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自分の共有持分だけなら、他の共有者の同意がなくても売却できます。ただし「法的に売れる」と「実際に買い手がつく」「納得できる価格で売れる」は別問題です。本記事では、共有持分の売却可否を5段階で診断し、あなたの状態に最適な売却方法を選べるように整理します。
共有持分の売却で迷ったら
共有持分は権利関係や共有者との調整が問題になりやすく、対応できる業者が限られます。まずは共有持分の買取実績がある専門業者に無料査定を出し、価格と対応を比べるのが近道です。
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※ 買取価格や対応可否は、物件の所在地・状態・権利関係・登記状況・残置物の有無などで変わります。1社だけで決めず、複数社の査定条件を比較することをおすすめします。
掲載順・掲載内容は当サイト編集部の評価基準(対応範囲・公開情報の充実度・スピード等)によるものです。各社の対応領域は時期により変わる場合があります。
この記事でわかること
- 自分の共有持分だけなら、なぜ同意なしで売れるのか
- 「持分の売却」と「不動産全体の売却」の決定的な違い
- 売却可否を5段階で診断する方法
- 登記・抵当権・占有・共有者関係 事前確認の3つのポイント
- 5つの売却方法の条件別の選び方
- 売却後の影響と契約前に確認すべきこと
この記事を読めば、自分が今どの状態にあり、次に何をすべきかが具体的に判断できるようになります。
この記事を書いた人
訳あり不動産 買取相談センター 編集部
共有持分・再建築不可・空き家・相続不動産など、売却時に判断が難しい不動産情報を調査・整理する編集チームです。公式情報や公開データをもとに、相談先選びで迷いやすいポイントを中立的にまとめています。
自分の共有持分だけなら、原則として同意なしで売却できる
共有持分は民法上の「所有権」の一部です。自分の持分だけを第三者に売却する行為は、自己の権利を処分するものにすぎないため、他の共有者の同意は原則として不要です(民法206条「所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する」)。
ここで誤解されやすいのが、民法249条を売却の根拠として引用するケースです。249条は「各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる」という、共有物の「使用」に関する規定です。売却の根拠はあくまで所有権一般の処分権能(206条)に基づくものであり、249条は使う条文として適切ではありません。
ただし、これはあくまで「自分の持分だけを売る」場合の話です。「共有不動産全体を売る」場合や、「自分の持分以外の権利まで含めて処分する」ケースでは、全く異なるルールが適用されます。次の項で詳しく見ていきましょう。
自己持分の売却と「不動産全体の売却」は何が違うのか
この2つは「売却対象」「必要な同意」「買主の種類」「売却後の状態」のすべてが異なります。まずは大きな違いを押さえてください。
| 比較項目 | 自己持分だけの売却 | 不動産全体の売却 |
|---|---|---|
| 売却対象 | 自分が登記上持つ持分のみ | 共有者全員の持分(=不動産全体) |
| 他の共有者の同意 | 不要(単独で決められる) | 全員の同意が必要(1人反対で不可) |
| 買主の種類 | 主に共有持分買取専門業者・共有者本人 | 一般の不動産購入希望者全般 |
| 売却価格 | 全体価格より低くなりやすい(持分按分のさらに減額) | 不動産全体の市場価格で取引される |
| 売却後の状態 | 買主が新たな共有者として加入する | 共有状態が解消される |
| 法的根拠 | 民法206条(所有権の処分権能) | 民法251条(変更行為には全員同意) |
持分割合と物理的範囲の誤解に注意
「2分の1の共有持分を持っている」=「土地の東半分を単独所有している」「建物の1階を独占できる」という意味ではありません。
共有持分とは、不動産全体に対する権利の割合であり、特定の場所の単独所有権とは異なります。例えば兄と弟が2分の1ずつ共有する土地で、兄が「俺の半分は玄関から右側だ」と主張しても、それは法律上の根拠がありません。
