目次
- 1 リバースモーゲージのデメリットは全商品で共通ではない
- 2 デメリット① 元金が減らないため、長期利用で総返済額が増える
- 3 デメリット② 金利上昇で毎月の支払額が増える
- 4 デメリット③ 長生きすると契約が続くリスク(長生きリスク)
- 5 デメリット④ 担保評価が下がると追加返済を求められる?
- 6 デメリット⑤ 契約者死亡後に配偶者が住み続けられない可能性がある
- 7 デメリット⑥ 相続人に不足額や売却手続の負担が残る
- 8 デメリット⑦ 資金使途・物件条件の制限で利用できないケースがある
- 9 デメリット⑧ 途中解約・繰上返済に制約やコストがかかる
- 10 リバースモーゲージが向いていない人・向いている人
- 11 リバースモーゲージ以外の選択肢を比較する
- 12 【契約前に確認】金融機関に聞くべき7つの質問
- 13 この記事のまとめ
- 14 よくある質問(FAQ)
- 14.1 リバースモーゲージの最大のデメリットは何ですか?
- 14.2 一般型とリ・バース60、どちらがリスクが低いですか?
- 14.3 金利上昇で毎月の支払額はどれくらい増えますか?
- 14.4 担保評価が下がるとすぐに追加返済を求められますか?
- 14.5 契約者が先に亡くなったら、配偶者は住み続けられますか?
- 14.6 子どもに借金を残さないためには、どの商品を選べばいいですか?
- 14.7 マンションや借地でもリバースモーゲージは使えますか?
- 14.8 リバースモーゲージとリースバック、どちらが得ですか?
- 14.9 リバースモーゲージを利用すべきでない人はどんな人ですか?
- 14.10 契約前に金融機関に確認すべきことは何ですか?

リバースモーゲージのデメリットは、どの商品を選ぶかによって発生するリスクとその重さが大きく異なります。「危険」「やばい」と言われる理由の多くは、一般型リバースモーゲージ(以下、一般型)と住宅金融支援機構の「リ・バース60」を区別せずに語られていることに起因します。
本記事では、デメリットを一般型とリ・バース60で分けて整理し、金利上昇・担保評価下落・長生きリスク・相続人負担・配偶者の居住継続の各論点について、契約書で確認すべきポイントまで解説します。
この記事で分かること
- リバースモーゲージの8つのデメリットと、商品別の発生条件
- 一般型とリ・バース60の決定的な違い
- 「相続人に借金が残る」「家を失う」は本当か、事実と条件
- 契約前に金融機関に確認すべき7つの質問
- 自分に合わない場合の代替手段(売却・リースバック含む)
この記事を書いた人
訳あり不動産 買取相談センター 編集部
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リバースモーゲージのデメリットは全商品で共通ではない
リバースモーゲージと一口に言っても、一般型(民間金融機関の商品)とリ・バース60(住宅金融支援機構の保険を利用した住宅ローン)では、資金使途・金利方式・担保再評価の有無・死亡後の取扱いが根本的に異なります。
デメリットの論点に入る前に、まず自分が検討している商品がどちらに当たるのかを確認してください。
| 比較項目 | 一般型リバースモーゲージ | リ・バース60(機構提携) | こんな人に向く |
|---|---|---|---|
| 形態 | 不動産担保ローン | 住宅ローン(住宅融資保険利用) | — |
| 資金使途 | 自由(生活費・医療費・旅行など可) | 住宅関連資金に限定(生活費不可) | 生活費が必要→一般型/住宅関連→リ・バース60 |
| 金利タイプ | 変動金利が中心。固定型は商品による | 変動・固定期間選択・全期間固定(2025年1月開始) | 金利上昇が心配→リ・バース60の全期間固定型を確認 |
| 担保再評価 | 商品によりあり/なしが分かれる | なし(評価下落だけでの追加返済請求なし) | 担保割れが不安→リ・バース60が有利 |
| ノンリコース型 | 取扱金融機関は少ない | あり(2025年度申込の99.8%がノンリコース型) | 相続人に借金を残したくない→リ・バース60一択に近い |
