目次

再建築不可になる条件は大きく3つあります。①建築基準法上の道路に接していない、②接道部分が2m未満、③前面道路の幅員が4m未満で2項道路以外——このいずれかに該当すると、原則として建て替えはできません。
ただし、ここで注意したいのは「道路に見える道」と「建築基準法上の道路」は別物だということです。私道でも建築基準法上の道路になっているケースもあれば、幅員4m未満でも2項道路に指定されていればセットバックによって建て替えが可能になるケースもあります。逆に、舗装されていて車が通れる道でも、建築基準法上の道路でなければ再建築不可になります。
この記事では、再建築不可になる正確な条件と、自分の土地がそれに当たるかを自分で確認する手順を解説します。役所や不動産会社に相談する前に、まずはここで基礎を押さえてください。
▼ 自分の土地はどのケース?簡易診断フロー
- 前面道路に接していますか? → No:完全無道路地(43条2項の可能性を検討)
- その道路は建築基準法上の道路ですか? → No:43条2項の認定・許可の対象になるか確認
- 接道部分(道路に接している長さ)は2m以上ありますか? → No:接道長不足(43条2項の可能性)
- 前面道路の幅員は4m以上ありますか? → Yes:原則建築可能
- 幅員4m未満でも2項道路に指定されていますか? → Yes:セットバックで建築可能
- 2項道路でもない場合 → 43条2項の認定・許可の対象になるか確認
この記事を書いた人
訳あり不動産 買取相談センター 編集部
共有持分・再建築不可・空き家・相続不動産など、売却時に判断が難しい不動産情報を調査・整理する編集チームです。公式情報や公開データをもとに、相談先選びで迷いやすいポイントを中立的にまとめています。
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再建築不可とは?「建て替えできない土地」の定義
再建築不可とは、現在建っている建物を取り壊したあと、同じ敷地に新たな建築物を建てられない状態を指します。建築基準法第43条第1項で定められた「接道義務」を満たしていないことが主な理由です。
ここで誤解されがちなのが「住めない」「使えない」「無価値」というイメージです。実際には、現在の建物に住み続けることや、小規模な修繕・模様替えは可能なケースがほとんどです。また、土地そのものに価値がなくなるわけではなく、買い手の付き方や活用方法によって評価は変わります。
ただし、建て替えができないという制約は、一般の住宅ローンが付きにくい、売却時に買い手が限られるなどの実務的な影響を及ぼします。そのため、まずは「自分の土地がなぜ再建築不可なのか」を正確に把握することが、次の行動の第一歩になります。
再建築不可になる3つの条件
建築基準法上の「再建築不可」は、以下の3つの条件のいずれかに該当するときに発生します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
条件1:建築基準法上の道路に接していない
最も深刻なケースです。敷地の前面に道があっても、その道が建築基準法第42条で定める「道路」に該当していない場合、原則として建築確認が下りません。
「え、でも前は普通の道路だよ」と思う方も多いのですが、ここが最大の落とし穴です。建築基準法上の道路になるには、公道(国・県・市町村道)であるか、私道であっても所定の基準を満たして特定行政庁の指定を受けた道路(位置指定道路など)である必要があります。法的な手続きを経ていない私道や、単に車が通れるだけの通路は建築基準法上の道路とはみなされません。
なお、私道に面している場合は、さらに注意が必要です。「私道だから再建築不可」とは限りませんが、私道の権利関係——特に複数の共有者がいる私道の場合は、通行掘削承諾や道路の維持管理の問題が建築計画に影響するケースがあります。私道の持分の有無や、通行に関する権利の有無も、あわせて確認しておくと安心です。
条件2:接道部分が2m未満
道路に接していても、敷地と道路の境界線の長さ(接道長)が2mに満たない場合も再建築不可になります。
たとえば、間口が1.8mしかない土地や、旗竿地(のっぺらぼう地)のように路地状の部分が狭いケースが該当します。この2mという基準は、避難経路の確保と消防活動のための進入路として最低限必要な幅として定められています。
ただし、単に「境界線の長さが2m以上」あればよいわけではなく、有効な接道長である必要があります。たとえ境界線上は2m以上あっても、以下のような場合は「有効」とみなされない可能性があります。
