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「共有持分の名義変更」と一口に言っても、実際には所有者を変える・住所を直す・間違った割合を直す・ローンの名義を変えるの4種類が混在しています。この記事では、そのうち最も多い「共有名義から単独名義にする」方法を中心に、売買・贈与・相続・財産分与・持分放棄・共有物分割の6つの手段を、費用・税金・同意の要不要・手間で比較します。あわせて、共有者が合意しない場合の代替策まで解説します。
この記事で分かること:
- 「名義変更」のなかで、自分がしたいのはどの手続きか
- 共有名義を単独名義にする6つの方法と、その選び方
- 各方法で誰に・いくらの税金がかかるか
- 住宅ローンが残っていても名義変更できるのか
- 共有者が反対・連絡不能の場合の現実的な出口
この記事を書いた人
訳あり不動産 買取相談センター 編集部
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あなたがしたいのはどの「名義変更」?4種類をまず整理する
「共有持分の名義を変えたい」と言っても、人によって意味している手続きが違います。以下の4つの質問に答えると、自分がすべきことが見えてきます。
① 所有者そのものを変えたい(例:兄の名義を弟に移したい)
→ この記事の中心テーマです。後述する6つの方法(売買・贈与・相続・財産分与・持分放棄・共有物分割)のいずれかで手続きします。
② 住所や姓が変わったので、登記上の名義を直したい
→ 所有権は動きません。「所有権登記名義人の住所・氏名変更登記」という別の手続きです。2026年4月から義務化されており、変更日から2年以内の申請が必要です(従前の変更分は2028年3月31日まで猶予)。法務省の案内で確認してください。
③ 登記上の持分割合が間違っているので直したい
→ 取得時の契約や実際の権利関係と登記が異なる場合は「更正登記」で直します。登記後に「割合を変更したい」というケースとは違い、間違いの事実を証明する資料が必要です。
④ 住宅ローンの名義を変えたい
→ 登記の名義変更とは別問題です。登記上の名義を変えても、金融機関とのローン契約(債務者・連帯債務者・保証人)は自動的には変わりません。先に金融機関へ相談してください。
この記事では、①の「所有者を変える(持分移転登記)」を中心に解説します。②〜④の手続きは本記事では扱いませんが、該当する人はそれぞれ専門の窓口で確認してください。
なお、この記事で解説するのは一般的な土地・建物(宅地・住宅)のケースです。農地・借地権付き建物・私道の共有持分は、農地法の許可や地主の承諾、価格評価の特殊性から手続きが異なる場合があります。該当する物件をお持ちの方は、別途専門家へ確認してください。
共有名義から単独名義にする6つの方法
共有名義の不動産を一人の単独名義にする方法は、大きく6つあります。まずは一覧で見てください。
| 方法 | 概要 | 向くケース | 向かないケース |
|---|---|---|---|
| 共有者間売買 | 一人が他の共有者の持分を有償で買い取る | 買取資金があり、時価で取引したい | 買い取る側に資金がない |
| 贈与 | 無償で持分を移す | 親子間などで無償で移しても問題ない | 受け取る側に贈与税の負担が生じる |
| 相続・遺産分割 | 遺言や遺産分割協議で承継する | 相続発生時の整理。登録免許税が最も安い(0.4%) | 生きているうちに整理したいケースには使えない |
| 離婚財産分与 | 離婚時の清算として持分を移す | 元配偶者との共有名義を解消したい | 受け取る側に住宅ローンの借換え・債務引受が必要 |
| 持分放棄 | 自分の持分を放棄し、他の共有者に帰属させる(民法255条) | 売れない・買い取ってもらえない持分を手放したい | 受け取る側に贈与税・不動産取得税がかかる可能性 |
| 共有物分割 | 裁判所も含めて共有状態を解消する手続き | 話し合いがつかない・持分を買う相手がいない | 時間と費用がかかり、関係が悪化するリスク |
方法の選び方|「誰から誰へ」「有償か無償か」「合意はあるか」で決まる
6つの方法を列挙しても、どれを選べばいいか迷うでしょう。選ぶときは次の3つの質問で絞り込んでください。
3つの判断軸
- 誰から誰へ移すのか(親子か・兄弟か・元配偶者か・第三者か)
- 対価(お金)はあるのか、無償か(無償なら贈与税が、有償なら譲渡所得税が関係してくる)
- 共有者全員の合意はあるのか(合意があるかどうかで選べる手段が大きく変わる)
ここで「誰から誰へ・有償か無償か・合意はあるか」を先に決めないと、あとで税務が逆転します。たとえば「親から子へ無償で名義を移したい」と思って登記を進めても、親が住宅ローンを連帯債務で組んでいる場合は金融機関の承諾なしでは手続きが止まります。逆に「兄弟間で売買」と思っていても、著しく低い価格だと差額が贈与とみなされる可能性があります。
以下のフローで自分のケースを整理してみてください。
Q1. 共有者全員の合意はあるか?