| 配偶者居住継続 | 商品による | 連帯債務者なら双方死亡時まで継続可能 | 配偶者を残す可能性がある→連帯債務が必須 |
| 対象物件 | 一戸建て中心、マンションは不可が多い | 一戸建て・マンション可(新耐震等条件あり) | マンション所有者→一般型は不可が多い |
あなたはどちらの商品を検討していますか。以下の簡易チェックで確認してください。
自分はどちらの商品を検討すべきか
- 生活費・医療費・老後資金を借りたい → 一般型リバースモーゲージ。ただしリ・バース60では借りられません
- 住宅購入・建替え・リフォーム・ローン借換え資金が必要 → リ・バース60を含めて比較可能
- 自宅に住み続ける必要はない → リバースモーゲージよりリースバックや売却も検討対象
- 配偶者に負担を残したくない → ノンリコース型が選べるリ・バース60が有利
デメリット① 元金が減らないため、長期利用で総返済額が増える
リバースモーゲージは毎月利息のみを支払い、元金を据え置く仕組みです。一般の住宅ローン(元利均等返済)と比較すると、同じ金利・同じ期間なら総返済額(元金+利息の合計)が大きくなります。
たとえばリ・バース60の2024年度利用実績では、平均融資額1,667万円、平均毎月支払額4.2万円です(出典:住宅金融支援機構「2024年度利用実績」)。元金が減らないため、契約期間が長期になるほど累計の利息支払額が膨らみます。
具体例:融資額1,667万円、金利年2.5%(変動)の場合
・毎月支払額:約3.5万円
・10年後の累計利息支払額:約420万円
・20年後の累計利息支払額:約840万円
※元金1,667万円は返済されず、死亡時まで残り続けます。
ただしこのデメリットは、一般型・リ・バース60の両方に共通します。リバースモーゲージは「毎月の負担を抑える代わりに総返済額が増える」というトレードオフの商品であることを理解したうえで、必要以上に借り入れたり、不要な長期契約にしないことが重要です。
デメリット② 金利上昇で毎月の支払額が増える
リバースモーゲージの多くは変動金利型のため、市場金利が上昇すると毎月の利息支払額が増加します。
日銀の政策金利の引き上げに伴い、2025年〜2026年にかけてリバースモーゲージの金利も上昇傾向にあります(参考:中日新聞2025年報道)。毎月の支払額が年金収入の中で賄えなくなると、延滞リスクが高まり、最悪の場合は一括返済を求められる可能性もあります。
ただし、金利上昇リスクの受け止め方は商品の金利タイプによって異なります。
| 金利タイプ | 特徴 | 金利上昇時の影響 |
|---|---|---|
| 変動金利 | 半年または1年ごとに金利見直し。毎月支払額が変動する | 上昇すれば毎月の支払額が増える。リ・バース60・一般型ともにこのタイプが中心 |
| 固定金利期間選択 | 当初2年・3年・5年・10年など一定期間は金利固定 | 固定期間中は支払額不変。期間終了後の金利次第 |
| 全期間固定金利 | 契約から完済まで金利が変わらない | 金利上昇の影響を受けない。2025年1月にリ・バース60で開始。ただし取扱金融機関は限られる |
留意点として、リ・バース60の全期間固定金利型は2025年1月に導入されたばかりで、2025年1〜3月期の実績は申請10戸・実績2戸とごく一部です(出典:住宅金融支援機構)。取扱金融機関も限定的なため、契約前に「全期間固定型を選べるか」「変動型の場合、金利が今より1%・2%上がったときの毎月支払額はいくらになるか」を金融機関に確認してください。
ポイント
金利が1%上がると毎月支払額は約1.4倍に
融資額1,667万円の場合の試算例:
- 金利2.5%→毎月約3.5万円
- 金利3.5%→毎月約4.9万円(+1.4万円)
- 金利4.5%→毎月約6.3万円(+2.8万円)
年金収入の中で金利上昇後も払い続けられるか、契約前に必ず数字で試算してもらいましょう。
デメリット③ 長生きすると契約が続くリスク(長生きリスク)
「長生きしすぎて契約が続けられなくなる」という不安は、商品の契約方式によってまったく意味が異なります。
長生きリスクは以下の4要素に分解して考える必要があります。
