目次
- 1 空き家の倒壊が進む原因と危険サイン
- 2 空き家が倒壊したら、所有者にどんな責任があるのか
- 3 倒壊前に知っておきたい「特定空家」と「管理不全空家」のリスク
- 4 【状況別】倒壊しそうな空き家で最初にやるべきこと
- 5 状況別「誰に相談すべきか」を整理する
- 6 空き家の処分、5つの選択肢を比較する
- 7 解体費用を払えない場合の現実的な選択肢
- 8 相続登記未了・共有空き家で詰まりやすいポイント
- 9 隣の空き家が倒れそうな場合の相談先(近隣住民向け)
- 10 よくある質問(FAQ)
- 10.1 Q. 空き家が倒壊しそうな場合、まず誰に相談すればいいですか?
- 10.2 Q. 空き家が倒壊して隣家や通行人に被害が出たら、いくら賠償しなければなりませんか?
- 10.3 Q. 自然災害(台風・地震)で空き家が倒れた場合でも、所有者の責任になりますか?
- 10.4 Q. 特定空家と管理不全空家の違いは何ですか?
- 10.5 Q. 空き家を解体すると固定資産税はいくら上がりますか?
- 10.6 Q. 解体費用を払えない場合はどうすればいいですか?
- 10.7 Q. 相続登記が済んでいない空き家でも売却できますか?
- 10.8 Q. 隣の空き家が倒れそうです。どこに相談すればいいですか?
- 10.9 Q. 空き家の解体補助金は誰でも使えますか?
- 10.10 Q. 倒壊しそうな空き家は、解体しないと売れませんか?
- 11 倒壊リスクのある空き家を手放すなら、まず現況のまま売れるか確認しよう

「相続した実家が傾いてきた」「台風のたびに屋根材が飛びそうで不安」「自治体から空き家の管理指導が来た」——そんな状態を放置すると、建物の倒壊による近隣被害、行政からの命令や代執行、固定資産税の負担増など、取り返しのつかないリスクが現実のものになります。
この記事では、空き家が倒壊しそうなときにまず取るべき行動、所有者の法的責任、行政からの措置、そして「解体費が出せない」場合も含めた5つの選択肢を、状況別に整理しました。
まずはあなたの空き家がどの段階かを確認してください。
あなたの空き家はどの段階?
- □ まだ倒壊していないが、築古・傾き・雨漏りなどが不安
- □ 外壁や屋根の一部が剥落・落下した
- □ すでに建物の一部が崩れた/倒れた
- □ 自治体から空き家に関する通知や指導を受けた
- □ 近隣から苦情が来ている
該当する項目がある方は、以下の該当セクションで、自分の段階にあった行動を確認してください。
この記事を書いた人
訳あり不動産 買取相談センター 編集部
共有持分・再建築不可・空き家・相続不動産など、売却時に判断が難しい不動産情報を調査・整理する編集チームです。公式情報や公開データをもとに、相談先選びで迷いやすいポイントを中立的にまとめています。
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掲載順・掲載内容は当サイト編集部の評価基準(対応範囲・公開情報の充実度・スピード等)によるものです。各社の対応領域は時期により変わる場合があります。
空き家の倒壊が進む原因と危険サイン
人が住まなくなった家は、換気・通水・点検・補修が止まることで、想像以上に早く劣化が進みます。湿気がこもり、木材が腐朽し、シロアリの被害が拡大する。雨漏りが天井や壁を伝って柱や梁を腐らせる——こうした進行を食い止める人がいない状態が何年も続くと、建物は静かに倒壊へ向かいます。
以下の危険サインに1つでも当てはまるなら、早めに対応を検討したほうがよいでしょう。
| チェック項目 | 危険サインの内容 | 緊急度 | 確認方法 |
|---|---|---|---|
| 建物全体の傾き | 玄関や窓枠の隙間が不均一、ドアが自然に閉まる | 高い | 建物から離れて全体を目視、水平器があれば確認 |
| 基礎・外壁の大きなひび割れ | 亀裂が水平・斜めに入り、幅が数mm以上 | 高い | 外壁全体を一周して目視確認 |
| 屋根材・瓦・外壁材の剥落 | 瓦がずれている、外壁材が浮いている・落ちている | 高い | 地面に落下した破片がないか確認。遠目に屋根を観察 |
| 雨漏りの跡 | 天井や壁にシミ、変色、ふくらみがある | 中〜高 | 室内の天井・壁を目視。雨の後に確認すると発見しやすい |