- YES → Q2へ
- NO → 「共有者が名義変更に応じない場合の選択肢」のセクションへ(持分売却・共有物分割請求を検討)
Q2. 対価(お金)のやり取りはあるか?
- 有償(時価相当で売買)→ 共有者間売買(譲渡所得税・登録免許税・不動産取得税が関係)
- 無償(お金はもらわない)→ Q3へ
Q3. 誰から誰への移転か?
- 親子・親族間で無償 → 贈与(受け取る側に贈与税がかかる可能性。婚姻期間20年以上の夫婦間なら配偶者控除の検討を)
- 離婚に伴う清算 → 財産分与(受け取る側は贈与税非課税だが、渡す側に譲渡所得税)
- 相続発生時 → 相続・遺産分割(登録免許税0.4%と最も安い)
- 売れない・買い取ってもらえない → 持分放棄(ただし受け取る側に贈与税のリスク。最後の手段として検討)
共有者間売買を選んだ場合、「適正な価格」をどう決めるかが問題になります。基準となるのは時価(市場価格)であり、固定資産評価額ではありません。固定資産評価額は時価の7割程度が一般的ですが、あくまで参考値です。実際の売買価格は、不動産会社の簡易査定、または不動産鑑定士による鑑定評価を基準に決めるのが確実です。兄弟間で「固定資産評価額でいいよ」と決めることも可能ですが、時価との差額が大きいと贈与とみなされるリスクがあるため、税理士に確認したほうが安全です。
【方法別】費用・税金・同意・手間を徹底比較
6つの方法について、実際に負担が生じる項目を「移す側」「受け取る側」に分けて比較します。税金の金額は固定資産評価額や時価によって変わるため、ここでは「誰にどんな税金がかかる可能性があるか」という方向性を示します。
| 方法 | 同意の範囲 | 移す側の税金 | 受け取る側の税金 | 主な費用 | 手間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 共有者間売買 | 売主・買主の合意のみ。他の共有者の同意は不要(持分のみの取引の場合) | 譲渡所得税・復興特別所得税 | 登録免許税(土地1.5%・建物2.0%、土地は2029年3月末まで軽減) 不動産取得税 |
司法書士報酬(8〜15万円程度)、登録免許税 | 中程度 |
| 贈与 | 贈与者・受贈者の合意のみ | なし(時価より低い価格の場合は差額の贈与があったとみなされる可能性あり) | 贈与税(年間110万円の基礎控除を超えると課税) | 司法書士報酬、登録免許税(2.0%) | 中程度 |
| 相続・遺産分割 | 相続人全員の遺産分割協議が必要 | なし(相続税の申告が必要な場合あり) | 相続税(基礎控除・各種特例の対象) | 司法書士報酬(5〜15万円程度)、登録免許税(0.4%で最も安い) | 中〜高(戸籍収集が大変) |
| 離婚財産分与 | 元配偶者との合意(離婚協議書または調停・審判) | 譲渡所得税(国税庁No.3114) | 原則として贈与税は非課税(国税庁No.4414) | 司法書士報酬、登録免許税(2.0%) | 中程度 |
| 持分放棄 | 放棄者単独の意思表示で可能。ただし登記は放棄者が申請 | なし(対価なしのため譲渡所得税は原則非課税) | 贈与税(民法255条による取得は贈与とみなされる=相続税法9条) 不動産取得税 |
司法書士報酬、登録免許税(2.0%) | 低(ただし受け取る側の負担が大きい) |
| 共有物分割 | 協議なら全員合意。調停・訴訟なら裁判所の決定で代わる | 現物分割は非課税。代金分割は課税対象 | 現物分割は非課税。代金分割は課税対象となる可能性 | 弁護士費用(数十万〜)、調停・訴訟費用、鑑定費用 | 高(時間・費用・関係悪化のリスク) |
【具体例①】売買と贈与の税務が後から逆転するケース
兄(売主)・弟(買主)で共有している実家(固定資産評価額1,200万円、時価1,800万円)。兄の持分は2分の1(評価額600万円、時価900万円)。
「兄弟だし安くでいいよ」と200万円で兄の持分を弟が買うと、時価900万円との差額700万円が贈与とみなされる可能性があります。兄は200万円の売却で譲渡所得税(軽い)、弟は700万円の贈与税(重い)という二重課税に近い状態になります。
このような事態を避けるには、売買価格を時価相当にするか、最初から「時価で売買する」か「贈与として処理する」かを決めてから進める必要があります。「誰から誰へ・有償か無償か」は、税務面で後からやり直しがきかない判断です。
