目次
- 1 あなたの空き家はどのタイプ?空き家が売れない7つの原因
- 2 原因①:そもそも買い手が期待できない「立地・需要の問題」
- 3 原因②:買主がリフォーム・解体を躊躇する「建物の老朽化」
- 4 原因③:法律上、建て替えができない「再建築不可・接道不良」
- 5 原因④:名義が整理できていない「相続登記未了・共有名義」
- 6 原因⑤:測量図も境界標もない「境界未確定・近隣トラブル」
- 7 原因⑥:片付け費用と手間がネックになる「残置物・家財の山」
- 8 原因⑦:売り方そのものが合っていない「不動産会社選び・価格設定」
- 9 原因を特定したら…「解体・値下げ・買取」の損益分岐点
- 10 売れない空き家の対処法4つを比較
- 11 放置するとリスクが高まる前に|空き家の今後のリスクと期限
- 12 よくある質問(FAQ)
- 13 まとめ:売れない空き家で動けなくなったら、まず原因を特定する

「実家が空き家になって3年。遠方で管理に行くのも限界だけど、売ろうにも問い合わせすらない」
「親の家を売ることに罪悪感はあるけれど、草刈りや近隣への気遣いにもう疲れてしまった」
そんなふうに、空き家を抱えて身動きが取れなくなっていませんか。
実は、空き家が売れない理由は「価格が高いから」だけではありません。立地や建物の状態、登記や境界の問題、残置物、売り方そのものなど、複数の要因が複合的に重なって買い手がつかないケースがほとんどです。
この記事では、空き家が売れない7つの原因をカテゴリ別に整理し、それぞれの原因に対して「なぜ買主が避けるのか」「何を確認すべきか」「どんな対処法が向くのか」をセットで解説します。読み終えた時点で、自分の空き家がどの原因で売れないのかが分かり、次に取るべき行動が明確になります。
この記事を書いた人
訳あり不動産 買取相談センター 編集部
共有持分・再建築不可・空き家・相続不動産など、売却時に判断が難しい不動産情報を調査・整理する編集チームです。公式情報や公開データをもとに、相談先選びで迷いやすいポイントを中立的にまとめています。
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あなたの空き家はどのタイプ?空き家が売れない7つの原因
空き家が売れない理由は、ひとつではありません。以下の7つのカテゴリに分けて、当てはまる項目をチェックしてみてください。
ポイント
チェックが多いほど、売却の難易度が高い可能性があります。逆に言えば、原因が特定できれば、それに合った対処法を選べるようになります。
| カテゴリ | チェック項目(当てはまるもの) | 典型的な症状 |
|---|---|---|
| ①立地・需要 | □ 駅から徒歩20分以上 □ バス便が1時間に2本以下 □ 最寄りのスーパーまで車で10分以上 □ 周辺に空き家が増えている |
内覧ゼロ、問い合わせなしが続く |
| ②建物老朽化 | □ 築30年以上でリフォーム歴なし □ 雨漏り・シロアリ・傾きがある □ 外壁のひび割れ・カビ臭が気になる □ 雑草が生い茂り害虫が出る |
内覧者が「解体前提」と感じて撤退 |
| ③再建築不可 | □ 前面道路の幅が2m未満 □ 建築基準法上の道路に接していない □ 建築指導課で「再建築不可」と言われた □ 市街化調整区域に該当する |
住宅ローンが通らないので買主不在 |
| ④登記・権利 | □ 名義が亡くなった親のまま □ 相続登記をしていない □ 兄弟・親族で共有名義になっている □ 相続人の一人が行方不明・反対している |
売買契約を結べる状態になっていない |
| ⑤境界・近隣 | □ 境界標がない/古い図面しかない □ 隣地との越境がある □ 私道の通行承諾が必要 □ 近隣住民とのトラブル歴がある |
購入後のトラブルリスクを嫌がられる |
| ⑥残置物 | □ 家財・仏壇・農機具が残っている □ 不用品の量が多く、片付けが終わっていない □ 物置や庭に廃材・粗大ゴミがある |
「ゴミ屋敷の処分費が読めない」と敬遠 |
| ⑦売り方 | □ 1社だけに査定を頼んでそのまま売出し中 □ 売出価格が近隣相場より高い □ 不動産会社から「空き家は苦手」と言われた □ 空き家バンクにだけ登録して待っている |
そもそもの販売戦略が空き家に合っていない |
ここからは、各原因を詳しく解説します。自分の空き家に当てはまるものがあれば、そのセクションを重点的に読んでみてください。