| 柱・梁・床の腐朽 | 触るとボロボロ崩れる、へこむ、シロアリの痕がある | 高い | キッチン・浴室・床下など水回りを重点的に確認 |
| ブロック塀・門・看板の傾き | 塀が傾いている、ひび割れ、グラつきがある | 中〜高 | 道路側から目視。手で押してグラつきがないか確認 |
とくに1981年6月以前の旧耐震基準で建てられた木造住宅は、倒壊リスクが高い傾向にあります。「まだ大丈夫」と思っていても、台風や地震で状態が一気に悪化することも少なくありません。
空き家が倒壊したら、所有者にどんな責任があるのか
「空き家が倒れても、自分の敷地内だけの問題だから大丈夫」——これは大きな誤解です。倒壊した建物が隣家や通行人、駐車中の車を直撃すれば、所有者は法律上の損害賠償責任を問われる可能性があります。
民法717条|土地工作物責任とは
民法717条は、「土地の工作物(建物・塀・門など)の設置または保存に瑕疵(欠陥)があり、他人に損害が生じた場合、占有者または所有者が賠償責任を負う」と定めています。
空き家のように誰も住んでおらず占有者がいない状態では、所有者が直接責任を負うことになります。つまり、建物の老朽化を知りながら放置していた場合、倒壊で周囲に被害が出れば、賠償金を請求されるリスクがあるということです。
自然災害で倒れても責任を免れないケースがある
「台風や地震が原因だから、所有者の責任ではない」——これも必ずしも正しくありません。裁判例では、台風や地震以前から建物の老朽化・傾き・腐朽を放置していた場合、自然災害をきっかけに倒壊したとしても、所有者の管理責任を認める判断が出ることがあります。
風雨や地震の規模が極めて大きかった場合は別ですが、「以前から危険な状態だった」「近隣から指摘を受けていた」「市の指導を受けていた」といった事情があると、所有者の責任が認められる可能性は高まります。
注意
損害賠償の具体的な金額や責任の有無は、建物の状態・災害の規模・周辺状況など個別事情によって大きく変わります。倒壊事故が起きた場合や賠償請求を受けた場合は、すみやかに弁護士へ相談してください。
倒壊前に知っておきたい「特定空家」と「管理不全空家」のリスク
空き家を放置すると、行政から段階的な指導や命令を受ける可能性があります。2023年(令和5年)の空家法改正で、「管理不全空家」という新しいカテゴリが設けられ、より早い段階から行政が関与できるようになりました。
| 項目 | 管理不全空家 | 特定空家 |
|---|---|---|
| 定義 | 放置すれば特定空家になるおそれがある状態 | このまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれがある状態 |
| 行政の措置 | 指導→勧告 | 助言・指導→勧告→命令(違反で50万円以下の過料)→行政代執行 |
| 固定資産税の住宅用地特例 | 勧告を受けると対象から除外される | 勧告を受けると対象から除外される |
| 強制撤去 | なし | あり(命令に従わない場合、行政代執行) |
行政措置の段階ごとに「まだ間に合うこと」
行政からの通知は、段階に応じて取れる対応が変わります。早期に動くほど、選択肢が広がります。
| 段階 | 通知の内容 | この段階でできること | 手遅れになりがちなこと |
|---|---|---|---|
| 指導・助言 | 「改善してください」という口頭または文書での要請 | 売却・修繕・解体補助金の申請・管理委託など、すべての選択肢が検討可能 | 放置してさらに通知が進む |
| 勧告 | 「改善しなさい」という正式な文書通知。住宅用地特例から除外対象に | 売却・解体はまだ可能。ただし補助金の対象外になる自治体もあるため要確認 | 固定資産税の軽減が外れる(遡及はないが翌年以降) |
| 命令 | 「改善せよ」という法的拘束力のある命令。違反で50万円以下の過料 | 命令に従う(修繕・解体)。売却も可能だが時間的余裕は少ない | 自由な売却交渉の時間。さらに命令を無視すると代執行へ |
| 行政代執行 | 行政が強制的に撤去。費用は全額所有者請求 | 分割払いの相談や売却による費用捻出 | 撤去費用の自己負担(数百万円単位) |
