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マンションの登記に「持分2分の1」と書かれているが、それが何を意味するのか分からない——。結論から言うと、マンションの「共有持分」には「1室の専有部分の共有持分」「共用部分の持分」「敷地権割合」の3種類があり、権利内容も処分の可否もまったく異なります。「持分2分の1だから部屋の半分だけ使える」「価格も半額で売れる」「管理組合で半票持てる」は、いずれも正確ではありません。
この記事で分かること:
- マンションの3種類の「持分」の違いと、登記で見分ける方法
- 「持分2分の1」をめぐる3つの代表的な誤解とその正しい理解
- 自分の持分だけでできること・できないことの具体的な線引き
- 共有状態を解消したい場合の5つの選択肢と、自分の状況に合った選び方
この記事は、夫婦や親族とマンション1室を共有しているものの、「持分」の権利内容を正しく理解していない人に向けて書いています。読み終える頃には、自分の登記を確認し、共有状態のまま進むか・売却や解消を比較するかの判断がつくようになります。
この記事を書いた人
訳あり不動産 買取相談センター 編集部
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マンションの「共有持分」には3種類ある
まず押さえておくべきは、マンション関連の登記に登場する「持分」が1種類ではないことです。「持分2分の1」と一口に言っても、それが①1室の所有権の持分なのか、②共用部分の持分なのか、③敷地権割合なのかで、権利の内容も処分の可否も変わります。
以下の表で、それぞれの違いを整理します。
| 持分の種類 | 対象 | 権利内容 | 単独で処分できるか | 登記上の見方 |
|---|---|---|---|---|
| ①専有部分の共有持分 | マンション1室(101号室など)の所有権 | 部屋全体の所有権のうち、自分の持分割合分の権利 | 自分の持分だけなら単独で売却可能 | 「甲区」の所有者欄に複数人名義と割合の記載 |
| ②共用部分の持分 | 廊下・階段・エレベーター・躯体など | 区分所有者全員で共有(区分所有法11条)。持分割合は専有部分の床面積割合で決まる | 専有部分から分離して単独処分できない | 単独では登記されず「共用部分」として一括表示 |
| ③敷地権割合 | マンションの敷地の利用権 | 専有部分の床面積に応じた土地の利用権(区分所有法22条)。専有部分と一体化 | 専有部分から分離して処分できない | 「敷地権」として登記。割合は専有部分の床面積比 |
この記事で主に扱うのは①専有部分の共有持分です。②と③は、①とセットで理解すべき概念として説明します。
【具体例】登記の読み間違いで起きたケース
Aさんは、離婚した元夫とマンションを2分の1ずつ共有している。登記を見て「持分2分の1」と「敷地権割合1000分の125」の2つの数字を確認したが、両方とも「自分の持っている割合」だと思い込んでいた。実際には、持分2分の1は1室の所有権の割合であり、敷地権割合1000分の125は土地の利用権の割合。全く別の権利で、数字の大小に直接の関係はない。
このように、同じ「持分」と書かれていても、権利の種類が違うことをまず理解する必要がある。
【誤解1】「持分2分の1=部屋の半分だけ使える」は正しい?
結論:正しくありません。共有持分は「所有権の割合」であって、「物理的に使用できる範囲」を指すものではありません。
例えば、夫婦が2分の1ずつ所有するマンションの場合、夫が「自分の持分は2分の1だからリビングだけ使う」と決めることはできません。民法249条1項は「各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる」と定めており、各共有者は部屋全体を使用する権利を持っています。
ただし、「持分に応じた使用」の範囲については、以下のような制約・調整があります。
- 使用の調整は共有者間の協議:話し合いで「夫が週末だけ使う」「妻がメインで住む」などと決めることは可能。決まらない場合は、持分の過半数で使用ルールを決めることができる(民法252条)。
- 独占使用には対価が生じる:一方の共有者だけが住み続けている場合、2023年4月施行の改正民法249条2項により、他の共有者は持分を超える使用の対価(使用料)を請求できるようになりました。
- 賃貸に出したい場合:第三者への賃貸は、建物については3年以下の期間なら持分の過半数で決めることができます(民法252条4項)。ただし管理規約で禁止されているケースが多いため、規約の確認が先です。
「持分2分の1=部屋の半分しか使えない」ということはなく、むしろ部屋全体を使えるが、独占する場合は他共有者への対価が生じる、と理解しておきましょう。
【誤解2】「持分2分の1=マンション価格の半分で売れる」は正しい?
