な位置づけ | 通行地役権や囲繞地通行権(民法210条)の有無による | 民法213条の2(令和5年4月施行)で設備設置権が明確化 |
| 実務上の必要性 | 住宅ローンの審査や売買契約で求められることが多い | インフラ会社・金融機関が書面での承諾を要求するケースが多い |
ここで特に注意したいのが、民法上の権利と実務上の要求にはギャップがあるという点です。
令和5年4月の民法改正で、電気・ガス・水道等の継続的給付を受けるための設備設置権(民法213条の2)が明確化されました。これにより、法律上は私道所有者の承諾がなくても一定の予告期間を経て設備設置工事が可能になりました。ただし、実際の売買実務では、以下の理由から承諾書が求められることがほとんどです。
- 金融機関(住宅ローンの融資審査)が承諾書の提出を条件とする
- 東京ガス・東京電力などのインフラ会社が実務上の承諾書を要求する
- 将来の紛争予防の観点から、買主側が承諾書の存在を重視する
つまり、「法律上は承諾不要」でも、実務上は承諾書を用意しておいたほうが売却がスムーズに進む、というのが現実です。
私道所有者が不明・死亡・相続登記未了の場合は?
私道の所有者が誰か分からない、所有者が死亡しているが相続登記がされていない、共有者が多くて全員の連絡先が分からない——こうしたケースは実際によくあります。
このような場合、以下の対応が考えられます。
① 法務局で登記簿を確認する
まずは法務局で私道の登記簿を取得し、現在の所有者を確認します。登記簿上の所有者が死亡していれば、その相続人を戸籍で調査することになります。
② 共有私道なら保存行為・管理行為の範囲を見極める
法務省の「共有私道ガイドライン(第2版)」では、保存行為(現状維持の修繕など)は単独で可能、管理行為(舗装の打ち替えなど)は共有者の過半数で可能とされています。ただし、変更行為(私道の形質変更など)は全員の同意が必要です。
③ それでも所有者が特定できない場合
所有者が不明で承諾が取れない場合、売主個人で解決しようとせず、専門家を交えた方が揉めにくくなります。具体的な選択肢としては以下があります。
- 弁護士に相談し、財産管理制度(不在者財産管理人・相続財産管理人の申立て)の利用を検討する
- 共有私道の権利関係の整理を司法書士や土地家屋調査士に依頼する
- 私道の権利関係を整理せずに現況のまま買い取る専門業者を探す
ポイント
私道の権利関係で詰まったら
・まずは法務局で登記簿を確認する
・所有者が複数・不明の場合は個人で全部を解決しようとしない
・専門家(弁護士・司法書士・土地家屋調査士)または買取業者に相談する
【チェックリスト】私道物件、売却前に確認すべき6つのステップ
ここまでの内容を踏まえ、私道に面した物件を売却する前に確認すべきことを、順番に整理しました。
Step1:自治体で道路種別を確認する
指定道路図や建築指導課で、前面道路が建築基準法42条の何項何号道路かを確認します。「私道か公道か」ではなく「42条の何項何号道路か」を聞くのがポイントです。
確認先:市町村の建築指導課/都市計画課
Step2:現地で道路幅員と接道長さを確認する
実際に道路幅と、敷地が道路に接している長さを測ります。建築基準法上の道路なら幅員4メートル以上(2項道路の場合は例外)、接道2メートル以上が最低条件です。
Step3:法務局で登記簿・公図・私道持分を確認する
自分の敷地だけでなく、前面道路の私道の登記簿も確認します。私道の所有者、持分の有無、共有者の有無を把握します。あわせて、地積測量図や公図も取得しておくとよいでしょう。
確認先:法務局(オンラインでも可)
Step4:通行承諾・掘削承諾の書類の有無を確認する
過去の売買時や建築時に、私道所有者からの通行承諾書・掘削承諾書が作成されているかを確認します。書類がなければ、現在の私道所有者への承諾依頼が必要になるかどうかを検討します。承諾書を取得する際は、買主やその後の所有者にも承諾が承継される条項を入れておくと、将来のトラブル防止になります。
Step5:上下水道・ガス管の引込経路を確認する
インフラの配管が私道や他人地の下を通っていないか確認します。通っている場合、将来的な修繕や建て替え時に掘削承諾が必要になる可能性があります。水道局・ガス会社に経路図を確認する方法もあります。
