目次

空き家を相続したものの、使う予定がなくて「毎年いくら維持費がかかるのか」「固定資産税が6倍になるって本当?」と気になっていませんか。
年間の維持費は空き家の状態や立地によって変わりますが、おおむね30万〜50万円前後が一つの目安です。ただし、修繕が発生したり管理を委託したりすると、100万円を超えるケースもあります。
この記事では、維持費の内訳をすべてリストアップし、固定資産税が上がる正確な条件、そして「維持・管理委託・解体・売却」のどれを選ぶべきかの判断基準までをまとめます。
この記事を読み終えると、あなたの空き家に年間いくらかかっていて、維持し続けるか手放すかの判断ができるようになります。
この記事を書いた人
訳あり不動産 買取相談センター 編集部
共有持分・再建築不可・空き家・相続不動産など、売却時に判断が難しい不動産情報を調査・整理する編集チームです。公式情報や公開データをもとに、相談先選びで迷いやすいポイントを中立的にまとめています。
空き家の売却で迷ったら
空き家は放置期間が長いほど条件が悪くなりやすく、解体してから後悔するケースもあります。現況のまま買い取れる業者に、片付けや解体の前にまず査定を出すのが得策です。
空き家の売却に、まずこの1社
株式会社AlbaLink(訳あり物件買取プロ)
東証上場の訳あり物件買取専門。空き家・ゴミ屋敷・事故物件まで、他社で断られた物件も全国で現況買取。残置物や老朽化もそのまま相談できる。
- 空き家・ゴミ屋敷・事故物件を現況のまま買取
- 東証上場企業の安心感と全国対応
- 他社で断られた空き家も相談しやすい
あわせて査定を比べたい専門業者
※ 買取価格や対応可否は、物件の所在地・状態・権利関係・登記状況・残置物の有無などで変わります。1社だけで決めず、複数社の査定条件を比較することをおすすめします。
掲載順・掲載内容は当サイト編集部の評価基準(対応範囲・公開情報の充実度・スピード等)によるものです。各社の対応領域は時期により変わる場合があります。
空き家の年間維持費はいくら?【目安30万〜50万円】
誰も住んでいない家でも、固定資産税や火災保険、光熱費の基本料金など、毎年一定の費用がかかり続けます。
複数の不動産メディアや実務事例を総合すると、年間30万〜50万円程度が一つの目安です。ただし、以下の条件が重なると、さらに負担が増える可能性があります。
維持費のレンジに幅が出る主な要因
- 固定資産税評価額:土地の広さ・所在地・評価額で年数万円〜数十万円の差が出る
- 管理頻度:自分で草刈り・見回りに行けるか、業者に委託するか
- 遠方かどうか:交通費が毎回数千円〜数万円加算される
- 修繕発生の有無:雨漏り・シロアリ・設備故障が起きると一度で数十万円単位
- 火災保険の加入条件:空き家は一般物件扱いになり保険料が割高になる場合がある
ポイント
自分で年間維持費を概算する3ステップ
ステップ1:納税通知書を確認する
毎年4〜6月に市区町村から届く「固定資産税納税通知書」の課税明細書を見てください。「固定資産税」と「都市計画税」の年税額が記載されています。これが年間維持費の大半を占めます。
ステップ2:保険料と光熱費を確認する
火災保険の年間保険料、電気・水道の直近の検針票(基本料金のみで月いくらか)を確認します。
ステップ3:管理・メンテナンス費を加算する
草刈り・交通費・管理委託料・想定修繕費(目安5〜10万円)を加えます。
これらを合計すれば、あなたの空き家の年間維持費の概算が出ます。
維持費の内訳を全部リストアップする
「固定資産税以外にも意外とかかっている」と感じる人が多いのが空き家の維持費です。項目ごとに見ていきましょう。
固定資産税・都市計画税(維持費の大半を占める)
空き家の維持費の中で最も大きな割合を占めるのが固定資産税と都市計画税です。
税額は「固定資産税評価額 × 税率」で計算されますが、住宅の敷地には住宅用地の課税標準の特例(住宅用地特例)が適用され、税負担が大きく軽減されています。
| 住宅用地の区分 | 固定資産税 | 都市計画税 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(200㎡以下の部分) | 課税標準が6分の1 | 課税標準が3分の1 |
| 一般住宅用地(200㎡を超える部分) | 課税標準が3分の1 | 課税標準が3分の2 |