- 接道部分に高さのあるブロック塀や擁壁があり、実際に道路へ出入りできない
- 水路や側溝が敷地と道路の間にあり、避難や車両進入の障害になる
- 樹木や工作物が常設されていて、緊急時の通路として機能しない
接道長を測る際は、公図や登記簿謄本で確認するのが基本ですが、現地の状況によって「有効」かどうかが変わるため、心配な場合は建築士や不動産会社に現地確認を依頼したほうが確実です。
条件3:前面道路の幅員が4m未満で、2項道路でもない
前面道路の幅が4m未満の場合、原則として再建築不可になります。ただし、建築基準法第42条第2項に基づく「2項道路」に指定されていれば、セットバック(道路の中心線から両側に2mずつ後退する)を条件に建築が可能になります。
この「2項道路かどうか」の判断が、再建築不可の判定で最もよく出てくる分岐点です。多くの古い住宅地では、道幅が3m〜4m未満の道路が2項道路に指定されており、セットバックすれば建て替えが可能です。逆に、2項道路に指定されていない幅員4m未満の道は、そのままでは建築基準法上の道路として認められません。
ポイント
再建築不可かどうかの判定で最初に見るべきは「前面道路の種別」と「接道長」です。
見た目の道路の広さだけでは判断できません。役所の指定道路図で道路種別を確認することが、全てのスタート地点になります。
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まず理解したい「建築基準法上の道路」とは
再建築不可の条件を理解するうえで欠かせないのが、建築基準法第42条で定義される道路の種類です。「道に見えるもの」と「建築基準法上の道路」が一致しないケースが頻繁にあるため、ここを整理しておかないと誤った判断をしてしまいます。
「道路に見える道」と「法42条の道路」は違う
一般的な感覚では「車が通れて、舗装されていて、生活道路として使われている」ものが道路です。しかし建築基準法では、災害時の避難路や消防活動のための通路として機能するかどうかが基準になります。そのため、以下のような道は「建築基準法上の道路ではない」可能性があります。
- 登記上は「公衆用道路」でも建築基準法の指定を受けていない私道
- 日常的に通行はあるが、建築確認時の指定を受けていない昔からの抜け道
- 自分の土地を通って前面道路に出るだけの専用通路
- 私道として登記されているが、位置指定などの手続きをしていない道
- 河川敷や水路沿いの管理道路で、建築基準法上の指定を受けていないもの
道路種別早見表
建築基準法上の道路は、以下のように分類されます。自分の土地の前面道路がどれに当たるかを知ることが、再建築不可の判定の第一歩です。
| 道路種別 | 幅員 | 建築可否 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1項1号道路(公道) | 4m以上 | 建築可能 | 国道・県道・市町村道。最も確実な建築基準法上の道路 |
| 1項2号道路 | 4m以上 | 建築可能 | 都市計画法・土地区画整理法などによる造成道路 |
| 1項3号道路 | 4m以上 | 建築可能 | 建築基準法施行時(昭和25年11月23日)に存在した道 |
| 1項4号道路 | 4m以上 | 建築可能 | 2年以内に事業執行予定のものとして指定された道路 |
| 1項5号道路(位置指定道路) | 4m以上 | 建築可能 | 土地所有者が築造し、特定行政庁が位置指定した私道 |
| 2項道路 | 4m未満 | セットバックで建築可能 | 基準時に建築物が立ち並んでいた道。中心線から両側2mが道路とみなされる |
| 3項道路 | 4m未満 | セットバックで建築可能(緩和あり) | 斜面地等やむを得ない場合、中心線から両側1.35m以上まで緩和可能 |
| 43条2項道路状空地 | (非道路) | 認定・許可の対象 | 建築基準法上の道路ではないが、43条2項の認定・許可で建築の可能性あり |
ポイント
前面道路の種別は、各自治体が公開している「指定道路図」で確認できます。
横浜市の「i-マッピー」のように、インターネットで閲覧できる自治体も増えています。まずはお住まいの市区町村の建築指導課に問い合わせてみてください。
2項道路ならセットバックで建築可能になる
前面道路の幅員が4m未満でも、2項道路に指定されていれば希望があります。2項道路とは、建築基準法が施行された昭和25年11月23日(基準時)の時点で既に建築物が立ち並んでいた道に対して、特定行政庁が指定するものです。この道は「みなし道路」とも呼ばれます。