| リスク要素 | 一般型(有期限型・融資枠型) | リ・バース60(終身型) |
|---|---|---|
| 契約期限 | 年齢や契約期間の上限あり(例:80歳・90歳で終了など)。終了時は一括返済が必要 | 終身契約(死亡時まで継続)。年齢で契約終了しない |
| 融資枠 | 上限に達すると追加借入不可。場合により返済計画の見直しが必要 | 一括借入が基本。融資枠は契約時に確定 |
| 利息の累積 | 元金が減らないため長期ほど総利息増 | 元金が減らないため長期ほど総利息増(共通) |
| 延滞リスク | 毎月の利息支払が前提。長期の支払困難で一括返済請求の可能性 | 同左 |
リ・バース60の場合は契約期限がなく終身型(死亡時まで継続)なので、「長生きしたら契約を打ち切られる」という心配は不要です。ただし毎月の利息支払を続けられる収入があることが大前提です。
注意
年金収入のみで契約する場合の注意点
リ・バース60の審査では、年収に対する年間返済額・支払額の割合が一定以下であることが条件となります(年収400万円未満なら30%以下)。年金収入でも申込みは可能ですが、現在の年金額で毎月の利息を払い続けられるか、金利上昇後も同様かは慎重に試算してください。
デメリット④ 担保評価が下がると追加返済を求められる?
このリスクは、商品によって「ある」「なし」が明確に分かれます。ここを混同して「リバースモーゲージは担保割れで家を失う」と断定する記事がありますが、正確ではありません。
住宅金融支援機構のFAQ(Q42)には、次のように明記されています。
「相続税路線価等の見直しにより、担保評価額が下がった場合であっても、一部繰上返済を請求されることはありません。」
出典:住宅金融支援機構「リ・バース60 よくある質問」Q42
つまりリ・バース60では、担保評価の下落だけを理由に追加返済を求められることは原則ありません。
一方、一般型リバースモーゲージでは商品によって対応が分かれます。たとえばSMBCのリバースモーゲージ型住宅ローンでは、
「担保評価は契約時の1回のみのため、担保の追加や予定外の元本返済等はございません。」
出典:三井住友銀行「リバースモーゲージ型住宅ローン」Q2
とされ、追加返済不要の商品もあります。逆に、定期的な担保再評価を行い、評価額が下がれば融資枠の見直しや追加返済を求める商品も存在します。
ポイント
- リ・バース60:担保評価下落だけで追加返済を求められることはない(JHF FAQ Q42)
- 一般型(商品による):追加返済なしの商品(SMBC等)と、担保再評価ありの商品がある
- 共通の注意:延滞や契約違反による一括返済請求は、担保評価とは別の論点
契約書の「担保評価条項」「再評価条項」を必ず確認してください。
デメリット⑤ 契約者死亡後に配偶者が住み続けられない可能性がある
「契約者が死亡しても配偶者はそのまま住み続けられる」と思い込んで契約すると、想定外の退去リスクが生じます。配偶者の居住継続の可否は、契約上の立場によってまったく変わります。
リ・バース60の場合、以下の3類型に整理できます。
| 配偶者の立場 | 居住継続の可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 連帯債務者 | 双方死亡時まで継続可能 | 夫婦がそろって契約する(連帯債務)場合。契約者死亡後も配偶者が債務を継承し、住み続けられる。最も安全な契約形態 |
| 共有名義人(債務者ではない) | 金融機関と個別協議 | 不動産の共有名義人だが、借入の債務者ではない場合。リ・バース60では個別対応となり、一律の権利はない |
| 単なる同居人 | 最大3年間の処分猶予 | 住宅金融支援機構のFAQ(Q52)では、契約者死亡後、配偶者(連帯債務者ではない)に対して最大3年間の売却等猶予期間が設定される。猶予期間終了後は担保処分の対象となる可能性がある |
具体例:連帯債務者と思い込んでいたが、単なる同居人だったケース
70代のA夫婦。自宅の名義は夫単独、リバースモーゲージも夫単独名義で契約。契約書の説明時に「奥さんも住み続けられますよ」と一言あったが、具体的な契約条項までは確認しなかった。数年後、夫が病気で急逝。妻は金融機関に「このまま住み続けたい」と伝えたが、契約書上は「単なる同居人」であり、リ・バース60の3年猶予期間は適用されたものの、猶予期間中の資金計画が立たず、結局売却を余儀なくされた。