この誤解があると、「自分の持分だけなら好きに使える・売れる」と思い込み、後々トラブルになりがちです。
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あなたの持分は本当に売れる?5段階で診断する
「同意なしで売れる」と聞くと「すぐにでも売れる」と思いがちですが、実際にはいくつかの関門があります。以下の5段階で、自分の持分が「法的に売れる」から「実際に現金化できる」までの現実を診断してみましょう。なお共有持分の売却では、1社の査定だけで判断するのは危険です。同じ物件でも、業者によって提示額や条件が大きく異なるからです。複数社で比較するところから始めましょう。
第1関門:法的に売却できるか(所有権の確認)
まず大前提として、あなたがその不動産の共有持分を適法に所有しているかどうかを確認します。登記簿上の名義と持分割合が自分の認識と一致していることが必要です。相続で取得した場合は、相続登記が完了していないと売却できません。
→ この関門をクリアできない場合:まず相続登記や名義の整理から始める必要があります。
第2関門:登記・担保上、決済できるか
あなたの共有持分に抵当権(住宅ローンなど)や差押えが設定されている場合、それらを抹消しないと買主に権利を移せません。抵当権が残ったままでは、通常の取引では決済が完了しません。
→ 債務の残額によっては、売却代金で返済できるかどうかを事前に確認する必要があります。
第3関門:買主が見つかるか(市場性)
共有持分は不動産全体と違って自由に使える権利ではないため、一般の購入希望者が買うことはほぼありません。買い手は限られるため、仲介で不特定多数に売り出すよりも、共有持分の取り扱いに慣れた専門業者を探すことになります。
→ 案件によっては買取を断られることもあります。その場合は共有物分割請求など別の手段を検討します。
第4関門:価格・手取りが合理的か(経済合理性)
共有持分の買取価格は、不動産全体の時価×持分割合×さらに減額(買取業者の再販リスク等を反映)となるのが一般的です。売却後の手取り額が納得できる水準かどうかを冷静に判断する必要があります。
ここで注意したいのが、ネット上には「共有持分の買取相場は〇〜〇%」といった一律のパーセンテージを示す情報が多く見られることです。しかし、実際の価格は持分割合の大きさ・共有者の人数・占有の有無・共有者間の関係・抵当権の有無・物件の立地や状態によって個別に変わるため、一律の数字で語るのは不正確です。この記事ではあえて一律の%を提示せず、価格を左右する要因を理解したうえで、複数社の査定を比較することをおすすめします。
→ 価格と手間・時間のバランスを天秤にかけ、「売ってよかった」と思える条件かどうかを見極めてください。
第5関門:売却後の影響を許容できるか
持分を売却すると、買主が新たな共有者として共有関係に加わります。残された他の共有者にとっては「知らない人が共有者になる」状態です。これによって共有者間の関係が悪化したり、使用料請求や共有物分割請求などの行動を買主が取る可能性もあります。
→ 売却後に起こりうる変化を理解したうえで、売却するかどうかを判断する必要があります。
ポイント
この5関門のうち、1つでも「クリアできない」がある場合は、専門家への相談を検討するタイミングです。
特に第1関門(所有権・登記の確認)と第2関門(抵当権・差押え)は、自力で判断するのが難しいケースもあります。司法書士や訳あり物件の買取専門業者に登記事項証明書を送って確認してもらうところから始めると安心です。
売却前に登記簿で確認すべき3つのポイント
売却を本格的に検討する前に、必ず登記簿(登記事項証明書)で事前確認すべき3つのポイントがあります。これを怠ると「売れないことが途中でわかった」「手続きが止まった」という事態になりかねません。
① 名義・持分割合・対象物件の確認
登記簿は「土地」と「建物」で別々の用紙になっています。さらに私道部分がある場合は、その土地の登記も別に存在するため、複数の登記簿を確認する必要があります。必ず以下の項目をチェックしてください。
- あなたの名前で登記されているか(相続登記未了の場合はあなたの名義になっていない)
