訳あり不動産解説

相続した共有持分、放っておいて大丈夫?8つのリスクと4つの対処法


相続で不動産の共有持分を持ったとき、「とりあえずそのままで大丈夫だろう」と思っていませんか?

結論から言うと、共有持分は放置するとリスクが積み上がりやすい状態です。2024年4月から相続登記が義務化され、登記を怠ると10万円以下の過料の対象になります。また、共有者が死亡すると権利関係が複雑化し、「会ったこともない親戚が数十人の共有者」という事態になりかねません。

一方で、共有持分には「自分の持分だけを買取に出す」「放棄する」「分割請求で解消する」といった複数の対処法があります。この記事では、相続で共有持分を持った人が知っておくべきリスクと取れる選択肢を整理します。

この記事を書いた人

訳あり不動産 買取相談センター 編集部
共有持分・再建築不可・空き家・相続不動産など、売却時に判断が難しい不動産情報を調査・整理する編集チームです。公式情報や公開データをもとに、相談先選びで迷いやすいポイントを中立的にまとめています。

共有持分の売却は、物件の状態や持分割合、共有者との関係によって査定条件が変わります。共有持分の買取実績がある複数の業者を比較することで、手取り額や進め方の違いを把握しやすくなります。「売れるかどうかもわからない」という段階でも、まずは相談してみると選択肢が見えてきます。

共有持分の売却で迷ったら

共有持分に強い買取業者を比較

共有持分は、一般的な不動産よりも権利関係や共有者との調整が問題になりやすい分野です。 高く・早く・安全に売却を進めるには、共有持分や訳あり不動産の買取に慣れた専門業者を複数比較することが大切です。

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※ 買取価格や対応可否は、物件の所在地、持分割合、共有者との関係、登記状況、残置物の有無などで変わります。 共有持分の売却では、1社だけで決めず、複数社の査定条件を比較することをおすすめします。

本コンテンツには広告リンクを含みます。掲載内容は公式サイト等で確認できる情報をもとに整理しています。

ポイント

相続で共有持分になったら、まず知っておきたい3つのこと

相続で不動産の共有持分を持つこと自体は珍しいことではありません。問題は、その後の対応です。以下の3点を最初に押さえておくと、その後の判断がスムーズになります。

① 自分の持分だけなら、法律上は単独で売却できる

共有持分は各共有者が自由に処分できます。自分が持っている持分だけを第三者に売却する場合、他の共有者の同意は法律上不要です(民法第206条)。ただし、共有者全員が合意しないと「不動産全体」を売ることはできません。この違いは重要です。持分だけの売却は、一般の不動産仲介では難しいケースが多いため、共有持分の買取に対応した業者に相談することになります。

② 相続登記が2024年4月から義務化された

2024年4月1日以降、相続で不動産を取得した相続人は、取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する義務があります(政府広報オンライン)。正当な理由なく登記を怠ると、10万円以下の過料の対象になります。また、義務化前に相続した不動産も対象で、2027年3月31日までに登記が必要です。遺産分割協議がまとまらず期限内に登記が難しい場合は、「相続人申告登記」という制度を使うことで義務を果たせます。

③ 放置すると「後で動きにくくなる」リスクが積み上がる

共有持分をそのままにしておくと、時間が経つほど権利関係が複雑になり、あとから整理するのが難しくなります。特に、共有者が死亡して相続が繰り返されると、関係者が何十人にも膨れ上がるケースもあります。「まだ大丈夫」と思っているうちに、手遅れになる前に把握しておくべきリスクがあります。

 

共有持分を放置すると起こる8つのリスク

「まだ売るつもりはない」「使う予定がないから」と放置していると、知らないうちにリスクが膨らんでいきます。具体的にどのような問題が起きるのか、順に確認しましょう。

① 相続登記義務化の罰則対象になる

2024年4月から相続登記が義務化されたことは前述の通りです。相続開始を知った日から3年以内に登記をしないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。過去に相続したまま登記していない不動産も対象になり、猶予は2027年3月31日までです。この期限を過ぎると、法務局から催告が届き、それでも対応しないと過料の対象になります。

