目次

「違法建築だからリフォームできない」と思っていませんか。結論から言うと、違法建築や既存不適格の状態でも、条件によってはリフォームは可能です。ただし「何を」「どこまで」変えるか、建物の違反状態、そして2025年4月以降の建築基準法改正を踏まえた確認申請の要否が大きく関わってきます。
この記事では、以下の流れで解説します。
- 自分の建物がどの状態(違反建築/既存不適格/検査済証なし)かを切り分ける方法
- 予定している工事が確認申請の対象になるかの判断基準
- 2025年4月の法改正で何が変わったのか
- 違反内容別の是正方針
- 検査済証がない場合のリフォーム手順
- リフォームするか、是正して売るか、現況のまま売却するかの比較
読み終えた時点で、自分の建物と予定工事を整理し、建築士や自治体へ何を確認すべきかが分かる状態を目指します。
訳あり不動産の売却で迷ったら
共有持分・再建築不可・空き家・事故物件など、一般の不動産会社が扱いにくい物件でも、専門の買取業者なら現況のまま買い取れることがあります。まずは複数社に無料査定を出して比べるのが確実です。
訳あり不動産の売却に、まずこの1社
株式会社ネクサスプロパティマネジメント
共有持分・再建築不可・事故物件・空き家など幅広い訳あり不動産に対応。AI査定で価格の目安がすぐわかり、スピード重視で整理したい人に向いています。
- 幅広い訳あり不動産に全国対応
- 自社直接買取+AI査定で価格の目安がすぐわかる
- 弁護士・司法書士と連携し権利関係も相談可
あわせて査定を比べたい専門業者
※ 買取価格や対応可否は、物件の所在地・状態・権利関係・登記状況・残置物の有無などで変わります。1社だけで決めず、複数社の査定条件を比較することをおすすめします。
掲載順・掲載内容は当サイト編集部の評価基準(対応範囲・公開情報の充実度・スピード等)によるものです。各社の対応領域は時期により変わる場合があります。
まずは自分の建物の状態を確認しよう【診断フロー】
リフォームの可否を考える第一歩は、建物が法令上のどの状態にあるかを把握することです。「違法建築」という言葉ひとつで片付けられがちですが、実際にはいくつかのパターンに分かれます。
この記事を書いた人
訳あり不動産 買取相談センター 編集部
共有持分・再建築不可・空き家・相続不動産など、売却時に判断が難しい不動産情報を調査・整理する編集チームです。公式情報や公開データをもとに、相談先選びで迷いやすいポイントを中立的にまとめています。
まずは以下の4つのうち、自分の建物がどれに当たるか確認してみてください。
| 建物の状態 | 特徴 | リフォームの可能性 |
|---|---|---|
| ①違反建築 | 建築時または増改築時の時点で、建築基準法などの法令に適合していない状態。確認申請をせずに建てた、図面と異なる施工をした、建ぺい率・容積率を超えて増築したなど。 | 違反部分の是正が前提。是正を含めた計画でリフォーム可能なケースがある。 |
| ②既存不適格 | 建築時は適法だったが、その後の法改正や都市計画変更により、現行基準に合わなくなった状態。建築基準法第3条第2項により現行法の適用が免除される。 | 小規模リフォームは可能。大規模な修繕・模様替や増築を行う場合は現行規定への適合(遡及適用)が必要になる場合がある。 |
| ③検査済証なし | 建物自体は適法に建てられた可能性があるが、完了検査を受けていないため検査済証が発行されていない状態。直ちに違法とは確定しない。 | 現況調査で実体の適法性を確認できればリフォーム可能。直近の工事着手時を特定できるかが鍵になる。 |
| ④適法 | 現行の建築基準法に適合している状態。確認済証・検査済証が揃っている。 | 通常のリフォームが可能(大規模修繕・模様替は確認申請が必要になるケースあり)。 |
ポイント
特に混同しやすいのが「違反建築」と「既存不適格」です。
違反建築=建てた時点でルール違反(是正対象)。
既存不適格=建てた時はセーフだったが、後でルールが変わった(直ちに是正不要)。
この2つは行政の対応もリフォームのハードルも大きく異なります。
診断のためには、確認済証・検査済証の有無、建築計画概要書、登記事項証明書などの書類を確認することから始まります。書類が手元にない場合は、特定行政庁(市区町村の建築指導課など)で台帳記載事項証明書を取得することで、確認申請の有無や検査済証の交付状況を調べられます。