2項道路に面する敷地で建て替える場合は、道路の中心線から両側に2mずつ後退(セットバック)した範囲が「道路とみなされる」ため、その範囲内には建築物を建てられません。つまり、実際の敷地がセットバック分だけ狭くなる代わりに、建築基準法上の道路に接しているとみなされて建築が可能になります。
なお、セットバックが必要なのは門や塀も含まれます。建替えの際には、後退用地を更地にして道路状に整備する必要があります。
また、斜面地などやむを得ない立地条件の場合は、3項道路(法42条3項)として、中心線からの距離を両側2m未満(最低1.35m以上)に緩和できる場合があります。該当するかどうかは自治体の判断になるため、該当しそうな場合は窓口で確認してみてください。
私道でも建築基準法上の道路になり得る
「私道だから再建築不可」と決めつけるのは早計です。私道でも、1項5号道路(位置指定道路)として特定行政庁の指定を受けていれば、幅員4m以上あることを条件に建築基準法上の道路として認められます。
一方で、位置指定を受けていない私道や、単に通行の事実があるだけの通路は、どれだけきれいに舗装されていても建築基準法上の道路には該当しません。登記上の「公衆用道路」であっても、建築基準法の道路に該当しないケースもあるため、油断できません。
幅員4m未満でも建て替えられるケース・建て替えられないケース
「幅員4m未満=絶対に建て替えできない」という単純な図式ではありません。以下のように、状況によって可否が分かれます。
ケースA:2項道路に該当する → セットバックすれば建築可能
前面道路が2項道路に指定されている場合、セットバックを条件に建築が可能です。ただし、以下の点に注意してください。
- セットバックにより敷地面積が減るため、建築基準法上の最低敷地面積(自治体の条例による)を満たせるか確認が必要
- セットバック部分には建物だけでなく門や塀も設置できない
- セットバック後の土地(後退用地)は私道のまま残ることが多く、管理の問題が生じる場合がある
ケースB:43条2項の認定・許可が取れれば → 可能性がある
建築基準法上の道路に全く接していない敷地や、接道長が2m未満の敷地でも、建築基準法第43条第2項の規定による認定または許可を受ければ建築できる可能性があります。
43条2項には「認定(第1号)」と「許可(第2号)」の2種類があり、それぞれ対象や必要書類、手続きの負担が異なります。
| 第1号(認定) | 第2号(許可) | |
|---|---|---|
| 建築審査会の同意 | 不要 | 必要(包括同意基準あり) |
| 対象の例 | 幅員4m以上の農道等に接する、利用者の少ない小規模建築物(延べ面積500㎡以下) | 周囲に広い空地がある/安全な通路に接している など |
| 参考実績(横浜市R5年度) | 1,232件 | 6,579件 |
| 手続きの目安期間 | 書類提出から2週間〜2ヶ月程度 | 審査会開催スケジュールによる。3〜6ヶ月程度みておく |
全国で年間7,000件以上の実績があることからわかるように、全く可能性がないわけではありません。ただし、各自治体(特定行政庁)の判断基準は異なり、過去に許可例があるからといって必ず認められるとは限りません。
注意
43条2項の認定・許可は「絶対に取れる」保証はありません。
自治体の判断、建築審査会の同意、建築計画の内容(用途・規模・構造)によって可否が変わります。事前に自治体の建築指導課で相談してから進めることをおすすめします。また、第2号許可の場合は審査会の開催頻度によって3〜6ヶ月程度見込む必要があるため、時間に余裕を持って進めてください。
【補足】2項道路・43条2項でも「必ず建てられる」とは限らない
2項道路+セットバック、43条2項の認定・許可のいずれも、条件を満たせば建築が「可能になる」という意味であって、必ず建てられるわけではありません。以下の要因でも建築可否は変わります。
- 敷地面積が自治体の定める最低敷地面積を満たしているか
- 建築計画の用途(共同住宅か戸建てか、店舗併用かなど)
- 前面道路の交通量や周辺の状況
- 条例による上乗せ規制の有無
- 接道部分の形状(路地状部分の長さや幅)
建築の可否は、最終的には特定行政庁(自治体)の窓口で確認する必要があります。インターネットの情報だけで判断せず、必ず現地の役所で相談してください。
自分の土地が再建築不可か調べる6つの手順