たとえば、固定資産税評価額1,000万円の土地(200㎡以下)の場合、住宅用地特例が適用されると課税標準は約167万円になり、税率1.4%をかけても年間約2.3万円です。特例がなければ約14万円になる計算で、その差は歴然です。
あなたの空き家の場合は、毎年送られてくる固定資産税の納税通知書に課税標準額と税額が記載されています。まずはそれを確認してみてください。
火災保険料(空き家は加入条件が限られる)
空き家でも火災保険に加入することは可能ですが、注意点があります。
通常の住宅用火災保険(住宅物件扱い)は、居住者がいることを前提としているため、空き家は加入できないケースがほとんどです。大手損害保険会社の商品でも、空き家は引受対象外と明記しているものが多くあります。
空き家で火災保険に入る場合の主な方法は以下の通りです。
- 一般物件扱い:店舗・事務所と同じ区分で契約する。保険料は割高になる傾向がある
- 空き家専用の保険商品:一部の損害保険会社や専門業者が取り扱っている
現在、火災保険に加入中の場合は、保険会社に空き家になったことを伝えて、継続できるかどうか確認してください。告知せずに空き家のまま契約を続けると、万一の際に保険金が支払われない可能性があります。
電気・水道・ガスの基本料金
誰も使っていなくても、契約を継続していれば基本料金が発生します。
- 電気:基本料金のみなら月500〜1,500円程度(年間6,000〜18,000円)
- 水道:基本料金のみなら月1,000〜2,000円程度(年間12,000〜24,000円)
- ガス:プロパンガスの場合は基本料金が高め(月2,000〜3,000円程度)
合計すると年間2万〜6万円程度になります。ただし、止めるか残すかの判断はケースによって異なります。後ほど詳しく説明します。
草刈り・庭木剪定・管理委託費
庭がある空き家の場合、草刈りや庭木の剪定が必要です。放置すると近隣に枝が越境したり、雑草が繁茂して苦情の原因になります。
- 自分で行う場合:交通費+道具代で年1〜3万円程度
- 業者に依頼する場合:年2〜4回で5万〜15万円程度
- 空き家管理サービス:見回り・通風・清掃込みで月5,000〜15,000円程度
修繕・メンテナンス費(予備費として計上)
空き家は誰も住まない分、建物の劣化が早まることがあります。雨漏り、シロアリ被害、外壁の劣化、設備の故障などは、いつ発生してもおかしくありません。
実際に修繕が必要になったときに慌てないよう、予備費として年間5万〜10万円程度を見積もっておくと安心です。大きな修繕が発生した場合は、その年に限り数十万〜百万円単位の出費になります。
その他(害虫対策・不法投棄対応など)
空き家ならではの支出として、以下のようなものもあります。
- 害虫・害獣駆除(蜂の巣・ネズミ・ムカデなど)
- 不法投棄されたゴミの処分費
- 固定資産税関係の書類作成代(司法書士などに依頼する場合)
- 遠方からの交通費・宿泊費
これらを総合すると、以下のような年間維持費の目安になります。
| 費目 | 年間目安 | 主な変動要因 |
|---|---|---|
| 固定資産税 | 5万〜30万円 | 土地評価額・面積・住宅用地特例の有無 |
| 都市計画税 | 1万〜10万円 | 都市計画区域かどうか・土地評価額 |
| 火災保険料 | 1万〜6万円 | 一般物件扱いか・建物評価額 |
| 電気・水道・ガス基本料 | 2万〜6万円 | 契約継続の有無・ガスの種類 |
| 草刈り・管理費 | 0〜15万円 | 自分でやるか委託するか・頻度 |
| 修繕費(予備) | 0〜数十万円 | 建物の状態・経年劣化の発生有無 |
| その他 | 0〜数万円 | 害虫・不法投棄・交通費など |
| 合計 | 30万〜50万円+α | 条件により100万円超も |
知っておきたい
年間40万円を10年維持すると…
空き家の維持費は単年度だけでなく、長期で考えるとその重さが実感できます。たとえば年間40万円の維持費がかかる空き家を10年間持ち続けると、総額400万円が毎年の固定資産税や管理費として流出することになります。この金額は、解体費用(100〜200万円)や空き家買取の査定額と比べても無視できません。「このまま維持し続けるのか、一度費用をかけて手放すのか」という判断は、長期スパンで考える必要があります。
固定資産税が6倍になるのはどんな条件?