予防策:契約時に「配偶者を連帯債務者にできるか」を必ず確認する。連帯債務が難しい場合でも、死亡後の配偶者の居住条件を契約書で確認しておく。併せて、死亡後に備えた生命保険や預貯金の準備も検討する。
一般型リバースモーゲージの場合は、配偶者の居住継続のルールが商品ごとに異なります。契約書の「死亡時の取扱い」条項を必ず確認してください。中には配偶者の居住継続を認めない商品もあるため、注意が必要です。
デメリット⑥ 相続人に不足額や売却手続の負担が残る
「リバースモーゲージは子どもに借金を残す」という情報がありますが、これはリコース型とノンリコース型で分けて考える必要があります。
| 比較項目 | リコース型 | ノンリコース型 |
|---|---|---|
| 不足額の請求 | あり。担保売却額が残債に満たない場合、相続人が不足額を支払う必要がある | なし。担保売却額が残債を下回っても、相続人に不足額を請求しない |
| 相続人の負担 | 不足額の支払い、または相続放棄の検討が必要 | 担保処分の手続き・残置物の処理・相続登記などの実務負担は残るが、金銭的な請求は原則なし |
| リ・バース60の場合 | 取扱あり(ただし少数) | 2025年度の申込99.8%がノンリコース型。事実上、ほぼすべての契約がノンリコース |
住宅金融支援機構のFAQ(Q46)では、「ノンリコース型のお取扱いの場合は、担保(物件)の売却代金をもって残債の返済に充当し、それでもなお残った債務については、相続人の方にご請求することはありません」と明記されています。
つまり、リ・バース60のノンリコース型を選べば、相続人が「借金を負う」リスクは事実上ありません。とはいえ、相続人の負担がゼロになるわけではありません。
ポイント
ノンリコース型でも相続人に残る実務的な負担:
- 担保処分(売却)の手配・連絡・契約
- 残置物(家財道具など)の処理
- 相続登記の手続き
- 金融機関とのやりとり
- 契約者死亡の通知後に生じる各種手続き
相続人が「家を残す」選択と現実的な資金調達
ノンリコース型であっても、相続人が自己資金で残債を一括返済すれば、家を残すことも可能です(JHF FAQ Q49)。ただし現実的には、残債(平均約1,700万円)を相続人が用意できるかどうかが分かれ目になります。
家を残す場合の資金調達手段としては、以下のような選択肢があります。
- 預貯金の切り崩し:契約者が死亡時にまとまった預貯金を残していれば可能
- 生命保険金の活用:契約者死亡時に支払われる生命保険金を返済に充てる。受取人を相続人に設定し、「返済原資」として計画的に準備しておく方法もある
- 遺産分割協議での調整:複数の相続人がいる場合、家を残したい相続人が他の相続人の代償金を支払い、その資金で返済する方法
- 別の金融機関からの借入:相続人が住宅ローン等を組める信用力があれば、新たに借り入れて返済する方法。ただし高齢の配偶者では難しい場合が多い
具体例:契約前に家族会議をしなかったため、相続時に揉めたケース
80代のBさん(妻と2人暮らし)。リ・バース60で約1,800万円を借り入れ、自宅を担保に提供。契約時に子ども2人(長男・長女)から同意書をもらったが、具体的な話し合いは「自宅を担保にする」という事実確認だけで、死亡後に家を残すか売却するかの意向までは確認しなかった。
Bさん死亡後、残債は約1,900万円(利息の累積による増加分)。長男は「実家を残したい」と考えていたが、長女は「売却して現金を分配してほしい」と主張。話し合いがまとまらず、結局売却を選択。長男は「もっと早く話し合っていれば」と後悔した。
予防策:契約前の家族会議では、「死亡後に家を残すか売却するか、残す場合の資金は誰がどう用意するか」まで具体化しておく。同意書を取るだけで終わらせないことが重要。
契約前に、相続人(子どもなど)と「死亡後に家を残すか売却するか」「残す場合の資金はどうするか」を話し合っておくことが重要です。話し合いなしで契約を進めると、相続時に予想外の家族間トラブルに発展するケースも少なくありません。