原因①:そもそも買い手が期待できない「立地・需要の問題」
空き家の立地が駅から遠い、バス本数が少ない、商業施設や病院が近くにない——こうした条件は、購入後の生活イメージを描きにくくするため、買い手が避ける最大の理由のひとつです。
なぜ買主が避けるのか
買主は物件そのものだけでなく、「住み始めた後の生活」を買います。通勤・通学・買い物・通院の利便性が低い物件は、需要そのものが少なくなります。総務省の調査によると、全国の空き家率は13.8%(2023年時点)で過去最高を記録しており、特に地方圏では空き家率が20%を超える県もあります。需要が弱いエリアでは、価格を下げても買い手がつきにくいのが実情です。
確認すべきこと
- 同じエリアで過去1年以内に成約した中古物件の価格帯と売出期間
- 最寄り駅の利用者数や路線の存廃リスク
- 自治体の人口推移(将来の需要予測)
- 空き家バンクに同じエリアの物件がどれくらい登録されているか
向く対処法
需要が弱いエリアでは、一般の買い手を待つより、隣接地の所有者や農家、投資家への売却のほうが現実的な場合があります。また、自治体の空き家バンクは無料で登録できるため、並行して登録しておくのも一手です。ただし、空き家バンクはあくまで情報提供サービスであり、能動的な営業活動を行わないため、買主が見つかるまで長期化しやすいのが実態です。
原因②:買主がリフォーム・解体を躊躇する「建物の老朽化」
築年数が古く、雨漏り・シロアリ被害・カビ臭・雑草の繁茂などがある空き家は、買主にとって「リフォーム費用が見えない物件」です。住むためにいくらかかるか読めない物件には、なかなか手が出せません。
なぜ買主が避けるのか
内覧者が第一印象で感じるのは「この物件、住むまでにいくらかかるんだろう」という不安です。外壁のひび割れ、庭の雑草、室内のカビ臭——これらが重なると、買主は「解体前提」と判断して撤退します。特に、遠方から通って管理している空き家ほど、ちょっとした修繕の積み重ねが放置されがちで、結果として売れにくくなります。
逆に言えば、立地が良く、価格が適正なら、古家付き土地として売れる可能性は残っています。買主が「更地にして建て替えたい」「リフォームして住みたい」と出口戦略(購入後の活用イメージ)を描けるかどうかが、成約の分かれ道です。
確認すべきこと
- 築年数(特に旧耐震基準の1981年5月以前かどうか)
- 屋根・外壁・水回りの目視による劣化度合い
- シロアリ調査の有無と結果
- 過去の修繕履歴
向く対処法
立地に一定の需要があるなら、思い切った価格設定で古家付き土地として売り出す方法があります。一方、老朽化が進みすぎている場合は、現況のまま買い取ってくれる専門業者に相談するほうが現実的です。解体費やリフォーム費用を売主が先出しする前に、まずは現状のまま査定を取ることをおすすめします。
原因③:法律上、建て替えができない「再建築不可・接道不良」
建築基準法では、建築物の敷地は幅員4m以上の道路に2m以上接する必要があります(43条)。この基準を満たさない土地は「再建築不可」となり、一般の買主が住宅ローンを利用して購入するのが極めて難しい物件になります。
なぜ買主が避けるのか
再建築不可の最大の壁は、住宅ローンが使えないことです。金融機関は再建築不可の物件を担保評価の対象外とするため、現金購入できる買主しか対象になりません。また、将来的に建て替えができないため、長期的な資産価値が見込みにくい点も敬遠される理由です。
ただし、再建築不可=無価値・売却不可ではありません。隣地の所有者が買い取って敷地を拡張したいケース、投資家が現況のまま活用(駐車場・資材置き場など)するケース、43条但し書き許可を得られれば建て替え可能になるケースなど、販路は限られますが存在します。
確認すべきこと
- 前面道路の幅員と、建築基準法上の道路かどうか
- 特定行政庁(自治体の建築指導課)で再建築可否の確認
- セットバック(道路後退)の必要性とその影響
- 43条但し書き許可(既存建築物の建て替え特例)の可能性
向く対処法
一般の不動産仲介では売れにくいため、再建築不可物件の扱いに慣れた専門買取業者や、隣地所有者への直接売却が現実的な選択肢になります。売却前に役所で接道状況を確認しておくと、買取業者との価格交渉でも有利に進められます。
原因④:名義が整理できていない「相続登記未了・共有名義」