【具体例②】贈与と相続、どちらが得か(税金の金額感)
父親が所有する土地(固定資産評価額2,000万円)を長男が取得するケースで比較します。父親から18歳以上の子への贈与なので、特例税率(直系尊属贈与)が適用されます。
贈与で今すぐ名義を移す場合:
・登録免許税:40万円(2,000万円×2.0%)
・贈与税:約586万円(2,000万円−110万円の基礎控除後、1,890万円×45%−265万円)
・合計:約626万円の負担
相続で移す場合(父親が亡くなった後):
・登録免許税:8万円(2,000万円×0.4%)
・相続税:基礎控除内なら0円(3,000万円+600万円×法定相続人数)
・合計:約8万円の負担
このように、同じ物件でも「いつ・どの方法で」移すかで税負担に数十倍の差が生じることがあります。「今すぐ名義を整理したい」という気持ちは理解できますが、税金の試算をしてから方法を決めないと、後から想定外の納税に困ることになります。名義変更の前に必ず税理士へ相談してください。
名義変更の前に必ず確認すべき3つの書類
どの方法を選ぶにしても、先に確認すべき書類が3つあります。この確認を飛ばして契約・合意を先に進めると、税金や借換え審査で実行不能になるリスクが高まります。
- 登記事項証明書(全部事項証明書):現在の名義人全員、持分割合、取得原因、抵当権の有無を確認します。法務局で取得できます(オンラインでも可能)。
- 固定資産評価証明書:登録免許税・不動産取得税の計算基礎になります。市町村役場で取得します。
- 住宅ローン残高証明書:ローンが残っている場合、金融機関から取り寄せます。所有権移転の前に、借換え・債務引受・完済の可能性を確認するために必要です。
住宅ローンが残っている場合の注意点|登記と債務は別問題
登記上の名義を変えても、金融機関とのローン契約(債務者・連帯債務者・保証人)は自動的には変わりません。これは名義変更の手続きで最も見落とされがちなポイントです。
注意
所有権移転登記と住宅ローン債務の処理は同時には進みません。登記よりも先に金融機関へ相談し、以下のいずれかの方法が可能か確認してください。
- 単独借換え:残る側の収入だけで借り換え審査を通す
- 債務引受:金融機関が認める場合のみ(ハードルが高い)
- 売却による完済:不動産を売ってローンを一括返済する
【具体例】離婚協議書に「家は妻が取得する」と書いただけでは終わらない
夫婦で連帯債務型の住宅ローンを組み、持分2分の1ずつの共有名義で家を購入。離婚時に「妻が家に住み続け、夫は名義を外す」と合意し、離婚協議書を作成。しかし金融機関に連絡せずに登記だけ先に進めようとしたところ、抵当権が原因で登記ができず、借り換え審査も妻の収入だけでは通らなかった。
このケースでは、仕方なく家を売却してローンを完済し、残った資金を分け合うことで決着しました。「協議書に書けば終わり」ではありません。銀行の承諾・借換え・登記書類・税務処理がすべて揃って初めて名義変更は完了します。
【ケース別】必要書類と手続きの流れ
登記申請に必要な書類は、原因(売買・贈与・相続・財産分与)によって異なります。主なものをまとめました。
| ケース | 主な必要書類 | 特徴・注意点 | 登録免許税 |
|---|---|---|---|
| 売買(持分移転) | 登記原因証明情報(売買契約書)、登記識別情報または権利証、印鑑証明書(売主)、住所証明書(買主)、固定資産評価証明書、委任状(司法書士依頼時) | 売主の登記上の住所・氏名が現状と異なる場合は、先に住所等変更登記が必要 | 土地1.5%/建物2.0% |
| 贈与 | 登記原因証明情報(贈与契約書)、登記識別情報、印鑑証明書(贈与者)、住所証明書(受贈者)、固定資産評価証明書 | 贈与税の申告が必要な場合がある。暦年課税の基礎控除は年間110万円 | 2.0% |
| 相続・遺産分割 | 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、遺言書または遺産分割協議書(全員の印鑑証明書付き)、固定資産評価証明書 | 数次相続では必要書類が増える。相続登記は2024年4月から義務化(知った日から3年以内) | 0.4% |
| 財産分与 | 離婚協議書または調停調書・審判書、登記識別情報、印鑑証明書(渡す側)、住所証明書(受け取る側)、固定資産評価証明書 | 金融機関の承諾が得られないと登記できないケースがあるので先に確認 | 2.0% |