デメリット⑦ 資金使途・物件条件の制限で利用できないケースがある
リバースモーゲージはどんな物件でも・どんな目的でも使えるわけではありません。特に以下の物件条件では利用が難しい場合があります。
| 物件条件 | リ・バース60の場合 | 一般型の場合 |
|---|---|---|
| マンション | 利用可能(新耐震基準の適合など条件あり) | 不可の商品が多い。一戸建て限定の商品も少なくない |
| 借地 | 金融機関により判断が分かれる | 同左 |
| 共有名義 | 持分取得資金には利用不可 | 原則困難 |
| 旧耐震(1981年6月以前) | 原則不可。ただし耐震改修で新耐震相当になれば利用可能な場合あり | 金融機関により判断が分かれる |
| 再建築不可・接道不良 | 金融機関により判断が分かれる(担保評価が低くなる傾向) | 原則困難 |
注意
「自宅に住んでいるから大丈夫」と思っていても、担保評価が基準を満たさなければ融資を受けられません。特に以下の場合は、申し込む前に金融機関または住宅金融支援機構の対象物件条件を確認してください。
- 旧耐震の一戸建て(築40年以上)
- 借地権付き住宅
- マンション(管理状態・耐震性の確認が必要)
- 夫婦の共有名義で持分のみを担保にしたい場合
また、資金使途の制限も押さえておく必要があります。リ・バース60は住宅購入・新築・建替え・増改築・リフォーム・既存住宅ローンの借換えといった住宅関連資金のみが対象で、生活費・医療費・教育費には利用できません(住宅金融支援機構のFAQ Q4)。一方、一般型リバースモーゲージは生活費を含む幅広い用途に使えます。
デメリット⑧ 途中解約・繰上返済に制約やコストがかかる
リバースモーゲージは「契約したら最後まで続けなければならない」わけではありませんが、途中解約や繰上返済には一定の制約があります。
住宅金融支援機構のFAQ(Q44)では、リ・バース60利用中でも物件を売却することは可能とされています。ただし、売却代金で残債を一括返済し、抵当権を抹消する必要があります。売却価格が残債を下回る場合(担保割れ)は、ノンリコース型であれば不足額の追加負担は発生しませんが、売却自体の手続きは相続人または本人が行うことになります。
繰上返済についても、リ・バース60では可能です(JHF FAQ Q41)が、最低返済金額や手数料は取扱金融機関ごとに異なります。一般型でも繰上返済は可能な商品がほとんどですが、繰上返済手数料や制限期間(当初〇年は繰上返済不可など)を確認しておく必要があります。
借換えについては、他の金融機関のリバースモーゲージや通常の住宅ローンへの借換えが可能かは、残債額・担保評価・金利環境によります。一般的には、リバースモーゲージから通常の住宅ローンへの借換えは審査が厳しくなります(毎月の元金返済が発生するため)。
ポイント
- 売却は可能だが、残債完済+抵当権抹消が条件
- 繰上返済は可能だが、最低金額・手数料は金融機関による
- 借換えは条件次第(審査が厳しくなる可能性あり)
- 契約前に「出口の自由度」を確認するため、繰上返済条項・借換え条項を契約書で確認する
リバースモーゲージが向いていない人・向いている人
リバースモーゲージは「誰にでも合う商品」ではありません。以下のチェック項目で、自分に合っているか確認してください。
あなたはどのケース?リバースモーゲージ適否チェック
リバースモーゲージが向いていない可能性がある人
- 年金収入だけでは毎月の利息を払う余裕がない
- 金利が1%上がった場合の支払額を試算していない
- 配偶者が連帯債務者になれない(単独名義のみ)
- 相続人が「家を残してほしい」と考えている
- 物件が旧耐震・借地・共有名義で、利用条件を満たすか不透明
- 住宅関連資金以外(生活費など)の目的で借りたい
- 長期間(10年以上)の利用が見込まれるのに変動金利しか選べない商品で契約しようとしている
リバースモーゲージが向いている可能性がある人
- 担保評価が十分にあり、利用条件を満たしている
- 配偶者と連帯債務で契約できる
- 住宅購入・リフォーム・借換えなど具体的な資金使途がある