「空き家の固定資産税が6倍になる」という話を聞いたことがある人も多いでしょう。しかし、空き家になっただけで即座に6倍になるわけではありません。正確な条件を理解しておきましょう。
段階を追って理解する
固定資産税が上がるのは、以下の段階をすべて経た場合です。
- 空き家を適切に管理せず放置する
- 市区町村が「管理不全空家等」または「特定空家等」と認定する
- 市区町村が所有者に対して「勧告」を行う
- 勧告に対して、賦課期日(1月1日)までに必要な措置が講じられない
- 翌年度から住宅用地特例が除外される(=税額が最大6倍に)
ポイント
「管理不全空家等」と「特定空家等」の違い
管理不全空家等(2023年の空家法改正で新設)
→ 適切な管理が行われておらず、放置すれば特定空家等になるおそれがある状態
特定空家等
→ 倒壊の危険・衛生上有害・著しい景観阻害・周辺環境に不適切な状態
両方とも勧告を受けると住宅用地特例の対象から除外されます。つまり、特定空家になる前の「管理不全空家」の段階でも、勧告を受ければ税負担が増える可能性があるということです。
どのような空き家が該当しやすいか
すべての空き家が対象になるわけではありません。以下の状態に該当する場合、注意が必要です。
該当しやすい例
- 屋根や外壁が大きく傷んでいる
- 庭木が隣地や道路にはみ出している
- ゴミが放置され、悪臭や害虫が発生している
- 窓ガラスが割れたまま放置されている
- 近隣から苦情が出ている
該当しにくい例
- 定期的に見回り・清掃を行っている
- 庭木の剪定など最低限の管理をしている
- 建物に大きな損傷がない
- 近隣とのトラブルがない
つまり、適切な管理を続けていれば、基本的に固定資産税が急に上がることはありません。「空き家=即6倍」と不安になる必要はなく、まずは自分の空き家がどの状態にあるのかを確認することから始めましょう。
参考:東京都主税局「特定空家等または管理不全空家等に該当すると土地に対する固定資産税・都市計画税の税額が高くなる場合があります」
電気・水道・ガスは止めるべき?残すべき?
「誰も住んでいないのに光熱費の基本料金を払い続けるのはもったいない」と感じるのは自然です。しかし、単純に止めてしまうと別のリスクが生じることもあります。
止めるメリット・デメリット
| メリット | デメリット・リスク | |
|---|---|---|
| 電気を止める | 基本料金がかからない(年6,000〜18,000円節約) | 換気・除湿ができず結露やカビが発生しやすくなる。防犯カメラが使えない。再開通に立会い・工事費がかかる場合あり |
| 水道を止める | 基本料金がかからない(年12,000〜24,000円節約) | 水道管凍結・破裂リスク(特に寒冷地)。通水できないので清掃・水やりが不可。再開通に立会いが必要 |
| ガスを止める | 基本料金がかからない | 再開通に立会い・点検費用が必要。プロパンガスはボンベ撤去が必要 |
ケース別の判断目安
| 条件 | 電気 | 水道 | ガス |
|---|---|---|---|
| 寒冷地・冬場 | 継続推奨(凍結防止のため暖房稼働できるように) | 完全停止は非推奨(水抜きして継続か、専門業者に相談) | 停止可 |
| 非寒冷地・短期放置(数か月以内) | 基本料のみ継続が無難 | 基本料のみ継続が無難 | 停止可 |
| 長期放置・売却予定なし | 停止可(ただし定期的な通電が必要なら継続) | 停止可(凍結リスクがなければ) | 停止可 |
| 売却予定あり(1年以内) | 継続推奨(内覧時に電気が使えないと印象が悪い) | 継続推奨(通水確認ができないと買い手が不安に) | 状況による |
注意
寒冷地の水道は特に注意
冬場に水道を止めたままにすると、水道管内の水が凍結して管が破裂する恐れがあります。修理費用は数万〜数十万円になることも。寒冷地の空き家は、専門業者に水抜きを依頼するか、完全には止めずに少量の水を流し続けるなどの対策が必要です。
また、電気を完全に止めてしまうと、換気や除湿ができず、結露やカビの発生によって建物の劣化が早まることがあります。「少しでも節約したい」気持ちは分かりますが、建物の状態を保つための最低限のインフラは残しておくという考え方が現実的です。