リフォームの工事区分で確認申請の要否が変わる
建物の状態と同じくらい重要なのが、「予定している工事が法的にどの区分に当たるか」です。建築基準法では、工事内容によっていくつかの区分に分かれ、それぞれ確認申請の要否が変わります。
「フルリフォーム」「スケルトンリフォーム」といった商品名で判断できるわけではありません。実際にどの部位をどれだけ改修するかが基準になります。
工事区分と確認申請の要否(早見表)
| 工事の区分 | 内容 | 確認申請 |
|---|---|---|
| 修繕 | 建物の原状を回復する行為(例:同じ素材で傷んだ箇所を直す) | 原則不要 |
| 模様替 | 建物の仕様や性能を変更する行為(例:壁紙を張り替える、設備を交換する) | 小規模は不要。大規模の模様替は必要(2025年4月以降対象拡大) |
| 大規模の修繕 | 主要構造部(壁・柱・梁・床・屋根・階段)の一種以上について、過半を修繕する行為 | 必要(2025年4月以降、2階建て木造戸建ても対象) |
| 大規模の模様替 | 主要構造部の一種以上について、過半を模様替する行為 | 必要(同上) |
| 増築 | 床面積を増やす行為 | 原則必要(10㎡以内で防火地域・準防火地域以外は例外あり) |
| 改築 | 建物の全部または一部を取り壊して建て直す行為 | 必要 |
| 用途変更 | 建物の使い方を変える行為(例:住宅→店舗) | 場合により必要 |
「過半」の判定は部位ごとに行う
ここで特に重要なのが「過半」の考え方です。「大規模の修繕・大規模の模様替」に該当するかは、単純に工事費や延べ床面積で判断するのではなく、主要構造部の部位ごとに以下の基準で判定します(国土交通省の資料に基づきます)。
| 主要構造部 | 過半の判定方法 | 具体例 |
|---|---|---|
| 壁 | 壁の総面積(㎡)に占める割合 | 外壁総面積200㎡のうち101㎡以上を改修する場合は過半に該当 |
| 柱 | 該当する柱の総本数に占める割合 | 1階に柱が20本あり、11本以上を交換する場合は過半に該当 |
| 梁 | 該当する梁の総本数に占める割合 | 2階の梁が15本あり、8本以上を交換する場合は過半に該当 |
| 床 | 床の総水平投影面積(㎡)に占める割合 | 1階床面積50㎡のうち26㎡以上を改修する場合は過半に該当 |
| 屋根 | 屋根の総水平投影面積(㎡)に占める割合 | 屋根面積80㎡のうち41㎡以上の野地板を改修する場合は過半に該当 |
| 階段 | 各階の階段の総数に対する割合 | 階段が1つあり、その段数の過半を改修する場合が該当 |
「壁」の過半判定で知っておくべき実務上のポイント
「壁の50%以上を改修したら確認申請が必要」という説明をよく見かけますが、実務上はもう少し細かい判断が必要です。国土交通省の技術的助言(質疑応答集)では、以下のように整理されています。
主要構造部の「壁」=耐力面材または筋かいです。つまり以下の工事は、たとえ壁の全面にわたって行っても、原則として「壁」の過半算定には含まれません。
- 外壁のサイディング(外装材)のみの交換
- 透湿防水シートの交換
- 室内側の石膏ボードの張り替え
- クロスの張り替え
- 外壁の内側からの断熱材充填
ただし注意点があります。外壁の外装材のみの改修であっても、外壁の全ての材を改修することになる場合(例:外装材と透湿防水シートと構造用合板の全てを撤去して新しくするケース)は、過半の算定対象になります。
また、在来軸組工法と枠組壁工法(ツーバイフォー工法)で間仕切り壁の扱いが異なります。在来軸組工法の間仕切り壁は鉛直荷重を負担しないため主要構造部に該当しないとされていますが、ツーバイフォー工法の間仕切り壁は鉛直荷重を負担するため、基本的に主要構造部に該当します。ご自身の建物の工法に応じて判断が必要です。
ポイント
施工会社に確認すべき質問:「この工事は主要構造部のうち、どの部位を何割改修しますか?」
「フルリフォーム」と一口に言っても、壁のうち耐力壁に当たる部分をどれだけ触るかで法的な扱いが変わります。見積もりの段階で、部位別の改修割合を文書で出してもらうよう依頼しましょう。