結論:通常は半額では売れません。「全体価格×持分割合」は理論上の按分価格にすぎず、実際の取引価格はこれより低くなるのが普通です。
全体価格・按分価格・実際の買取価格は違う
マンションの共有持分の価格には、以下の3つの異なる数字があることを理解してください。
| 価格の種類 | 計算方法の例 | どのような場面の数字か |
|---|---|---|
| 全体の市場価格 | 例:マンション1室の相場が4,000万円 | 不動産会社の査定や近隣取引事例で分かる全体の価格 |
| 理論上の按分価格 | 4,000万円×持分2分の1=2,000万円 | 相続税評価や共有者間の買取交渉の出発点となる数字 |
| 実際の買取価格 | 2,000万円よりさらに低くなる(固定率は示せない) | 第三者への持分売却や買取業者への売却で実際に得られる価格 |
なぜ按分価格より下がるのか
共有持分を第三者に売る場合、買い手は以下のリスクを負うため、全体を買う場合より価格が下がります。
- 共有者との調整リスク:買い手は残りの共有者と新たに関係を築き、将来的な売却・建て替え・リフォームで合意を得る必要がある
- 売却後の交渉コスト:買い手が持分を取得しても、他の共有者が住んでいる場合は使用や退去の交渉が残る
- 買い手が限られる:共有持分を買うのは、一般の購入希望者ではなく、専門の買取業者や不動産投資家などに限られる
買取価格に影響する4つの要因
同じ持分割合でも、以下の要因で買取業者の提示額は変わります。
| 要因 | 価格が上がる方向 | 価格が下がる方向 |
|---|---|---|
| 持分割合の大きさ | 過半数に近い・超えている(買い手が主導権を握りやすい) | 10分の1など少数持分(買い手の影響力が弱い) |
| 占有の有無 | 空室・買い手が自由に使える状態 | 他の共有者が住んでいる(明渡し交渉が必要) |
| 共有者間の関係 | 共有者が売却に理解を示している | 共有者が反対・連絡が取れない・所在不明 |
| 管理費等の滞納 | 滞納なし | 滞納が多額にある(買取価格から精算される) |
重要なのは、「持分2分の1だから半額で売れる」と期待せず、上記の要因で価格が変わることを理解したうえで、査定を取ることです。また、共有持分の買取業者は「持分割合×全体価格」にディスカウントをかけた価格を提示するのが一般的ですが、ディスカウント率は物件・業者・状況によって大きく異なり、一律の相場を提示することはできません。
【誤解3】「持分2分の1=管理組合で半票(1票)持てる」は正しい?
結論:正しくありません。共有持分の割合と管理組合の議決権は直接リンクしません。
区分所有法40条は、次のように定めています。
専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数をもって、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。(区分所有法第40条)
つまり、1室を共有する場合、管理組合で行使できる議決権は「1室につき1票」であり、共有者がそれぞれ半票ずつ持てるわけではありません。議決権を行使する代表者1人を、共有者の持分の過半数で決める必要があります。
例えば、夫2分の1・妻2分の1の場合、どちらか一方が過半数(2分の1超)に達しないため、話し合いで決まらなければ議決権行使者を定められない状態になります。実際には管理規約の定めや管理組合の運用でカバーされることが多いですが、持分割合=議決権割合ではないという点は正確に理解しておく必要があります。
自分の持分だけでできること・できないこと【早見表】
マンションの共有持分に関して、「単独でできること」と「他の共有者の同意が必要なこと」を知っておくことは、今後の行動を決めるうえで最も実用的な知識です。
民法上の共有行為は、以下の3つに分類されます。
| 行為の分類 | 内容 | 必要な同意 |
|---|---|---|
| 保存行為 | 物件の現状を維持するための行為(緊急修繕・権利の保存登記など) | 単独で可能 |
| 管理行為 | 物件の利用・管理に関する行為(管理者の選任・小規模修繕・3年以下の賃貸など) | 持分価格の過半数 |
| 変更行為 | 物件の形状や性質を変える行為(売却・大規模リフォーム・建て替え・長期賃貸など) | 原則として全員の同意 |