- 相続人が「死亡後の売却に同意」または「家を残すための資金がある」
- 毎月の利息を払い続けられる収入がある(金利上昇後も試算)
リバースモーゲージ以外の選択肢を比較する
リバースモーゲージのデメリットが気になる場合や、利用条件を満たさない場合は、他の選択肢と比較する必要があります。
以下の4者で、所有権・毎月負担・住み続け可否・手取り額・向くケースを比較しました。
| 比較軸 | リバースモーゲージ | リースバック | 通常売却 | 専門買取(訳あり) |
|---|---|---|---|---|
| 所有権 | 維持 | 喪失(売却後賃貸) | 喪失 | 喪失 |
| 毎月負担 | 利息のみ | 家賃 | なし | なし |
| 住み続け | 〇(継続居住) | 〇(賃貸契約による) | ×(転居必須) | ×(転居必須) |
| 手取り額 | 担保評価の一部(借入) | 売却価格−諸費用 | 売却価格−諸費用 | 仲介より低めだが現金化が早い |
| 向くケース | 住み続けながら資金調達 | 住み続けたいがまとまった現金も必要 | 住み続ける必要なし | 物件条件が悪く一般売却が困難 |
リースバックと通常売却の決定的な違いは、住み続けられるかどうかです。リバースモーゲージとリースバックはともに「住み続けながら資金を得る」方法ですが、リバースモーゲージは所有権を維持する(=家は自分のもの)のに対し、リースバックは所有権を手放して賃貸契約で住み続ける点が根本的に異なります。
また、リバースモーゲージの利用条件を満たさない物件(旧耐震・借地・共有名義・低担保評価)の場合や、毎月の利息負担が難しい場合は、売却という選択肢を検討する必要があります。ただし一般の仲介では買主が見つかりにくい訳あり物件も少なくないため、そうした不動産の買取に強い専門業者に査定を依頼する方法もあります。業者によって対応可能な物件条件や買取価格は異なるため、複数社を比較するところから始めるのが現実的です。
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【契約前に確認】金融機関に聞くべき7つの質問
リバースモーゲージのデメリットを正しく理解し、後悔しないためには、契約前に金融機関に以下の7つを確認することが不可欠です。
- この商品は一般型ですか、リ・バース60ですか?
→ 両者で資金使途・リスクの性質が異なる - 金利タイプは変動・固定期間選択・全期間固定のどれですか?
→ 全期間固定であれば金利上昇リスクなし。取扱の有無も確認 - 金利が今より1%・2%上がった場合の毎月支払額はいくらですか?
→ 必ず数字で試算してもらう。年金収入で払い続けられる範囲か確認 - 担保再評価はありますか?評価下落時の追加返済義務はありますか?
→ リ・バース60はなし。一般型は商品による - 配偶者は契約上どの立場になりますか(連帯債務者/単なる同居人)?
→ 連帯債務者になれるかが最も安全。なれない場合の居住継続条件も確認 - 死亡後の居住猶予期間と条件は?
→ 配偶者だけでなく、障害のある子どもなど同居家族がいる場合も確認 - リコース型ですか、ノンリコース型ですか?
→ ノンリコース型なら相続人に不足額の請求なし。契約書で型を確認
この記事のまとめ
リバースモーゲージには確かにデメリットがあります。しかし、そのリスクの発生条件は商品の種類・金利タイプ・契約条件によって大きく異なります。「危険」「やばい」と断片的な情報だけで判断するのではなく、以下の3点を整理したうえで検討することをおすすめします。
① 自分が検討している商品は一般型かリ・バース60か
② 金利上昇・長生き・配偶者死亡・相続人負担の各リスクが、自分の契約条件で発生するか
③ リバースモーゲージ以外の選択肢(リースバック・通常売却・専門買取)と比較して、どれが現実的か
どの選択肢が最適かは、担保評価・毎月の支払余力・配偶者の立場・相続人の意向・物件条件によって変わります。契約前に金融機関への確認質問(上記7問)を必ず行い、不明点があればファイナンシャルプランナーや司法書士などの専門家にも相談したうえで判断してください。
よくある質問(FAQ)
リバースモーゲージの最大のデメリットは何ですか?