また、主要構造部に該当しないものもあります。構造上重要でない間仕切壁(在来軸組工法の場合)、間柱、小梁、最下階の床、局部的な小階段などは「過半」の算定対象から除かれます。
2025年4月以降、大規模リフォームで確認申請が必要に
2025年4月1日から建築基準法が改正され、これまで確認申請が不要だった一部の木造住宅でも、大規模な修繕・模様替を行う場合は確認申請が必要になりました。
何が変わったのか
従来の「4号建築物」(木造2階建て住宅など)は、新築時以外は確認申請の対象外でした。改正後は「新2号建築物」に移行し、大規模の修繕・大規模の模様替を行う場合に新たに確認申請が必要になりました。
| 対象となる建物 | 対象となる工事 |
|---|---|
| 2階建て木造戸建て住宅など | 大規模の修繕(主要構造部の一種以上の過半を修繕) |
| 延べ面積200㎡超の木造住宅 | 大規模の模様替(主要構造部の一種以上の過半を模様替) |
確認申請が「不要」な工事の具体例
「2025年改正で全てのリフォームが確認申請対象になった」というのは誤解です。国土交通省の資料では、以下のような工事は従来どおり確認申請が不要であることが明示されています。
- キッチン、トイレ、浴室等の水回り設備の交換
- 壁紙(クロス)や床材の張り替え
- 手すり・スロープの設置
- 屋根ふき材のみの改修(カバー工法を含む)— 野地板や小屋組に手を付けなければ該当しない
- 外壁の外装材のみの改修(カバー工法を含む)— 構造用合板や筋かいを触らなければ該当しない
- 外壁の内側からの断熱改修
- 床の仕上材のみの改修
ただし重要な注意点があります。確認申請が不要な工事であっても、工事後の建物は建築基準法の規定に適合している必要があります。つまり「確認申請不要=違反状態のままで自由に工事してよい」ということではありません。
注意
「確認申請が不要」と「違反を放置してよい」は別の話です。
確認申請が不要な工事でも、完成後に建物が建築基準法に適合していなければ、後日是正を求められる可能性があります。また、売却時に違反が判明して取引が難航するリスクもあります。特にカバー工法による外壁・屋根改修では、重量増による耐震性能への影響にも注意が必要です。
違反内容別・代表的な是正方針
違法建築のリフォームを検討する場合、違反の種類によって是正の方向性が変わります。以下に代表的な違反の種類と、是正の基本的な考え方をまとめます。ただし、個別の建物の是正方法は現地調査を経なければ断定できないため、あくまで方向性として参考にしてください。
| 違反の種類 | 違反の内容 | 代表的な是正方針 |
|---|---|---|
| 建ぺい率超過 | 敷地面積に対する建築面積の割合が限度を超えている | 超過部分の撤去(減築)が基本。分割して一部だけ残す、増築部分を取り壊すなどの方法を検討 |
| 容積率超過 | 敷地面積に対する延べ床面積の割合が限度を超えている | 増築部分の撤去や減築。3階部分の撤去、屋根裏部屋の用途変更などによる床面積の削減 |
| 無確認増築 | 確認申請を行わずに増築している | 現況調査で構造・防火等の適合を確認。適合していれば事後的に是正確認の可能性あり。不適合部分は改修 |
| 構造違反 | 耐力壁の不足、柱や梁の断面不足、基礎の不備など | 部材の補強、耐力壁の追加、基礎の補強が中心。大規模な場合は建築士の構造計算が必要 |
| 防火違反 | 防火地域・準防火地域での不適合、外壁・開口部の防火性能不足など | 防火設備の改修、外壁材の不燃化、防火戸・防火シャッターの設置など |
| 用途違反 | 用途地域で認められていない用途で使用している | 適法な用途へ戻すか、用途変更の手続きをとる。用途地域の指定によっては変更できない場合もある |
補足
是正費用について
是正にかかる費用は、違反の種類・程度・建物の構造・地域によって大きく異なります。一般的な全国一律の相場は存在しないため、複数の建築士やリフォーム会社から見積もりを取って比較する必要があります。調査費、図面復元費、是正の設計・申請費、是正工事費、希望するリフォーム費を分けて見積もりしてもらいましょう。
検査済証がない・既存違反がある場合のリフォーム手順