これをマンションの共有持分に当てはめると、次のようになります。
| やりたいこと | 分類 | 必要な条件 |
|---|---|---|
| 自分の持分だけを売却する | 変更行為(自己の持分の処分) | 単独で可能※ただし買い手が見つかるかは別問題 |
| マンション1室全体を売却する | 変更行為 | 全員の同意が必要 |
| 第三者に賃貸する(建物3年以下) | 管理行為 | 持分の過半数※ただし管理規約の確認必須 |
| 第三者に賃貸する(建物3年超) | 変更行為 | 全員の同意が必要 |
| 壁紙の張り替え・小規模リフォーム | 軽微な変更(民法251条1項かっこ書) | 持分の過半数 |
| 間取りを変える大規模リフォーム | 変更行為 | 全員の同意が必要 |
| 管理費・修繕積立金を滞納しない | 保存行為に準じる義務 | 単独で各自負担(民法253条) |
| 緊急の雨漏り修理 | 保存行為 | 単独で可能 |
この表で特に重要なのは太字の2点です。
「自分の持分だけなら単独で売却できる」——これは正しい。しかし「マンション1室全体の売却には全員の同意が必要」であり、持分だけを売るのと全体を売るのでは必要な条件が全く違います。「共有者が一人反対すると全体を売れない」のが原則ですが、「自分だけなら持分を売ってしまえる」というのが共有持分の特徴です。
ただし、実際に持分だけを売る場合には、買い手が見つかるか、買取価格はどの程度か、共有者との関係が悪化しないかといった実務上の壁があります。法的に可能であることと、実際に揉めずに進められることは別物だという点に注意が必要です。
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注意
先にやってはいけない3つの行動
①「共有者が反対しているから」と、マンション全体の売却を勝手に進めようとしない
全体売却には全員の同意が必要。一人でも反対していれば契約は成立せず、かえって関係が悪化する。
②「持分放棄すれば終わり」と考えない
共有持分を放棄するためには登記手続きが必要で、放棄した持分は他の共有者に帰属する(民法255条)。「勝手に放棄して名義だけ外せる」わけではない。
③管理費の滞納を放置しない
管理組合は共有者の誰にでも全額を請求できる(不可分債務)。共有者が滞納しても、あなたに一括請求が来る可能性がある。
他の共有者だけが住んでいる場合の権利と負担
「自分は住んでいないのに、管理費や固定資産税だけ負担している」「共有者(元配偶者・親族)が一方的に住み続けているが、どうにかできないか」——このような状況は、共有持分のマンションでよく見られるトラブルです。以下、法律上の権利と負担を整理します。
1. 使用料を請求できるか(民法249条2項)
結論:請求できます。2023年4月施行の改正民法249条2項により、共有物を使用する共有者は、別段の合意がない限り、自己の持分を超える使用について他の共有者に対価を償還する義務を負うことが明文化されました。
例えば、2分の1ずつ共有するマンションに弟だけが住み続けている場合、兄は弟に対して「持分2分の1を超えて使用している部分の対価(使用料)」を請求できます。改正前は不当利得や不法行為でしか請求できなかったため、2023年改正によって明示的な請求権が条文上認められたことは大きな変化です。
ただし、使用料の金額は以下の要素で変わります。
- 近隣の賃料相場(単なる按分ではなく、実際の賃料相当額が基準になる)
- 共有者間で無償使用の合意があったかどうか
- 他の共有者が居住している場合の従前の経緯(介護のため住み続けている等)
2. 明渡しを求めることはできるか(民法252条1項)
結論:持分の過半数で決議すれば、占有している共有者に対して明渡しを求めることができます。これも2023年改正で明確化された点です。
民法252条1項は、持分の過半数で共有物の管理に関する事項を決することができると定めており、この「管理」には他の共有者に対する明渡請求も含まれると解されています。改正前は「過半数で占有者を追い出せるのか」が明確でなく、訴訟で争われるケースもありましたが、改正後は条文上明らかになりました。
ただし、従前の合意(「当面はここに住んでいい」といった取り決め)に基づいて占有している場合や、居住に正当事由がある場合は、過半数の決議だけでは即座に明渡しを求められない可能性があります。ケースごとに弁護士への相談が必要です。