2025年4月21日以降、国内居住の自然人(個人)が新たに所有権登記名義人となる登記では、氏名の振り仮名・生年月日・メールアドレス等の「検索用情報」の申出が必要になっています(法務省)。司法書士に依頼する場合は、これらの情報を伝えておくと手続きがスムーズです。
【重要】共有者が名義変更に応じない場合の選択肢
ここまでの方法は、共有者全員の合意があることが前提でした。しかし現実には、「兄弟の一人が話し合いに応じない」「元配偶者と連絡が取れない」「相手に買取資金がない」といった理由で、単独名義化の合意が得られないケースも少なくありません。
この場合でも、次の選択肢が残されています。優先順位の高い順に並べています。
選択肢1:自分の持分だけを第三者に売却する(持分売却)
共有名義の不動産全体の名義変更には全員の合意が必要ですが、自分の持分だけなら、他の共有者の同意なしに第三者へ売却できます(民法上の「持分の処分」)。
これを「持分売却」と呼びます。売却先として現実的なのは、共有持分の買取に対応する専門の不動産会社です。一般の不動産仲介では持分のみの買取りに対応していないことが多いため、専門業者を探すことになります。
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選択肢2:共有物分割請求で解消を求める
民法256条に基づき、共有者はいつでも共有物の分割を請求できます。話し合いで決まらなければ、家庭裁判所の調停・審判、さらに訴訟に進みます。ただし以下の点に注意が必要です。
- 期間の目安:調停だけで6か月〜1年、訴訟に進めばさらに長期
- 費用:弁護士費用は数十万円〜。鑑定費用が追加されることも
- 関係性:裁判手続きになると、共有者間の関係が決定的に悪化する
共有者の一部が行方不明・所在不明で話し合いができない場合は、2023年4月施行の改正民法による「所在等不明共有者の持分取得制度」が利用できる可能性があります(民法262条の2)。裁判所の許可を得て、所在等不明共有者の持分を取得する制度です。詳細は弁護士へ相談してください。
選択肢3:価格査定を材料に買取交渉を再開する
「いくらで買い取れるか」という具体的な数字がないまま話し合いを進めると、「高すぎる」「安すぎる」で平行線になります。専門業者による査定書を提示してから交渉を再開すると、合意に至りやすくなるケースもあります。
単独名義化が成立しない=不動産を手放せない、ではありません。話し合いがまとまらない場合でも、自分の持分だけなら他の共有者の同意なく第三者へ売却できるという選択肢があります。
ただし共有持分の査定額は、持分割合・占有の有無・共有者との関係・登記の状態によって業者ごとに判断が分かれ、同じ物件でも提示額に差が出ます。1社だけで決めると相場観がないまま契約することになるため、共有持分の取り扱いに慣れた複数社で条件を比べるところから始めるのが安全です。
専門家の使い分け【司法書士・税理士・弁護士・不動産業者】
名義変更に関する相談先は、目的によって変わります。間違った専門家に相談すると時間と費用のロスになるため、下表を目安に選んでください。
| 相談先 | 相談すべき内容 | こんな人に | 費用目安 |
|---|---|---|---|
| 司法書士 | 登記手続き全般(所有権移転・住所変更・更正登記)、必要書類の準備 | 登記の具体的な進め方を知りたい。書類の準備に不安がある | 5〜15万円程度(ケースによる) |
| 税理士 | 贈与税、譲渡所得税、相続税の試算・申告、配偶者控除の適用判断 | 名義変更したときの税金がいくらになるか知りたい | 個別見積もり |
| 弁護士 | 共有者間の紛争、共有物分割請求、離婚財産分与の調停・訴訟 | 共有者と合意できない。話し合いが決裂している | 着手金30〜50万円程度(ケースによる) |
| 共有持分専門の不動産業者 | 持分の査定・買取、持分売却の条件確認、共有者間の買取調整 | 名義変更の合意が得られない。自分の持分だけ売却したい | 買取の場合は査定無料が一般的 |
「登記は司法書士、税金は税理士、紛争は弁護士、売却は不動産業者」という分担を意識すると、迷わず相談先を選べます。
よくある質問(FAQ)
共有持分の名義変更には他の共有者の同意が必要ですか?