指導段階ならまだどの選択肢も取れるのがポイントです。勧告まで進むと固定資産税の面で不利になります。行政からの連絡が来る前、あるいは「来そうだな」と感じた段階で動くのが理想的です。
固定資産税の住宅用地特例が外れるとどうなるか
住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があり、固定資産税の課税標準が最大6分の1に軽減されています。しかし、特定空家や管理不全空家として「勧告」を受けると、この軽減措置の対象から除外される可能性があります。
「更地にすると固定資産税が6倍になる」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、正確には以下の通りです。
- これまで住宅用地特例で課税標準が6分の1(小規模住宅用地・200㎡以下)または3分の1(一般住宅用地・200㎡超)に減額されていた
- その軽減が外れることで、結果的に税額が最大6倍程度になる可能性がある(あくまで軽減が外れた場合の比較)
勧告より前の指導段階であれば、売却や修繕、補助金活用などの対応を検討する余地があります。勧告まで進むと税金面でも不利になるため、早期の対応が重要です。
行政代執行の流れと費用負担
特定空家に指定された後、命令に従わない場合、市区町村が行政代執行(強制撤去)を行うことがあります。この場合、撤去にかかった費用はすべて所有者に請求されます。工事費だけでなく、通知や立会いの費用まで含まれるため、数百万円単位になることも珍しくありません。
【状況別】倒壊しそうな空き家で最初にやるべきこと
空き家の状態によって、最初に取るべき行動は変わります。以下の3つの段階に分けて整理しました。
| 段階 | 最初にやること | 相談・連絡先 |
|---|---|---|
| ① 倒壊前 危険を感じるが崩落はしていない |
・応急的な安全確保(立ち入り禁止の措置) ・自治体の空き家担当窓口に相談 ・不動産会社に現況査定を依頼 |
市区町村の空き家担当課 空き家買取業者 建築士(応急補修が必要な場合) |
| ② 一部崩落・越境 外壁・屋根材の落下、道路や隣地への越境 |
・崩落箇所周辺の安全確保 ・警察・消防への連絡(道路・人身に関わる場合) ・自治体への報告 ・隣地所有者への状況説明 |
警察(110番)/消防(119番) 市区町村 損害保険会社(火災保険の確認) |
| ③ 倒壊後 建物の全部または大部分が崩壊 |
・人身救助と安全確保が最優先 ・警察・消防への通報 ・自治体への報告 ・弁護士への相談(賠償問題) |
警察・消防(最優先) 市区町村 弁護士 損害保険会社 |
① 倒壊前・危険を感じる段階
最も対応の選択肢が多いのがこの段階です。「まだ大丈夫だろう」と先延ばしにせず、自治体窓口への相談と不動産会社への現況査定を並行して進めることをおすすめします。売却・解体・修繕のどの方向に進むにしても、まず現状を正確に把握することがスタートになります。
② 一部崩落・越境が起きた段階
道路や隣地に建物の一部が落下している場合は、二次被害を防ぐのが最優先です。通行人の安全を確保したうえで、警察や消防に連絡してください。その後、自治体への報告と損害保険の確認を進めます。すでに近隣との間で賠償問題に発展しているケースもあるため、弁護士の相談も検討しましょう。
③ 倒壊後・人身被害や隣家被害が起きた段階
人身が関わる場合は売却の話より前に、救命と安全確保が最優先です。その後、損害賠償の可能性を含めた法的対応が必要になるため、すみやかに弁護士へ相談してください。売却や解体の判断は、当面の被害対応が落ち着いてからになります。
状況別「誰に相談すべきか」を整理する
空き家の倒壊リスクに関わる相談先は、問題の内容によって異なります。よくあるパターン別に、最初に相談すべき相手をまとめました。
| あなたの状況 | 最初に相談すべき相手 | 相談の目的 |
|---|---|---|
| 建物の危険度を診断してほしい | 建築士(建築事務所)または市区町村の空き家担当課 | 現地調査による危険度判定、応急補修の要否確認 |
| 相続登記がまだ済んでいない | 司法書士 | 相続登記の手続き、必要書類の確認 |