② 相続人が死亡すると権利関係が雪だるま式に複雑化する(数次相続)

共有者の一人が亡くなると、その人の持分がさらに子や配偶者に相続されます。これが「数次相続」です。具体例で見てみましょう。

  • 第1世代:祖父が死亡。土地は「父」と「叔父」の2人で2分の1ずつの共有に。
  • 第2世代:父が死亡し、あなたと兄弟3人が父の持分を相続(あなたの持分は6分の1に)。一方、叔父も死亡し、叔父の子供5人が持分を相続。この時点で共有者は合計8人に。
  • 第3世代:従兄弟の一人が若くして亡くなり、その配偶者と子供3人が相続。さらに別の従兄弟も死亡すると、共有者はあっという間に十数人に。

注意

このように、遺産分割をせずに共有状態を放置して世代が下るたびに、相続人の数は枝分かれして増えていきます。3世代、4世代と放置された結果、「持分が128分の1」「全く面識のない遠い親戚が全国に散らばっている」という状態になり、個人では到底手出しできない権利関係が出来上がってしまうのです。

③ 固定資産税を他の共有者が払わないと自分に請求がくる

共有不動産の固定資産税は、共有者全員に連帯納税義務があります。つまり、他の共有者が税金を滞納すると、あなたに全額の請求がくる可能性があります。持分割合が小さくても関係ありません。実際に、「兄が固定資産税を払っていると思っていたら滞納していて、自分に督促がきた」「共有者の一人が行方不明で、自分が全額を負担することになった」というケースは少なくありません。

④ 不動産を売却・活用したいときにできない

不動産全体を売却するには、共有者全員の同意が必要です(民法第251条第1項)。自分の持分だけなら単独で売れますが、買い手は「土地全体」を欲しがるケースが多く、持分だけだと一般の買い手が見つかりにくいのが実情です。「いざ売りたい」と思ったときに動けない状態が続きます。

⑤ 共有者間のトラブルが起きやすくなる

「誰が管理するのか」「誰が費用を負担するのか」「誰が使うのか」といった問題で、共有者同士の意見が対立しやすくなります。特に、相続人の一人がそのまま住み続けている場合、家賃相当額の請求や明渡し問題に発展することもあり、親族関係が壊れるきっかけになりかねません。

⑥ 他の共有者が自分の持分を勝手に売る可能性がある

自分の持分だけなら他の共有者の同意なしに売却できます。つまり、共有者の一人があなたに無断で持分を第三者に売ることも法律上は可能です。見知らぬ人が共有者の一人になる可能性があるという点も、放置リスクの一つです。

⑦ 不動産が「負動産」化する

古くなった建物や管理が行き届かない土地は、維持費(固定資産税・管理費・修繕費)がかかる一方で、売却しても価格がつかない「負動産」になりがちです。共有状態だと、解体や更地にする判断も全員の合意が必要で、動きが取れないまま負担だけが続くことになります。

⑧ 次世代に大きな負担を残す

あなたの代で放置した共有持分は、将来、あなたの子どもや孫が整理することになります。相続人が増えて権利関係が複雑化した不動産を整理するには、膨大な戸籍謄本の収集や相続人全員の特定が必要です。司法書士や弁護士に依頼しても高額な費用がかかり、精神的にも大きな負担になります。「自分が生きている間に片をつけておけばよかった」と後悔するケースは少なくありません。

 