検査済証がない、または既存の違反が判明している状態でも、リフォームが全く不可能というわけではありません。国土交通省の「既存建築物の現況調査ガイドライン(第4版・2026年3月公表)」に沿って適切な手順を踏めば、適法に工事を進められる可能性があります。
ここでは、検査済証がない・既存違反がある場合の基本手順を解説します。
ステップ1:書類を確認・収集する
まずは以下の書類を可能な範囲で集めます。これらは現況調査の前に必ず確認すべき基本情報です。
- 確認済証・検査済証(あれば)
- 建築計画概要書(特定行政庁で取得可能)
- 台帳記載事項証明書(建築確認台帳の写し)
- 設計図書(建築図面・構造図等)
- 工事請負契約書・見積書(過去の増改築履歴が分かるもの)
- 登記事項証明書
- 固定資産税課税明細書
- 施工写真(あれば)
建築計画概要書や台帳記載事項証明書は、市区町村の建築指導課や都道府県の建築住宅課で取得できます(手数料は数百円程度)。これらの書類から、過去に確認申請が行われたか、検査済証が交付されているかを確認できます。
ステップ2:建築士による現況調査を依頼する
自己判断で違反部分を解体したり改修したりするのは避けてください。先に違反部分を壊してしまうと、既存不適格を裏付ける痕跡や建物の価値を失う可能性があります。
建築士または指定確認検査機関が現況調査を行い、以下の3つのパターンのいずれで判断するかを決定します。
| 調査パターン | 条件 | 対応 |
|---|---|---|
| 調査① | 検査済証あり | 既存不適格の可能性がある規定のみを調査 |
| 調査②‐① | 検査済証なし、かつ直近の工事着手時が特定できる | 直近の工事着手時点の法令への適合を確認 |
| 調査②‐② | 検査済証なし、かつ直近の工事着手時が特定できない | 計画建築物全体を現行規定に適合させる必要あり |
注意
「直近の工事着手時」を特定できない場合の影響は大きいです。
過去の増改築履歴や工事時期を証明できる書類がないと、調査②‐②の扱いとなり、建物全体を現行の建築基準法に適合させる必要が生じます。これは是正範囲が大幅に広がる可能性があるため、建築図面や工事契約書など、過去の履歴が分かる書類は大事に保管しておきましょう。
直近の工事着手時を特定するための具体的な方法としては、以下のような手段があります。
- 確認申請書の副本(過去に確認申請をした場合、その副本が残っていれば工事着手時期が特定できる)
- 工事請負契約書(契約日や工事期間の記載から推測できる)
- 固定資産税課税明細書(増築した年度が固定資産税の評価額に反映されている場合がある)
- 台帳記載事項証明書(建築確認台帳に残っている確認申請の履歴から判断できる)
- 施工写真や当時の建築士への聞き取り
どうしても特定できない場合は、自治体や建築士に相談し、調査②‐②の扱いになることを前提に計画を立てる必要があります。
ステップ3:自治体または指定確認検査機関に事前相談する
現況調査の結果を踏まえ、リフォーム計画について自治体の建築指導課や指定確認検査機関に事前相談を行います。違反建築の是正方法や、確認申請の要否、遡及適用の範囲などを確認します。
ポイント
「相談すると解体命令が来るのでは」という心配は不要です。
建築基準法第9条に基づく措置命令は、違反の程度が重大で改善の見込みがない場合など、最終手段として発動されます。実務上は口頭や文書による助言・指導からスタートし、自主的な改善を促す流れが一般的です。早期に相談して正しい是正方法を確認することが、結果的にスムーズな解決につながります。
ステップ4:是正計画と希望するリフォームを統合する
事前相談の結果を踏まえ、是正とリフォームを一体的に計画します。この段階で特に重要なのは、違反部分の是正工事と希望するリフォーム工事を同時に行えるかどうかの見極めです。例えば、外壁の防火性能不足を是正するついでに外壁全体を張り替える、耐震補強を行うついでに間取りを変更するなど、工事を一体化できれば費用対効果が高まります。
ステップ5:工事契約・着工
計画が固まったら、施工会社と工事契約を結びます。確認申請が必要な場合は、申請が許可された後に着工します。
このように、検査済証がなくても、現況調査と適切な事前相談を経ることでリフォームが可能になるケースがあります。ただし、調査②‐②の扱いになる場合や、是正費用が大幅にかかる場合は、リフォーム自体を見直す判断も必要です。