| 倒壊で隣家や通行人に被害が出た(または被害の恐れがある) | 弁護士 | 損害賠償責任の有無、示談交渉、訴訟対応 |
| 固定資産税や譲渡所得税の負担が心配 | 税理士 | 住宅用地特例の確認、譲渡所得税の試算、確定申告 |
| 行政から指導や勧告が来ている | 市区町村の空き家担当課 | 現在の段階の確認、対応方法の相談、補助金の案内 |
| 解体費を出せずに困っている/早く手放したい | 空き家買取業者(複数社) | 現況査定、買取可否の確認、売却条件の比較 |
| 共有者がいて話が進まない | 弁護士または司法書士 | 共有者間の調整方法、法的な整理の相談 |
複数の問題を抱えている場合は、費用対効果を考えて優先順位をつけるのが現実的です。たとえば「倒壊リスクがあって、相続登記も未了で、解体費も出せない」というケースでは、まず買取業者の現況査定で「売れるかどうか」を確認し、売れるなら登記の手続きを並行して進める——という流れが効率的です。
空き家の処分、5つの選択肢を比較する
倒壊リスクのある空き家の処分方法は、大きく分けて5つあります。費用・手間・期間・向くケースが異なるため、「どれか一つ」に決めつけず、自分の状況に合ったものを選ぶことが大切です。
| 選択肢 | 必要な費用 | 手間 | 期間の目安 | こんなケースに向く |
|---|---|---|---|---|
| ① 修繕して維持する | 数十万〜数百万円 | 中 | 数週間〜数か月 | 将来的に住む・活用する予定がある/近隣への影響を最小限に抑えたい |
| ② 管理会社に委託する | 月額数千〜2万円程度 | 低 | 契約後すぐ | 遠方に住んでいて定期管理ができない/すぐに売却する必要はない |
| ③ 解体して更地にする | 200万〜500万円程度(木造の場合) | 高 | 1〜3か月 | 土地に需要があり、更地で売却したほうが高く売れる/補助金が使える |
| ④ 不動産仲介で売却する | 仲介手数料(成約価格の3%+6万円+消費税程度) | 中 | 3〜12か月 | ある程度状態が良く、一般の買い手がつく可能性がある/時間に余裕がある |
| ⑤ 現況のまま買取業者に売却する | 売却時の費用は原則なし | 低 | 2〜4週間 | 解体費を出せない/一刻も早く手放したい/一般仲介では買い手がつかない |
① 修繕して維持する
雨漏り修理やシロアリ駆除など、必要な修繕を最低限行って建物を維持する方法です。近隣への被害リスクを減らせますが、老朽化が進んでいる場合は修繕費がかさみ、「もっと早く売却・解体しておけばよかった」となることもあります。あくまで計画的に出口を見据えたうえでの選択が現実的です。
② 管理会社に委託する
遠方で空き家の状態確認ができない場合の選択肢です。月額数千円程度で定期的な点検や清掃、簡易補修を委託できます。ただし、倒壊リスクが高い物件では管理会社の対応範囲を超えるケースもあるため、事前に相談が必要です。
③ 解体して更地にする
建物を取り壊して土地だけにする方法です。更地にした方が買い手がつきやすく、売却価格も上がることがあります。ただし、解体費用は木造で200万〜500万円程度かかり、さらに更地にすると住宅用地の特例が外れて固定資産税が上がる点も考慮が必要です。
自治体によっては空き家解体の補助金制度があります。ただし、以下の点に注意してください。
- 工事着手前の申請が必須(契約・着工後に申請すると対象外)
- 予算に限りがあり、年度途中で受付終了する場合がある
- 要件(築年数・旧耐震・不良住宅該当など)は自治体ごとに異なる
まずは市区町村の空き家担当窓口で、補助金の有無と申請条件を確認しましょう。
④ 不動産仲介で売却する
一般の不動産会社に仲介を依頼して買い手を探す方法です。ただし、倒壊リスクのある空き家は住宅ローンが付きにくいため、現金購入できる買い手が限られます。売却までに時間がかかることや、契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)を負うリスクがあることも念頭に置いてください。
⑤ 現況のまま買取業者に売却する
倒壊リスクのある空き家や残置物がある状態でも、専門の買取業者なら現況のまま買い取るケースがあります。買取価格は一般の仲介より低くなる傾向がありますが、以下のメリットがあります。