3. 管理費・修繕積立金・固定資産税の負担
費用負担には、「対外的な支払義務」と「共有者間の内部負担」の2つの面があることを理解しておく必要があります。
| 費用の種類 | 対外的な支払義務 | 内部負担の原則(民法253条) |
|---|---|---|
| 管理費・修繕積立金 | 管理組合は共有者の誰にでも全額請求できる(不可分債務) | 持分割合に応じて按分 |
| 固定資産税 | 納税通知は代表者1人に届く。市区町村も1人に全額請求可能 | 持分割合に応じて按分 |
| 火災保険料 | 契約者単位。共有者は各自で契約するか、代表者が一括契約 | 持分割合に応じて按分 |
注意すべきは「対外的な支払義務」が不可分債務であることです。管理組合は、共有者AとBのうち、どちらか1人に対して管理費の全額を請求できます。つまり「自分は住んでいないから払わない」では通用せず、共有者が滞納した場合、残された共有者に全額の支払義務が及びます。支払った共有者は、滞納した共有者に対して求償(立替分の請求)ができますが、相手が応じなければ裁判手続きが必要になります。
【具体例】費用負担の偏りから生じるトラブル
両親が亡くなり、長男と次男が実家のマンションを2分の1ずつ相続。長男はそのまま住み続け、次男は遠方で別の生活を送っている。
固定資産税の納税通知書は代表者である長男に届くが、長男は支払いを渋る。滞納を避けるため、次男が立て替える。さらに、台風でベランダの防水が傷み、管理組合から修繕費の請求が。これも長男が支払わず、管理組合は次男に全額を請求してくる。
次男の不満は「住んでもいない家の費用をなぜ自分だけが負担するのか」というもの。一方、長男の言い分は「親の介護を最後までやったのは自分だ」という、介護貢献を盾にした反論。法的には民法253条で持分按分の請求ができるが、求償がスムーズに進むかは別問題で、家族関係を壊さずに請求するのは容易ではない。
【具体例】相続が繰り返されると共有者が増える
A・B・Cの3兄弟が実家のマンションを3分の1ずつ相続して共有していた。
数年後、Aが死亡。Aの持分3分の1は、Aの配偶者と子2人の3人で相続された(各9分の1)。さらにBが死亡。Bの持分3分の1は、Bの配偶者と子1人の2人で相続された(各6分の1)。
結果、共有者はCを含めて6人に。Cにとって、AとBが存命中は「兄弟」という気心の知れた関係で話ができたのに、今度は義理の姉・甥・姪を含めた6人全員の同意がないと売却できない。連絡先すら告げられていない相手もいる——。
このように、相続が繰り返されるだけで共有者が増え、権利関係は急速に複雑化する。放置すればするほど、共有者同士の関係が疎遠になり、全員の同意を取りつける難易度が上がる。
共有状態を解消する5つの方法を比較
共有状態を解消する主な方法は、以下の5つです。それぞれの特徴を比較します。
| 方法 | 概要 | 必要な条件 | 価格の目安 | 期間 | 主なリスク |
|---|---|---|---|---|---|
| ①共有継続(現状維持) | 現状のまま共有を続ける | 特に不要。ただし将来的なトラブルの火種は残る | — | — | 関係悪化・費用負担の不満・相続で共有者が増えるリスク |
| ②マンション全体の売却(仲介) | 共有者全員の同意を得て、1室全体を一般市場で売却。売却代金を持分割合で分配 | 全共有者の同意 | 全体の市場価格に近い(最も高い可能性がある) | 3〜6か月程度 | 1人が同意しないと進められない。売却後の分配で対立する可能性 |
| ③共有者間売買(持分の買取) | 一方の共有者が他方の持分を買い取り、単独所有へ | 買い手となる共有者が買取資金を用意できること | 按分価格をベースに交渉。第三者に売るより高い可能性 | 1〜2か月程度 | 買取資金が用意できない場合は成立しない。価格交渉で対立 |
| ④持分単独売却(第三者・買取業者へ) | 自分の持分だけを第三者や買取業者に売却 | 自分の持分のみ。他共有者の同意は原則不要 | 按分価格より低くなる(買い手限定リスク) | 1〜2か月程度 | 買取価格が想定より低い。共有者と新たな関係者が生まれる |
| ⑤共有物分割請求(裁判) | 裁判所に共有状態の解消を請求。現物分割・代償分割・競売のいずれかで決着 | 話し合いで決まらない場合 | 競売の場合は市場価格より低くなる傾向 | 6か月〜1年以上 | 時間・費用・関係悪化が大きい。競売になると全員が不利益を被る |