ここからは、実際に自分の土地が再建築不可に該当するかどうかを確認する手順を解説します。役所に問い合わせる前に、まずは以下の順番で一つずつ確認していきましょう。
ステップ1|役所の指定道路図で道路種別を確認する
最初にやるべきことは、前面道路が建築基準法第42条のどの道路に該当するかを確認することです。各市区町村の建築指導課(または建築審査課)では、指定道路図(道路台帳)を公開しています。多くの自治体ではインターネット上でも閲覧できます。
確認する際は、以下のように具体的に聞いてください。
役所での聞き方(例)
「〇〇地番の土地の前面道路について教えてください。この道路は建築基準法第42条の何号道路ですか?2項道路(みなし道路)に指定されていますか?位置指定道路(1項5号)ですか?」
漠然と「再建築不可ですか?」と聞くと、「分かりません」あるいは「確認しないと何とも」と言われて終わってしまうことがほとんどです。上記のように番号を指定して聞くことで、担当者も正確に調べやすくなります。
この確認で「建築基準法上の道路ではない」と判明した場合は、次のステップで43条2項の可能性を検討します。逆に「2項道路」と判明した場合は、セットバックによる建築可能性があります。
ステップ2|接道長(有効な接道部分)が2m以上あるか測る
道路種別が建築基準法上の道路であることが確認できたら、次は敷地と道路の境界線の長さを確認します。この長さが2m以上ないと、再建築不可になります。
土地の登記簿謄本(全部事項証明書)や公図(地図に準ずる図面)で境界線の長さを確認できます。心配な場合は、巻尺で実際に測ってみることも有効です。
ただし、ここで注意したいのが「有効な接道長」という考え方です。境界線上の長さが2m以上あっても、以下のような場合は「有効」とみなされない可能性があります。
- 接道部分にブロック塀や擁壁があり、実際に道路へ出られない
- 敷地と道路の間に水路や側溝があり、避難経路として機能しない
- 常設の樹木や工作物で進入が妨げられている
こうした場合は、測量や建築士の現地確認が必要になることもあります。越境や境界確定の問題がある場合は、さらに土地家屋調査士の関与が必要です。
ステップ3|2項道路ならセットバック距離を確認する
前面道路が2項道路(幅員4m未満)の場合、セットバックが必要になります。セットバック距離は、道路の中心線から両側に2mずつ——つまり、現在の道路幅が3mなら、片側0.5mずつの後退が必要です。
セットバック後の敷地面積が、自治体の条例で定める最低敷地面積以上になるかどうかを確認してください。最低敷地面積は自治体ごとに異なり、おおむね100㎡〜165㎡程度に設定されています。もしセットバック後に敷地面積が基準を下回る場合は、建築できない可能性があります。
ステップ4|43条2項の認定・許可の対象になるか相談する
前面道路が建築基準法上の道路ではない場合、または接道長が2m未満の場合は、43条2項の認定(第1号)または許可(第2号)の対象になるかを自治体の建築指導課で相談します。
相談の際には、以下の情報を準備しておくとスムーズです。
- 土地の場所(地番・住居表示)
- 前面道路の状況(写真があるとベター)
- 敷地面積
- 建築を予定している用途・規模
「相談したらすぐに許可が下りる」わけではなく、審査には時間がかかります。目安として、第1号認定なら書類提出から2週間〜2ヶ月程度、第2号許可なら建築審査会の開催スケジュールにもよりますが3〜6ヶ月程度みておいたほうがよいでしょう。この段階で建築士に入ってもらい、申請書類の作成を並行して進めるとスムーズです。
ステップ5|リフォーム可能か確認する(大規模修繕の建築確認に注意)
再建築不可の物件でも、現在の建物に住み続けるための小規模な修繕や模様替えは可能なケースがほとんどです。屋根の修理、内装の張り替え、設備の交換などは問題なく行えます。
ただし、2025年4月以降、木造2階建て戸建住宅の「大規模の修繕」「大規模の模様替」にも建築確認が必要になりました。具体的には以下のような工事が該当する可能性があります。
- 主要構造部(柱・梁・屋根・壁等)の過半数の改修
- 床面積の過半数を超える内装改修
- 増築を伴うリフォーム
一方で、以下のような工事は建築確認が不要なままです。
- 屋根ふき材のみの改修(カバー工法)
- 外壁の外装材のみの改修
- 内側からの断熱改修
リフォームの前に、工務店や建築士に「この工事は建築確認が必要か」を確認することをおすすめします。
ステップ6|建築士・不動産会社に現地調査を依頼する