- 解体費・片付け費が不要(買取業者が負担するケースもある)
- 売却までの期間が短い(2〜4週間程度)
- 契約不適合責任を免責できるケースが多い
- 遠方に住んでいても対応可能
解体費用を払えない場合の現実的な選択肢
「倒壊リスクはわかっているけど、解体費の200万〜500万円を用意できない」——これは多くの空き家所有者が直面する最大の壁です。
このケースでまず検討したいのが、解体前に買取査定を取るという順番です。よくある流れは以下の通りです。
「危険だとわかった → 解体しよう → 費用が払えない → そのまま放置 → さらに劣化」
これを、
「危険だとわかった → 買取業者に現況査定を依頼 → 買取可能ならそのまま売却 → 解体費も片付け費も不要」
という順番に変えるだけで、選択肢が一気に広がります。
ポイント
編集部の経験上、倒壊寸前の空き家でも以下の条件に当てはまれば、現況買取の対象になるケースがあります。
- 土地に一定の需要がある(駅近・幹線道路沿い・市街化区域など)
- 再建築が可能、または更地後に需要が見込める
- 残置物の量が買取業者の処理可能範囲内
買取の可否や価格は物件ごとに異なるため、まずは複数の空き家買取業者に現況のまま査定を依頼し、比較することをおすすめします。
もちろん、すべての空き家が現況買取の対象になるわけではありません。買取価格が解体費を下回るケースや、土地としての需要が極めて低いエリアでは難しい場合もあります。それでも、「解体費を出せない=打つ手なし」ではないということを覚えておいてください。
相続登記未了・共有空き家で詰まりやすいポイント
空き家の倒壊リスクに悩むケースの多くは、相続した空き家です。ここで特に詰まりやすいのが、相続登記の未了と共有名義の問題です。
相続登記ができていなくても売却は可能か
結論から言えば、相続登記が完了していなくても、現況買取の対象になるケースはあります。ただし、買取業者によって対応が異なるため、査定の段階で確認が必要です。
なお、2024年4月から相続登記が義務化されました。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請が必要で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となります。倒壊リスクのある空き家だからといって登記を放置すると、別のリスクを抱えることになる点は留意してください。
共有者がいる場合の合意形成の難しさ
相続人が複数いる場合、空き家の処分には全員の同意が必要です。「遠方の親族が関心を示さない」「処分に反対する人がいる」「連絡が取れない相続人がいる」——こうしたケースでは、解体の決断も売却の決断も遅れがちです。
編集部の経験では、空き家の放置期間が長くなるほど相続人が増え、合意形成がさらに難しくなるという悪循環が起きやすいことを指摘しておきます。時間が経てば経つほど、建物の劣化・相続人の増加・関係の複雑化が同時に進行します。一刻も早く、相続人間で話し合いの場を設けることが先決です。
隣の空き家が倒れそうな場合の相談先(近隣住民向け)
ここまでは空き家の所有者向けの内容でしたが、本章では隣の空き家が危険な状態で困っている近隣住民の方に向けて書きます。
空き家の所有者に直接「危ないですよ」と伝えるのは気が引けるものです。また、自分で空き家に立ち入ったり、勝手に撤去したりするのは絶対に避けてください。法的なトラブルの原因になります。
近隣住民の方が取るべき行動は、以下の優先順位です。
- 緊急に危険がある場合(倒壊が目前・道路への落下・人身被害のおそれ) → 警察(110番)または消防(119番)
- 緊急ではないが明らかに危険な状態 → 市区町村の空き家担当窓口に通報・相談
- すでに被害が出ている場合(隣家や車への損害) → 弁護士に相談(損害賠償請求)
自治体に通報する際は、可能であれば写真や動画などの証拠があるとスムーズです。空き家の所在地と具体的な危険の内容(「屋根瓦が落ちてきそう」「壁が傾いてきている」「塀が道路側に倒れそう」など)を伝えましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 空き家が倒壊しそうな場合、まず誰に相談すればいいですか?