亡くなった親の名義のまま登記が変わっていない——これは空き家が売れない理由として非常に多く、かつ見落とされがちなポイントです。
なぜ買主が避けるのか
まず、登記上の所有者が被相続人(故人)のままでは、売買契約を締結できません。売主は「登記名義を生きている人に変える(相続登記をする)」必要があります。
さらに、遺産分割が終わっていないケースでは、すべての相続人が法定相続分で空き家を共有している状態になります。この場合、売却には全相続人の合意が必要です。兄弟の一人が連絡不能、反対している、認知症で判断できない——そんな事情があると、売却手続きが長期化するか、進められなくなります。
相続登記は令和6年4月から義務化されており、相続を知った日から3年以内に登記しない場合、10万円以下の過料の可能性があります。令和6年4月より前の相続でも、令和9年3月31日までに登記が必要です。
確認すべきこと
- 登記簿を法務局で取得し、現在の名義人を確認する
- 相続人の全員を洗い出す(戸籍謄本で確認)
- 遺産分割協議が済んでいるかどうか
- 共有者の所在・連絡先・売却に対する意向
向く対処法
まず司法書士に相談して、相続登記の手続きを進めるのが第一歩です。査定相談や売却の方向性を決めること自体は登記完了前でも可能ですが、実際の売買契約〜所有権移転には名義整理が不可欠です。共有者間でもめる可能性がある場合は、早めに弁護士や司法書士を交えた調整を検討しましょう。
原因⑤:測量図も境界標もない「境界未確定・近隣トラブル」
境界標がなく、測量図が30年以上前のまま——こうした空き家は、買い手が「購入後に隣地とのトラブルを抱えたくない」と考えて敬遠します。
なぜ買主が避けるのか
境界が確定していない土地は、購入後に隣地所有者との境界トラブルに発展するリスクがあります。買主は土地の一部を購入しているのに、どこまでが自分の土地か分からない状態で引き渡しを受けることになります。また、住宅ローンを利用する場合、金融機関が境界未確定の土地を担保として認めないケースもあります。
さらに、隣地との越境(樹木の枝、建物の軒先、ブロック塀など)がある場合、買主は購入後に越境部分の解決対応を求められる可能性があります。
確認すべきこと
- 土地の境界標(赤いプレートや石杭)が現地にあるかどうか
- 登記所備え付けの公図と現地の形状に乖離がないか
- 過去の測量図の有無とその年代
- 隣地との越境の有無(建物・樹木・塀など)
向く対処法
境界問題が売却のネックになっている場合、土地家屋調査士に依頼して現況測量と境界確認を行うのが確実な方法です。ただし、隣地所有者の立会いが必要で、費用も発生します(土地の広さや形状により異なりますが、一般的な戸建て敷地で30万〜60万円程度)。
時間や費用をかけられない場合は、境界不問で買い取る専門業者を探す選択肢もあります。買取価格には影響しますが、測量費用や調整の手間を売主が負担せずに売却を進められます。
原因⑥:片付け費用と手間がネックになる「残置物・家財の山」
親の家には、仏壇、着物、古い家具、家電、農機具、物置の廃材——長年暮らした分だけ「モノ」が残っています。この残置物の処理が、空き家売却の大きなハードルになるケースが少なくありません。
なぜ買主が避けるのか
買主から見ると、残置物がある物件は「処分費用と手間が読めない物件」です。「売主が片付けられないなら、購入後に自分が全部処分しなければならない」という負担感が、購買意欲を大きく下げます。また、残置物がある状態では内覧の印象が極端に悪くなり、そもそも買主の目に留まりにくくなります。
実務では、売主が「片付ける時間も費用もない」「遠方で通うのが大変」という理由で、残置物をそのままにしたまま売却を試みるケースが多いのですが、これが売れない原因の一つになっていることに気づいていないケースもよくあります。
確認すべきこと
- 残置物の量と種類(一般家庭ごみ・家電リサイクル対象品・農機具・仏壇など)
- 残置物の処分にかかる概算費用(自治体の大型ゴミ処理手数料+業者依頼費)
- 自分で片付けられる時間と体力の有無
- 遠方の場合は、現地の不用品回収業者の見積もり
向く対処法
現況買取(残置物込みで買い取る専門業者)が最も現実的な選択肢です。残置物の処分費用が査定額に反映されるため仲介より価格は下がりやすいですが、売主が片付けの時間・費用・手間を負担せずに売却を完了できます。