工事中や見積もりの段階で初めて違反が判明した場合、誰が是正費用を負担するのか(施工会社・売主・自分か)は別の論点です。上記の記事で詳しく解説していますので併せてご確認ください。
また、相続した違法建築のリフォームを検討している場合は、相続放棄の期間制限(相続の開始を知った日から3ヶ月以内)との関係にも注意が必要です。上記の記事で相続特有の論点を整理しています。
施工会社選びで確認すべきこと
違法建築や検査済証なしの物件のリフォームでは、施工会社の選び方が通常以上に重要です。「確認申請は不要だから大丈夫です」と言う業者がいたら、以下の点を必ず確認しましょう。
確認すべき質問リスト
- 「この工事は建築基準法上のどの区分(修繕・模様替・増築等)に当たりますか?」
- 「主要構造部のどの部位を、何割改修しますか?」
- 「耐力壁や筋かいを触る工事はありますか?在来軸組工法かツーバイフォー工法かで間仕切り壁の扱いも確認してください」
- 「工事後の建物は建築基準法に適合しますか?その根拠は何ですか?」
- 「既存の違反部分を悪化させないことを、どのように確認していますか?」
- 「大規模の修繕・模様替に該当する場合の確認申請は対応可能ですか?」
- 「建築士がこの計画に関与していますか?(営業担当だけの判断ではありませんか?)」
ポイント
「申請不要だから大丈夫」だけでは不十分です。
申請の要否と、工事後の法適合は別の問題です。施工会社の営業担当だけでなく、建築士がきちんと判断に関与しているかを見極めることが、後悔しないリフォームのポイントです。
ローン・補助金は使える?
違法建築のリフォームにローンや補助金が使えるかどうかは、金融機関や自治体の審査基準によって異なります。
住宅ローンの場合
フラット35(リフォーム融資を含む)では、建築確認が必要な工事の場合、検査済証の提出が求められます。ただし中古住宅購入時のフラット35(中古プラス)では、検査済証がなくても別の技術基準で対応できるケースがあります。民間の住宅ローンについては金融機関ごとに審査基準が異なり、建築基準法への不適合や担保評価の低下が融資判断に影響する可能性があります。
工事契約や着工の前に、利用を検討する金融機関へ事前に確認することを推奨します。
補助金の場合
自治体によっては、リフォームや省エネ改修に対する補助金制度を設けています。これらの補助金は原則として適法な建築物が対象ですが、是正工事を同時に行う計画であれば対象となる可能性もあります。着工前に必ず自治体の担当窓口で確認してください。
是正してリフォーム vs 工事縮小 vs 現況売却【比較表】
是正費用がかさむ場合や、違反の程度が大きい場合は、リフォームを諦めて現況売却を検討する選択肢もあります。以下の比較表を参考に、自分の状況に合った判断をしてみてください。
| 選択肢 | 費用 | 手間・期間 | 確実性 | 住み続けられるか |
|---|---|---|---|---|
| 是正+希望リフォーム | 是正費用+リフォーム費用。違反内容によっては高額になる | 現況調査・申請・是正工事・リフォームと段階を踏むため長期化 | 現況調査と事前相談次第。是正が完了すれば適法になる | 工事期間後は居住可能 |
| 工事縮小(是正のみ/最小限リフォーム) | 是正費用のみ、または最小限のリフォーム費用 | 是正だけなら比較的短期 | 是正が完了すれば適法に | 居住可能 |
| 現況売却(直さず売る) | 売却益(買取価格)-諸費用。是正費用は不要 | 買取業者に依頼すれば比較的短期 | 買取業者の審査次第。違反内容によっては買取不可の場合も | 売却後は住めない |
是正費用が是正後の物件価値の上昇を上回る場合は、現況売却が合理的な選択肢になります。また、再建築不可や接道不良などの他の問題が重なっている場合も、是正が現実的でないケースがあります。
現況売却を検討する場合は、違反内容や行政指導の有無、現況買取の可否を各業者に確認する必要があります。買取業者によって対応可能な違反の種類や範囲が異なるため、複数の業者に問い合わせて比較することをおすすめします。
違法建築のリフォームに関するよくある質問
Q1. 違法建築でもリフォームはできますか?