【状況別】どの解消法が向いているか
以下のマトリクスで、自分の状況に最も近いケースを確認してください。
| 状況 | 優先して検討すべき選択肢 | 検討する価値が低い選択肢 |
|---|---|---|
| 全共有者が合意でき、関係も良好 | ②全体売却(仲介)または③共有者間売買 | ④⑤(裁判や第三者への持分売却は不要) |
| 一方だけが居住。話し合いは可能 | ③共有者間売買(居住者が買い取る)または①継続+使用料請求 | ⑤(裁判は消耗戦になる可能性) |
| 共有者と連絡が取れない・所在不明 | ④持分単独売却または所在不明共有者の持分取得制度(民法262条の2) | ②全体売却(同意を得られない) |
| 共有者との関係が悪化・価格対立 | ④持分単独売却または⑤共有物分割請求 | ②③(合意が難しいため長期化しやすい) |
| 住宅ローンが残っている | ②全体売却(一括返済)または金融機関との調整 | ④(抵当権抹消の壁。金融機関の承諾が必要) |
| 相続が繰り返され共有者が増えている | ②全体売却(全員合意できるなら)または④持分単独売却(自分の分だけ整理) | ①継続(これ以上複雑化を避けるなら放置しない) |
持分単独売却という選択肢
ここまでの比較で「④持分単独売却」が現実的な選択肢になるのは、以下のようなケースです。
- 共有者と話がつかず、自分だけでも先に整理したい
- 共有者が連絡拒否・所在不明で、全体売却の同意を得られない
- 離婚後、元配偶者と共有名義のまま放置しており、自分の名義だけ外したい
- 管理費や固定資産税の負担に耐えられず、自分の持分だけでも現金化したい
- 相続が繰り返されて共有者が増え、全員の同意が事実上見込めない
持分単独売却に向かないケース
- マンション全体を売って代金を分配するほうが高く売れる可能性が高い(全員合意できるなら②のほうが有利)
- 住宅ローンが残っており、金融機関の承諾を得られない
- 管理費等の滞納が多額にあり、売却代金から精算されることを共有者が了承しない
共有持分の買取業者によって査定額は大きく異なります。持分割合・占有の有無・共有者との関係・登記の状態・滞納の有無で、同じ物件でも提示額に差が出るため、1社だけで決めず複数社で条件を比べるところから始めるのが安全です。比較のポイントは、買取価格だけでなく、共有者への説明対応や名義変更手続きのサポートまで含めて見極めることです。
売却・解消を検討する前に確認すべき5つのこと【チェックリスト】
共有状態をどうするか決める前に、以下の5項目を確認しておきましょう。確認の順番も重要です。
□ 1. 登記の内容を確認する
登記事項証明書を取得し、以下の点を確認します。
- 自分の持分割合は「○分の○」か(2分の1、3分の1など)
- マンションの「敷地権」は分離処分禁止の登記がされているか
- 抵当権・差押えの登記(ローンや滞納の有無)はあるか
- 共有者は誰で、持分割合はそれぞれいくらか
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□ 2. 管理規約と滞納状況を確認する
管理組合に確認すべきことは以下の通りです。
- 管理規約で共有者の賃貸や持分譲渡に制限はないか
- 管理費・修繕積立金の滞納はあるか(滞納があると買取価格に影響する)
- 管理規約が2026年改正の区分所有法に対応しているか
□ 3. 占有状況と共有者の意向を確認する
- 誰が住んでいるか(自分/他共有者/第三者/空室)
- 共有者と話し合いができる状態か(良好/対立中/連絡不能)
- 共有者はどうしたいと考えているか(継続希望/売却希望/未確定)
□ 4. 住宅ローン・抵当権の有無を確認する
- 住宅ローンが残っている場合、債務者は誰か(連帯債務か単独債務か)
- 抵当権が設定されている場合、持分売却には金融機関の承諾が必要
- 任意売却や債務整理が必要な場合は、弁護士への相談が先
□ 5. 自分の目的と優先順位を整理する
- 「とにかく早く現金化したい」のか「少しでも高く売りたい」のか
- 「共有者関係が悪化しても構わない」のか「なるべく穏便に済ませたい」のか
- 「持分だけ整理できればいい」のか「マンション全体を処分したい」のか
よくある質問(FAQ)
マンションの持分2分の1って、部屋の半分だけ使える権利ですか?