- 持分割合はいくらか(例:2分の1、3分の1)
- 土地・建物それぞれの持分が同じ割合か(異なることもある)
- 私道・通路部分の持分も含まれているか
現場でよくあるケース
兄と弟で実家の土地建物を2分の1ずつ相続。弟は「土地だけ自分の持分を売りたい」と考えていたが、登記簿を確認すると、建物の持分は兄の単独名義になっていた(遺産分割でそう決めた)。
弟が「自分の持分」と思っていたのは「土地の2分の1」だけであり、建物には持分がなかった。このように「持分の内訳」を正確に把握しないまま話を進めると、売れる範囲を間違える原因になります。
② 抵当権・差押え・処分禁止仮処分の有無
登記簿の「権利部(乙区)」には、抵当権(住宅ローンなど)や差押え、仮差押え、処分禁止仮処分などの権利が記載されています。これらは、あなたの持分だけに設定されている場合と、共有不動産全体にかかっている場合があります。
- あなたの持分だけに抵当権がある場合:売却代金で返済すれば抹消可能。ただし住宅ローンの残債が売却額より多いと、銀行の承諾を得るなど別途調整が必要。
- 共有者全員の持分に抵当権がある場合(連帯債務など):あなた一人の売却だけでは抵当権を抹消できず、全員で対応する必要がある。
- 差押えがある場合:売却自体は可能だが、差押えの解除が前提となる。
③ 相続登記・住所変更登記が済んでいるか
【2026年最新】2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知ってから3年以内の登記申請が必要になりました。また、2026年4月からは住所変更登記・氏名変更登記も義務化され、変更日から2年以内に登記しなければなりません。
- 相続登記未了のままでは、あなたの名義になっていないため売却できない
- 登記簿上の住所が現在と違っていると、本人確認書類と一致せず、登記手続きに支障が出る
- これらの登記は売却前に先に済ませておく必要がある(司法書士に依頼すると1件数万円程度)
注意
注意:相続登記の期限が迫っています
2024年4月1日より前に相続したことを知っていて、まだ相続登記をしていない場合、2027年3月31日までに登記をしないと過料(10万円以下)の対象になる可能性があります。相続登記の手続きには戸籍謄本の収集など時間がかかるため、早めに司法書士に相談してください。
共有者がいる・居住中でも売却できるのか
「共有者が住んでいる」「賃借人がいる」「連絡が取れない共有者がいる」といった状況でも、自分の持分だけを売却することは法的には可能です。ただし、それぞれに実務上の注意点があります。
共有者が居住中でも持分売却は可能だが、買主はすぐに退去させられない
共有者が居住している場合でも、あなたの持分だけを売却することはできます。しかし、買主が「住んでいる共有者をすぐに追い出せる」わけではありません。共有者は持分に応じて共有物を使用する権利(民法249条)を持っているため、買主が取得したのは「持分」のみであり、共有者の占有権限を直ちに否定できるものではないからです。
賃借人がいる場合
賃貸中の物件(オーナーチェンジ物件)であれば、賃借人がいても持分売却は可能です。ただし、借地借家法による賃借人の保護があり、賃貸契約は新所有者に承継されるのが原則です。
連絡が取れない共有者がいる場合
所在が分からない共有者がいる場合でも、自己持分の売却自体は可能です。ただし、売却後に所在不明の共有者の持分も含めて整理したい場合は、「所在等不明共有者制度」(2023年4月施行)を利用できるケースがあります。この制度は「単に連絡が取れない」だけでは利用できず、相当な調査をしても所在が判明しない場合に限られるため、専門家への相談が必要です。
共有持分の売却方法5選|条件別の選び方
自分の共有持分を売る方法は大きく5つあります。どれが最適かは、共有者との関係・価格優先か速度優先か・売却後の状態によって変わります。それぞれの特徴を理解したうえで選びましょう。
① 共有者本人へ売る(価格優先・関係維持)
まず検討したいのが、現在の共有者本人にあなたの持分を買ってもらう方法です。この場合、買主はすでに共有者なので、新たな共有者が増えることはなく、残された共有者全員にとって最も分かりやすい形になります。価格も第三者に売るより高くなりやすく、固定資産税や管理の引き継ぎもスムーズです。