自分の持分だけを売却・贈与する場合は、他の共有者の同意は原則不要です。ただし不動産全体の名義を一人の単独名義に変更するには、すべての共有者が自身の持分を移転することに合意し、登記に協力する必要があります。
共有名義から単独名義にする方法でいちばん税金が安いのはどれですか?
登録免許税の税率だけ見れば、相続(0.4%)が最も安く、次いで土地の売買(1.5%)、贈与や財産分与(2.0%)となります。ただし相続税・贈与税・譲渡所得税は個別の資産規模や関係性で大きく変わるため、税金合計の比較は税理士に相談してください。
自分で登記申請できますか?
可能です。法務局で書類を揃えて申請できます。ただし書類に不備があると受付されず、複数回の足直しが必要になることもあります。相続登記など戸籍の収集が必要なケースや、抵当権が絡むケースは司法書士に依頼するのが確実です。
持分放棄すれば無料で名義を消せますか?
放棄者自身に直接の費用はかからないように見えますが、放棄された持分は他の共有者に帰属し、その取得は贈与とみなされるため、受け取る側に贈与税・不動産取得税がかかる可能性があります。登記費用も放棄者が負担するケースが多いです。持分放棄は最後の手段として検討し、まずは売買や贈与、持分売却などの手段を優先してください。
住宅ローンが残っていても名義変更できますか?
登記自体は抵当権がついていても可能なケースがありますが、金融機関の承諾なしに登記を進めると債務不履行(期限の利益喪失)とみなされるリスクがあります。登記の前に金融機関へ相談し、借換え・債務引受・完済の方法を確認してください。
共有者が反対していても名義を外せますか?
不動産全体の名義変更はできませんが、自分の持分だけを第三者へ売却することは可能です。また、共有物分割請求(民法256条)により、裁判所を通じて共有状態を解消することもできます。
離婚した元配偶者の持分を外すにはどうすればいいですか?
離婚協議書または調停調書に基づき、財産分与として所有権移転登記を行います。ただし住宅ローンが残っている場合は金融機関の承諾が必要です。渡す側には譲渡所得税が、受け取る側には登録免許税がかかります。受け取る側の贈与税は原則非課税です。
住所変更と所有権移転はどう違いますか?
住所変更登記は、所有者が変わらずに登記簿上の住所や氏名を最新のものに修正する手続きです。所有権は移りません。2026年4月から義務化されており、変更日から2年以内の申請が必要です。所有権移転登記とは全く別の手続きとして扱います。
相続登記がまだ終わっていない場合、名義変更はできますか?
被相続人名義のままの不動産は、まず相続登記(または相続人申告登記)を行ってからでないと、第三者への持分移転はできません。相続登記は2024年4月から義務化されています(相続を知った日から3年以内)。
司法書士に頼むといくらくらいかかりますか?
売買による持分移転登記で8〜15万円程度、相続登記で5〜15万円程度が一般的な目安です。ただし司法書士報酬は自由化されており公定額はありません。複数の事務所で見積もりを取って比較することをおすすめします。
まとめ:あなたの「次の一手」はどれか
共有持分の名義変更は、次の3つの条件で方法が絞り込めます。
- 共有者全員の合意があり、買取資金もある → 共有者間売買(時価で取引)
- 合意はあるが資金がない → 贈与・相続・財産分与(ただし贈与税・譲渡所得税の確認必須)
- 合意が得られない → 自分の持分だけの売却(専門業者へ査定依頼)か、共有物分割請求(弁護士相談)
いずれの場合も、まずは登記事項証明書・固定資産評価証明書・ローン残高証明書の3点を確認してください。この3つを押さえずに契約だけ先に進めると、税金や借換え審査で後から止まることが多いです。
「名義変更は難しそう」と感じるかもしれませんが、手続き自体は司法書士に依頼すればスムーズに進みます。むしろ時間がかかるのは、共有者間の合意形成と、住宅ローンの処理です。この記事をきっかけに、まず登記事項証明書を取り寄せて現状を確認することから始めてみてください。
共有持分の売却で迷ったら
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