いいえ。共有持分は所有権の割合であって、物理的な使用範囲ではありません。各共有者は部屋全体を使用する権利があります。ただし一方だけが独占使用する場合は、持分を超える使用部分について他の共有者に使用料の支払いが必要になることがあります(民法249条2項)。
マンションの共有持分を売るとき、他の共有者の同意は必要ですか?
自分の持分だけを売る場合、他の共有者の同意は原則として不要です。ただしマンション全体の売却には全員の同意が必要です。また、住宅ローンや抵当権が設定されている場合は、金融機関の承諾が必要になる場合があります。
共有名義のマンションの管理費は誰が払うのですか?
対外的には、管理組合は共有者の誰にでも全額を請求できます(不可分債務)。内部の負担は持分割合に応じて按分するのが原則です(民法253条)。「自分は住んでいないから払わない」では通用しないため注意が必要です。
離婚したのに元配偶者とマンションの共有名義が残っています。どうすればいいですか?
選択肢はいくつかあります。元配偶者が住み続けるなら、共有者間売買(元配偶者があなたの持分を買い取る)が一案です。話し合いがつかない場合は、持分単独売却や共有物分割請求を検討します。離婚協議書や調停調書で財産分与の定めがある場合は、それに従って名義変更を進めます。
共有者の一人が管理費を払わない場合、代わりに払わなければなりませんか?
管理組合は共有者に対して全額を請求できるため、滞納を放置すると最終的にあなたにも全額の請求が来る可能性があります。支払った場合、滞納した共有者に対して持分割合に応じた求償(立て替えた分の請求)は可能ですが、相手が任意に応じなければ裁判手続きが必要になります。
共有持分だけを買取業者に売った後、他の共有者はどうなりますか?
買取業者があなたの持分を取得したことで、他の共有者との間で新たな共有関係が生まれます。買取業者は共有者として管理費の負担義務を負います。ただし、買取業者が他の共有者に住み替えや売却を迫ることはなく、あくまであなたの持分の「権利」を取得したにすぎません。他の共有者の居住権や使用権が直接侵害されることはありません。
まとめ:まず自分の持分の種類と状況を整理する
マンションの共有持分について、この記事で整理したポイントを改めてまとめます。
押さえるべき3つの基本
- マンションには「専有部分の共有持分」「共用部分の持分」「敷地権割合」の3種類の持分がある。売却や解消を考えるのは、主に「①専有部分の共有持分」
- 「持分2分の1=部屋の半分だけ使える・半額で売れる・半票持てる」は誤解。実際の権利内容や価格はこれらとは異なる
- 自分の持分だけなら単独で売却できるが、マンション全体の売却には全員の同意が必要という違いを正確に理解する
次に取るべき行動
- まず登記事項証明書を取得し、自分の持分割合・共有者・抵当権の有無を確認する
- 管理組合に管理費の滞納状況と管理規約の制限を確認する
- 自分の状況(共有者と話がつくか/ローンがあるか/住んでいるか)を整理する
- 共有継続・全体売却・共有者間売買・持分単独売却・法的解消のうち、どれを比較すべきか判断する
- 持分単独売却が現実的な選択肢なら、共有持分の取り扱いに慣れた複数社で査定を比較するところから始める
共有持分の売却で迷ったら
株式会社ネクサスプロパティマネジメント
共有持分・再建築不可・事故物件など幅広い訳あり不動産に対応。AI査定で価格の目安がすぐわかり、スピード重視で整理したい人に向いています。