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共有持分はやめとけ?結論から言うと「基本的にやめておいたほうがいい理由がある」
「共有持分はやめとけ」——不動産や相続の情報を調べていると、このフレーズを目にしたことがある人は少なくないでしょう。
結論から言うと、共有持分は「多くの人にとって、やめておいたほうが現実的」です。売却のしづらさ、共有者との意見対立、価格の下落、相続による複雑化など、所有し続けることで生じるリスクがメリットを上回るケースが大半だからです。
この記事では、共有持分が「やめとけ」と言われる6つの具体的な理由と、すでに持ってしまった場合の打開策までを解説します。自分がどのケースに当てはまるかを確認しながら読み進めてください。
この記事を書いた人
訳あり不動産 買取相談センター 編集部
共有持分・再建築不可・空き家・相続不動産など、売却時に判断が難しい不動産情報を調査・整理する編集チームです。公式情報や公開データをもとに、相談先選びで迷いやすいポイントを中立的にまとめています。
まずは自分のケースを確認してみよう
以下のいずれかに当てはまる人は、共有持分を「やめとけ」と言われるリスクに特に注意が必要です。
- 相続で「とりあえず共有名義」にしようとしている
- すでに共有持分を持っているが、売却や解消を考えたことがある
- 共有者との関係に不安がある(連絡が取りづらい、仲が良くないなど)
- 将来的に不動産を売ったり、担保に入れたりする可能性がある
- 「節税になる」と言われて共有持分を勧められている
1つでも当てはまるなら、この先をよく読んで判断してください。
共有持分の「6つのデメリット・リスク」を徹底解説

共有持分には、単独所有にはない複数のリスクが存在します。ここでは、実務で実際に起きているトラブルに基づいて、6つの観点から詳しく見ていきます。各デメリットには、回避策や解決の方向性もあわせて示します。
デメリット①:不動産を自由に売却・活用できない(最大の壁)
共有持分の最大のデメリットは、自分の思い通りに不動産を処分・活用できないことです。
民法では、共有不動産に対する行為を「変更行為」「管理行為」「保存行為」の3つに分類し、それぞれ必要な同意のレベルが異なります(e-Gov法令検索)。
| 行為の種類 | 具体例 | 必要な同意 | 根拠条文 |
|---|---|---|---|
| 変更行為(処分行為) | 不動産全体の売却、建て替え、取り壊し、大規模リフォーム、土地の造成 | 共有者全員の同意 | 民法251条 |
| 管理行為 | 賃貸契約の締結(3年未満)、軽微な改装、土地の整地 | 持分割合の過半数の同意 | 民法252条 |
| 保存行為 | 緊急の修繕、老朽化防止 | 単独で可能 | 民法252条ただし書 |
つまり、全体売却や建て替えをしたいと思っても、共有者が1人でも反対すれば実現できません。「売却して現金化したい」と考えている人がいる一方で、「このまま残しておきたい」と考える人がいれば、その不動産は動かせなくなります。
賃貸に出したい場合も、過半数の同意が必要です。共有者が3人の場合、2人の賛成が必要になります。共有者間で関係が悪化していると、このハードルが非常に高くなります。
【回避の方向性】 自分の持分だけを売却するのであれば、他共有者の同意は不要です(民法206条)。「全体売却が難しいなら、自分の持分だけを買取業者に売る」という選択肢もあります。
デメリット②:共有者間で意見が対立し、人間関係が悪化する
共有持分の問題で最も厄介なのが、お金と感情が絡む「人間関係の悪化」です。
実際に起きているトラブルの例を見てみましょう。
- 売却の意見対立:「売って現金にしたい兄」と「思い出の家として残したい妹」で対立し、絶縁状態に
- 利用方法の衝突:「賃貸に出して収入を得たい人」と「自分で使いたい人」で話がまとまらない
- 費用負担のもめごと:固定資産税や修繕費を、持分割合に応じて負担するルールを決めていなかったためにトラブルに
- 無断での持分売却:気づかないうちに共有者が自分の持分を第三者に売却し、知らない人が共有者になっていた
共有者同士が兄弟や親族であればあるほど、感情的な対立は長期化しやすくなります。金銭的な解決ができても、関係の修復には時間がかかるケースが少なくありません。
【回避の方向性】 共有状態そのものを解消することが、人間関係の悪化を防ぐ最も確実な方法です。話し合いが難しい場合は、第三者(買取業者や弁護士)を交えて冷静に進める選択肢も検討しましょう。
デメリット③:売却しようと思っても「価格が大幅に下がる」