まず自分の状態を確認する|3つのパターン

共有持分の対処法は、今の状態によって変わります。まずは自分がどのパターンに当てはまるのかを確認しましょう。

パターンA:遺産分割協議がまだ終わっていない

相続が発生したものの、まだ遺産分割協議が完了しておらず、相続登記もしていない状態です。この場合、法定相続分に応じた共有状態になっていますが、まだ登記がされていないため権利関係が明確ではありません。早めに遺産分割協議をまとめることが第一です。協議が難しい場合は「相続人申告登記」という制度を使うことで、相続登記義務違反を回避できます。また、2023年の民法改正により、相続開始から10年を経過した後の遺産分割は、原則として法定相続分で分割することになるため、長期化すると希望通りの分割ができなくなる可能性があります。

パターンB:相続登記は済んだが共有状態のまま

すでに相続登記は完了しているが、共有名義のまま放置している状態です。「とりあえず登記だけしておいた」というケースで最も多く見られます。この状態でも先に挙げたリスクはすべて存在します。登記は済んでいるので権利関係は明確ですが、固定資産税の負担や共有者間のトラブルリスクは変わりません。売却や解消の判断は自分で行えます。

パターンC:すでに数次相続が発生して複雑化している

共有者の一人が死亡し、その持分がさらに複数の相続人に分割される連鎖が起きている状態です。このパターンになると、権利関係の把握だけでも戸籍謄本を何十通も集める必要が出てきます。最悪の場合、相続人の所在が不明で動きが取れなくなることもあります。令和5年(2023年)の民法改正で「所在等不明共有者の持分取得・譲渡制度」が新設されましたが、専門家(司法書士や弁護士)の関与がほぼ必須になるケースです。まずは現状の権利関係を整理してもらうところから始めましょう。

状態 難易度 すぐ取れる行動
パターンA:遺産分割未了 中程度 遺産分割協議を進める/相続人申告登記
パターンB:登記済み共有 比較的容易 買取相談・売却検討
パターンC:数次相続発生 難しい まず専門家に相談

 

共有持分で取れる4つの選択肢と向き不向き

現状を把握したら、次は対処法を選びます。相続で発生した共有持分には、大きく分けて4つの選択肢があります。それぞれの特徴と向き不向きを見ていきましょう。

選択肢① 自分の持分だけ買取に出す

共有持分の買取に対応している業者に、自分の持分だけを売却する方法です。法律上は問題なく、他の共有者の同意も不要です(民法第206条)。買取業者であれば現金化までの期間が短く(1〜3ヶ月程度)、手続きも比較的簡単です。買取価格は市場価格より低くなる傾向がありますが、持分割合が小さい、共有者が多い、共有者間で揉めているといったケースでも対応可能な業者が多いのが特徴です。「共有持分は売れない」と思っている人も多いですが、買取専門業者であれば対応可能なケースが大半です。

向いているケース:早く手放したい/他の共有者と揉めている/共有者が多くて全員の同意を得るのが難しい/連絡が取れない共有者がいる

向かないケース:できるだけ高く売りたい/不動産全体を売却したい/すでに買い手が決まっている

選択肢② 共有物分割請求で解消する

裁判所に申し立てて共有状態を強制的に解消する方法です(民法第258条)。話し合いがまとまらない場合の最終手段です。裁判所が「現物分割」「代金分割」「換価分割」のいずれかの方法を決定します。ただし、期間は6ヶ月〜1年以上かかり、費用も数万円〜数十万円かかります。共有者間の関係が大きく悪化するリスクがあるため、最終手段として考えるべきです。

注意


向いているケース:話し合いが全く進まない/相手が非協力的/持分割合が大きく単独所有にしたい

向かないケース:共有者と関係を維持したい/費用をかけたくない/早く解決したい

選択肢③ 共有持分を放棄する

自分の持分を無償で手放す方法です(民法第255条)。他の共有者の同意は不要で、単独で行えます。放棄した持分は他の共有者に帰属します。お金は一切入りませんが、固定資産税や管理の負担から解放されます。

注意すべき点:放棄した後の持分移転登記には他の共有者の協力が必要になる場合があります。また、状況によっては権利の濫用と判断されるリスクもあるため注意が必要です(東京地裁令和3年7月14日判決)。放棄した持分が他の共有者に移ることで、結果的に「他の共有者に負担を押し付ける」ことになるという点も理解しておきましょう。