空き家の管理を自分でできない場合の選択肢
遠方に住んでいる、体力や時間がない、あるいは空き家の状態が悪くて自分では手に負えない——そんな場合でも、いくつかの選択肢があります。
管理委託サービスに頼む
空き家の見回り・通風・清掃・草刈りを代行してくれる「空き家管理サービス」があります。
- 料金の目安:月5,000〜15,000円(訪問頻度や作業内容による)
- 主なサービス内容:窓の開閉・換気、郵便物の確認・転送、簡易清掃、草刈り、庭木の手入れ、異常時の連絡
- 向くケース:将来使う予定がある、売却するかどうかまだ決めかねている、相続したばかりで急いで判断できない
管理委託サービスを利用すれば、固定資産税や火災保険などの基本的な維持費は引き続きかかりますが、建物の劣化を遅らせたり、近隣トラブルを防いだりする効果があります。
賃貸に出す(需要があれば)
空き家の立地や築年数によっては、賃貸物件として活用する方法もあります。
- 向くケース:駅から近い・生活施設が揃っている・ある程度の築年数でも需要があるエリア
- 向かないケース:過疎地域・賃貸需要が乏しい・建物が著しく老朽化している・再建築不可の土地
- 注意点:入居募集の前にある程度の修繕・クリーニングが必要になるケースが多い。入居者が見つからなければ空室リスクを負う
売却・買取で維持費をゼロにする
「もうこの空き家を使うことはない」「遠方で管理を続けるのは無理」と判断した場合、売却によって年間の維持費負担から完全に解放されるという選択肢があります。
特に以下のような状態の空き家は、仲介(一般的な不動産会社での販売)よりも、現況のまま買い取ってもらえる専門業者への相談が現実的です。
- 雨漏りやシロアリ被害など、建物の老朽化が進んでいる
- 家具や荷物が残ったまま(残置物あり)
- 遠方に住んでいて、片付けや修繕の対応が難しい
- 相続登記がまだ済んでいない、または共有名義のまま
- 早く手放して、維持費や管理の手間を止めたい
「これから片付けや修繕にお金をかける前に、まずは現状のまま査定を取ってみる」という順番が実務的です。無理に費用をかけてから売るより、結果的に損をしないケースが多くあります。
維持・管理委託・解体・売却・賃貸…どれを選ぶべき?
ここまで読んで「自分の空き家はどの選択肢が合っているのか」を整理するために、各選択肢の特徴を比較し、あなたのケースに当てはめて考えてみましょう。
選択肢の比較表
| 選択肢 | 初期費用 | 年間維持費 | 手間 | 向くケース | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 維持(現状のまま) | 0円 | 30万〜50万円+α | 管理頻度次第(見回り・清掃) | 将来使う予定がある、管理できる距離に住んでいる | 放置すると特定空家リスク |
| 管理委託 | 契約費(数千〜数万円) | 年間維持費+管理委託料(年数万〜十数万円) | 少ない | 遠方だが手放したくない、判断を先送りしたい | 委託内容を契約前に確認 |
| 解体(建物を取り壊す) | 100万〜200万円 | 更地後は固定資産税が上がる可能性あり | 一度きり | 建物が不要、更地にして売るor使う予定がある | 解体費+更地後の税負担増を試算する必要あり |
| 賃貸活用 | リフォーム費用(数十万〜) | 収入で相殺可能(空室リスクあり) | 中程度 | 賃貸需要のあるエリア、建物がある程度使える状態 | 入居付けまで時間・費用がかかる可能性 |
| 仲介売却(一般の不動産会社) | 残置物処分・修繕費(必要な場合) | 売却後ゼロ | 引渡しまで一定の対応必要 | 市場価格に近い金額で売りたい、時間に余裕がある | 残置物・老朽化があると買い手がつきにくい |
| 現況買取(専門業者) | 0円(片付け不要) | 売却後ゼロ | 最小 | 遠方・残置物あり・老朽化・早く手放したい・共有名義 | 査定額は仲介より低くなる傾向 |
ケース別「あなたはどれを選ぶべきか」
以下のフローで、あなたの状況に合った選択肢を絞り込んでみてください。
ステップ1:将来この空き家を使う予定はありますか?
- はい → 「維持」または「管理委託」が現実的
- いいえ → ステップ2へ
ステップ2:自分で管理できる距離に住んでいますか?