共有持分を売却しようとしたとき、多くの人が「思っていたよりもずっと安い」と驚きます。
共有持分の買取相場は、一般的に市場価格(不動産全体の価格)× 持分割合の30〜50%程度と言われています。
例えば、2,000万円の価値がある不動産の50%の持分を持っていたとしても、その理論上の価値は1,000万円ですが、実際の買取価格は300万〜500万円程度になることが珍しくありません。
なぜここまで安くなるのか。理由は大きく3つあります。
- 活用が制限される:持分を買い取っても、他の共有者がいる限り自由に使えない
- 買い手が極端に少ない:一般の不動産市場では流通しにくく、買い手は専門業者に限られる
- トラブルリスクを価格に反映される:他の共有者との交渉や裁判リスクを見越して、業者は安く買い取らざるを得ない
共有持分は「単独所有の不動産と同じ価格で売れる」と考えないほうがよいでしょう。
【回避の方向性】 複数の買取業者で査定を比較することで、少しでも条件の良い会社を見つけることができます。また、共有持分に特化した業者は査定ノウハウが異なるため、一般の不動産会社だけでなく専門業者にも問い合わせるとよいでしょう。
デメリット④:固定資産税・維持費の負担で揉める
共有不動産の固定資産税には、「連帯納付義務」というルールがあります(地方税法第10条の2)。
これは、共有者全員が連帯して納税する義務を負うというものです。つまり、誰か1人でも滞納すると、他の共有者に対して一括で請求が来る可能性があります。
実際に起きているトラブルとしては、以下のようなものがあります。
- 固定資産税の支払いを「代表者任せ」にしていたら、ある年から滞納していて気づかなかった
- 「自分は使っていないから払いたくない」と言う共有者がいて、残りの人が立て替えている
- 修繕が必要なのに「費用がもったいない」「必要ない」と意見が分かれて放置状態に
滞納が続けば共有者全員の財産が差し押さえ対象になるリスクもあるため、軽視できません。
【回避の方向性】 負担のルールをあらかじめ書面で決めておくことが有効ですが、すでにもめているなら持分の売却や放棄による「関係からの離脱」も検討しましょう。
デメリット⑤:相続が発生するたびに権利関係が複雑化する
共有持分は、所有者が亡くなると相続人にそのまま引き継がれます。他の共有者に移るわけではありません。
例えば、はじめは兄弟3人で1/3ずつ持っていた土地が、それぞれの相続が発生するたびに次のようになります。
- 兄が亡くなると、その1/3が妻と子2人に分割 → 共有者が5人に
- 妹が亡くなると、その1/3が配偶者に → 共有者が6人に
こうして共有者が増えれば増えるほど、以下の問題が深刻化します。
- 連絡が取りづらくなる:引っ越しや住所変更で所在不明になる人も出てくる
- 合意形成が難しくなる:6人全員一致が必要な決議は、現実的にほぼ不可能に近い
- 売却手続きが止まる:全員分の戸籍や印鑑証明を集めるだけで何カ月もかかる
加えて、2024年4月からは相続登記が義務化されました(法務省)。相続を知った日から3年以内に登記申請をしなければ、10万円以下の過料の対象となります。共有持分を放置するリスクは、法制度の面からも以前よりも高まっています。
【回避の方向性】 相続が発生する前に、遺言書や遺産分割協議で共有状態を回避することが最も有効です。すでに共有状態にある場合は、早いうちに持分売却や共有物分割請求などで解消することを検討しましょう。
デメリット⑥:共有者が占有している場合、追い出せない
共有者の1人がその不動産に住み続けているようなケースでは、他の共有者が「出て行ってほしい」と思っても、簡単には追い出せません。
民法249条では、各共有者は共有物の全部について、持分に応じて使用する権利があると定められています。つまり、持分が1%でもあれば「住む権利がある」と主張できるのです。
実際に起きるトラブルとしては、次のようなものがあります。
- 相続後の実家に兄が住み続けて「出て行け」と言えない
- 共有者が無断で部屋を賃貸に出し、家賃収入を独占している
- 自分も使いたいのに占有者がいるため使用できない
占有者を退去させるには、「不当利得返還請求」や「明渡し請求」といった法的手続きが必要になるケースが多く、時間も費用もかかります。
【回避の方向性】 占有者がいる共有不動産では、持分の買取査定にも影響が出ることが多いため、共有持分に詳しい業者に状況を説明したうえで査定を依頼しましょう。場合によっては、共有物分割請求(換価分割)で強制的に現金化する選択肢もあります。
じゃあ共有持分に「メリットはまったくない」のか?