ただし、共有者が買い取る資金を持っているかどうか、また「買う気があるか」が前提となります。共有者との関係が悪化している場合は話し合い自体が難しいため、次の選択肢を検討します。
② 共有不動産全体を売る(全員合意できるなら最優先候補)
共有者全員の同意が得られるなら、不動産全体を売却し、売却代金を持分割合に応じて分けるのが最も合理的です。共有状態そのものが解消され、一般の購入希望者にも販売できるため、最も高い価格での売却が期待できます。
ただし、1人でも反対する共有者がいれば全体売却はできないのが難点です。共有者間の話し合いがまとまる可能性があるなら、まずこの選択肢を優先的に検討するとよいでしょう。
③ 仲介で自分の持分だけ売る(需要が限定される)
一般の不動産仲介会社に依頼して、自分の持分だけを売りに出す方法です。しかし、共有持分は自由に使用・収益できないため、一般の購入希望者が買うことはほとんどありません。一部の共有持分専門仲介業者は「入札方式」などで買い手を募るサービスを提供していますが、それでも買主は投資家や不動産事業者に限られるのが実情です。共有持分の取り扱い実績がない仲介会社に依頼しても、買い手が見つからずに期間だけが過ぎてしまうケースが多いため、仲介を選ぶなら共有持分専門の業者に絞る必要があります。
④ 専門買取業者に売る(速度・関係遮断優先)
共有持分の買取に特化した専門業者が増えています。仲介と違い、買取業者が直接あなたの持分を買い取るため、買い手探しの期間が不要で、最短で現金化できる方法です。共有者との直接交渉も不要で、名義変更手続きまで買取業者が対応することが多いため、関係が悪化した状態から抜け出したい人に適しています。
ただし、買取価格は不動産全体の時価より低くなります。買取業者は「再販リスク」「共有者との調整リスク」「転売までの期間」を考慮して価格を設定するためです。
共有持分の買取が現実的なのは、共有者と話がつかず、自分だけでも先に整理したい人です。ただし共有持分の査定額は、持分割合・占有の有無・共有者との関係・登記の状態によって業者ごとに判断が分かれ、同じ物件でも提示額に差が出ます。1社だけで決めると相場観がないまま契約することになるため、共有持分の取り扱いに慣れた複数社で条件を比べるところから始めるのが安全です。
⑤ 共有物分割請求(共有状態そのものを解消)
話し合いで解決できない場合、裁判所を通じて共有状態を解消する「共有物分割請求」(民法256条・258条)という方法もあります。協議分割、調停、審判・訴訟の順に進み、最終的に「現物分割」「代金分割(競売)」「価格賠償」のいずれかの方法で共有状態を終わらせます。
この方法は「売れない持分をどうにかしたい」人にとって最後の手段ですが、時間と費用がかかり(調停から審判まで半年〜1年以上)、必ずしも希望通りの結果になるとは限らない点を理解しておく必要があります。特に「競売」になると、市場価格より低い価格で売却されるリスクがあります。共有物分割請求に進む前に、買取業者への売却や共有者への売却が可能かどうかを先に確認するのが現実的な順序です。
【比較表】5つの売却方法を一覧で比べる
| 売却方法 | 価格の高さ | 現金化までの期間 | 手間・交渉 | 共有者との関係 | 成功の条件 |
|---|---|---|---|---|---|
| ①共有者への売却 | 高い | 交渉次第(短期〜中期) | 少ない | 維持〜改善 | 共有者に買う意思と資金がある |
| ②全体売却 | 最も高い | 中〜長期 | 多い(全員調整) | 全員同意が必要 | 共有者全員が売却に同意する |
| ③仲介(持分のみ) | 中程度 | 長期(買主がほぼ見つからない) | 少ない | 変わらず | 買主が見つかること(稀) |
| ④専門買取 | 低め(減額あり) | 短期(最短1〜2週間) | 最小 | 関係遮断できる | 査定に通ること |
| ⑤共有物分割請求 | 競売リスクあり | 長期(半年〜1年以上) | 多い(裁判手続き) | 悪化する可能性大 | 裁判所の判断に委ねる覚悟 |
売却後に他の共有者へ何が起きるか
自分の持分を第三者に売却すると、買主が新たな共有者として加わります。このことを「残された共有者はどう受け止めるか」まで理解しておかないと、思わぬトラブルになることがあります。