まずは市区町村の空き家担当窓口に相談してください。自治体によっては無料の現地調査や解体補助金の案内を受けられます。緊急に危険がある場合は警察(110番)または消防(119番)に連絡し、物件の処分方法については空き家買取業者や不動産会社に現況査定を依頼するのが現実的です。
Q. 空き家が倒壊して隣家や通行人に被害が出たら、いくら賠償しなければなりませんか?
損害賠償額は、被害の内容や建物の状態・所有者の過失の程度によって大きく異なります。隣家の修繕費用のみで数十万〜数百万円、人身事故が伴えば数千万円以上になる可能性もあります。必ず弁護士に相談し、個別の事情に応じた対応を取ってください。
Q. 自然災害(台風・地震)で空き家が倒れた場合でも、所有者の責任になりますか?
必ずしも免責されるわけではありません。裁判例では、台風や地震の前にすでに建物の老朽化・傾き・腐朽などの危険サインがあった場合、自然災害をきっかけに倒壊したとしても所有者の管理責任を認める判断があります。事前の状態や予見可能性が問われるため、専門家(弁護士)の判断を仰いでください。
Q. 特定空家と管理不全空家の違いは何ですか?
管理不全空家は「このまま放置すれば特定空家になるおそれがある状態」、特定空家は「このまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれがある状態」です。2023年の空家法改正で管理不全空家のカテゴリが新設され、より早い段階から行政が指導・勧告を行えるようになりました。どちらも勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れる可能性があります。
Q. 空き家を解体すると固定資産税はいくら上がりますか?
「更地にすると必ず6倍になる」とよく言われますが、正確には「住宅用地特例による課税標準の軽減(小規模住宅用地で6分の1・一般住宅用地で3分の1)が外れる可能性がある」という意味です。軽減が外れた結果、税額は最大で6倍程度になることがあります。ただし、すべてのケースで6倍になるわけではなく、土地の評価額や面積によって変わります。
Q. 解体費用を払えない場合はどうすればいいですか?
大きく分けて3つの選択肢があります。①自治体の解体補助金制度を利用する(ただし工事前申請が必須で自治体により条件が異なる)、②現況のまま買取業者に売却する(解体費不要で買い取ってもらえるケースがある)、③建物を解体せずに土地ごと現況のまま買い取ってもらう。解体費を用意できない場合は、解体前に買取業者の査定を受けることをおすすめします。
Q. 相続登記が済んでいない空き家でも売却できますか?
買取業者によっては相続登記が未了の状態でも現況買取の対象となるケースがあります。ただし、対応の可否や条件は業者によって異なるため、査定の際に確認が必要です。なお、2024年4月から相続登記が義務化されているため、早めの登記完了を推奨します。
Q. 隣の空き家が倒れそうです。どこに相談すればいいですか?
緊急に危険がある場合は警察(110番)または消防(119番)に連絡してください。緊急でなければ、市区町村の空き家担当窓口に所在地と具体的な危険の内容を伝えて通報します。写真や動画があるとより確実です。所有者に直接注意するのはトラブルの原因になるため避けてください。
Q. 空き家の解体補助金は誰でも使えますか?
自治体ごとに要件や金額が異なります。一般的な要件として、築20年以上または1年以上の空き家状態・旧耐震基準(1981年5月以前建築)・不良住宅に該当することなどが挙げられます。補助額は最大50万〜100万円程度(解体費の2分の1以内など)が目安です。工事着手前の申請が必須なため、解体契約前に必ず自治体の窓口で確認してください。
Q. 倒壊しそうな空き家は、解体しないと売れませんか?
いいえ、専門の買取業者であれば、倒壊リスクのある空き家でも現況のまま買い取るケースがあります。一般の仲介では売りにくくても、買取であれば解体せずに売却できる可能性があります。ただし買取価格は下がるため、「売却価格」だけでなく「解体費を考慮した手残り」で比較することが大切です。
倒壊リスクのある空き家を手放すなら、まず現況のまま売れるか確認しよう
空き家の倒壊リスクは、放置すればするほど大きくなります。冒頭で紹介した危険サインに当てはまるものがあれば、早めに対応を始めることを強くおすすめします。
とはいえ、解体費を用意できずに動けない方も多いのが実情です。そんなときは、「解体しなければならない」という思い込みを一度手放してみてください。倒壊寸前の空き家でも、専門の買取業者なら現況のまま買い取ってくれることがあります。
まずは市区町村の空き家相談窓口で制度や補助金を確認したうえで、複数の買取業者に現況のまま査定を依頼してみましょう。「解体するか、売却するか、どちらか」ではなく、「解体して売るのと、現況のまま売るのと、どちらが手残りが多いか」という視点で比較することで、新しい出口が見えてきます。
空き家の売却で迷ったら
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東証上場の訳あり物件買取専門。空き家・ゴミ屋敷・事故物件まで、他社で断られた物件も全国で現況買取。残置物や老朽化もそのまま相談できる。