Step6:43条2項認定・許可やセットバックの可能性を建築指導課に相談する
前面道路が建築基準法上の道路でない場合でも、43条2項1号(認定)や2号(許可)の対象になる可能性があるか相談します。「43条2項の認定または許可の対象になりますか」と具体的に聞くとスムーズです。あわせて、2項道路に指定されている場合はセットバックの条件を確認します。
確認先:市町村の建築指導課
再建築不可でも出口はある — 建替え・売却・買取の選択肢を比較
確認の結果、再建築が難しいと判明した場合でも、出口は複数あります。「再建築不可=無価値」と決めつけず、自分の状況に合った選択肢を検討しましょう。
一般仲介が向くケース
以下の条件を満たす場合、一般の不動産仲介で売却できる可能性があります。
- 建築基準法上の道路(位置指定道路や2項道路)に接している
- 私道持分がある、または通行承諾・掘削承諾の書類が揃っている
- 建物に一定の価値(居住可能・リフォームで使える)がある
- 買主が自己資金豊富で住宅ローンに依存しない、または現金購入を検討している
このケースでは、再建築可能物件より価格は下がるものの、一般市場での販売が現実的です。
専門買取業者に売るケース
以下のようなケースでは、一般仲介よりも訳あり物件専門の買取業者の方が現実的な選択肢になります。
- 私道持分がない
- 通行承諾書・掘削承諾書がない
- 私道所有者が不明・死亡・相続登記未了で承諾が取れそうにない
- 建物が老朽化して解体前提
- 早期売却を希望する
買取業者は、再建築不可の状態でも現況のまま買い取ることができます。ただし、買取価格は一般市場での販売価格より低くなるのが一般的です。また、私道持分の有無や承諾書の有無によって査定額が変わるため、複数の業者で比較することが重要です。
現場の実務でよくあるのは、私道持分なし+承諾書なしの「二重の詰まり」があるケースです。この場合、一般仲介では買主がほぼ見つからない一方で、私道の権利関係を熟知した専門業者であれば買取可能なケースがあります。ただし、査定額は持分ありの場合よりさらに低くなる傾向にあるため、その点は理解しておきましょう。
隣地所有者への売却・隣地取得というルート
再建築不可物件の隣地所有者にとっては、隣の土地を取得することで自分の敷地と一体利用できるメリットがあります。隣地所有者が自分の土地と合わせて使いたいと考えている場合、一般市場よりも有利な条件で売却できる可能性があります。
また逆に、自分が隣地を取得できれば、接道条件を満たして再建築可能になるケースもあります。ただし、隣地が売りに出ていない限り、所有者との個別交渉が必要です。
注意
売却方法の選択は、道路種別・持分の有無・承諾書の有無・建物状態・希望する売却スピードによって変わります。まずは上記の6ステップで現状を確認し、その結果に基づいて選択肢を比較することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
私道に面していると必ず再建築不可ですか?
いいえ。私道でも建築基準法上の道路(位置指定道路・2項道路など)に該当し、2メートル以上の接道があれば再建築できる可能性があります。まずは自治体の指定道路図で道路種別を確認してください。
位置指定道路と2項道路の違いは何ですか?
位置指定道路(42条1項5号)は特定行政庁が位置を指定した幅員4メートル以上の私道です。2項道路(42条2項)は建築基準法制定前からある幅員1.8メートル以上4メートル未満の道路で、セットバックが必要になる点が異なります。また、2項道路は所有者の知らないうちに指定されるケースがあることにも注意が必要です。
セットバックすれば必ず建て替えられますか?
必ずとは言えません。2項道路の指定を受けており、セットバック後の接道長さが2メートル以上あることが前提です。また、セットバック部分の権利処理や自治体への移管ができないケースもあるため、事前に建築指導課で確認が必要です。
2項道路に指定された私道は通行を禁止できますか?
できません。2項道路に指定されると、その道路は建築基準法上の道路として扱われ、一般公衆の通行を妨げることはできなくなります。私道所有者であっても、勝手に通行を禁止したり、通行料を請求したりすることは認められていません。
私道の持分がなくても売却できますか?