買主は適法に持分を取得した共有者として、以下の権利を行使できます。
- 共有物の使用権(民法249条):持分割合に応じて共有物を使用する権利がある
- 管理行為への関与:修繕や管理について意見を述べることができる
- 共有物分割請求(民法256条):買主も分割請求できる立場になる
- 使用料の請求:他の共有者が排他的に使用している場合、買主はその共有者に対して使用料を請求できる可能性がある
ここで重要なのは、これらの権利行使は買主と「残された共有者」との間で発生することであり、売却後の買主の行動が売主であるあなたに直接責任を問われることは基本的にありません。ただし、元の共有者だったあなたが他の共有者(親族など)とその後も関係を持ち続ける場合、「あの時売った人が悪い」と感情的な責任を追及される可能性はあります。売却先の業者が強引な交渉を行うタイプかどうかは、契約前に確認しておくべき重要なポイントです。
現場でよくある相談
「共有持分を専門買取業者に売ったら、その後買取業者が残された共有者に『共有物分割請求』や『使用料請求』をしてきた。元の共有者だった私にもその請求が来て、困っている」という相談が寄せられることがあります。
売却後に買主(買取業者)がどのような方針で他の共有者と接するかは、契約前に確認しておくべき重要なポイントです。買取業者によっては「買取後はトラブル回避のため、残された共有者との接触を最小限にする」方針のところもあれば、「共有物分割や使用料請求で積極的に解消を図る」ところもあります。
契約前に業者へ確認すべき5つの質問
いざ買取業者と契約する前に、以下の5つを必ず確認してください。価格だけに注目すると、後から想定外の費用や条件で損をすることがあります。
- 直接買取か、仲介か:買取業者と一口に言っても、実際に買い取るわけではなく「紹介先の業者に買わせる」仲介型の業者もいます。直接買取かどうかで手続きのスピードや確実性が変わります。
- 査定額から控除される費用の内訳:登記事項証明書の取得費用、司法書士費用、印紙代、残置物撤去費用など、査定額から差し引かれる費用の項目と金額を明示してもらいましょう。
- 減額条件はあるか:契約後に「共有者が連絡に応じなかった」「登記に不備があった」などの理由で、さらに減額される条件が契約書に盛り込まれていないか確認します。
- 契約後のキャンセルは可能か(違約金の有無):買取契約後にやはり売りたくないと思った場合、違約金が発生するかどうかを確認します。
- 他の共有者への連絡方針:買取業者が他の共有者にどのタイミングで、どのような形で連絡するのか(あるいはしないのか)を確認します。無用なトラブルを避けるため、事前に方針を聞いておきましょう。
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売却にかかる主な費用と税金
売却で得られる額は「査定額」ではなく「諸費用や税金を差し引いた手取り額」です。あらかじめ主な費用を把握しておきましょう。
譲渡所得税
共有持分を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得税がかかります。税率は所有期間によって異なります。
- 所有期間5年超(長期譲渡所得):所得税15%+復興特別所得税2.1%+住民税5%(合計約20.315%)
- 所有期間5年以下(短期譲渡所得):所得税30%+復興特別所得税2.1%+住民税9%(合計約39.63%)
特別控除として、居住用財産の3,000万円特別控除がありますが、これは共有者ごとに適用が判定されるため、自分がその物件に住んでいたかどうかが基準となります。自分が住んでいない持分には適用できません。
仲介手数料
仲介で売却する場合、国土交通省の定める上限額(売買価格×3%+6万円+消費税)がかかります。共有持分の買取(直接買取)の場合は、仲介手数料は発生しません。
登記費用
所有権移転登記には司法書士への報酬(3〜10万円程度)と登録免許税がかかります。買取業者が負担するケースも多いため、契約時に確認しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 共有者に知られずに自分の持分だけ売却できる?