向いているケース:持分に価値がない(負動産)/とにかく負担から解放されたい/他の共有者がそのまま引き継いでも問題ない

向かないケース:売却して現金化したい/他の共有者に負担をかけたくない/持分に一定の価値がある

選択肢④ このまま持ち続ける

あえて現状のまま維持する選択肢です。将来的に価値が上がる見込みがある、自分で使う予定がある、他の共有者との合意が容易であるなどの事情があれば、無理に処分する必要はありません。ただし、放置リスクを承知した上での判断が必要です。特に、相続開始から10年が経過すると遺産分割のルールが変わること(法定相続分が原則になる)、共有者の死亡で数次相続が発生するリスクがあることなども考慮しましょう。

向いているケース:将来的に価値が上がる見込みがある/自分が使用する予定がある/共有者間で管理ルールが決まっている

向かないケース:特に使い道がない/管理の負担が大きい/共有者間で意見が合わない

 

それぞれの選択肢の比較表

4つの選択肢を横断して比較すると、次のようになります。自分の優先順位に照らして検討してください。

比較軸 ①買取 ②分割請求 ③放棄 ④持ち続ける
現金化できるか ○(すぐに) △(時間がかかる) ×(なし) ×(なし)
他共有者の同意 不要 不要(裁判所経由) 不要
手続きの期間 1~3ヶ月程度 6ヶ月~1年以上 1~2ヶ月程度
費用 ほぼ無料~査定無料 数万円~数十万円 登記費用のみ 維持費のみ
関係悪化リスク 低い 高い 中程度 中~高い
確実性 高い(買取成立時) 高い(判決ベース) 確実 現状維持のみ

共有持分の相続でよくある誤解4つ

実際に相談を受ける中で、特に多い誤解を4つ挙げます。これらを正しく理解しておかないと、あとで想定外の事態になる可能性があります。

注意

誤解1:「相続放棄すれば共有持分もなくなる」

相続放棄と共有持分の放棄は全く別の制度です。相続放棄は、被相続人の死亡後3ヶ月以内に家庭裁判所に申述して、最初から相続人でなかったことにする手続きです。一度相続放棄をすると、その不動産に関する権利も義務もなくなります。しかし、すでに相続が確定して共有持分を所有している状態では、相続放棄はできません。この場合の「放棄」は、民法第255条に基づく持分放棄であり、相続放棄とは全く異なります。

誤解2:「放置しても特に罰則はない」

2024年4月の相続登記義務化により、この認識は大きな誤りになりました。正当な理由なく相続登記を怠ると、10万円以下の過料の対象になります。過去に相続した不動産も対象で、猶予期限は2027年3月31日です。期限までに登記をしないと、法務局から催告が届き、それでも対応しない場合に過料が科されます。

誤解3:「登記は司法書士に頼まないとできない」

相続登記は自分で行うことも可能です。法務局に必要書類を提出すれば、司法書士に依頼しなくても登記できます。ただし、共有名義の場合や数次相続が発生している場合は書類の準備が複雑になります。自分でできるかどうかの判断基準は、「戸籍謄本をすべて集めきれるか」「相続人の全員が特定できるか」「登記申請書の書き方が分かるか」です。不安な場合は司法書士に相談するのが確実です。

誤解4:「遺産分割はいつでもやり直せる」

2023年の民法改正により、相続開始から10年を経過した後の遺産分割は、原則として法定相続分で行うことになりました。それまでに遺産分割協議がまとまらないと、生前に相続人が受けた贈与や被相続人への貢献(特別受益・寄与分)を考慮した「具体的相続分」ではなく、法定相続分での分割が原則になります。放置すればするほど、希望通りの分割が難しくなる可能性があるのです。

 

共有持分の相続に関するよくある質問

Q:相続で共有持分になったら登記は必ず必要?