- はい → ステップ3へ
- いいえ(遠方) → 「管理委託」「現況買取」「解体」のいずれか。手間をかけたくないなら買取が現実的
ステップ3:建物の状態はどうですか?
- ある程度きれい・賃貸需要があるエリア → 「賃貸活用」または「仲介売却」も検討可能
- 老朽化・雨漏り・残置物あり → 「現況買取」が現実的。先に片付けや解体にお金をかけると回収できないリスクあり
- 建物が不要で解体費を出せる → 「解体」も選択肢の一つ(ただし更地後の税金試算を忘れずに)
判断に迷ったら、まずは現状のまま査定を取って具体的な数字を確認するのが一番です。
ポイント
多くの人が迷う「解体」と「売却」の判断
「解体してから売ったほうが高く売れるのでは?」と考える人は少なくありません。しかし、解体工事には100万〜200万円の費用がかかり、さらに更地にすると住宅用地特例が外れて土地の固定資産税が上がる可能性があります。
まずは現況のまま査定を取り、解体あり/なしの両方の金額を比較してから判断するのが、損をしないための実務的な順番です。
相続空き家で兄弟間の費用負担が心配な場合
相続した空き家が兄弟の共有名義になっているケースでは、維持費の負担割合でもめごとになりやすいのが実情です。よくあるのは「一人だけが固定資産税や草刈り費用を立て替えている」「管理を任せきりにしている兄弟と連絡が取れない」というパターンです。
このような状態が長引くと、立て替えている側の負担が大きく、関係が悪化することもあります。共有名義の空き家で揉める前に、まずは名義と相続登記の状況を確認し、全員で維持費の負担割合や今後の方針を話し合うことをおすすめします。話し合いが難しい場合は、共有状態のままでも買取対応が可能な業者もあるため、現況査定を取って「売却して分配する」という選択肢も検討してみてください。
片付け・修繕・解体をする前に現況査定を取るべき理由
空き家を手放そうと考えたとき、「まず片付けよう」「修繕してから売ろう」「解体して更地にしよう」と考えがちです。しかし、その順番が結果的に損につながることが少なくありません。
先に費用をかけるリスク
たとえば、以下のようなケースがあります。
- 片付けに30万円、修繕に50万円かけたが、売却額が諸費用を差し引いて100万円だった → 手元に残るのは20万円
- 解体に150万円かけたが、その土地に買い手がつかず、固定資産税が上がって毎年の負担が増えた
- 自分で片付けようと遠方から通って交通費と時間を費やしたが、買取業者は「残置物があっても買取可能」だった
空き家の買取を専門に扱う業者の中には、家具や荷物が残ったままの状態(残置物あり)でも、現状のまま買い取るところがあります。つまり、片付け費用をかけずに売却できる可能性があるということです。
現況査定のススメ
判断に迷ったら、以下の手順で進めるのが実務的です。
- 何も片付けず、修繕もせず、現状のまま査定を依頼する(複数の買取業者で比較するとなおよい)
- 査定額と、片付け・修繕・解体にかかる費用を比較する
- 「費用をかけてから売る」場合と「現状のまま売る」場合のトータルの手取り額を比べる
- どちらが有利か判断してから、実際の片付け・修繕・解体に進む
注意
先に片付け・解体をしてしまうと、費用が戻せなくなる
「とりあえず片付けよう」と思って動き出す前に、必ず現況査定を取りましょう。査定額次第では、片付け費用や解体費をかけるよりも、現状のまま買取に出す方が手元に残る金額が大きいケースがあります。
よくある質問(FAQ)
空き家の維持費は年間いくらくらいかかりますか?
おおむね30万〜50万円前後が目安です。内訳の大部分は固定資産税と都市計画税で、それに火災保険料、光熱費の基本料金、草刈り・管理費が加わります。修繕が発生したり、管理を委託したりすると100万円を超えることもあります。
空き家の固定資産税が6倍になるのはどんな条件ですか?
空き家にしただけで即6倍になるわけではありません。「管理不全空家等または特定空家等に認定される→市区町村から勧告を受ける→賦課期日(1月1日)までに措置を講じない→翌年度から住宅用地特例が除外される」という段階を経て、はじめて税額が最大で6倍程度になる可能性があります。適切に管理していれば、基本的には該当しません。
管理不全空家と特定空家は何が違いますか?