ここまでデメリットを並べてきましたが、共有持分には「メリット」と言われる側面もあります。ただし、それらのメリットには明確な条件があり、誰にでも当てはまるわけではありません。
| メリットと言われること | 実際のところ |
|---|---|
| 節税になる(相続税の低減) | 評価額が下がる場合があるが、売却時に利益が出にくくなる面もある。制度の要件次第で効果が変わるため、必ずしも節税になるとは限らない |
| 資金負担が軽減される | 複数人で購入すれば一人当たりの負担は減るが、同時に自由な処分権を失う。購入時の負担軽減と、将来の売りにくさを天秤にかける必要がある |
| 住宅ローン審査が通りやすくなる | 連帯債務型やペアローンでは収入合算が可能だが、離婚や関係悪化時のリスクが大きい。審査の通りやすさと引き換えに、長期的なしがらみを抱えることになる |
共有持分のメリットが活きるのは、「共有者全員が将来にわたって意見が一致し、関係が良好であり続ける」という理想的な条件下だけです。現実には、ライフステージの変化や相続による権利の分散で、この条件を維持するのは非常に難しいと言わざるを得ません。
共有持分でも「持ってもいい」と言えるのは、どんなケースか
ここまで「やめとけ」の理由を中心に説明してきましたが、以下の条件がすべて揃う場合に限り、共有持分を選択する合理性が生まれます。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| ①共有者全員の意見が一致している | 売却・活用・維持管理の方針について、全員が同じ認識を持っている |
| ②共有者が2〜3人で増えない | お互いに子どもがいない、または生前に遺産分割の方針を明確にしている |
| ③関係が良好で、将来的にも維持できる見込みがある | 金銭面でのトラブル履歴がなく、コミュニケーションが取れている |
| ④売却や担保活用の予定が当面ない | 少なくとも5〜10年単位で不動産の現状維持が確定している |
| ⑤維持費の負担ルールを書面で決めている | 固定資産税や修繕費の分担方法を明確にしている |
これらの条件が1つでも欠ける場合、「やめとけ」のリスクがメリットを上回る可能性が高いと考えましょう。

こんな人は特に「共有持分はやめとけ」
以下の条件に1つでも当てはまる人は、共有持分を持つことを慎重に検討したほうがいいでしょう。
| 条件 | 理由 |
|---|---|
| 将来的に不動産を売る可能性がある | 共有者の同意が必要になり、売却が困難または長期化するリスクがある |
| 共有者と関係が良くない、または疎遠 | 意見対立が起きたときに調整が難しく、放置状態になりやすい |
| 連絡が取りづらい共有者がいる | 同意を得るための連絡すらできず、実質的に不動産が凍結される |
| 単独で意思決定したいタイプ | 共有は常に「誰かの同意」が必要。スピード感のある判断ができない |
| 不動産を担保に融資を受ける可能性がある | 共有持分のみを担保とする融資は、一般的な金融機関ではほとんど対応していない |
| 「とりあえず共有で」と言われている | 「とりあえず」で始めた共有は、後々のトラブルの火種になりやすい |

【比較表】共有持分を解消する4つの手段
「やめとけ」と言われる共有持分ですが、すでに持ってしまった場合、解消する方法はいくつかあります。ここでは代表的な4つの手段を、手間・時間・費用・確実性・揉めにくさの観点で比較します。
| 手段 | 概要 | 手間 | 時間 | 費用 | 確実性 | 揉めにくさ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 持分売却(買取業者) | 自分の持分だけを専門業者に買い取ってもらう | 低い〜普通 | 短い(1〜2カ月程度) | ほぼなし(査定無料が一般的) | 高い(買取条件が合えば確実) | 比較的揉めにくい(他共有者の同意は不要) |
| 不動産全体の売却 | 全員の同意を得て、物件全体を売却し現金を分配 | 高い | 中〜長期(同意を得る交渉次第) | 仲介手数料・登記費用など | 全員同意が必要で不確実 | 揉めやすい(意見対立が起きやすい) |
| 共有持分の放棄 | 自分の持分を無償で放棄する(民法255条) | 低い | 短い | 登記費用程度 | 高い(放棄は一方的に可能) | 相手方に負担が移るため関係次第 |
| 共有物分割請求 | 裁判所を通じて共有関係を強制的に解消する | 非常に高い | 長期(半年〜1年以上) | 高い(弁護士費用・裁判費用など数十万〜) | 高い(最終的に裁判所が決める) | 最も揉める(法的手続きで対立) |

共有物分割請求には3つの方法がある
共有物分割請求と一言で言っても、実際に裁判所が選ぶ分割方法は以下の3つに分かれます。
- 現物分割:土地を物理的に区画分割する方法。全員が独立した土地を持てる場合に有効だが、狭小地や建物が建っている土地では難しい
- 換価分割(代金分割):不動産を一括売却し、売却代金を持分割合に応じて分配する方法。現金化したい人に適している