片付けに時間と体力の余裕があるなら、自分で処分してから売り出す方法もあります。特に、残置物を撤去するだけで内覧の印象が大きく変わる物件は、片付け費用対効果が高いと言えます。
原因⑦:売り方そのものが合っていない「不動産会社選び・価格設定」
「地元の不動産会社に査定を依頼して、そのまま売り出している」——このパターンが意外に多く、売れない原因になっているケースがあります。
なぜ売れないのか
すべての不動産会社が空き家の売却に強いわけではありません。特に、空き家・訳あり物件の売却経験が少ない会社は、適切な価格設定や販売戦略を立てられないことがあります。売出価格が高すぎる、写真が暗い・雑然としている、空き家の悪い印象をそのまま載せてしまっている——そんな状態では買主の興味を引けません。
また、空き家バンクにだけ登録して「あとは待つ」という戦略も、時間がかかる割に成果が出にくいのが実情です。空き家バンクはあくまで自治体の情報提供サービスであり、能動的な営業活動は行いません。
確認すべきこと
- 現在依頼している不動産会社の空き家成約実績
- 売出価格が近隣の成約事例と比べて妥当か
- インターネット上の広告(写真・キャプション・間取り)の質
- 売り出してからの経過月数と内覧件数
向く対処法
空き家の売却実績が豊富な不動産会社に変更する、または買取と仲介を併用できる会社に相談するのが効果的です。売出価格の見直しも重要な選択肢です。「値下げ=損」と決めつけず、複数社で査定を取り、売却期間と価格のバランスを比較することをおすすめします。
複合原因に要注意:あなたの空き家は1つだけ?複数当てはまっていないか
ポイント
ここまで7つの原因を見てきましたが、実際の空き家売却で最も多いのは、複数の原因が重なっているケースです。
例えば——
- 「老朽化 + 相続登記未了 + 残置物あり」:登記を整理しないと売買契約が結べず、老朽化で買主がつかず、残置物の片付けも手がつけられない——典型的な3重苦のパターンです。
- 「地方立地 + 再建築不可 + 境界未確定」:需要が弱いエリアで再建築不可かつ境界も不明——一般仲介ではほぼ売れませんが、隣地所有者や専門買取業者には販路があります。
- 「売り方の問題 + 価格設定ミス」:実は建物状態は悪くないのに、売出価格が高すぎて問い合わせが来ないケース。一度複数社で査定を取り直すだけで状況が変わることがあります。
複数の原因が重なっている場合、優先順位をつけてひとつずつ解決する必要があります。登記の問題が先か、残置物の処理が先か——順番を間違えると、手間だけ増えて進捗しないことがあります。各原因の「向く対処法」に書いた内容を参考に、手がつけやすいものから動いてみてください。
原因を特定したら…「解体・値下げ・買取」の損益分岐点
原因が特定できたら、次は「どうやって売るか」の判断です。ここで注意したいのは、「とりあえず解体」「とりあえず値下げ」ではなく、比較検討してから決めるという順番を守ることです。
解体(更地化)のメリット・デメリット
更地にすると買主層が広がるため、一般の土地需要があるエリアでは有効な手段です。しかし、次のリスクもあわせて理解しておく必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | ・一般の買主(住宅建築希望者)が対象になる ・内覧時の印象が劇的に改善する ・住宅ローンが通りやすくなる(建物なしで土地のみの評価) |
| デメリット① 解体費の先出し |
解体費用は100万〜500万円程度(建物の大きさ・構造・アスベストの有無で変動)。この費用を売主が先に支払う必要がある。売却後に回収できるかは不確定。 |
| デメリット② 住宅用地特例の解除 |
更地にすると、建物がなくなるため住宅用地特例(固定資産税が最大1/6)の対象外になる。固定資産税が最大で6倍になる可能性がある。これは売却が長期化すると負担になる。 |
| デメリット③ 古家付き買取の機会損失 |
「古家付きで買いたい」という専門業者がいる場合、解体後に買取を依頼すると、建物評価額分だけ査定が下がることがある。 |
損益分岐点の考え方
注意
解体するかしないかの判断は、次の流れで行うのが安全です。
- まず現況のまま複数社で査定を取る(買取価格の上限を知る)
- 解体ありの場合の査定も取得する(解体後の土地価格の見通しを立てる)
- 解体費用と、解体による価格アップ幅を比較する