一律に禁止されているわけではありません。建物の違反状態、予定する工事の区分、確認申請の要否、是正を同時に行うかどうかによって可否が変わります。まずは建築士による現況調査と自治体への事前相談から始めることをおすすめします。
Q2. 2025年4月以降、すべてのリフォームに確認申請が必要になったのですか?
いいえ、違います。確認申請が必要になるのは「大規模の修繕・大規模の模様替」に該当する工事のみです。キッチンやトイレの交換、壁紙の張り替え、屋根ふき材のみの改修などは従来どおり確認申請不要です。ただし確認不要でも、工事後の建物は建築基準法に適合している必要があります。
Q3. 既存不適格と違法建築の違いは何ですか?
既存不適格は建築時は適法だったが法改正により現行基準に合わなくなった状態を指し、直ちに是正義務は生じません。違法建築は建築時点から法令に違反している状態で、是正が必要です。この2つは行政の対応もリフォームのハードルも異なります。
Q4. 検査済証がなくてもリフォームできますか?
検査済証がないことだけでリフォームが禁止されるわけではありません。建築士の現況調査で建物の実体が適法であることが確認できればリフォームは可能です。ただし、「直近の工事着手時」を特定できない場合は建物全体を現行規定に適合させる必要があり、是正範囲が広がる可能性がある点に注意が必要です。
Q5. 工事中や見積もり時に違反が判明したらどうすればいいですか?
自己判断で工事を進めず、まずは建築士に相談し現況調査を依頼してください。違反部分を先に解体してしまうと、痕跡や建物価値を失う可能性があります。また、施工会社や売主に責任があるケースでは、別途対応が必要です。責任の所在や是正費用の負担については、関連記事で詳しく解説しています。
Q6. 違法建築のリフォームに住宅ローンや補助金は使えますか?
金融機関や自治体によって審査基準が異なり、一律に「使える」「使えない」とは言えません。建築確認が必要な工事の場合は検査済証の提出が求められることが多く、違反がある状態では審査に影響する可能性があります。事前に各機関へ確認することをおすすめします。
Q7. 是正せずに住み続けても問題ありませんか?
違反建築の状態で住み続けること自体は直ちに違法ではありませんが、売却時の妨げになる、火災保険の支払いに影響する、行政から是正指導を受けるリスクがあるなどの問題が生じる可能性があります。既存不適格の場合は直ちに是正義務はありませんが、大規模リフォームや増築を行いたい場合は現行規定への適合が必要になるケースがあります。
Q8. 違法建築を売却したい場合はどうすればいいですか?
売却自体は可能です。ただし住宅ローンが付きにくいため、一般の買い手への仲介売却は難しく、現況のまま買い取る専門の買取業者への売却が現実的です。違反内容によっては買取不可の場合もあるため、複数の買取業者に問い合わせて確認しましょう。
まとめ|まずは建物の状態と工事内容を整理しよう
違法建築のリフォームは「絶対できない」わけでも「好きにやっていい」わけでもありません。この記事で解説したように、以下の順で整理していくことで、自分が取るべき道が見えてきます。
- 建物の状態を確認する:違反建築か、既存不適格か、検査済証なしの状態か
- 予定工事の区分を確認する:大規模の修繕・模様替か、小規模なリフォームか、増築か。特に壁の工事は耐力壁に当たるかをチェック
- 確認申請の要否を確認する:2025年改正後の対象範囲も踏まえて
- 是正を組み込めるかを検討する:現況調査と自治体相談で判断
- 是正後リフォーム vs 現況売却を比較する:費用対効果で判断
最初の一歩は、お持ちの書類を確認し、建築士に現況調査を依頼することです。自己判断で焦って解体や工事を進めると、かえって状況を悪化させる可能性があります。信頼できる建築士や施工会社に相談しながら、計画的に進めてください。
訳あり不動産の売却で迷ったら
株式会社ネクサスプロパティマネジメント
共有持分・再建築不可・事故物件・空き家など幅広い訳あり不動産に対応。AI査定で価格の目安がすぐわかり、スピード重視で整理したい人に向いています。