管理不全空家は「適切な管理が行われておらず、放置すれば特定空家等になるおそれがある状態」(2023年の空家法改正で新設された区分)です。特定空家は「倒壊の危険・衛生上有害・著しい景観阻害・周辺環境に不適切」な状態を指します。両方とも勧告を受ければ住宅用地特例の対象から除外されます。
空き家の電気・水道は止めても大丈夫ですか?
状況によります。寒冷地では水道の凍結破裂リスクがあるため、完全停止は避けたほうが安全です。また、電気を完全に止めると換気や除湿ができず、建物の劣化が早まることがあります。売却を予定している場合は、内覧時に電気・水道が使える状態にしておくほうが有利です。
空き家でも火災保険に入れますか?
加入は可能ですが、通常の住宅用火災保険(住宅物件扱い)では空き家は対象外となるケースがほとんどです。一般物件扱い(店舗・事務所と同じ区分)での契約や、空き家専用の保険商品を扱う業者を探す必要があります。現在加入中の保険がある場合は、空き家になったことを保険会社に伝え、継続の可否を確認してください。
空き家は解体したほうが得ですか?それとも売ったほうが得ですか?
一概には言えません。解体には100万〜200万円の費用がかかり、更地にすると住宅用地特例が外れて土地の固定資産税が上がる可能性があります。一方、建物が古くても現状のまま買い取る業者に売却すれば、解体費をかけずに手放せます。まずは現況査定を取り、「解体して売る」場合と「現状のまま売る」場合のトータルの手取り額を比較してから判断することをおすすめします。
片付けや解体をする前に売却査定を取ったほうがいいですか?
はい。先に片付けや解体に費用をかけてしまうと、売却額がその費用を下回るリスクがあります。空き家買取の専門業者の中には、残置物があっても現況のまま買い取るところがあります。まずは何もせずに査定を取り、「費用をかける価値があるか」を判断してから次の行動に移すのが実務的です。
相続した空き家で相続登記が済んでいませんが売却できますか?
相続登記が完了していなくても、必要書類を整えれば売却自体は可能なケースがあります。ただし、買取業者によって対応が異なるため、査定の際に相続登記の状況を伝えたうえで相談する必要があります。また、2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記を行わないと10万円以下の過料の対象になる可能性があるため、早めの対応をおすすめします。
空き家を売却すると税金の優遇措置はありますか?
相続した空き家を売却する場合、一定の条件を満たせば「空き家の譲渡所得3,000万円特別控除」が適用される可能性があります。この特例は平成28年(2016年)4月1日から令和9年(2027年)12月31日までの時限措置です。主な条件として、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること、売却代金が1億円以下であることなどがあります。また、相続人が3人以上の場合は控除額が2,000万円までに引き下げられます。適用条件は複数のため、該当しそうな場合は税理士やお住まいの市区町村の税務課で個別にご確認ください。
まとめ|年間維持費を把握したら、次にやるべきこと
空き家の年間維持費は30万〜50万円前後が目安で、放置すれば固定資産税が上がるリスクもあります。この記事で説明した内容を踏まえ、あなたが次に取るべき行動を整理します。
- 納税通知書を確認して、あなたの空き家の年間維持費を概算する
固定資産税・都市計画税の額面、火災保険料、光熱費の基本料金、管理費などを合計すれば、大まかな年間コストが出ます。 - 空き家の状態を自治体の基準と照らし合わせる
管理不全空家や特定空家に該当しそうな状態かどうかを確認し、該当するなら早めに対応しましょう。 - 「使う予定あり/なし」「管理可能/不可能」で選択肢を絞る
この記事の診断フローを参考に、維持・管理委託・解体・賃貸・売却のどれがあなたに向いているかを判断してください。 - 判断がつかない、または「手放す」方向なら、まずは現況査定を取る
「片付けや修繕をしてからでは遅い」ということはありません。まずは何もせず、現状のまま複数の買取業者に査定を依頼してみてください。具体的な数字が出れば、次の判断がぐっと楽になります。
空き家の維持費は「知らない間に毎年数万円〜数十万円が出ていく」という見えづらい負担です。先送りにすればするほど、建物の劣化や行政からの指導リスクが高まります。まずは「今の空き家に年間いくらかかっているか」を把握することから始めてみてください。
空き家の売却で迷ったら
株式会社AlbaLink(訳あり物件買取プロ)
東証上場の訳あり物件買取専門。空き家・ゴミ屋敷・事故物件まで、他社で断られた物件も全国で現況買取。残置物や老朽化もそのまま相談できる。