- 価格賠償(代償分割):共有者の1人が他の共有者の持分を時価で買い取り、単独所有者になる方法。買い取る側に資金力が必要
どの方法になるかは裁判所が判断しますが、共有持分を現金化したい場合は「換価分割」を希望することになります。
それぞれの手段が向く人・向かない人
持分売却(買取業者)が向く人
- 「とにかく現金化して手放したい」人
- 他の共有者に知られたくない人(持分売却は他共有者の同意不要)
- 時間や手間をかけたくない人
- 共有者と揉めずに解決したい人
不動産全体の売却が向く人
- 全員の意見が一致している、または一致させられる可能性が高い人
- 市場価格に近い金額で売却したい人
- 共有者同士の関係が良好な人
共有持分の放棄が向く人
- 持分に実質的な価値がなく、維持費だけがかかっている人
- 「もう関わりたくない」と強く思っている人
- 他の共有者に負担が行くことを承知している人
注意
放棄した持分は他の共有者に自動的に帰属するため、相手方にとっては「負担だけが増える」結果になります。また、放棄後の登記手続きや、放棄が時効により無効になるケースもあるため、事前に司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。
共有物分割請求が向く人
- 話し合いが完全に決裂している人
- 持分の時価での買取りを相手に強制したい人
- 時間と費用をかけても解決したい人
最も現実的な選択肢として、多くのケースで「持分売却(買取業者)」が選ばれています。理由は、他共有者の同意が不要で、比較的短期間で現金化でき、関係悪化のリスクが低いためです。
共有持分で困ったら、まず何をするべきか

「共有持分で悩んでいるけど、何から始めればいいのかわからない」という人は、以下のステップで進めてみてください。
ステップ1:現状を整理する
まずは以下の情報を書き出してみましょう。
- 自分の持分割合
- 共有者の人数と関係(連絡は取れるか、関係は良好か)
- 物件の種類(土地・戸建て・マンション)と状態(空き家・居住中・更地)
- 現在の固定資産税や維持費の支払い状況
- 自分がどうしたいか(売却・解消・放置を続ける)
ステップ2:複数の選択肢を比較する
現状が整理できたら、自分に合った解消手段を検討します。判断に迷う場合は、複数の専門家や業者に一度問い合わせてみると、選択肢の現実的な比較ができます。
共有持分は、物件の状態だけでなく、持分割合、他共有者との関係、占有状況によって査定条件や解決のしやすさが大きく変わります。1社だけで判断するのはリスクです。共有持分や訳あり不動産に慣れた複数の会社を比較することで、手取り額や進め方、対応の違いが見えてきます。「共有持分の買取に対応しているかどうか」はもちろん、「他共有者の同意なしで進められるか」「秘密は守られるか」といった点も、比較の際に確認しておきましょう。
ステップ3:専門家に相談するタイミングを見極める
以下のようなケースでは、早めに弁護士や司法書士などの専門家に相談したほうがよいでしょう。
- 共有者との話し合いが完全に決裂している
- すでに裁判や調停の段階に入っている
- 共有者が行方不明で連絡が取れない
- 相続登記が未了で権利関係が複雑
- 税金(相続税・譲渡所得税)の試算が必要
買取業者の無料査定や相談は最初の一歩として使いやすいですが、法的な問題が絡む場合は専門家の力を借りることを検討してください。

共有持分の売却で迷ったら
共有持分に強い買取業者を比較
共有持分は、一般的な不動産よりも権利関係や共有者との調整が問題になりやすい分野です。 高く・早く・安全に売却を進めるには、共有持分や訳あり不動産の買取に慣れた専門業者を複数比較することが大切です。
ワケガイ
株式会社ネクスウィル
共有持分を含む訳あり不動産を、全国対応の専門会社に相談したい人向け
- スタッフ全員が宅地建物取引士
- 士業連携あり
- 契約不適合責任の免責相談可
ラクウル
株式会社ネクサスプロパティマネジメント
スピード感を重視して、現況のまま早めに整理したい人向け
- AI査定あり
- 自社直接買取
- 弁護士・司法書士連携
成仏不動産
マークスライフ株式会社
共有持分に加えて、事故物件や相続・残置物問題もある人向け
- 事故物件特化
- 特殊清掃・遺品整理対応
- 相続・税務相談も視野
| 業者名 | 対応エリア | 共有持分との相性 | スピード | 費用 | 特徴 | 相談先 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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※ 買取価格や対応可否は、物件の所在地、持分割合、共有者との関係、登記状況、残置物の有無などで変わります。 共有持分の売却では、1社だけで決めず、複数社の査定条件を比較することをおすすめします。
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よくある質問(FAQ)
共有持分は本当にやめたほうがいいですか?