- 解体して売れるまでの期間と、その間の固定資産税負担を試算する
この順番を飛ばして「とりあえず解体」を選ぶと、解体費が売却価格を上回って赤字になったり、解体後に買い手が見つからず固定資産税だけが上がる——という事態になりかねません。
売れない空き家の対処法4つを比較
原因別に見てきた対処法を、横断的に比較できる表にまとめました。
| 比較項目 | 仲介継続(値下げ) | 更地にして売る | 空き家バンク | 専門買取業者 |
|---|---|---|---|---|
| 価格の目安 | 市場価格に近い(成立すれば) | 市場価格に近い(土地需要が前提) | 売主が自由に設定 | 仲介価格の6〜8割程度が目安 |
| スピード | 数ヶ月〜1年以上かかることも | 解体工事に2〜3ヶ月+売却期間 | 長期化しやすい(買主が見つかるまで待つ) | 最短1〜2週間〜1ヶ月程度 |
| 手間 | 内覧対応、価格交渉 | 解体工事の手配と費用の先出し | 登録作業のみ | 残置物があっても現況のままでOK |
| リスク | 売れ残りリスク、管理負担が続く | 解体費の先出しリスク、特例解除 | 買主が現れないリスク | 仲介より価格が下がりやすい |
| 総合的な負担 (手間・時間・精神的負荷) |
高い(管理・内覧・価格交渉が長期化) | 高い(解体の手配と費用先出しのプレッシャー) | 低い(登録だけだが、結果が出るまで待つストレス) | 低い(現況のまま相談〜契約〜入金まで一貫対応) |
| 向く状態 | 建物状態が良好/立地に需要がある | 土地需要が確実にあるエリア | 時間に余裕がある/建物状態が比較的良い | 老朽化・残置物あり・再建築不可・早期処分希望 |
それぞれに強みと弱みがあります。「どれか一つ」ではなく、複数の選択肢を並行して進めるのが、時間を無駄にしないコツです。
特に、老朽化・残置物・再建築不可・相続未整理などで一般の買主がつきにくいケースでは、空き家の再販や残置物処分に慣れた専門買取業者のほうが話が進みやすい場合があります。ただし、買取は仲介より価格が下がりやすいため、複数社で査定根拠や残置物・解体費の扱いを比較する必要があります。
放置するとリスクが高まる前に|空き家の今後のリスクと期限
売れないからといって空き家を放置すると、時間とともに状況が悪化します。以下のリスクは、売却判断を遅らせるほど大きくなります。
管理不全空家→特定空家への進行リスク
2023年の空家法改正により、「管理不全空家等」という新たな区分が設けられました。放置すれば倒壊・衛生・景観上で有害な「特定空家等」に指定されるおそれがある段階で、市区町村から助言・指導の対象になります。改善されなければ勧告の対象になります。さらに特定空家等に指定されると、命令・行政代執行へと段階的に進みます。
固定資産税が上がるリスク
管理不全空家等または特定空家等に指定され、市区町村長から「勧告」を受けると、敷地の住宅用地特例が解除されます。小規模住宅用地(200㎡以下)の場合、固定資産税の課税標準が1/6から1/1に戻るため、税負担が最大6倍になる可能性があります。「勧告」に至る前の段階で対策をとることが重要です。
近隣トラブルが価格と売却難易度を押し上げる
放置された空き家は、雑草の繁茂、害虫の発生、不法投棄、ブロック塀の倒壊リスクなど、近隣住民の生活環境を損なう原因になります。実際にクレームが入ると、売却の際に買主への告知が必要になるケースがあり、価格交渉や買い手探しに悪影響を及ぼします。近隣からの信頼を失う前に、早めの対応が求められます。
相続登記の期限(令和9年3月31日)
令和6年4月1日より前に相続した不動産で、まだ相続登記をしていない場合、令和9年3月31日までに登記する必要があります。登記をしないまま売却しようとすると、まず登記の整理が必要になります。
空き家3,000万円特別控除の期限(令和9年12月31日)
相続した空き家を売却する場合、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円(相続人が3人以上の場合は2,000万円)を控除できる制度があります。この特例は令和9年12月31日までの譲渡が対象です。期限が迫るにつれ、焦った売却になりがちなので、早めに準備を始めることをおすすめします。条件は細かいため、国税庁の公式情報を確認した上で、税理士に相談するのが確実です。
よくある質問(FAQ)