役所での確認が一通り終わったら、次は建築士または不動産会社に現地調査を依頼しましょう。役所の窓口では抽象的だった判断が、現地を見た専門家の意見を聞くことで具体化します。
特に以下のようなケースでは、専門家の現地調査が欠かせません。
- 接道部分にブロック塀や樹木があり、有効な接道長が測りにくい
- 前面道路が私道で、通行権や掘削承諾の確認が必要
- 43条2項の申請を検討している
- セットバック後の敷地で建物が設計できるか確認したい
- 私道の持分や権利関係に複数の共有者が関わっている
ポイント
役所の窓口では「指定道路図の見方」「道路種別」「2項道路の有無」をまず聞いてください。
「再建築不可ですか?」と漠然と聞くよりも、「第42条の何号道路ですか?」と番号を指定して聞いたほうが、正確で早い回答が得られます。
【現場で多い失敗】再建築不可の家を解体して「建て替えられない+税金が上がる」に気づくケース
編集部がこれまでに見聞きしたケースで最も多い失敗は、「古くなった家を解体した後に、新築できないことに気づいた」というものです。
古家を解体してしまえば、敷地は更地になります。更地になれば、これまで適用されていた「住宅用地特例」が解除され、固定資産税の課税標準が大きく上がる可能性があります。
住宅用地特例とは、住宅が建っている土地の固定資産税の課税標準を軽減する制度です。
- 小規模住宅用地(200㎡以下):課税標準=価格×1/6
- 一般住宅用地(200㎡超の部分):課税標準=価格×1/3
これが更地になると上記の軽減がなくなり、固定資産税の課税標準は価格の7割程度(標準税率1.4%で試算した場合。実際は負担調整措置により段階的に上がるケースがある)を基準に算出されることになります。一律「6倍になる」とは言い切れないため、自治体の固定資産税担当課で試算してもらうのが確実です。
注意
再建築不可の家を解体する前に、必ず以下の3つを確認してください。
- 本当に新築できないのか:2項道路・43条2項の可能性を先に調べる
- 固定資産税がどう変わるか:自治体の固定資産税担当課で試算を依頼する
- 売却するなら解体前か解体後か:買取業者によっては、古家付きのまま買取する場合もある
再建築不可でも選べる選択肢(確認後の出口)
自分の土地の条件が把握できたら、次は「この土地で何ができるか」を考えます。再建築不可だからといって、選択肢がゼロになるわけではありません。以下に主な選択肢を整理しました。
選択肢一覧比較表
| 選択肢 | 内容 | 確実性 | 手間 | 向くケース |
|---|---|---|---|---|
| 現況売却(仲介) | 古家付きのまま不動産会社に売却を依頼 | 低〜中 | 中 | 買い手が見つかる可能性がある立地・価格帯 |
| 買取(専門業者) | 訳あり物件買取業者が現況のまま買い取る | 高 | 低 | 早期売却したい/一般の買い手がつかない |
| セットバック後建築 | 2項道路の場合、セットバックして建て替え | 条件次第 | 高 | セットバック後も敷地が十分広い |
| 43条2項申請 | 認定・許可を得て建築 | 低〜中 | 高 | 周囲に空地があり、用途・規模が小さい |
| 隣地買い増し | 隣地を買い足して接道長・敷地面積を確保 | 条件次第 | 高 | 隣地所有者が売却に応じる可能性がある |
| 隣地売却 | 隣地所有者に土地を売却 | 条件次第 | 低 | 隣地所有者が買い受けたいと考えている |
| リフォーム活用 | 現在の建物に住み続けるための修繕・改修 | 高 | 低〜中 | 現在の建物が居住可能な状態にある |
どの選択肢が向いているかの判断基準
選択肢を選ぶ際の大まかな判断基準を以下にまとめます。
- すぐに現金化したい → 買取業者への現況売却(確実性が高い)
- できるだけ高く売りたい → 一般仲介で買い手を探す(時間がかかるが高値の可能性)
- 建て替えたい/子供に残したい → 2項道路・43条2項の可能性を追求する
- 今の家に住み続けたい → リフォームで対応。ただし大規模工事は建築確認の要否を確認
- 隣地所有者が購入に興味を示している → 隣地売却が最もスムーズな場合がある
どの選択肢を選ぶにしても、まずはこの記事で解説した6つの手順で「自分の土地の条件」を正確に把握してください。その上で、不動産会社や建築士に相談すれば、無駄な遠回りをせずに済みます。
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よくある質問(FAQ)
Q1:道路幅が4m未満だと必ず再建築不可ですか?