商品の区別なく共通する最大のデメリットは、元金が減らず利息が累積するため長期利用で総返済額が増えることです。ただし「相続人に借金を残す」「家を失う」といったリスクは、商品の種類(一般型かリ・バース60か)や契約条件(リコース型かノンリコース型か)で有無が分かれます。
一般型とリ・バース60、どちらがリスクが低いですか?
リ・バース60の方がリスクの条件が明確です。担保評価下落による追加返済がなく、ノンリコース型(2025年度99.8%)が事実上の標準で、配偶者の死亡後居住も連帯債務なら継続可能です。一般型は商品ごとに条件が大きく異なるため、契約書の確認が不可欠です。
金利上昇で毎月の支払額はどれくらい増えますか?
金利が1%上がると、毎月の支払額は約1.4倍になります。たとえば融資額1,667万円・金利2.5%の場合、毎月約3.5万円が、金利3.5%で約4.9万円、4.5%で約6.3万円となります。契約前に金融機関に「金利が1%・2%上がった場合の試算」を必ず出してもらってください。
担保評価が下がるとすぐに追加返済を求められますか?
リ・バース60では、担保評価の下落だけを理由に追加返済を求められることはありません(JHF FAQ Q42)。一般型でも追加返済なしの商品(SMBCなど)がありますが、担保再評価ありの商品もあるため、契約書で確認が必要です。
契約者が先に亡くなったら、配偶者は住み続けられますか?
配偶者の立場によって異なります。連帯債務者であれば双方死亡時まで継続可能です。単なる同居人の場合、リ・バース60では最大3年の売却猶予期間が設定されます(JHF FAQ Q52)。一般型では商品により対応が分かれるため、契約前に「死亡時の配偶者取扱い」を確認してください。
子どもに借金を残さないためには、どの商品を選べばいいですか?
ノンリコース型の商品を選んでください。リ・バース60のノンリコース型(2025年度99.8%)なら、担保売却額が残債を下回っても不足額を相続人に請求しません。一般型でノンリコース型を扱う金融機関は限られるため、契約前に「リコース型かノンリコース型か」を必ず確認しましょう。
マンションや借地でもリバースモーゲージは使えますか?
利用できるかどうかは商品と金融機関によります。リ・バース60はマンションも対象(新耐震基準の適合など条件あり)。借地は金融機関ごとに判断が分かれます。一般型は一戸建て限定の商品が多く、マンション不可のケースも少なくありません。事前に対象物件条件の確認が必要です。
リバースモーゲージとリースバック、どちらが得ですか?
目的によって異なります。所有権を維持したいならリバースモーゲージ、まとまった現金が必要で住み続けてもよいならリースバック、住み続ける必要がないなら通常売却が現実的です。それぞれ所有権の有無・毎月負担・手取り額が異なるため、自分の状況に合わせて比較してください。
リバースモーゲージを利用すべきでない人はどんな人ですか?
年金収入で利息を払う余裕がない人、配偶者が連帯債務者になれない人、相続人が家を残したいと考えている人、物件が旧耐震・借地・共有名義で利用条件が不透明な人は、リバースモーゲージ以外の選択肢も検討した方がよいでしょう。
契約前に金融機関に確認すべきことは何ですか?
①一般型かリ・バース60か、②金利タイプ(変動か固定か)、③金利上昇時の試算額、④担保再評価の有無、⑤配偶者の契約上の立場、⑥死亡後の居住猶予期間、⑦リコース型かノンリコース型かの7点は必ず確認してください。特に③と⑦は判断に直結するため、数字で回答をもらうことが重要です。
訳あり不動産の売却で迷ったら
株式会社ネクサスプロパティマネジメント
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