A:法律上の義務です。2024年4月から相続登記が義務化され、相続開始を知った日から3年以内の申請が求められます。義務化前に相続したものも、2027年3月31日までに登記が必要です。

Q:遺産分割がまだ終わっていない場合はどうすれば?

A:遺産分割協議を進めるのが基本です。協議がまとまらない場合は、「相続人申告登記」という制度を使うことで、少なくとも罰則は回避できます。この制度は、自分が相続人であることを法務局に申し出るだけでよく、他の相続人の協力も不要です。協議がどうしてもまとまらない場合は、遺産分割調停や審判に進むことも検討してください。

Q:共有持分のまま放置すると、固定資産税は誰が払う?

A:共有者全員に連帯納税義務があります。つまり、他の共有者が払わなければ自分が全額を負担することになります。持分割合が小さくても、税務署からは全額の請求がくる可能性があります。共有者間で費用負担のルールを決めておかないと、思わぬ出費になることがあります。

Q:相続人が多くて連絡が取れない人もいる。それでも動ける?

A:状況によりますが、動けないケースが多いのが実情です。自分の持分だけを買取に出す場合は他の共有者の同意が不要なため、連絡が取れない人がいても進められる可能性があります。まずは共有持分の買取に対応している業者に相談してみるとよいでしょう。

Q:他の共有者が死亡して権利関係が複雑になってしまった。今からでも整理できる?

A:整理は可能ですが、戸籍謄本の収集や相続人の特定に多くの時間と費用がかかります。まずは司法書士や弁護士に相談し、現状の権利関係を整理してもらうところから始めるのが現実的です。その上で、買取や分割請求などの選択肢を検討することになります。令和5年の民法改正で「所在等不明共有者の持分取得・譲渡制度」も整備されたため、以前よりは解決の道が開けています。

Q:「相続放棄」と「共有持分の放棄」は何が違う?

A:相続放棄は被相続人の死亡後3ヶ月以内に家庭裁判所に申述して、相続人でなかったことにする手続きです。一方、共有持分の放棄(民法第255条)は、すでに共有状態にある持分を無償で手放す行為です。期間制限はなく、家庭裁判所ではなく意思表示のみで効力が生じます。全く別の制度なので混同しないようにしましょう。

Q:相続土地国庫帰属制度は共有持分でも使える?

A:この制度は土地の「所有権」を国に引き渡す制度であり、共有持分の状態では基本的に利用できません。共有地で利用する場合は共有者全員での申請が必要になります。また、建物がある土地や担保権が設定されている土地など、対象外となる条件も多いため、まずは専門家に相談することをおすすめします。

Q:専門家に相談するタイミングは?

A:以下のいずれかに該当する場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

  • 数次相続が発生して権利関係が複雑になっている
  • 相続人の一部と連絡が取れない
  • 他の共有者と話し合いが全く進まない
  • 持分の価値が分からず、どの選択肢が適切か判断できない
  • 共有物分割請求(裁判所の手続き)を検討している
  • 相続登記の期限(2027年3月31日)が迫っているが対応できていない

 

まとめ|放置する前に、現状把握から始めよう

相続で共有持分を持ったとき、最初にやるべきは「自分の状態を正確に把握すること」です。

ポイント

  • 遺産分割は終わっているか
  • 相続登記は済んでいるか(期限は2027年3月31日)
  • 共有者は何人か、全員と連絡は取れるか
  • 数次相続が発生していないか

これらを整理した上で、買取・分割請求・放棄・継続の4つの選択肢から、自分の事情に合ったものを選びます。

放置しておくと、相続登記義務化による罰則リスク、数次相続による権利関係の複雑化、固定資産税の負担リスクなどが積み上がります。「まだ大丈夫」と思っている間に状況は悪化します。

まずは現状を整理し、共有持分の買取に対応している業者や司法書士・弁護士といった専門家に早めに相談することを検討してください。早ければ早いほど、選択肢は広がります。

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