A:いいえ。2項道路に指定されていれば、セットバックを条件に建築が可能です。まずは前面道路が2項道路かどうかを自治体で確認してください。2項道路でもない場合でも、43条2項の認定・許可の対象になる可能性があります。
Q2:私道に面していても再建築不可ですか?
A:私道でも建築基準法上の道路に該当すれば問題ありません。位置指定道路(1項5号道路)として特定行政庁の指定を受けている私道は、建築基準法上の道路として認められます。ただし、指定を受けていない私道は道路とみなされません。登記上の「公衆用道路」であっても油断できませんので、必ず役所で確認してください。
Q3:再建築不可の土地でも家を建てられますか?
A:可能性はあります。43条2項の認定(第1号)または許可(第2号)を受けることで建築できるケースがあります。ただし自治体の判断によるため、必ず建てられるとは限りません。全国で年間7,000件以上の実績はありますが、建築計画の内容や周辺状況によって可否が分かれます。
Q4:再建築不可の古家をリフォームして住み続けられますか?
A:小規模な修繕や模様替えは可能です。ただし、2025年4月以降、木造2階建て戸建住宅の「大規模の修繕」「大規模の模様替」には建築確認が必要になりました。柱や梁の過半数を改修するような大規模リフォームは、再建築不可の物件では実質的に難しくなる可能性があります。リフォームの前に工務店や建築士に確認しましょう。
Q5:再建築不可の家を解体するとどうなりますか?
A:解体後の土地に新築できなくなる可能性が高いです。また、住宅用地特例が解除されるため、固定資産税の課税標準が上がります(最大で従来の6倍程度になる可能性。ただし負担調整措置により段階的に上がるケースもあるため、一律ではありません)。解体する前に、建築の可否と税負担の変化を必ず確認してください。
Q6:役所で何を確認すればよいですか?
A:「前面道路が建築基準法第42条の何号道路か」「2項道路に指定されているか」「接道長の有効な長さ」「セットバックが必要かどうか」「43条2項の認定・許可の対象になるか」の5点を順番に聞いてください。漠然と「再建築不可ですか?」と聞くよりも正確な回答が得られます。
Q7:再建築不可の土地でも売れますか?
A:売れますが、一般の住宅ローンが使えないため買い手は限られます。主な売却先としては、訳あり物件を扱う買取専門業者、隣地所有者、現金購入者などが考えられます。価格は通常の土地より低くなる傾向がありますが、「無価値」というわけではありません。売却を検討する場合は、複数の業者に査定を依頼して比較することをおすすめします。
まとめ|まずは「自分の土地の条件」を正しく把握することが第一歩
再建築不可の物件は、条件さえ正しく把握すれば、次に取るべき行動は自然と見えてきます。この記事で解説した6つの手順を一つずつ実行し、自分の土地の「再建築不可の理由」を特定してください。
最後に、記事の内容を簡潔にまとめます。
- 再建築不可の原因は「建築基準法上の道路に接していない」「接道長が2m未満」「道路幅が4m未満で2項道路以外」の3つ
- 「道路に見える道」と「建築基準法上の道路」は別物。必ず役所の指定道路図で確認する
- 2項道路ならセットバックで、43条2項なら認定・許可で建築できる可能性がある
- 接道長は「境界線の長さ」ではなく「有効に避難・進入できる部分」で判断される
- 解体は最後の選択肢。固定資産税の増加リスクも含めて慎重に判断する
- 再建築不可でも売却・買取・リフォーム・隣地売却などの選択肢は残っている
自分の土地が再建築不可かもしれないと感じたら、まずはお住まいの市区町村の建築指導課に電話を入れてみてください。「指定道路図を見たいのですが」の一言で、確認の第一歩が始まります。
再建築不可の売却で迷ったら
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