結論:法律上は知らせる義務はなく、売却自体は進められます。 ただし、売却後に買主が登記を行うと、他の共有者にも事実上知られることになります。また、共有者間の契約や取り決めで「持分を売るときは事前に通知する」という条項がある場合は、それに従う必要があります。事前にひと言伝えておくほうが、売却後の感情的なトラブルを避けやすくなります。
Q2. 相続登記がまだ済んでいなくても売却できる?
できません。 売却するためには、まず自分名義に相続登記を完了させる必要があります。相続登記は被相続人の死亡を知った日から3年以内(2024年4月以降は義務化)に申請しなければならないため、司法書士に相談して早めに手続きを進めましょう。
Q3. 住宅ローンや抵当権が残っていても大丈夫?
可能ですが、抵当権の抹消が条件になります。 売却代金でローンを完済し、抵当権を抹消する手続きを取ることで決済できます。ただし、ローン残債が売却額より多い場合(オーバーローン)は、銀行の承諾を得るなど別途調整が必要です。
Q4. 共有者が反対しても強行できる?
自分の持分だけの売却であれば強行できます。 ただし、共有者との関係がさらに悪化する可能性があること、売却後の買主と共有者の間でトラブルが起きるリスクがあることを理解しておく必要があります。どうしても話し合いができない場合は、共有物分割請求という法的手段も検討できます。
Q5. 持分放棄と売却はどちらが得?
原則として売却のほうが得です。 持分放棄は無償で権利を手放すため、対価が得られません。また、登記上の手続きも必要で、場合によっては放棄した持分が他の共有者に帰属せず、国庫に帰属するケースもあるため、判断が複雑です。売却が現実的に可能なら、売却を優先的に検討すべきです。
Q6. 売却後の税金はいくらかかる?
売却益(譲渡所得)に対して約20%〜約39%の税率がかかります。 所有期間5年超なら約20%、5年以下なら約39%です。また、3,000万円特別控除は自分が住んでいた物件に限られるため、居住していない共有持分には適用できません。詳しくは上記「売却にかかる主な費用と税金」のセクションをご覧ください。
まとめ|あなたの次の一手を決める
共有持分は「売れない」のではなく、「売り方と相談先で結果が変わる」不動産です。ここまでの内容を踏まえ、あなたの状態に応じた次の一手を整理します。
まず共有者全員で話し合える関係なら
→全体売却か、共有者への持分売却を優先的に検討。最も高い価格が期待でき、残された共有者の負担も最小限です。
共有者と直接話したくない・話がつかないなら
→専門買取業者への売却が現実的です。共有者との関係を断ち切りたい人に適しています。ただし業者ごとに査定額や対応が違うため、必ず複数社で比較しましょう。
そもそも持分が売れる状態かどうか確認したいなら
→まずは登記簿を確認し、第1関門〜第5関門の診断を進めましょう。司法書士や買取業者に一度見てもらうだけでも、状況が明確になります。相続登記や住所変更登記が未了の場合は、そちらを先に片付けてください。
どの方法を選ぶにしても、複数の業者に査定を依頼し、条件を比較するところから始めるのが安全です。共有持分の価格は業者ごとに判断が分かれるため、1社だけで決めると相場観がないまま契約することになります。
共有持分の売却で迷ったら
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