Q. 空き家は更地にしたほうが売れやすくなりますか?
一般の住宅建築希望者には売れやすくなりますが、必ずしも正解とは限りません。解体費用の先出しリスク、住宅用地特例解除による固定資産税増加、古家付き買取の機会損失など、デメリットもあります。まずは現況のまま複数の業者に査定を取り、「解体あり・なし」の両方の価格を比較してから判断するのが安全です。
Q. 田舎の空き家は本当に買い手がつかないのでしょうか?
立地によって大きく異なります。需要が極端に少ないエリアでは、一般の買い手を見つけるのは確かに難しいです。ただし、隣地所有者への売却、農地・資材置き場としての活用、空き家バンクや専門買取業者など、一般仲介以外の販路も検討することで出口が見つかるケースもあります。
Q. 残置物(家財・ゴミ)がある空き家でも売れるのでしょうか?
一般の不動産仲介では売れにくいですが、残置物込みで買い取る専門業者なら売却可能です。査定額には残置物の処分費用が反映されるため、仲介より価格は下がりやすいですが、売主が片付けの手間・時間・費用を負担せずに売却を完了できます。
Q. 相続登記していない空き家は売れないのでしょうか?
査定相談や買取業者との条件交渉は登記前でも可能な場合がありますが、実際の売買契約や所有権移転には相続登記(名義の整理)が必要です。まずは登記簿を確認し、相続人の全員を把握した上で司法書士に相談するのが確実な進め方です。
Q. 再建築不可の空き家は売却できないのでしょうか?
売却自体は可能です。一般の買主には住宅ローンが付きにくいため売れにくいですが、隣地所有者への売却、投資家や専門買取業者への売却といった販路があります。再建築不可でも43条但し書き許可によって建て替えが可能になるケースもあるため、自治体の建築指導課で現状を確認しておくと有利です。
Q. 空き家バンクと不動産会社はどちらがよいのでしょうか?
両方活用するのが効率的です。空き家バンクは無料で登録できるため、時間に余裕があるなら並行利用をおすすめします。ただし、空き家バンクは自治体の情報提供サービスであり、能動的な営業や価格交渉は行わないため、買主がすぐに見つかるとは限りません。早期売却や状態が良くない物件は、不動産会社(仲介・買取)のほうが適しています。
Q. 空き家を放置すると固定資産税は本当に6倍になるのでしょうか?
すべての空き家が6倍になるわけではありません。管理不全空家等または特定空家等に指定され、市区町村長から「勧告」を受けることで住宅用地特例が解除され、結果的に税負担が最大6倍になる可能性があります。勧告の前段階(助言・指導)のうちに対策をとれば、特例が維持されるケースが大半です。
まとめ:売れない空き家で動けなくなったら、まず原因を特定する
空き家が売れない理由は「価格が高いから」だけではありません。立地、建物の老朽化、再建築不可、相続登記未了、境界問題、残置物、売り方——これらの原因が複合しているケースがほとんどです。
最後に、原因別の「最初にやるべきこと」をまとめます。
| 特定した原因 | 最初にやるべきこと |
|---|---|
| 立地・需要の問題 | 周辺の成約事例を調べ、空き家バンクへの登録も検討する |
| 建物の老朽化 | 現況のまま複数社で査定を取り、解体あり/なしを比較する |
| 再建築不可 | 自治体の建築指導課で接道状況を確認する |
| 相続登記未了 | 登記簿を取得し、司法書士に相談する |
| 境界未確定 | 土地家屋調査士に現況測量の見積もりを取る |
| 残置物あり | 現況買取に対応する専門業者に見積もりを依頼する |
| 売り方が合っていない | 空き家の実績がある会社に複数査定を依頼する |
空き家の売却で最も避けたいのは、「原因を特定しないまま手を付けずに時間だけが過ぎること」です。ひとつずつ確認して、自分の空き家に合った方法を選んでいきましょう。
空き家の売却で迷ったら
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