売却自体は可能ですが、一般仲介では買主が大きく限られます。私道持分がない場合、通行承諾書や掘削承諾書の有無が買主の住宅ローン審査に影響するためです。専門買取業者であれば持分なしでも買取可能なケースがありますが、査定額は下がる傾向にあります。
通行承諾書と掘削承諾書は何が違いますか?
通行承諾は私道を通行することへの承諾、掘削承諾は上下水道・ガス管などの工事で私道を掘ることへの承諾です。民法213条の2の改正で法律上は一定の予告期間で設備設置が可能になりましたが、実務では金融機関やインフラ会社が承諾書を求めるケースが多いため、両方とも用意しておくのが無難です。
民法改正で承諾なしで掘削できるようになったと聞きましたが本当ですか?
令和5年4月施行の民法213条の2により、電気・ガス・水道の設備設置について、一定の予告期間を設ければ私道所有者の承諾なしで工事が可能になりました。ただし、金融機関の住宅ローン審査やインフラ会社の実務では承諾書を求めるケースがほとんどです。「法律上は不要=実務上も不要」ではない点に注意してください。
私道の所有者が誰か分かりません。どう調べればいいですか?
法務局で私道の登記簿を取得することで、登記上の所有者を確認できます。オンラインでも取得可能です。登記簿上の所有者が死亡している場合は、戸籍調査で相続人を特定する必要があります。
私道所有者が死亡していて相続登記もされていません。どうすれば?
相続人が判明していれば承諾を取ることができますが、相続人が複数いる場合や不明な場合は、弁護士に相談し財産管理制度の利用を検討する方法があります。また、こうした権利関係の複雑な物件を扱える専門買取業者に相談するのも一つの選択肢です。
再建築不可の私道物件、いくらくらいで売れますか?
一律に「通常の何割」と断定することはできません。道路種別、私道持分の有無、承諾書の有無、接道長さ、セットバックの要否、43条2項の可能性、立地、建物状態などによって価格は大きく変わります。特に「持分なし+承諾書なし」の二重の詰まりがある場合と、持分ありで承諾書も揃っている場合では、査定額に大きな差が出ます。複数の業者で査定を取って比較することをおすすめします。
売るなら仲介と買取、どちらがおすすめですか?
建築基準法上の道路で持分・承諾書も揃っているなら、一般仲介で高く売れる可能性があります。一方、私道持分なし・承諾書なし・所有者不明・早期売却希望などのケースでは、専門買取業者の方が現実的です。まずは6ステップで現状を把握し、それに合った選択肢を選びましょう。
まとめ — あなたのケースでは次に何をすべきか
私道に面した物件の再建築可否と売却判断、いかがでしたか。
「私道だから即再建築不可」「私道だから売れない」と早合点せず、まずは道路種別と権利関係の2つを分けて確認することが、正しい判断への第一歩です。
最後に、あなたの状況別に「次に何をすべきか」を整理します。
ケース①:まだ何も確認していない段階
まずは自治体の指定道路図で道路種別を確認。あわせて法務局で私道の登記簿を取得し、持分と所有者を調べましょう。役所には「42条の何項何号道路ですか」と聞くのが効率的です。
ケース②:道路種別は建築基準法上の道路だが、持分や承諾書に不安がある
私道所有者との関係が良好なら承諾書の取得を検討。取得する際は買主にも承継される条項を入れておくとスムーズです。難しい場合は専門買取業者や司法書士への相談が現実的です。
ケース③:道路種別が法外道路で再建築が難しい
43条2項1号認定(幅員4m以上の場合)または2号許可の可能性を建築指導課で相談。難しい場合は隣地売却や専門買取も含めて出口を比較しましょう。
私道物件は一見するとハードルが高く感じられますが、正しい順番で確認すれば「無価値」ではなく「売り方次第」というのが実態です。まずは役所と法務局の確認から始めてみてください。
再建築不可の売却で迷ったら
株式会社ネクスウィル
再建築不可・接道不良・借地など難しい物件の買取に特化。士業連携で権利や接道の論点もまとめて相談でき、最短3日で現金化。