多くの人にとって「やめておいたほうがいい」と言えます。特に、将来的に売却や活用の可能性がある場合、共有者との関係が良好でない場合、単独で意思決定したい場合は、共有持分を避けるほうが無難です。ただし、共有者全員が将来にわたって意見を一致させられる確約がある場合は、例外的に検討の余地があります。
共有持分のメリットは一切ないのですか?
メリットがないわけではありません。購入時の資金負担が軽減される、相続税評価額が下がる場合があるなどの利点はあります。ただし、それらのメリットは「将来にわたって共有者間で揉めない」という条件が揃った場合に限られます。メリットを享受できるのは限定的なケースと理解しておきましょう。
共有持分は放棄できますか?
民法255条により、共有持分を放棄することは可能です。ただし、放棄した持分は他の共有者に帰属するため、相手方に負担が生じることになります。また、放棄後も登記上の手続きが必要になるケースがあり、単純に「手放せば終わり」とはならない点に注意が必要です。放棄を検討する場合は、事前に司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。
共有持分を売却するとき、他の共有者の同意は必要ですか?
民法206条により、自分の持分だけを売却する場合、他の共有者の同意は不要です。ただし、共有者には「優先買取権」があると解釈されるケースがあり、事前に通知しないと後々トラブルになる可能性があります。また、不動産全体を売却する場合は、共有者全員の同意が必要です(民法251条)。
共有持分の売却価格はどのくらい安くなりますか?
一般的に、市場価格×持分割合の30〜50%程度が買取相場と言われています。2,000万円の不動産の50%持分(理論値1,000万円)でも、実際の買取額は300万〜500万円程度になることが珍しくありません。この価格差は、活用制限やトラブルリスクを反映したものです。
共有持分を放置するとどうなりますか?
放置することで以下のリスクが発生します。
- 固定資産税の滞納による財産差し押さえ
- 物件の老朽化・価値低下
- 相続による権利関係の複雑化
- 共有者の増加による意思決定のさらなる困難化
- 2024年からの相続登記義務化により、放置すると過料のリスクも
「今は困っていないから」と放置するほど、後々の解決が難しくなる傾向があります。
相続で共有持分にならないようにするにはどうすればいいですか?
相続時に共有状態を避ける方法としては以下があります。
- 遺言書で特定の相続人に単独相続させる
- 遺産分割協議で現金や他の財産と交換する(代償分割)
- 不動産を売却して現金を分割する(換価分割)
- 信託を活用して管理を一本化する
いずれも相続発生後の話し合いや事前の対策が必要です。「とりあえず共有で」という選択を避けることが、将来のトラブル防止につながります。
まとめ:共有持分は「やめとけ」で終わらせず、次の一手を考えよう
共有持分が「やめとけ」と言われる理由は、以下の6つのデメリットに集約されます。
- 不動産を自由に売却・活用できない
- 共有者間の意見対立で人間関係が悪化する
- 売却価格が大幅に下がる
- 固定資産税・維持費の負担で揉める
- 相続が発生するたびに権利関係が複雑化する
- 共有者が占有している場合、追い出せない
ただし、すでに共有持分を持っている場合でも、選択肢はあります。「放置」が最大のリスクです。共有持分は時間が経つほど権利関係が複雑化し、解決が難しくなります。2024年からの相続登記義務化もあり、法制度の面からも「放置できない」時代になっています。
まずは現状を整理し、買取業者への相談や専門家への相談を検討してみてください。共有持分に特化した会社であれば、無料で査定や相談を受け付けているケースがほとんどです。「やめとけ」と言われる理由を知ったうえで、次の一手を考えることが、共有持分問題を解決する第一歩になります。